採用ノウハウ一覧|スタンバイ

求人の出し方とは?求人の募集の流れや必要な期間、費用を詳しく解説

作成者: スタンバイ制作チーム|2022/53/27

1.求人の出し方の流れ

採用担当になったばかりのときは、求人の出し方がわからず困ることも多いことでしょう。求人媒体はWeb媒体と紙媒体に分けられますが、インターネットが広く普及している近年は求人サイトが主流です。

ここでは、求人の出し方について掲載課金型の求人サイトを例に、一連の流れをご紹介します。

 

1-1.求人媒体への問い合わせ

求人を出したい場合、どの媒体に依頼するかを決定します。求人サイトは幅広い業界・職種を網羅した総合型のサイトをはじめ、新卒向けや中途採用向け、業界・職種に特化したサイトなど多種多彩です。

自社が求める人材をターゲットとして詳細に絞り込み、設定したターゲットに合う求人サイトを選んでください

この時点では、1つの媒体に決定しなくてもかまいません。掲載をするか決めていない段階で、相談するだけの問い合わせもできます。

求人サイトへの問い合わせは、電話と問い合わせフォームに入力して送信する方法があります。急ぐ場合は電話で問い合わせてみてください。

問い合わせの際は求める人材や募集する予定の職種、採用時期などの情報を用意して伝えると、そのあとの打ち合わせもスムーズに運びます。

1-2.担当者との打ち合わせ

問い合わせのあと、求人サイトの営業担当者から折り返し連絡があります。その後、約束した日時に担当者が訪問するか、もしくはリモートでの打ち合わせが行われる流れです。その際に、広告に掲載するための情報を詳しく聞き取るヒアリングが行われます。それに基づき、理想のプランを提供してくれるでしょう。

最初はどのくらい応募が集まるのか、掲載時期や期間はどうすればよいかなど、わからないことも多くあります。しかし、打ち合わせは双方の理解を深める機会であるため、不安なことや疑問点はなんでも相談してみてください。

1社だけで判断できない場合は、いくつかの求人サイトと打ち合わせを行うのもおすすめです。納得できるところがあれば、掲載を依頼します。

1-3.取材

求人掲載の原稿作成を依頼する場合は、制作担当者が取材・撮影に訪れることもあります。取材は会社の魅力を引き出すことを目的に行われ、担当者が会社や業務についてさまざまな質問をします。取材を受ける側は、求人広告に会社の魅力が十分反映されるよう、情報をしっかり伝えなければなりません。

取材では、会社の課題となっている部分も伝えてください。求人広告でよい面だけを強調するのはかえってマイナスになる場合があります。会社のよい面だけをアピールして応募を獲得できても、入社後のミスマッチにつながる可能性があるためです。また、内定辞退や早期離職を招く場合もあります。

ほかにも、求人広告で出さない情報をあとから伝えると、「知っていたら応募しなかった」など、悪い印象を与えることにもなりかねません。

どの会社にも課題はあり、それをどう受け取るかは求職者によって異なります。制作担当者にありのままを伝えれば、表現を工夫して掲載してくれるでしょう。

会社の魅力を伝えるには、いろいろな視点からの情報を集めることも必要です。ほかの社員への取材が行われる場合もあるため、事前に周知しておいてください。取材では職場の写真撮影もあり、自社の魅力を伝えるにはどのような職場風景がよいか考えておくことも必要です。

 

1-4.原稿の作成

打ち合わせでのヒアリングや取材した内容をもとに、求人サイトの制作担当者が原稿を作成します。

求人サイトで制作担当者が原稿を作成するのは、掲載から料金が発生する場合です。応募や採用など成果に応じて報酬が発生する形態では、自社で原稿を用意しなければなりません。

原稿は自社の魅力を伝えるために書き方を工夫しなければならず、内容が採用活動の成否を左右します。

そのため、求人広告の依頼が初めてで原稿作成のノウハウがない場合、掲載から料金が発生する求人サイトがおすすめです。求人媒体の料金形態は、このあとの項目で詳しく説明します。

 

1-5.原稿の確認と修正

原稿が完成したら、自社で内容を確認します。あがってきた原稿がイメージと違う場合もあるかもしれません。自社のターゲット層に向けた原稿として違和感がある場合、修正を依頼してください。自社の考えを伝え、納得できるまで話し合うことが大切です

ただし、原稿があがった段階で何度も修正を依頼するのはできない可能性があることも把握しておきましょう。そのためにも、取材の際に十分な話し合いをすることが必要です。

1-6.入稿

原稿の内容に納得したら、掲載を希望することを担当者へ連絡します。連絡を受けたあと、入稿手続きが行われるという流れです。

掲載開始後は、アクセス数や応募数を数値化したレポートを作成・提出してくれる媒体もあります。

また、応募状況を見ながら原稿修正の提案をする媒体もあるため、どのようなサポートが行われるのか事前に確認しておくとよいでしょう。アフターフォローがあれば、効果をより高められます

2.求人を出すまでにかかる時間

求人広告掲載までにかかる期間は、各求人媒体により異なります。一般的に、初めて求人広告の掲載をする場合は申し込みから掲載まで早くて1週間程度、通常は10~14日前後が目安です

打ち合わせや取材などを行わず、自社で求人広告を作成し即時出稿できる媒体もあります。人材採用をできるだけ急ぎたい場合や、原稿作成のノウハウがあるという場合は利用してみるとよいでしょう。

 

3.求人を出す際にかかる費用とは?求人媒体の料金形態は主に4つある

求人サイトに求人を出す際、料金形態は主に以下の4種類です。

  • 掲載課金型
  • クリック課金型
  • 応募課金型
  • 採用課金型

それぞれの仕組みと特徴をご紹介します。

3-1.掲載課金型

掲載課金型とは、掲載することで費用が発生する料金形態です。一般的な求人サイトのほとんどは掲載課金型で、応募人数や採用数がどれだけ増えても金額は変わりません

そのため、複数名採用する場合は割安になり、料金も明確で予算を把握しやすいのがメリットです。

ただし、1人も採用できない場合でもコストは発生し、採用はできても人数が少ないと、次にご紹介する成功報酬型の求人サイトよりも1人あたりのコストが割高になる場合があります。

3-2.クリック課金型

クリック課金とは、クリックされた回数に応じ費用が発生する料金形態です。ネット上の求人情報を検索結果に表示する求人検索エンジンで採用されています

有料枠で掲載した求人情報に対し、どれだけクリックされたかによって料金が決まる仕組みです。1クリックあたりの料金が設定され、例えば単価が50円の場合、100クリックされたら5,000円の広告費が発生します。

3-3.応募課金型

応募課金型とは掲載自体の料金はかからず、応募があって初めて費用が発生する料金形態です。

応募や採用が1件もない場合に料金を支払うというリスクはありません。採用難易度の高い職種を募集する場合、あるいは採用人数が少ない場合に向いています

3-4.採用課金型

採用課金型は応募課金型と同じく掲載は無料で、採用して初めて費用が発生する形態です。

応募課金型と採用課金型は費用が発生するタイミングが異なり、応募課金型は応募者が増える都度に報酬が発生します。採用課金型は採用できた段階を成果と捉え、報酬が発生する形態です。

ただし、これら2つの料金形態は成果が出た場合の報酬が高く設定されているケースも多く、応募が多い、あるいは大量採用を予定する場合には向いていません。

 

4.求人広告を出す前に明確にすべきポイント

求人サイトに問い合わせをする前に、採用条件など求人広告に掲載する内容を明確にしておく必要があります。

ここでは、明確にすべきポイントを6つご紹介します。

4-1.職種、仕事内容

募集する職種と仕事内容は、求職者がまず注目する部分です。職場環境や具体的な仕事内容をできるだけ明確にしてください。1日の仕事の流れを提示すれば働くイメージができ、仕事への理解も深まります。

また求人の募集要項では、以下の基本的な労働条件は必ず明記しなければなりません。

  • 業務内容(一般事務など)
  • 契約期間
  • 試用期間(あり・3ヵ月など)
  • 就業場所(正確な勤務地や転勤の有無)
  • 就業時間
  • 休憩時間
  • 休日(年末年始休暇・夏季休暇、有給休暇制度など)
  • 時間外労働の有無
  • 賃金(賃金形態、金額、賞与、各種手当など)
  • 各種保険適用の有無
  • 募集者の氏名または名称(〇〇株式会社)

派遣労働者として雇用する場合は、雇用形態の記載が必要です。

参照元:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ」

 

 

4-2.採用要件

採用要件は多すぎず少なすぎず、適切な量を考えます。要件が多すぎる場合は応募が少なくなる可能性があり、要件が少なすぎると求める人材を確保しづらくなるためです。適度な量の採用要件を設定してください。

採用要件としてあげられるのは、以下のようなものです。

  • 学歴
  • 資格・スキル
  • 経験

人柄を記載したい場合、スキルとは分けてください。スキルはパソコンなど業務で必要な技術であり、人柄は「明るい」「努力家」などの特性です。これだけは外せない必須条件と、あればさらによい歓迎条件に分けるとよいでしょう。

経験を求める場合はどのような経験があり、何年程度必要かなどを提示します。未経験でも可能であれば、その旨も記載してください。

ただし、募集に際して性別や年齢、国籍などで差異を設けるのは原則として禁止されています

ターゲットの年齢が限定されていても、原則として年齢制限を設けることはできません。そのため、狙ったターゲットからの応募を増やすためには、以下のような工夫をすることをおすすめします。

  • 広告にターゲットと同年代の社員が働いている写真を掲載する
  • 「〇代活躍中!従業員の8割は〇代です」といったキャッチコピーを入れる

性別の限定も原則禁止ですが、女性が非常に少ない職種で女性の社会進出を支援する趣旨があるときは、「女性歓迎」の表記も可能です。

厚生労働省では、実質的な男女均等取扱いを実現するため「ポジティブ・アクション」を推奨しています。

ポジティブ・アクションとは、固定的な男女の役割分担意識などで営業職に女性がほとんどいない、課長以上の管理職は男性がほとんど占めているなど格差が生じている場合、これらを解消するために企業が行う自主的な取り組みです。

参照元:厚生労働省「採用・選考時のルール」

参照元:厚生労働省「外国人雇用はルールを守って適正に」

参照元:厚生労働省「ポジティブ・アクション(女性社員の活躍推進)に取り組まれる企業の方へ」

4-3.給与

給与は、求職者が非常に気になる部分です。求める人材のスキルに見合った給与を設定します。経験やスキルなどで給与が変わる場合、〇万円~〇万円など幅のある記載も可能です。

固定残業代制を採用する場合、必要事項を明示しなければなりません。固定残業代とは、実際の残業時間にかかわらず、一定時間分の時間外労働・休日労働・深夜労働に対して毎月定額の残業代を支払う制度です。 

固定残業代を10時間と設定していた場合、10時間分の時間外手当が支払われているため、10時間までは時間外手当が出ないことになります。

固定残業代制の記載事項は、以下の3点です。

  • 固定残業代を除いた基本給の金額
  • 固定残業代に関する労働時間数と金額の計算方法
  • 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨

給与に手当などが含まれる場合は、内訳も明確にします。たとえば、手当も含めて「月給40万円~」といった記載にすると、求職者は40万円全額支給されると考えます。

しかし、実際は基本給が25万円で目標達成手当が15万円である場合、目標を達成できなければ給与は25万円です。トラブルが起こることも多いため、「必ずもらえる金額」を明記してください。

参照元:厚生労働省「固定残業代 を賃金に含める場合は適切な表示をお願いします。 」

4-4.採用時期

採用時期の決定も重要です。採用までにかかる時間や人材の成長期間も計算に入れ、募集時期や期間を決定します。

採用時期を明確にすることは、より多くの応募を集め、予算の無駄を減らすためにも大切です。転職活動が活発な時期に求人を出せば、多くの応募を獲得しやすくなります。

転職活動が活発になるのは、区切りのよい4月から新しい職場で仕事を開始しようと考える人が多い2〜3月です。

また、4~6月も転職活動が活発になります。夏のボーナス支給後に退職をする人が出る時期に求人募集をかける企業が多く、それに合わせて仕事を探す人が増えるためです。

より多くの求職者にアプローチするのであれば、これらの時期に採用を開始するのが効果的です。

4-5.採用人数

採用人数も、求人を出す前に明確にしておかなければなりません。採用人数によって、適した求人媒体が変わるためです

採用人数が多い場合は、掲載の料金だけで何人採用しても金額が変わらない掲載課金型の求人サイトが向いています。採用人数が少ない場合は、採用できたときだけ費用が発生する成果報酬型にしたほうが、採用できなかった場合にリスクを避けられます。

4-6.予算

予算によっても求人を出す媒体は変わってくるため、あらかじめ設定しておくことが必要です。1人あたりの採用コストは、正規雇用で最低十数万円必要であり、アルバイトなどの非正規雇用でも数万円はかかります。

近年の人材不足で優秀な人材を確保するのは難しくなっており、採用コストは多めに見積もる必要があります。

求人サイトの場合はサイト内の露出度や費用が発生するタイミングなどで料金に幅があり、月額5万~50万円程度が目安です。

 

5.求人を出す前に条件を整理しておこう!

採用活動を始めて行う際は、求人の出し方をよく把握しておきましょう。求人媒体は多種多様であるため、まずは自社が求める人物像を絞り込み、適した媒体を選ぶことが大切です。

事前に明確にすべき項目をチェックし、整理してから自社に合った媒体に問い合わせをします。わからないことがあれば、打ち合わせで解消するようにしてください。人材不足で採用が困難な状況が続きますが、求人の出し方を工夫して優秀な人材を確保しましょう。