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管理職研修とは?目的や実施する際の6つのポイントをご紹介

作成者: スタンバイ制作チーム|2022/11/09

1.管理職研修が必要とされる背景

管理職は、組織をリードする重要な存在です。組織が正しい方向に進み、成果を上げるためには、管理職の悩みを解決する必要があります。管理職研修は、管理職特有の悩みを解決するために必要です。

管理職が抱えやすい悩みとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • チームマネジメントに関する悩み
  • 関係者との各種調整に関する悩み
  • 部下に関する悩み
  • 管理職としての自身に関する悩み

管理職は、部署を統括する存在です。そのため、チームマネジメントに関する悩みを抱えることが多くあります。

また、管理職には経営層・直属上司・同期・他部署・部下など、さまざまな関係者が存在します。あらゆる関係者と連携をとるうえで、うまく調整できず、トラブルが発生する場合もあるでしょう。

部下の育成やマネジメントも、管理職の重要な役割です。部下にうまく指導できなかったり、部下に仕事を振れなかったりといった悩みも、管理職特有です。

さらに、現場で業務を行うプレイヤーとしての自身と管理職としてマネジメントを行う自身のバランスが取れず、悩む管理職も増えています。

このような管理職特有の悩みを解決し、管理職を育成するために、管理職研修が必要とされるのです。

2.管理職研修の目的

前述のとおり、管理職研修は管理職の悩みを解決することを目的に行われ、テーマごとにさまざまな研修が存在します。

研修ごとにさらに個別に目的が定められており、目的に応じて研修内容も異なるのです。ここでは管理職研修の目的のうち、以下の3つについて解説します。

  • 組織全体の生産性を高めるため
  • 従業員エンゲージメントを高めるため
  • 企業として変化に対応しやすくするため

2-1.組織全体の生産性を高めるため

ITが発展して企業間競争が激しくなっている昨今、生産性の向上は重要性を増しています。

組織全体の生産性の向上は、管理職の重要な役割です。管理職研修で業務の効率を上げるための戦略立案を学び、それを管理職が現場で実践することで、組織の生産性アップにつながります。このように、組織全体の生産性を高めることを目的に、管理職研修が行われることが多いです。

2-2.従業員エンゲージメントを高めるため

組織を活性化させたり、メンバーを定着させたりするためには、従業員エンゲージメントを高めることが重要です。従業員エンゲージメントの高い組織づくりには、生産性を向上させる効果も期待できます。

管理職研修で従業員エンゲージメントの高め方を学び、組織づくりに実践することで、働きがいのある職場づくりが可能です。このように、従業員エンゲージメントを高めることを目的に、管理職研修が行われることがあります。

 

 

2-3.企業として変化に対応しやすくするため

ビジネス環境の変化がめざましい現在、管理職に求められるマネジメントのあり方も変化しています。管理職研修で、環境変化に対応するためのマネジメントや業務改善などについて学び、それを管理職が現場で実践することで、変化に対応できる組織が実現するのです。

企業として環境の変化に対応しやすくするために、管理職研修が行われることもあります。

3.管理職研修の種類

ひと口に管理職研修と言っても、管理職になったばかりの新人管理職と経営を担う上級管理職では、実施すべき研修の内容が異なります。まずは、それぞれの管理職のポジションや業務内容を理解し、管理職研修の設計に役立てましょう。

ここでは、以下の3種類の研修について、目的や内容などを解説します。

  • 新任管理職
  • 中間管理職
  • 上級管理職

3-1.新任管理職

管理職としてのポジションを与えられたばかりの新任管理職の場合、管理職の役割を認識してもらうことや、管理職に必要な基本スキルを身につけてもらうことを目的に研修を行います。

新任管理職は、上司を補佐しながら現場の運営責任者として業務を行うことが多いです。そのため、現場で働きながらも責任者として従業員の能力を向上させ、成果を出すことが求められます。

管理職はマネジメントスキルに加え、予算管理に必要な財務・計算管理スキルやコンプライアンス、メンタルヘルスへの理解などが求められることも多いです。これらの基本的なスキルを習得できるような研修にしましょう。

3-2.中間管理職

中間管理職は、新任管理職と上級管理職の間のポジションとして、部署に対して責任を持つ役職のことです。いわゆる課長のように、新任管理職をサポートしながら経営に携わる上級管理職を補佐することが求められます。

中間管理職にはマネジメントスキルが重要です。中間管理職の研修は、マネジメントスキルが身につく内容にしましょう。

3-3.上級管理職

上級管理職とは、経営を担う上層部のポジションのことで、部長が該当します。会社全体で見ると、役員とともに経営を進める役割を果たします。また、部署で見ると、部の戦略を策定したり、成果を上げるために組織に変革をもたらしたりといった役割を担う重要なポジションです。

上級管理職の研修は、中間管理職や新任管理職との違いを自覚させ、経営に関するスキルを身につけてもらうことを目的に行いましょう。

4.管理職に求められる役割

管理職研修を実のあるものにするためには、管理職に求められる役割を理解し、それを管理職にわかってもらう内容や、役割を全うするために必要なスキルを習得できる内容にすることが大切です。

管理職には、以下のような役割が求められます。

  • 組織全体の業務管理
  • リスクマネジメント
  • 経営方針の浸透
  • 経営層と現場の橋渡し
  • 生産性の向上
  • 部下の育成

ここでは、それぞれの役割について解説します。

4-1.組織全体の業務管理

管理職は、自分の目の前の業務だけでなく、チーム全体の業務を把握し、進捗管理を行う必要があります。時にはチームだけでなく、会社全体を見据えた業務管理が必要になることもあるのです。

管理職だけが全体の業務を把握しているという状況では、万が一その人がいなくなった場合、業務が回らなくなってしまいます。そのため、管理職自身が業務を把握して管理するだけでなく、チーム全体がPDCAサイクルを回して業務管理を行える体制づくりを進めることが必要です。

4-2.リスクマネジメント

リスクマネジメントには、リスクアセスメントとリスク対応があります。リスクアセスメントとは、起こりうるリスクを特定・分析し、損失の度合いを評価することです。リスクは、発生可能性と損失の大きさで表せます。そして、明らかになったリスクに対して、回避や低減などの適切な対応を行います。

管理職に求められるのは、業務において起こりうるリスクを想定し、それを事前に回避、あるいは抑えるための対策を行うリスクマネジメントです。組織の業務を把握するだけでなく、損失が発生しうるリスクをリストアップし、それぞれへの対応方法を検討する必要があります。

4-3.経営方針の浸透

管理職には、経営層が掲げる経営方針や理念・ビジョンなどを現場に浸透させることも求められます。組織として成果を出すためには、チーム全員が同じ方向を向くことが必要です。

管理職は、経営方針やビジョンなどを理解し、それを詳しくチームに伝えて浸透させるよう努めましょう。経営方針やビジョンは、短期的な努力で浸透させられるものではありません。チームメンバーと密にコミュニケーションを取りながら、徐々に浸透させていくことが重要です。

4-4.経営層と現場の橋渡し

管理職には、自らプレイヤーとして業務を行いながら、経営者としての視点を持つことが求められます。経営層と現場の中間に位置するポジションとして、経営層と現場の橋渡しという重要な役割を担うのです。

経営方針の浸透をはじめとして、管理職には経営層の考えを理解して現場に伝えていくことが求められます。また、現場の状況や業務の進捗などを経営層に報告することも、管理職の重要な仕事です。現場で何か問題が発生しているのならば、経営層に相談して解決策を模索します。

4-5.生産性の向上

組織の生産性を向上させることも、管理職の重要な役割です。生産性を向上させることで、業務の効率がアップし、無駄なく大きな利益を得られます。生産性の向上のためには、目標を設定して組織の方向性を統一し、メンバーそれぞれの適性を活かした人員配置を行うことが重要です。

社員同士のコミュニケーションの機会を積極的に設けることや、社員のモチベーションやスキルを向上させる取り組みを行うことも有効です。このような生産性向上のための取り組みは、組織をマネジメントする立場である管理職が行いましょう。

4-6.部下の育成

組織として成果を上げるためには、メンバー全体の成長が必要です。管理職には、自身の成長を追求することだけでなく、部下の育成にも注力することが求められます。部下の能力が向上しているかを気にかけたり、適宜フィードバックを与えたり、成長のためにサポートを行ったりしましょう。

部下一人ひとりの志向や能力を理解したうえで、それぞれに合った目標を設定することも管理職の重要な役割です。適切な目標を設定し、目標の達成に向けてサポートすることで、部下の成長を促せます。必要によっては、部下のキャリアプランの相談に乗ることも大切です。

 

5.管理職研修を実施するときの6つのポイント

管理職研修を実施する際は、以下の6つのポイントを心がけましょう。

  • 人事側が研修の目的を明確にする
  • 具体的な行動レベルまで落とし込んで理解してもらう
  • 自社の現状に即した研修内容にする
  • 外部のリソースを有効活用する
  • スキル・マインドの両軸でアプローチする
  • 研修後も継続して実践する

ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

5-1.人事側が研修の目的を明確にする

管理職研修を有意義なものにするためには、事前に目的を明確にすることが大切です。研修の目的を明らかにすることで、参加者はより多くの学びを吸収できます。そのため、人事側が管理職研修を実施する目的を理解し、それを参加者に伝えるようにしましょう。

目的と同時に、参加者に期待する行動変容についても伝えると効果的です。研修終了後の姿が具体的にイメージできるようになるだけでなく、会社から期待されていることを認識でき、研修へのモチベーションが高まります。

5-2.具体的な行動レベルまで落とし込んで理解してもらう

研修内容をより理解してもらうためには、具体的な行動レベルまで落とし込んで解説することが大切です。一般論を解説するだけでなく、実際の業務を想定したケースワークで実践してもらうことで、研修内容をより噛み砕いて理解してもらえます。

また、具体的な行動レベルに落とし込むことで、研修で学んだ内容を現場でスムーズに実践してもらえる可能性が高いです。

5-3.自社の現状に即した研修内容にする

研修内容を、自社の現状に合わせて柔軟に変化させることも重要です。自社の状況とあまりにもかけ離れた内容では現実味がなく、学びを吸収しにくいです。チームの男女比や属性などによって、効果的なマネジメント手法は異なります。同じチームマネジメントに関する研修でも、自社の状況に合わせて教えるべき手法は変わるのです。

会社によって、管理職に求める役割もさまざまです。他社の研修をそのまま使用したり、毎年同じ研修を使い回したりせず、現在の自社の状況に合わせて柔軟にカスタマイズしましょう。

5-4.外部のリソースを有効活用する

管理職研修は、自社だけで設計・実施することは難しいです。なぜなら、管理職にはさまざまなスキルが求められ、それを研修でカバーするためには幅広い知識やノウハウが必要になるためです。

管理職研修を実施する際は、外部企業に依頼しましょう。研修サービスを専門に提供する会社なら、自社に合わせたカリキュラムを設計し、各分野に明るい専門の講師が研修を担当してくれます。

5-5.スキル・マインドの両軸でアプローチする

管理職研修では、スキルとマインドの両方が身につく内容を設計することが理想的です。例えば、座学でチーム内コミュニケーションの重要性や理由を解説した後、ロールプレイング形式で円滑なコミュニケーションの取り方を実践させることで、チーム内コミュニケーションに関するスキルとマインドの双方が身につきます。

スキル・マインドのどちらも習得できるカリキュラムであれば、研修で習ったことを実際の現場で活かしやすいでしょう。

5-6.研修後も継続して実践する

研修は、実施して終わりではありません。研修後は、研修で学んだことを実践し続けることが重要です。研修後に実践できる取り組みとしては、管理職とチームメンバーの面談の機会を積極的に設けることや、チームの業務を管理できる仕組みづくりなどが挙げられます。

研修後の参加者の行動にこうした変化が起こるよう、人事側がアフターフォローを行うことも重要です。

6.効果的な管理職研修で組織の成果につなげる

この記事では、管理職研修についての必要性や目的、管理職に求められる役割、研修を実施する際のポイントについて解説しました。

管理職研修は管理職の悩みを解決し、組織が成果を上げるために重要な役割を果たします。漠然とカリキュラムを組むのではなく、管理職に求められる役割を理解し、記事でご紹介したポイントを参考にすることで、実際の現場に活かせる研修を設計してみてください。