昔はビルや塀の壁に貼られたビラや新聞の求人欄など告知スペースもごく限られていましたが、現在はさまざまな方法があり、その多さはどれを利用したほうがいいのか悩むほどです。とはいえ目的は今も同じ「効果的に求める人材の応募を促す」ことには違いありません。
上手に目的を達成するには、今ある採用広告方法について正しく理解し、それぞれのメリットを存分に引き出す必要があります。
ここでは代表的な採用広告を7つご紹介し、それぞれの対象や特徴に沿った効果的な状況について解説します。
採用活動を始めるとき、まず利用するのが求人サイトでしょう。雑誌を買ったり、無料でも取りに行ったりする必要がなく、ネット環境さえあればどこでも情報を得られるなどとても簡単で手軽に利用できるからです。就職活動にいそしむ学生やフリーターだけでなく、キャリアアップを狙う転職者も広く利用されるメディアです。
大きく分けると業種や職種にかたよりのないとにかく求人情報を掲載する「総合型」と、特定の業種や職種、エリアに限った求人を掲載する「特化型」があります。そのためただ「求人サイト」といっても、実際に掲載するときは掲載されている内容を確認することが大切です。
総合型は業種・職種を限定せずとにかく広範囲に告知したい場合に、特化型は特定の求人のみを効率よく告知したい場合に適しています。自社の求人の方向性に合ったものを選びましょう。
求人検索エンジンは、求人サイトと同じようにWebサイトをベースとしていますが、インターネット上の求人情報をまとめて掲載しているため、さまざまなキーワードで検索できるのが特徴です。
Googleのように特定のキーワードで検索すれば、関連する求人情報をまとめて一覧で確認することができます。そのため特定の業種や待遇、働く場所などのポイントを押さえたい求職者におすすめです。
求人したい企業が無料で求人広告を掲載できるサービスもあり、閲覧者が多いためより広い範囲に告知したい場合に適しています。また、有料プランを利用すれば、求人広告を検索結果の上位に表示させるなどより目立つ場所に掲載することも可能です。
採用ニーズに応じてサービスを選べることは、予算を効果的に効率よく使いたい場合に適した方法といえます。
求人情報誌には、求人専門の雑誌やフリーペーパーなどがあります。特定のエリアや業種に限定されていることが多く、無料のため求職者以外の人の目にもとまりやすく、広告を見て転職を思い立つ場合もあるようです。
特にエリア内または同業種・同業界内で求人するときに有効な方法といえます。
新聞広告には、紙面の求人欄への掲載と折込チラシによる求人を含みます。新聞は特定のエリアによって掲載する求人が異なり、また購読者は主婦層やシニア層に多いことが特徴です。
一度に多数の広告を掲載することは稀で、そのためより多くの求職者に告知したい場合には適さない方法といえます。
そもそも新聞を購読する世帯は減少傾向にあり、中でも20~30代の若い世代の一人暮らしは、経済的な事情などから特に少ないといわれています。実家暮らしであれば目にするかもしれませんが、いずれにしても若い世代にはあまり効果的とはいえない方法です。
採用広告としてのチラシ配布やポスターは、告知範囲が限られるため特定のエリアや求人対象に限った求人に適した方法だといえます。
例えば大学や専門学校のキャンパス、就職イベントなどで利用されますが、これらはそもそも求職者が多い場所です。魅力的なキャッチコピーやビジュアルで興味を引き、自社のよいイメージを伝えることで広く認知させることができます。
チラシやポスターは、広告の中でも「アイキャッチ」の役割を果たす媒体です。あまり詳しい情報は掲載せずとにかく興味を引く、直接の問い合わせや自社メディア、自社開催のイベントへ誘導するといった目的のためのメディアといえます。
またコストが抑えられる分、エリアや告知効果が限定されるデメリットも加味して検討することが重要です。
ハローワークには、公共の求職の場として認知されているため多数の求職者が集まります。地域のさまざまな場所に設けられていることから、管轄エリア内の求職者が告知の対象です。
雇用保険の窓口という性質上、利用者として若い世代から年配の世代まで幅広い求職者の目に留まる可能性があります。
求人する側にとっては、求人の登録や応募、採用にコストがかからないことは大きなメリットです。Webデザインや経理・医療事務、製造業などさまざまな職業訓練もあるため、例えば経理やWebデザイナーといった業種には効果が期待できます。
特定の条件にかなう採用には助成金や補助金が受け取れるのもメリットです。
スマホユーザーにはおなじみのTwitterやFacebookといったSNSも、採用広告に利用できます。ソーシャルリクルーティングともいい、SNS上で企業と求職者の双方がそれぞれ情報を公開し、コミュニケーションをとることでお互いを印象付けたり理解を深めたりできるのが特徴です。
もともとSNSには他のユーザーによる反応を見て評価が定まる傾向があります。そのため企業は求職者に対してよりよい印象を持ってもらうといったブランディングへの活用も十分可能です。応募する前に不安なことやわからないことを尋ねるチャネルとしても役立ちます。
そのためSNSは、新卒内定者の採用においても内定辞退者や、採用のミスマッチを減らすといったことが可能です。企業が求職者のSNSアカウントから興味や関心、考え方などを垣間見ることができるのも利用のメリットといえます。
採用広告は掲載する媒体によって届く相手が定まるため、媒体をどれにするかは重要です。それぞれの媒体の特徴を考えれば、こちらが求める人物像が明確であればかなり絞り込むことができます。
重要なのは対象の人物像が「よく目にする媒体」であり、自社の魅力が「伝えやすい媒体」であるかどうかという点です。
エリアや業種問わず予算をかけて広く告知するか、限定してコストを抑えるかによっても選べる媒体は異なります。効果的と考えられる媒体を選び、要素ごとに比較してより効果的な媒体を選ぶようにしましょう。
媒体によっては決断から実際の告知開始までに時間がかかります。採用に人数や期限があれば、掲載後の面接のペースや採否の判断にかかる日数も考慮して掲載日を決めることも重要です。特に広いエリアに告知する、多数を採用する場合はより綿密な計画が求められます。
契約後すぐに告知できる媒体であれば、掲載内容の検討や面接、選考に時間をかけることも可能です。採用後、スムーズに企業の一員となれるよう研修や懇親会、OJTを実施する方法もあります。
求職者が実際に目にする広告は、採用の成否を分ける重要な要素です。そのため素案は担当者がまとめるとしても、採用先の部署の責任者や現場スタッフ、人事担当者など関係者の意見も参考にする必要があります。大切なのは「求める人材の適切な採用」です。関係者全員が認めるほどの内容に仕上げましょう。
まとめるときに注意するのは、次の4点です。
あとは綿密な計画に定められた掲載日の公開を待つだけです。
広告はもちろん、採用活動全体において常に心にとどめておきたい重要ポイントといえます。
採用広告を公開するにあたって、広さや人数といったボリュームの要素を欠かすことはできません。条件を満たしターゲットとなる人材が少ないと推測できる場合は、より広い範囲にわたって公開することで応募が期待できますが、そうでない場合は限定したエリアで特定の媒体だけに限定するという方法もあります。
この2つの方向性は、そのまま広告媒体選びの基準にもなり得ます。広い範囲に公開するなら求人サイトやハローワークといった多種の媒体を並行して、また限定的に公開するなら地域の求人情報誌や折込チラシを利用するというように特徴ごとに自然と絞り込めるからです。
採用広告を選べないなら、求める人物像や採用予定の人数を明確にすることから始めてみましょう。
いくら採用したくても、通常かけられる予算は限られています。またいくら人材が必要でも、会社が傾くほどの費用をかけたからといって必ず採用できるとは限りません。採用広告が公開できる最低限の予算以上であれば、かけられる予算で可能な広告の中から選ぶのが順当です。
予算が限られているのなら、広告の原稿やキャッチコピー、自社の魅力を伝える写真や画像といった「内容」にアイデアを盛り込み、期待できる最大限の効果を目指すという考え方もあります。
自社の将来や理想を担う採用広告も、予算という現実がなくては成り立ちません。あくまで現実を踏まえた上で計画を立てる必要があります。
より具体的に広告の公開に向かうときは、これらのポイントを意識しつつ取り組むことでより効果が期待できます。
極端にいえば、求める人数のターゲットが「この企業に応募しよう」と決意すれば採用広告は成功です。そのためには、より多くのターゲットの目に留まる範囲の、内容の、見栄えの採用広告である必要があります。
媒体選びはもちろん、特定の媒体だけでは不十分な場合は複数で公開するのも効果的です。逆にいくら予算をかけて広範囲で公開しても、ターゲットの目に留まらなければ意味がありません。
採用広告はあくまで、最終目的であるターゲットと、その採用人数であることを常に意識する必要があります。
いくら応募を増やしたいからといっても、求人原稿で「高収入」「残業なし」といった待遇面ばかりが目立ってしまうと、求める人材とはかけ離れた人材ばかりの応募になってしまいかねません。
例えば「未経験者歓迎」ではあっても、その代わりに営業や接客などの経験や適性が必要ならしっかり併記することでミスマッチを防ぐことができます。
また誤解させるような表現は避け、求める人物像も具体的に表記しておくことも大切です。応募後の書類選考や面接にも少なからず時間や手間がかかります。広告公開後についてもできるだけ詳しく想定しておきましょう。
求めるターゲットが、1種類の採用広告だけで応募するとは限りません。複数のチャネルが考えられる場合、予算の範囲内で複数の採用広告を利用する方が効果的です。例えば効果的と考えられる無料・有料の求人サイトと、新聞広告や折込チラシとを併用すれば、より多くの応募が期待できます。
ただし、あまり多くの広告を公開しすぎて、例えばサイトやSNSを更新しなかったり、ポスターを長期間放置したりすれば、求職者に「適当な会社なのか?」と思わせかねません。複数の広告を利用するなら、並行してしっかり管理する体制も整える必要があります。
採用広告は、求めるターゲットとなる人材を、必要な人数採用するのが目的です。内容の具体性や正確さはもちろん、キャッチコピーや写真など目に留まる工夫も盛り込む必要があります。
とはいえ、採用広告も予算の範囲内に収める必要があります。できるだけ効果的な、しかし予算内でというギャップを埋めるのは、携わる担当者の創意工夫とアイデアです。求める採用が実現するよう、広告を種類ごとの特性から適切に選び、上手に活用しましょう。