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面接官が見るポイントとは?よい面接にするための準備方法も紹介

作成者: スタンバイ制作チーム|2023/21/01

1.面接時に見るべきポイントを漏らさず見るための4つの準備


面接の時間は限られています。気になることを全部確認したいからと質問数を増やすと、その後のスケジュールを遅らせることにもなり、面接の順が遅い応募者に対しては十分な時間をとれなくなる恐れがでてきます。

また、面接の機会も限られています。例えば、パートやアルバイトを採用するときの面接は1回のみであることが多いため、優れた人材の採り漏らしや、反対にトラブルを引き起こすような人材を採用する可能性もあります。

限られた時間と機会を有効に使うためにも、面接の前に「見るポイント」を決めておくことが大切です。見るポイントを面接の時間内に漏らさず見るためには、次の4つの準備をしておきましょう。

・採用したい人材を定義する
・面接の目的を確認する
・面接の評価基準を作成する
・あいさつやアイスブレイクなどを考えておく

それぞれどのような準備ができるのか、わかりやすく解説します。

1-1.採用したい人材を定義する

採用したい人材を明確に定義し、すべての面接官が理解していれば、応募者のどこを見ればよいのかわかりやすくなります。例えば「コミュニケーションスキルが高い人材を採用したい」という方針が決まっているならば、面接官は応募者がさまざまな質問に対して何を答えるのかだけでなく、どう答えるのか、どのように目線を配るのかなどをチェックできるでしょう。

面接を開始する前に、どのような人材が欲しいのか、会社全体で意見をまとめて理解しておくことが大切です。また、採用したい人材の条件を満たしているかを調べるために、どのような質問ができるのかについても決めておくと、より見るべきポイントを見逃さずに面接を進めていけるでしょう。

1-2.面接の目的を確認する

新卒採用のときには、何度か面接を実施し、企業にとって必要な人材を決定します。面接の回数が増えると、面接の目的があやふやになってしまうこともあるでしょう。面接を行う前に、面接の目的を再確認しておくことが必要です。

面接の目的が定まると、見るポイントも自ずと定まります。例えば、必要な人材を見極めることが目的であれば、応募者のスキルや経験、人柄などに注目します。また、企業をより深く知ってもらう、企業に対してよい印象を持ってもらうことを目的とすれば、応募者が興味を持っていることについて注目することになります。

1-3.面接の評価基準を作成する

面接前に評価基準を作成しておくと、面接官は迷わず見るべきポイントを見ることができます。また、評価基準が決まっていると、面接官によって評価に差が出なくなり、より公正かつ客観的な採用を行えるでしょう。

見るべきポイント、見るべきポイントを見極めるためのチェックポイント、具体的な評価基準を「面接管理シート」にまとめておくと、面接の際に必要なポイントを見落とすリスクを減らせます。

1-4.あいさつやアイスブレイクなどを考えておく

緊張を解きほぐし、よりよい面接を実践するためにも、面接が始まる前に面接官のほうから応募者にあいさつし、気楽な会話を楽しめるようにアイスブレイクを実施します。しかし、応募者を前にすると、何を話してよいのか分からないというケースもあります。結果として、かえって応募者を緊張させてしまうこともあるでしょう。

あいさつやアイスブレイクがスムーズにいかないと、気持ちに余裕がなくなり、面接時に見るべきポイントを見落としてしまう可能性があります。しっかりと見るポイントを見るためにも、面接が始まる前にあいさつやアイスブレイクを数パターン考えておきましょう。

2.【全体編】面接官の見るポイント


すべての応募者に対して見るべきポイントとしては、次の6つが挙げられます。

・社会人としての常識
・人柄や性格
・志望動機と自己PR
・キャリアプラン
・ストレスへの耐性
・逆質問の内容

いずれのポイントも、応募者が新卒・中途採用希望者・アルバイトなどを問わずチェックする必要があります。具体的にはどのようなポイントに注目することができるのか、詳しくみていきましょう。

2-1.社会人としての常識

まずは応募者が社会人としての常識を備えているのか見る必要があります。例えば、次のようなポイントに注目して見ることができます。

・面接時間に遅れずに来る
・遅れそうなときには迅速に連絡する
・面接にふさわしい服装をする
・社会人として適切な言葉遣いをする
・相手の目を見て受け答えをする

いずれのポイントも、仕事内容や業種に関わらず社会人として身につけているべき常識です。自社にふさわしいかを見ることも大切ですが、その前に社会人としての常識を備えている人材なのかを確認しておきます。

2-2.人柄や性格

人柄や性格も重要なポイントです。待ち時間の過ごし方、他人の話を聞く態度などから、会社でうまくやっていける人材なのか見極めるようにしましょう。

どんなに能力が高い人材であっても、独断性が強い、他人の話を聞かない、誤りを認めないなどの性向がある場合は、トラブルの原因となります。会社は大勢の人が集まって働く場です。人柄や性格が良く、気持ちよく一緒に働けそうな人材なのかチェックしておくようにしましょう。

2-3.志望動機と自己PR

履歴書には、志望動機や自己PRを記載する欄が設けられていることが一般的です。面接を実施する前に目を通しておき、応募者がどのような動機で採用を希望しているのか、そして、どのような人物だと自己分析しているのか知っておきましょう。また、面接時間に余裕があるときは、口頭でも志望動機と自己PRについて簡単に尋ね、履歴書に記載されている内容に相違がないか確認しておくとよいでしょう。

志望動機と自己PRを確認することで、仕事内容や業種とのミスマッチを回避しやすくなります。ミスマッチが起こると、早期離職につながりかねません。また、採用した側も採用活動を再度行わなくてはいけないため、コストと手間が増える可能性があります。

例えば、内勤が中心の職場に「誰とでも仲良くなれる性格を営業に活かしたい」という動機で応募すると、仕事内容と応募者の希望との間でミスマッチが生じる恐れがあります。このようにミスマッチを起こしている場合には、「当社では内勤がメインで、営業で外に出ることはあまりありません」と早めに応募者に伝えておくことができます。

2-4.キャリアプラン

応募者のキャリアプランに注目することでも、ミスマッチを回避することができます。どのようなキャリアプランを描いているのか、また、そのキャリアプランを実現するためにどのような努力をしたいと考えているのかに注目して質問してみましょう。

また、キャリアプランを尋ねることで、応募者が自分自身を客観的に評価できているか、業界動向を正確に把握しているか、論理的な思考力があるかも確認できます。応募者が自由に話しやすい雰囲気をつくり、キャリアプランについて尋ねてみましょう。

2-5.ストレスへの耐性

ハラスメント行為や過重労働などがなくても、ストレスを感じることはあります。例えば、納期が迫っているのに作業が遅れることや、思うように契約が取れないときなど、社会人として働くときは少なからぬストレスを抱えてしまうものです。

応募者にストレス耐性があるか確認する質問も、面接時に実施しておきましょう。例えば、過去の挫折経験などを応募者に語ってもらい、ストレスとなることが起こったときにどのように対処するのか、また、気持ちを上手に切り替えられるのかをチェックすることができます。

2-6.逆質問の内容

面接の最後に逆質問の時間を設けている企業も多いでしょう。逆質問は、応募者の疑問を解消するという意図もありますが、応募者の意欲について知る機会にもなります

例えば、逆質問の内容から、どの程度丁寧に企業研究をしたのか、自社への入社志望度はどの程度高いのか理解することもできるでしょう。ぜひ逆質問の内容に注目し、応募者の意欲をチェックしてみてください。

3.【新卒採用】面接官の見るポイント


応募者が新卒の就活生の場合、注目して見たいポイントもあります。特に次の2点は、面接の際に欠かせない見るべきポイントです。

・チームワークに関するエピソード
・企業研究の質と量

それぞれのポイントから何が分かるのか、またどのような質問が有効なのか、詳しく解説します。

3-1.チームワークに関するエピソード

会社ではチームとして働く機会が多いのが一般的です。特にプロジェクト単位で仕事を進めていく場合には、応募者がチームとしてどのように働くのか、といった点を知ることは大切です。

今までに社会人として働いたことがない就活生の場合、社会経験としてのチーム活動やプロジェクトについては尋ねることができません。「サークルや研究室での活動を通して、どのような役割を果たすことが多いですか?」と尋ねることで、チームの中での立ち位置や積極性についてチェックできます。

また、サークルや研究室、アルバイトなどの経験があまりない就活生に対しては、「少人数のチームで活動するとき、どのようなことが大切だと思いますか?」のように特定のシチュエーションを仮定した質問も有効です。具体的な状況を想定して話してもらうことで、就活生の価値観を知ることができるでしょう。

3-2.企業研究の質と量

就活生の本気度は、企業研究の質と量に表れます。就活生にとって、就職活動は決して楽なものではありません。多くの就活生が複数の企業に応募するため、それぞれの説明会や面接に行ったり、OB・OG訪問をしたりするだけでも多くの時間がとられます。さらに授業や卒業論文・卒業研究もあり、企業研究まで手が回らない就活生も少なくないでしょう。

そのような状況の中、詳細に企業研究を実施している就活生の志望度はかなり高いと考えられます。早期離職しない就活生を採用するためにも、逆質問の内容から企業研究の質と量をチェックしましょう。

また、逆質問の機会以外にも「なぜ当社を希望されたのですか?」と単刀直入に尋ねることで、就活生の本気度を調べることができます。「金属業界でトップリーダーとしての御社でぜひ働きたいと思います」といった当たり障りのない返答であれば、あまり本気度は高くないと考えられます。

反対に、きちんと企業研究したことが分かるような理由を述べるようであれば、自社への入社を第一希望に考えている可能性が高いと判断できるでしょう。

例えば、「金属の可塑性について大学院で研究してきましたが、御社の製品を研究対象として何度も取り上げるうち、御社に対する関心と御社で一社員として働きたいという希望が強まりました」と具体的な例を話す就活生は、志望度が高いと判断できます。

4.【中途採用】面接官の見るポイント


すでに他の企業で働いた経験のある応募者に関しては、次の3つのポイントを意識して見るようにしましょう。

・転職を希望する理由と意欲
・職務経歴
・保有しているスキル

それぞれのポイントで何が分かるのか、また応募者の本音を引き出す質問例についても解説します。

4-1.転職を希望する理由と意欲

応募者の仕事に対する考え方や価値観を知るためにも、なぜ転職を希望したのか、率直に尋ねてみることは重要です。「なぜ〇〇社を辞めたのですか?」と単刀直入に尋ねて、応募者の率直な思いを引き出しましょう

辞めた理由が明確であれば、早期離職を回避するためのポイントが見えてくることもあります。例えば、「仕事は大変興味深く毎日意欲的に取り組むことができましたが、役職と発言権が比例していたため、アイデアを述べる機会がなく、自発的な仕事はさせてもらえませんでした」という理由であれば、入社後すぐに裁量が与えられている部署に配属することで、満足度を高められます。

なお、辞めた理由を尋ねることから、応募者の人柄や性格を推し量ることもできます。前の職場の人を悪く言う場合は、協調性が低く、コミュニケーションスキルが低い可能性があります。トラブルがあったとしても、ネガティブにならないように伝えられる応募者の場合、対人関係を円滑に保つ意識があると考えられるでしょう。

「なぜ当社への転職を希望されたのですか?」「当社をお知りになったきっかけは何ですか?」などの質問も有効です。前の仕事から逃げるためなのか、それとも前の仕事では実現できなかったことに挑戦するために転職を選んだのかによって、仕事に対する意欲も大きく異なると考えられます。

4-2.職務経歴

昨今、複数の転職経験がある方は珍しくありません。応募者の中には何度か転職することでキャリアアップ、スキルアップを実現してきた方もいるでしょう。履歴書を参考に見つつ、より掘り下げて職務経歴や担当してきた仕事内容などを尋ねてみることができます。自社の仕事内容と合致すれば、即戦力として採用できるでしょう。

また、職歴がキャリアプランに沿ったものになっているかどうか、チェックします。応募者の中で具体的な将来像が確立されているかどうかがわかるはずです。

「今までの職歴を簡単に教えてください。なぜそれぞれの職場を変えたのかについても、簡単に教えてください」と尋ねてみましょう。明確にキャリアプランを立てている応募者であれば、筋道を立てて論理的に説明できるといえます。

4-3.保有しているスキル

応募者が保有しているスキルについてもチェックする必要があります。スキルと自社の仕事内容がマッチしているなら、即戦力として採用できるでしょう。

スキルについてより詳しく確認したいときは、専門的な社員を面接官に加えることも有効です。例えば、エンジニアのスキルは、エンジニアが一番よくわかります。高い技術力を持つエンジニアに面接官として参加してもらい、応募者の能力を見抜く質問をしてもらいましょう。

また、スキルについて質問するときは、シンプルに「どんなスキルを持っていますか」と聞くのはあまりよい尋ね方とはいえません。保有するスキルの名称だけであれば、履歴書からも確認することができます。

限られた面接の時間を有効に使うことが大切です。スキルの名称を確認するのではなく、「今まで担当してきた仕事内容やプロジェクト、業務を遂行するために獲得したスキルについて教えてください」というように、具体的にどのようにスキルを仕事に活かしていたのか尋ねましょう。

応募者の多くは、複数の優れたスキルを有していると考えられます。しかし、そのスキルが自社の仕事内容と合っていないときは、応募者のポテンシャルについて注目してみましょう。ポテンシャルが高く意欲的な応募者であれば、たとえ現時点では合致したスキルを有していなくても、必要に応じてスキルを得ていくと判断できます。

5.採用面接を成功させるための質問例

面接では、前半・中盤・後半それぞれで聞くべき質問が存在します。ここでは、採用面接を成功させるために聞くべき質問内容や具体的な質問例を、面接前半・中盤・後半にわけてご紹介します。面接の際は、ぜひ参考にしてください。

5-1.面接前半

面接前半は、アイスブレイクで応募者の緊張をほぐすことが大切です。また、応募者の自己紹介や経歴、志望動機に関する質問をしましょう。

質問例は、以下のとおりです。

  • ◯◯が得意なのですね。いつから始められたのですか?
  • 自己紹介をお願いいたします。
  • これまでの職歴や実績を教えてください。
  • 学生時代に頑張ってきたことは何ですか。
  • これまで大変だったことと、それを乗り越えた方法を教えてください。
  • 弊社の志望動機を教えてください。
  • 企業選びの軸やポイントは何ですか。

5-2.面接中盤

面接中盤は、応募者が自社の求める人物像と合致しているかを見極めるための質問をしましょう。

質問例は、以下のとおりです。

  • あなたの長所と短所を教えてください。
  • 友人から、どのような人だと言われますか。
  • やってみたい業務はありますか?
  • 今後挑戦したいことはありますか?
  • これまでに仕事でストレスを抱えたことはありますか?

5-3.面接後半

面接後半は、応募者の自己PRを再度促したり、条件面を確認したりするほか、応募者の疑問を解消するための逆質問の場にしましょう。

質問例は、以下のとおりです。

  • あなたの強みは弊社でどう活かせると思いますか?
  • 弊社にどのように貢献していきたいと考えていますか?
  • 希望部署への配属とならなかった場合、どうしますか?
  • 地方や海外への転勤は可能ですか?
  • 何か質問はございますか?

 

6.面接時に聞いてはいけない質問やNG行動

厚生労働省は、公正な採用選考を行うため、以下の2点を採用の基本的な考え方としています。

  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適性・能力に基づいて行うこと

そのため、応募者の適性や能力に関係がない質問をして、採用可否を判断してはいけません。

また、面接官の行動ひとつで、会社のイメージが悪くなったり、応募者の入社意欲を下げてしまったりするリスクもあります。

ここでは、面接時に聞いてはいけない質問や、やってはいけない行動について解説します。

参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」

6-1.聞いてはいけない質問

以下のような質問を面接で把握したり、応募用紙に記載させたりする行為は、就職差別につながるリスクがあります。

<本人に責任のない事項に関する質問>

  • 本籍・出生地に関すること
  • 家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
  • 住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
  • 生活環境・家庭環境などに関すること

<本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)に関する質問>

  • 宗教に関すること
  • 支持政党に関すること
  • 人生観、生活信条に関すること
  • 尊敬する人物に関すること
  • 思想に関すること
  • 労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
  • 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

これらは、本人の適性や能力に関係がない事項です。誰でも自由に適性や能力に応じて職業を選べるよう、上記のような質問はしないようにしましょう。

参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」

6-2.やってはいけない行動

ほかにも、以下のような行動は応募者に不信感を与えたり、入社意欲を下げてしまったりする可能性が高いため、注意が必要です。

  • 応募書類を読めばわかることを質問する
  • 応募者の回答に反応しない
  • 面接官の自己紹介をせずに面接を始める
  • 面接開始後すぐに入社意欲や他社の選考状況を聞く
  • 具体的な働き方や会社のビジョンを説明できない
  • 一方的な質問で面接を終了する

面接官は、応募者にとっての「企業の顔」となる存在です。そのことを意識し、上記のような行動や対応で企業のイメージを下げないようにしましょう。

7.面接をよりよいものにする面接官のトレーニング


面接で見るべきポイントを確実に見るためにも、面接官自身がトレーニングを受けることは大切です。例えば、模擬面接などのロールプレイングを実施し、応募者の資質やスキルを的確かつ客観的に見極めることができるようにスキルアップしていきましょう。

また、面接官向けのセミナーを受講することも、面接をよりよいものにするための一つの方法です。面接の専門家の話を聞くことで、面接官として何をすべきかについての基本を学ぶことができるでしょう。

面接の前に、評価基準と面接管理シートの使い方を確認しておくことも重要です。応募者も面接官も万全の準備をして面接に臨むことが求められます。面接官の技量で応募者の人生が左右されることもあることを肝に銘じ、適切かつ的確に準備をしましょう。

8.面接官が面接時に意識すべき3つのこと

面接官は、面接時に以下の3点を意識しましょう。

  • 求める人材を明確に定義する
  • 相づちを打つ
  • 質問を深堀りする

面接官には、自社が求める人材であるかを見極めることが求められます。そのためには、求める人材を明確に定義することや、応募者のありのままの姿を引き出せるよう、リラックスして話せる雰囲気づくりや質問の深堀りが欠かせません。

ここでは、面接官が意識すべき3つのポイントについて解説します。

8-1.求める人材を明確に定義する

面接の際は、自社が求める人材を明確に定義することが重要です。採用のミスマッチを防ぐためには、自社の業務に必要なスキルや経験、キャリアビジョンやライフビジョンが自社の社風や考え方と一致しているかなどを、総合的に判断する必要があります。

そのためには、まずは求める人材を明確に定義し、応募者がそれに該当しているかを面接で判断できるようにしましょう。

8-2.相づちを打つ

応募者がどのような人物であるかを見極めるためには、リラックスして話せる雰囲気づくりが大切です。そのためには、適度に相づちを打ち、相手が話しやすいようにする必要があります。

ほかにも、明るい表情で話を聞くことを意識したり、面接開始前にアイスブレイクを行ったりすることも効果的です。また、座りやすい椅子を用意したり、景色のきれいな部屋を用意したりといった環境面にも配慮しましょう。

8-3.質問を深堀りする

応募者の志望理由や人物像を深く理解するためには、質問を深掘りすることもポイントです。応募者の過去の経歴について気になった部分を詳しく質問することで、性格や意思決定の際に重視していることなどが明らかになるでしょう。また、志望理由を深掘りすれば、自社への熱量もわかります。

ただし、強い言葉遣いで質問したり、深掘りしすぎて詰問しているかのようになってしまうと、圧迫面接になってしまい、応募者が萎縮してしまいます。応募者に負担をかけすぎない程度に深掘りすることを心がけましょう。

9.面接官がオンライン面接の場合に注意すべきこと

最近では、Web会議ツールを利用したオンライン面接も増えています。面接官がオンライン面接の場合に注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 面接開始前に待機する
  • カメラ目線で話す
  • 相づちを多めに打つ
  • パソコンの操作音に注意する
  • 面接終了後はすぐに退室する

応募者がWeb面接に入った際に面接官がいないと、応募者は日時やリンクを間違えたのではないかと不安に思ってしまう可能性があります。そのため、面接開始時刻よりも前に待機しておきましょう。

オンライン面接では、どうしても応募者の顔を見がちです。しかし、カメラが別の位置にあるため、応募者にとっては面接官と目が合わないように感じてしまいます。面接の間は、カメラ目線で話すことを心がけましょう。

また、Web面接では相手の反応がわかりにくくなるため、応募者に不安を与える可能性があります。いつもよりも相づちを多めに打ったり、リアクションを大きくしたりして、安心して話してもらえるようにしましょう。ただし、声で相づちを打つと相手の声を遮ってしまう可能性があるため、注意が必要です。

さらに、面接中にパソコンでメモを取ると、タイピング音が入って応募者の集中を妨げてしまいます。面接後にメモをとるか、手書きのメモを使用するなどして、パソコンの操作音が入らないよう配慮しましょう。

面接終了後は、面接官の方からすぐに退室しましょう。応募者は、面接官よりも先に退室することを遠慮する傾向にあります。面接終了後にそのまま打ち合わせをしたい場合は、応募者に退出してよい旨を伝えると親切です。

10.見るポイントを押さえて精度の高い面接を実施しよう

面接では数多くの見るべきポイントが存在します。いずれも応募者の能力や人柄、スキルなどを見抜くために必要なポイントであるため、ひとつひとつ押さえて、面接に臨むようにしましょう。見るポイントだけでなく、なぜそのポイントを見るのか、どのような質問が有効かを知っておくと、見るポイントを漏らさずチェックできるようになります。

また、面接者自身がトレーニングを受け、適切に準備をすることも大切です。面接官は自分の自由意思で応募者を判断するのではありません。会社の評価基準を正確に理解し、面接管理シートを活用してチェックポイントを網羅し、会社に必要な人材を客観的かつ公正な視点で見極め、一緒に働く大切な仲間を選んでいきましょう。