ここでは、採用ブログの概要や運営の目的をご紹介します。
採用ブログは採用サイトや求人広告などでは伝えきれない会社の魅力を、幅広い角度からコンスタントに発信できるツールです。新卒や中途採用などに限定せず、あらゆる採用候補者にタイムリーな情報を届けます。
ブログという身近なツールによって、社内イベントや仕事中の様子、会社の最新情報などを発信できます。画像や動画を駆使することができ、求職者にも気楽に読んでもらいやすいのが特徴です。
このように、採用ブログを通じて自社の理解を深めてもらい、応募を促すことができます。また、定期的な更新をすることで独自のイメージを作り上げ、ブランディング効果でファンを増やすことも可能です。
採用サイトや求人広告はある程度テンプレートが決まっており、発信する情報は限られます。これに対し、採用ブログはさまざまな切り口で情報を発信でき、会社の魅力を最大限に伝えられるのがメリットです。
更新のタイミングも自由で、伝えたい情報をいつでも伝えたいときに発信できます。画像や動画を自由に活用し、幅広い角度から情報を伝えられるのもメリットです。
また、採用ブログは企業理念や企業の情報を継続的に発信し続けることで、 効果的に企業ブランディングを醸成できます。自社の独自性を伝えて競合他社と差別化し、優位性を高めることができることもメリットです。
自社の公式サイトに採用ブログのページを設ければ、求職者だけでなく幅広い層からの閲覧も期待できます。サイトだけでは分からない会社の魅力が伝わり、マーケティングの観点からのブランディングにも役立ちます。
採用ブログは会社の雰囲気や企業文化をさまざまな角度から伝えられるため、よりリアルに入社後をイメージできます。そのため、入社後に働いてみて価値観が合わなかったというミスマッチを防げるのがメリットです。
ミスマッチによる内定辞退や早期退職を防ぐことができれば、結果採用コストの抑制につながります。
ただし、人材獲得を重視するあまり、自社をより良く見せたいという心理が働く場合もあります。それにより会社のプラス面ばかり強調すると、かえってミスマッチを生む可能性もあるでしょう。自社の抱える課題をありのままに掲載していくことも大切です。
サイトの運営担当者は採用人事や広報としての役割があり、適任者を選ばなければなりません。また、運営メディアは自社のサイト内に作るか、外部サービスを利用するかの2通りがあります。
採用ブログの作り方について、みていきましょう。
まず、採用ブログの運営担当者を決めることから始めます。採用ブログは採用人事の側面だけでなく、広報としての役割もあります。人事部だけでなく、幅広い部署が運営に携われるようにするとよいでしょう。
また、採用ブログは定期的に更新することが必要であり、コンスタントに対応できる体制づくりが欠かせません。各部署からタイムリーな情報が集まる仕組みを作ることも必要になります。
担当者を決めたら、ブログを運営するメディアを決めましょう。運営方法には、自社のサイト内に作成する、もしくは採用系の外部サービスを利用するという方法があります。
自社サイト内に作成する場合は企業のブランド色をより強く発信することができ、外部サービスを利用する場合はコストを抑えてすぐにブログ運営に着手できるのがメリットです。
自社のサイト内に採用ブログのページを設ければ、サイトデザインを統一して企業のブランド色を強めることができます。ブログ記事から自社サイトの関連記事や採用情報ページへリンクするなど、回遊性を高めるというメリットもあります。
自社で作成するのが難しい場合は、外部サービスを利用する方法があります。無料で利用できるサービスも多く、すぐにブログを開設できるのがメリットです。
ただし、デザインが決まっているため、自社サイト内に作る場合と比較して会社の個性を出すのが難しいかもしれません。また、自社サイトに誘導するための仕組みづくりが必要です。
メディアが決まったら、発信する情報のテーマを決めます。多角的に会社の情報を発信できるよう、複数のテーマを作るとよいでしょう。
ブログに掲載するテーマとして、一例をご紹介します。
採用ブログの目的は採用候補者に読んでもらうことであり、候補者が知りたいと思う内容を執筆することが大切です。
また、ブログ記事を飽きずに読んでもらうには、画像や動画の使用が欠かせません。職場の様子など、会社の雰囲気が伝わる画像や動画を載せればより候補者の興味を惹くことができ、効果的です。
これから採用ブログの作成を検討している方に、採用ブログに掲載するのにおすすめの話題と例文をご紹介します。
会社の経営方針や事業戦略は、採用候補者に必ず伝えたい内容です。自社サイトにも掲載はされているものの簡潔にまとめられている場合が多いでしょう。ブログでは、方針や戦略を立てるに至った背景などを詳しく掘り下げることができます。エピソードなどを交え、分かりやすく伝えてください。
記事はインタビューや対談などの形式にするとまとめやすいでしょう。経営方針や事業戦略の内容を伝えるのは経営者や役員の役割で、記事を作成してもらうには時間が必要です。1時間ほどのインタビュー・対談であれば、効率よく記事を作成できます。
(例文)
タイトル:広報部長に我が社の経営方針を語ってもらいました! こんにちは、採用担当の〇〇です。 今回は我が社の広報部長にインタビューし、会社の事業戦略について語ってもらいます! Q.会社の経営方針について、分かりやすく教えていただけますか? Q.経営方針ができあがったのにはどのような背景がありますか? |
経営者からの言葉も、候補者の関心が高いテーマです。特に、どのような新入社員を求めているか経営者の口から直接語られることで、注目を集めるでしょう。
インタビュー形式で候補者が知りたいと思われる内容を聞くのがおすすめです。
(例文)
タイトル:本日は、社長に我が社が求める人材について語ってもらいました! 今日は我が社の社長にインタビューし、求める人物像について詳しく語ってもらいます! Q.今回の採用にあたって、求める人物像を教えてもらえますか? |
採用ブログで欠かせないのが、社員インタビューです。実際に働いている社員の声を届けることで、会社のイメージをより鮮明に伝えることができます。
部署ごとプロジェクトごとなど、できるだけ多くの社員にインタビューするようにしましょう。
なお、社員にインタビューするほか、自己紹介の形で社員自身に記載してもらう方法もあります。
(例文)
タイトル:営業部のAさんにインタビューしました! 今回は、営業部に配属された新入社員のAさんにインタビューしました! Q.入社を決めた動機を教えてください Q.職場の雰囲気はどうですか? 仕事の不安について相談に乗ってくれるなど、コミュニケーションが取りやすい職場です。仕事を頑張ろうというモチベーションが高まるのがいいですね。 Q.3ヵ月働いてみた感想を聞かせてください |
会社説明会やセミナーなど採用に関するイベントの告知や実施後のレポート、社内のイベント紹介などもおすすめのテーマです。候補者にとって採用に関わるイベントは押さえておきたいポイントで、実施後に内容のレポートをすれば参加できなかった候補者にも役立ちます。
入社式や歓迎会など、社内で行うイベントのレポートも候補者にとって関心が高いテーマです。
イベントがテーマのときは、様子が分かる写真や動画を掲載してください。
(例文)
タイトル:入社式が無事終わりました! こんにちは、 採用担当の〇〇です。過ごしやすい陽気になり、桜も少しずつ開花してきましたね。 昨日は10名の新入社員が参加した入社式が行われました。社長の挨拶と祝辞のあとは各部署の代表社員による歓迎の言葉や新入社員代表の挨拶が続き、記念撮影やオリエンテーションが行われました。 オリエンテーションでは、どの新入社員も真剣な表情で話を聞いているのが印象に残ります。 そのあとは懇親会が開かれ、最初は緊張していた新社員の方々も次第に先輩社員と打ち解け、お酒を飲みながら楽しく過ごしました。 |
資格取得や教育費の補助など、社員の成長をサポートする制度を伝えるのも有意義なテーマです。
他社にはない独自の制度や福利厚生は候補者の関心も高く、応募を決めるポイントになるでしょう。ブログ内で積極的にアピールしてください。
(例文)
タイトル:当社の支援制度 こんにちは、人事担当の〇〇です。今回は、当社の社員が利用できるユニークな制度をご紹介しましょう! 当社には指定の資格試験を受験し合格すれば、受験料を会社が支払う制度があります。 また、資格取得の対策講座を受講するときは受講料を〇%補助します。 対象となる資格試験や講座はたくさんあるので、この機会に資格を取得してキャリアアップにつなげましょう! |
企業文化などを言葉で伝えられても、いまひとつイメージできない部分もあります。しかし、社員の日常風景を画像や動画を交えて紹介すれば、職場の雰囲気をより良くイメージできるでしょう。お昼や休憩時間の過ごし方、社員の服装、デスク周りなどを紹介すると、具体的な雰囲気が分かります。
(例文)
タイトル:お昼の過ごし方 今回は社員がお昼休憩をどう過ごしているか、ご紹介します! アンケートをとったところ、お昼は外で食べる人が3割、お弁当持参かコンビニで買ってきて社内で食べる人が7割と、お弁当派が多い結果でした。 社内にはけっこう広い休憩スペースがあり、無料で飲めるお茶やコーヒーも用意されているのもお弁当持参が多い理由でしょう。ソファなどリラックスできるスペースもあり、社員同士の交流の場として人気です。 会社の周りには美味しいランチが食べられるお店も多く、いろいろなお店に行って外食を楽しむ社員も少なくありません。自分はお弁当派ですが、たまに外食するときは美味しいお店の情報を教えてもらうことにしています。 |
自社の新しい商品やサービスの紹介も、採用ブログで取り上げたいテーマです。商品やサービスは自社サイトでも掲載するため、同じような内容では面白みがありません。ブログでは自社サイトができない、別の角度からのアプローチで紹介しましょう。
(例文)
タイトル:新商品の面白い利用法! 先日、新商品の〇〇をご利用いただいたお客様にアンケートを実施したところ、面白い使い方を教えていただきました。 利便性を重視して開発した商品ですが、デザインがユニークであるためインテリアとしておしゃれだと思い、リビングに置いたら雰囲気がとても良くなったということです。 確かにインテリアとしても優れた商品で、新しいアピールポイントになりそうですね! |
社員の1日を紹介するのは、採用ブログの定番です。特に新入社員の1日は、応募を考えている候補者にとって高い関心があるでしょう。1日のスケジュールを紹介して、どのように過ごしているかを伝えてください。入社後をリアルにイメージできるはずです。
(例文)
タイトル:営業部Bさんの1日 今日は4月から営業部で働く新入社員Bさんの1日をご紹介します! 入社から半年が経過して、ようやく1人で取引先を回るのにも慣れてきたということです。
この日は午後から会議や取引先への連絡があるため社内で仕事をしましたが、普段はほとんど外勤しているとのこと。久しぶりに同期と飲み会をして、近況を報告しあいながらリフレッシュできたということです! |
ここでは、採用ブログの運営を成功させるコツをご紹介します。
採用ブログの運用は中長期的な目標を設定して、改善を重ねることが必要です。ブログを始めてもすぐに採用人数が増えるわけではありません。地道に記事を更新しながらアクセスを増やし、自社の理解を深めていくことが大切です。
長期的な視野に立って明確な目標を設定し、PDCAを回して改善を重ねることで、より良いブログができあがります。
記事の作成にはターゲットの設定が必要です。ターゲットを明確にすれば記事の方向性も定まり、狙ったターゲットに響くブログにできます。ターゲットは転職を希望する層と転職潜在層に分類でき、転職を希望する層は自社に関心がある人と、ただ転職をしたいと思っている人に分けることができます。
どのような層をターゲットにするかを細かく絞り込むことで、記事の内容もターゲットに適したものに合わせることができるのです。
採用ブログは開始したらコンスタントに更新することが必須です。常に新しい情報を発信することで読者を増やし、人材獲得の目的を達成することができます。更新が途絶えてしまうのは企業イメージに影響する可能性もあるため、継続できるように意識しましょう。
ただし、更新を重視しすぎて内容が薄くなるのは避けてください。情報としての価値が低い記事が続くと、読者が離れてしまう可能性もあります。
定期的な更新を継続するためには、記事のネタを確保しなければなりません。そのためには社員の協力を得ることが大切です。あらゆる部署のさまざまな年代の社員が記事に関わることで、どのような組織なのかを伝えやすくなります。複数人の協力を得て、話題を提供してもらうとよいでしょう。
定期的に話し合いができる場を作るなど、話題を集める機会を設けるという方法もあります。
いつも決まった担当者が記事を書くのではなく、自己紹介やインタビューなど社員自身の言葉を伝えられるコンテンツを作ることも必要です。新入社員が直接思いを伝える記事は、転職希望者に響くものとなるでしょう。
また、エンジニアなどの専門職には、技術的な話などを直接執筆してもらうのがおすすめです。同じ職種を目指す求職者への力強いメッセージとなるに違いありません。
話題は候補者が知りたいと思う内容を考え、社員の協力も得て興味を惹くように工夫してください。面白い採用ブログを作り、会社のブランディングを高めましょう。