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適性検査にはどんな種類がある?代表的な適性検査をご紹介

作成者: スタンバイ制作チーム|2022/06/10

1.適性検査の種類


適性検査には多種多様な検査があり、検査によって検査できるポイントや検査方法が異なります。一番のシェアを誇る「SPI」は、聞いたことがあるかと思います。ここでは、代表的な適性検査の種類をご紹介します。

1-1.SPI3-G

適性検査の中で一番のシェアを誇るのが「SPI3」です。SPIは、リクルートが開発、販売している適性検査で、能力検査だけでなく性格検査を併せ持つ検査です。学生、転職者問わず使用され、適性検査の代表ともいえる存在です。

Synthetic Personality Inventoryの頭文字を取り、SPIと名付けられました。バージョンアップを重ね、2013年にSPI3になっています。SPIは学歴や職種ごとに種類が分かれています。

「SPI3-G」は、転職者向けのSPIです。新卒者向けのSPIは「SPI3-U」で、「SPI3-G」の方が難易度が高いといわれています。検査方法はテストセンター形式とWebテスト形式、筆記形式の3種類あります。

1-2.玉手箱Ⅲ

「玉手箱Ⅲ」は、SPIの次にメジャーな適性検査といえる存在です。SPIと同様に、知的検査と性格検査の両面から検査できるスタンダードな適性検査です。日本エス・エイチ・エルが販売しています。

SPIは本屋にも問題集が多数あり、対策が出回っていることから、玉手箱Ⅲを採用する企業もあるようです。検査方法として、筆記形式だけでなくWebテスト形式も採用されています。

1-3.GAB

「GAB(ギャブ)」は、玉手箱Ⅲと同様に日本エス・エイチ・エルが販売している適性検査です。元々は、新卒総合職の採用を目的として開発されました。さまざまな職種を対象としていることから、認知度が高い適性検査の一つです。

知的能力よりも性格適性が重視される検査で、試験の時間制限が厳しいため、事務処理能力が求められます。検査方法は、筆記形式とWebテスト形式が採用されています。

1-4.CAB

「CAB(キャブ)」は、玉手箱ⅢやGABと同じく日本エス・エイチ・エルが販売している適性検査です。プログラマーやSEなどのコンピュータ職の適性を診断する検査です。IT業界を中心として、金融業界やゲーム業界、といった幅広い業界で採用されています。

事務処理能力や法則性を測る問題があるのが特徴です。検査方法は筆記形式とWebテスト形式です。

1-5.内田クレペリン検査

「内田クレペリン検査」は、「作業検査法」という心理検査の一つです。制限時間中に簡単な足し算を解き続けることで、作業の処理能力を測ります。作業量や作業の特徴から、知的能力や性格適性を分析します。

英語版、中国版があるため、外国人の適性検査に使用できるのが、ほかの適性検査との差別化ポイントです。

 

 

2.適性検査のテスト形式


適性検査には、筆記試験やパソコンでの試験といった解答方法があります。試験会場も、企業が用意した会場だけでなく、適性検査提供会社が用意した会場の場合や受験者のパソコンで受験する場合など多種多様です。

メリットやデメリットを理解し、自社の状況に合わせたテスト形式を採用する必要があります。ここでは、代表的な適性検査のテスト形式についてご紹介します。

2-1.筆記形式

「筆記形式」は、試験会場内で解答用紙に解答を書き込むテスト形式です。一般的にはマークシート方式が採用されていますが、記入式の場合もあります。会場や問題用紙、解答用紙の準備が必要です。

提供会社が採点してくれるものと、自社で採点するものがあります。自社で採点する場合、労力は必要ですが、採点結果がすぐにわかるメリットもあります。

2-2.インハウス形式

「インハウス形式」は、試験会場にあるパソコンで適性検査を実施するテスト形式です。検査実施後すぐに結果が出せます。採点の時間と労力を削減できるメリットがある反面、受験人数分のパソコンが必要です。パソコンの台数が不足している場合、試験時間をずらすといった対応が必要です。

2-3.テストセンター形式

「テストセンター形式」は、自社でテストを開催するのではなく、適性検査提供会社が開催するテストです。適性検査提供会社が全国各地に用意した会場内で受験します。検査はパソコンを使用するのが一般的です。

採用担当は、適性検査提供会社と提携することで、会場やパソコン、日程の手配や試験運営、採点といった適性検査に必要な業務を自分で行う必要がありません。ただし、委託料が発生します。

適性検査に必要なパソコンがない場合や検査を開催する時間がない場合は、テストセンター形式を利用するのも一つの方法でしょう。

2-4.Webテスト形式

「Webテスト形式」は受験者自身のパソコンでインターネットを利用して受験するテスト形式です。会場に出向かずに試験を受けられるため、遠隔地に住んでいる受験者の負担を減らせます。

採用担当側も、会場やパソコンを手配する必要がない点もメリットです。ただし、受験している様子を確認できるわけではありません。不正のリスクがあることを理解しておきましょう。

3.適性検査のテスト方式


適性検査のテスト方式には、「ノーマティブ方式」と「イプサティブ方式」があります。ノーマティブ方式は簡単に解答できる一方、解答操作ができてしまうことがデメリットです。

イプサティブ方式は、簡単に解答操作はできません。ただし、解答に時間がかかることはデメリットです。採用において適性検査の評価をどの程度の比重にするのかで、どちらのテスト方式がよいのかを選びましょう。

3-1.ノーマティブ方式

ノーマティブ方式は質問に対し、2~5個の選択肢の中から、該当する解答を選ぶテスト方式です。問題が単純であることが多く、受験者が迷わず解答できる点がメリットです。一方、問題の傾向から企業が求めていそうな人物像を想定して解答することもできます

特に、ノーマティブ方式に慣れている受験者であれば、解答操作を行う可能性も否定できません。そのため、実際の人物像とは異なる結果が出るリスクがあることを理解しておきましょう。

3-2.イプサティブ方式

イプサティブ方式は複数の質問の中から、「自分に該当する項目または該当しない項目」を選択するテスト方式です。1つの質問ではなく、複数の質問で1つの解答となります。

選択肢が多く、判断に迷ってしまうことから、受験者にとっては時間がかかるデメリットがある反面、解答操作が難しいことは採用側にとってはメリットです。

解答に時間がかかることから、イプサティブ方式を採用している適性検査は多くありません。しかし、解答操作ができない適性検査を実施したいのであれば、イプサティブ方式はおすすめのテスト方式といえるでしょう。

4.適性検査の目的


適性検査の目的は、雇用のミスマッチを防止できることです。社員は知識や能力が高ければいいわけではありません。性格的な適性も社員に必要です。適性検査をすることで、採用判断や、配属先選定の判断材料になるのです。

また、基礎能力や人間特性を可視化することも目的といえます。受験者だけでなく、既存社員のデータを分析することで、採用基準の一つになるでしょう。つまり、適性検査には、採用判断だけでなく、今後の採用基準を決めることも目的になるというわけです。

ここでは、適性検査の目的について解説します。

4-1.雇用のミスマッチ防止

適性検査の目的として挙げられるのは、雇用のミスマッチ防止です。どんなに知識があっても、性格的に合わなければ、自社で働き続けることは難しいでしょう。適性検査をすることで、そもそも自社に合っている人物なのかがわかり、離職率低減につなげられます

さらに、適性検査の種類によっては、受験者に適した職種や働き方、相性のいい上司がわかるものもあります。受験者の適性がわかることで、配属先を決める判断材料にもなるでしょう。

雇用のミスマッチ防止において、適性検査の役割は大きな役割を果たすものといえます。

4-2.基礎能力の数値化

基礎能力を数値化することも適性検査の目的です。適性検査では、受験者の言語能力と非言語能力を数値化します。言語能力は、国語や一般常識の問題です。社会人としての最低限必要な知識を持ち合わせているかを確かめます。非言語能力は、数学や推論のテストのようなものです。計算能力や論理的に考える力があるかを観察します。

基礎能力を数値化することで、客観的に適性を判断することができます。継続して採用活動に利用し、検査結果を分析していけば、採用判断の材料として精度が高いものになります。受験者数が多いSPIであれば、一般的なデータとの比較分析も可能です。

既存社員に適性検査を受けさせ、そのデータから特性を分析する方法もあります。基礎能力を数値化により、採用における判断材料を増やせることが、目的といえるでしょう。

4-3.人物特性の可視化

人物特性を可視化することも適性検査の目的の一つです。性格や価値観といった受験者が持つ人物特性は、面接でも測ることもできるでしょう。しかし、面接だけで人物特性を言語化するのは簡単ではありません。

面接だけでなら、自分を偽ることもできるはずです。面接官によって印象が異なるケースも考えられるでしょう。適性検査をすることで、人物特性を可視化できます。同じ基準のもと、可視化しているため、採点者によって結果が異なることもありません。

また、面接時との印象の違いを知ることもできます。適性検査で人物特性を可視化することで、どのような人物なのかを客観的に分析することにつながるでしょう。

 

 

5.適性検査の種類を把握して自社に適した適性検査を選ぼう


適性検査には多種多様な検査があり、検査方法も検査によって異なります。解答方法には筆記やパソコンがあり、会場も企業が用意するだけではありません。適性検査提供会社が用意した会場の場合や、受験者のパソコンで受験する場合があります。

適性検査のテスト方式には、ノーマティブ方式とイプサティブ方式があります。ノーマティブ方式は1つの質問に対し、当てはまる解答を選択するため、簡単に解答できる反面、解答を操作できてしまいます。

イプサティブ方式は、複数の質問の中から該当する質問を選択するため、簡単に解答操作はできません。ただし、解答に時間がかかります。

適性検査の目的は、雇用のミスマッチ防止です。社員は知識や能力が高ければいいわけではありません。どんなに知識があっても、性格的に合わなければ、自社で働き続けることは難しいでしょう。

基礎能力や人間特性の可視化も適性検査の目的です。受験者だけでなく、既存社員のデータを分析することで、今後の採用基準を決めることにもつながります。

適性検査の種類や検査方法のメリットやデメリットを理解し、自社の状況に合わせた適性検査を選びましょう。