効率的に採用活動をするためにも、自社の状況や条件に適した方法を選択することが大切です。ここでは、アルバイト採用における募集方法をご紹介します。
求人サイトはインターネット上で求人情報を公開しているサイトです。特に若年層はインターネットを日常的に利用しており、さまざまな情報をインターネットから収集するのが一般的です。
スマートフォンでも利用できるため、時間や場所を問わず多くの求職者に求人情報を閲覧してもらえます。そのため、複数名の採用を検討している企業やスマートフォンと相性のいい若年層を採用したい企業に向いている方法です。
また、求人サイトは記載する情報量の自由度が高く、画像や動画も掲載できます。記載する情報に制限がある紙媒体と比べても、職場の雰囲気を伝えやすいことはメリットです。
ただし、紙媒体と異なり自分の希望する条件で検索するため「元々希望していた条件ではないが、好条件のアルバイト先が見つかった」といった偶然の出会いが少ないことはデメリットといえます。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
求人検索エンジンは、インターネット上で公開されている求人情報を検索するシステムです。例えば、検索窓に「渋谷 カフェバイト」と入力して検索すると、渋谷のカフェバイトの求人情報が表示されます。
求人サイトと同じく、インターネットからさまざまな情報を収集する若年層や複数名を採用したい企業に向いている方法です。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
求人情報誌は、地域の求人情報が掲載された雑誌です。駅やコンビニ、書店といった利用者が多い場所に設置されています。目にとまりやすいため、募集をかけたい地域の求職者を目掛けた採用活動ができます。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
チラシやポスターは、1枚の紙に求人情報が掲載されたものです。新聞に折り込まれたり、ポスティングされたりしています。自宅に届けられるため、求職活動をしていない層に対しても情報を届けられます。
ただし、若年層は新聞を定期購読していない人も少なくありません。そのため、新聞への折込チラシの場合は、ターゲットとなる年齢層は新聞を定期購読している主婦層やシニア層に限定されます。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
スタッフや知人、親族から人材を紹介してもらう募集方法もあります。「リファラル採用」とも言われ、導入する企業が増えている募集方法です。
人物像を知っている人材にアプローチをかけられる反面、紹介者に気を使い基準を満たさなくても不採用にしにくいケースもあり、ミスマッチが発生するリスクがあります。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
ハローワークは、厚生労働省が運営する職業紹介機関です。いわゆる「公共職業安定所」のことで、略して「職安」とも言われます。管轄のハローワークで事業者登録をし、求人申込書を提出すれば募集をかけられます。
担当者と良好な関係を構築できれば、優先的に紹介してもらえるケースがあることは、ハローワーク特有のメリットです。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
人材派遣会社に登録された派遣スタッフの派遣を受け入れる方法もあります。この場合、人材派遣会社と労働派遣契約を締結し、派遣料金を人材派遣会社に支払います。人材派遣会社が間に入る分、通常のアルバイトよりも時給が高く設定される点は注意が必要です。
人材派遣会社にすでに登録されているスタッフを派遣するため、早急に人員を補充したい場合には、おすすめの募集方法です。
ただし、一般派遣では、人材の年齢や性別の指定や、事前に面接実施や履歴書の確認をすることが認められていません。事前にどのような人物が来るのかがわからない点は、デメリットの一つです。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
アルバイトマッチングアプリは「スキマ時間で働きたい人材」と「短時間だけ人手が欲しい企業」をマッチングするサービスです。通常の採用で必要な、面接や採用合否といった手順を省き、お互いの条件が合えばすぐに働くことを前提としています。
繁忙期や急な欠員が出た際に有効です。スキマ時間に働く「ギグワーカー」が増えていることから、注目されているサービスです。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
自社が運営するメディアで採用ページを作成し、募集をかける方法もあります。自分たちが主体になってメッセージを発信できるため、自社の理念や方針に共感した人材の獲得につなげられる可能性が上がります。
求職者がインターネットから情報収集する際は、求人サイトや求人検索エンジンを利用することが一般的です。オウンドメディアの採用ページは求職者の目にとまりにくいことを理解する必要があります。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
SNSを活用して採用活動をする方法もあります。近年では、TwitterやInstagramといったSNSを利用して情報を探す人が増えてきました。
企業アカウントで自社の魅力を伝えることでブランディングをし、求人情報や採用ページへの誘導をすることで、SNSを利用する層に向けた採用活動ができます。オウンドメディアと組み合わせれば、効率的な採用活動が可能です。
コスト |
|
メリット |
|
デメリット |
|
利用に向いている企業 |
|
採用までの基本的な流れは正社員と同様です。ただし、アルバイトで働きたい人は「早く働きたい」と思っている人がほとんどです。そのため、スピード感を持って対応する必要があります。
ここでは、アルバイト採用までの基本的な流れについて解説します。
はじめに募集内容を決めます。求人情報は求職者が最初に目にする情報です。求職者は求人情報をみて応募するかどうかを判断します。そのため、どのような募集内容が書かれているのかが、採用の効果に大きく影響します。以下の情報は明確に記載しましょう。
求人情報に記載する文章からも、自社の魅力や雰囲気を伝えられます。「ママさんが活躍中」「大学生多数」といった既存アルバイトの情報を記載するだけでも、職場の雰囲気が伝わります。
募集内容の次は、募集方法を決めましょう。前述したように、募集方法は紙媒体やWeb媒体、人材派遣など、さまざまなものがあります。募集方法によって適したターゲットやコストが異なります。
すぐに欠員を補充したいのにもかかわらず、SNSでのブランディングをはじめてもなかなか見つからないでしょう。自社がいつどのような人材が欲しいのかを明確にしたうえで、適した方法を選択することが大切です。
募集方法が決まったら、採用に向けて動きます。まずは試験内容を決めましょう。業務によっては、基準を満たすスキルを持つ人材を採用したケースもあります。
その場合、スキルを確認できる試験内容を考えておく必要があります。面接では、事前に質問する内容を決めておくことはもちろん、応募者の緊張をほぐすアイスブレイクも準備しておくとよいでしょう。
また、応募者は自分の質問に対する回答で企業を判断します。応募者の質問に対し曖昧な回答をした場合、不信感も持ち辞退する可能性も考えられます。そのため、応募者の質問に対しては、丁寧かつ具体的に回答するようにしましょう。
アルバイトは正社員とは異なり、すぐに働きたいと考えている人がほとんどです。選考に時間をかけた場合、他のアルバイト先に流れてしまう可能性もあります。そのため、面接から採用決定まではスピード感を持って対応することが大切です。
できれば3日以内、遅くても1週間を目安に対応しましょう。面接時に、いつごろまでに採用結果を連絡するのかを伝えておくことで、応募者は安心します。採用を伝える際は、必要書類を用意してほしい旨を伝えておくと、その後の手続きがスムーズです。
また、アフターフォローも忘れてはいけません。入社後に長く働いてもらうためにも「事前に不安を感じていることはないか」を確認し、不安を解消することはもちろん、入社後も「職場に馴染めているか」「仕事は覚えられたか」を気にかけましょう。
これまでは、求職者がアルバイトを選ぶ代表的な基準は「近い・シフトの融通さ・時給」の3つでした。しかし、近年ではそれに加えて「安心」を求める求職者が増えています。ブラックな環境ではなく、安心して働くことができる職場が求められているのです。
求職者に対し「安心」をアピールするためにも、自社のブランディングの重要性が高まっています。
どのポイントも、求職者の視点で考えることが大切です。ここでは、アルバイトを採用する際の5つのポイントについて解説します。
アルバイトを採用する際のポイントとして挙げられるのは、採用ターゲットの明確化です。採用ターゲットが明確ではない場合、どのような人材を採用すればいいのかわからず、採用後にミスマッチが発生する可能性があります。
採用ターゲットによっても、募集方法は異なります。効率的に採用するためにも「どのような人材を」「いつ」「何人」採用したいのかを明確にしましょう。
2つ目のポイントは、適切な募集方法の選択です。アルバイトを募集方法は多種多様で、間違った募集方法を選択した場合「求人を出しているのに応募がない」「条件を満たさない人材が応募してくる」といった状況が発生します。
これは、採用したい人材と募集方法がマッチしていないことが原因です。求職者によってアルバイト先探しの方法や条件は異なります。シニア層を採用したいのにもかかわらず、SNSで募集をかけても、なかなか応募者は集まりません。
募集地域や時間帯、年齢層をふまえ、適した募集方法を選択しましょう。
3つ目のポイントは、求人情報を詳しく記載することです。いくら適した募集方法を選択しても、求人情報が曖昧では求職者は応募しません。業務内容や勤務時間、時給といった情報を詳しく記載して、はじめて求職者は応募するかを検討します。
ただし、誤った情報を記載してはいけません。応募数を増やすため、求人情報に「高時給」「未経験者歓迎」といった文言を記載するケースがあります。本当にそうであれば問題ありませんが、最低限のPCスキルが必要な業務で、PCスキルがない人材から応募が来ても無駄なコストや手間が発生します
効率よく採用するためにも、求人情報は正しく明確に記載しましょう。
4つ目のポイントは、他社にない魅力の訴求をすることです。給与や業務内容が同じような企業はいくつも存在します。求職者は似たような条件の企業と比較しながら応募先を選択します。
その中から自社を選んでもらうためには、自社ならではの魅力をアピールすることがポイントです。他の企業にはない制度や環境があれば、積極的にアピールしましょう。動画や写真で職場の雰囲気を伝えることも有効です。
特にアピールするポイントが見つからない場合、表現を工夫するだけでもアピールになります。単純に「未経験者歓迎」と書くのではなく「未経験からスタートした先輩がたくさん在籍しています」と書くだけでも印象は異なります。
5つ目のポイントは、採用ターゲットのニーズを把握することです。求職者がアルバイト先を探す場合「うまくやっていけるのか」「休みが臨機応変に取れるのか」といった不安を持っています。
特にアルバイトをする人材は、学生や主婦がほとんどです。学生であれば試験期間や帰省の際に休めるのか、主婦であれば、子どもの行事や急な体調不良の際に休めるのかといった不安を持っています。
「試験期間や帰省を考慮したシフトを組みます」「小さい子どもがいるスタッフも在籍しています」と記載するだけで、自分と同じような境遇のスタッフがいることがわかり、安心します。
採用ターゲットがどのような悩みを持っているのかを想像し、その悩みを解決できるような情報を記載すれば、応募率は高まるでしょう。
近年では「ブラックバイト」という言葉を耳にする機会が増え、安心して働くことができる職場環境を重視する求職者が増えています。求職者の「安心」を保証するためにも、自社のブランディングの重要性が高まっています。
アルバイトでの採用までの基本的な流れは、正社員と変わりません。ただし、アルバイトで働きたい人は「早く働きたい」と思っています。そのため、スピード感を持った対応が必要です。
募集をかける際は、求職者の視点で考える必要があります。採用ターゲットを明確にしたうえで、ターゲットが利用する媒体に求人情報を記載することで、狙った人材からの応募が来ます。効率的に採用活動をするためにも、自社の状況や条件に適した方法を選択しましょう。