人材募集の方法には、さまざまな方法があります。今回は14種類の方法を紹介し、それぞれのメリット・デメリットや成功させるためのポイント、コツなどを解説します。
1.人材募集の方法14選
人材募集を成功させるためには、求める人材に合わせた人材募集方法を採用することが必要です。人材募集にはさまざまな方法があるため、人材募集を行う際にどの方法で募集すべきなのか迷うこともあるでしょう。ここでは、人材募集の方法を14種類ご紹介します。
1-1.ハローワーク
ハローワークとは、厚生労働省が全国に設置する公共職業安定所のことです。民間の職業紹介事業等では就職が難しい就職困難者を中心に支援する国の機関で、職業紹介のほか雇用保険や雇用対策などの業務も行っています。
人材募集は、ハローワーク内に設置された求人検索端末に求人情報を掲載する方法で行います。企業の住所を管轄するハローワークで申込をすると、求人情報がハローワークの情報端末内に掲載されるという仕組みです。
希望すれば、ハローワークが運営するWebサイト「ハローワークインターネットサービス」でも公開できます。求人検索端末やWebサイトの掲載は、いずれも利用料金が無料です。
1-2.Webでの求人広告
Webでの求人広告は、インターネットの求人サイトに求人情報を掲載する方法です。紙媒体での求人と比較して掲載できる情報量が多く、動画や音声を使って職場の雰囲気をより詳しく伝えられます。
料金は、以下の2種類に分かれます。
- 掲載課金型:掲載することで費用がかかる
- 成果報酬型:採用が決定した際に支払い義務が発生する
成果報酬型は掲載自体は無料であり、費用が発生するタイミングで応募課金型と採用課金型に分かれます。掲載課金型のように、費用をかけたものの採用できないというリスクはありませんが、応募や採用決定の際は比較的高い報酬が設定されているのが特徴です。
いずれも求人の掲載順位や文章量・写真の数などで料金は異なり、費用相場は月額2万~180万円と幅があります。
1-3.求人検索エンジン
求人検索エンジンで、人材募集する方法もあります。求人検索エンジンとは、求人に特化した検索エンジンのことです。
求職者が希望する職種や勤務地、キーワードなどを検索窓に入力すると、検索結果に該当する企業の求人情報が出てくる仕組みです。
求人情報の検索は、検索エンジンロボットがネット上の情報を巡回し、企業の採用サイトや求人サイトから情報を集める「クローリング」という手法によります。そのため、自社の採用情報をクローニングしてもらえる条件にしなければなりません。
また、直接求人検索エンジンサイトに投稿して掲載する方法もあります。
掲載の料金は無料・有料の2種類あり、有料掲載の場合はクリック数に応じて料金が発生するクリック課金型です。料金相場は、1クリック0〜1,000円ほどになります。
1-4.紙媒体での求人広告(情報誌・新聞)
紙媒体での求人広告は、新聞の求人広告欄や折り込みチラシ、フリーペーパーなどの求人情報誌に掲載する方法です。
近年はWeb媒体が主流になりつつありますが、紙媒体による採用活動が効果的な場面も少なくありません。利用者層や読者数、地域を限定できるため、地域密着型の採用やターゲットを絞った人材募集が可能です。
料金は原稿サイズや掲載媒体によってさまざまで、求人情報誌は5万円~50万円、新聞折込チラシは1枚3~5円前後×部数(B5、A4サイズの場合)と幅があります。
1-5.自社採用ページ
自社の採用サイト・採用ホームページを、制作するという方法もあります。自社でサイトを作れば求人サイトなどのようなスペースの制約がなく、求職者に伝えたい情報を十分に掲載できます。
求職者は求人サイトなどで募集を知っても、さらに詳細な情報を得るため企業サイトや採用サイトを閲覧することがほとんどです。求人サイトなど他の媒体を利用する場合でも、自社の採用ページを制作してURLを記載しておけば、より採用活動の効果が高まります。
自社採用ページの制作費用は、コストを抑えたいのであれば採用サイト構築サービスを利用して、無料〜10万円以下に抑えることも可能です。
制作会社に依頼する場合、求めるクオリティで相場は大きく異なります。シンプルなサイトであれば25万円~40万円程度、動画などを盛り込んだ本格的なサイトを作る場合は総額100万円を超えることもあるでしょう。
1-6.SNS
TwitterやFacebookなどの、SNSを活用した人材募集の方法もあります。「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれる採用活動のことで、求職者とコミュニケーションをとる、企業ブランディングを行うなど、他の方法にはない活用ができます。
SNSごとに利用層や特徴が異なり、自社に適した媒体を選ぶことが成功の秘訣です。
たとえばTwitterの場合は20代の利用が最も多く、Twitterを活用して就職活動している学生も少なくありません。最新情報を確認できるリアルタイム性や、リツイートや「いいね」による拡散力が特徴で、企業の認知度アップにも利用できます。
Facebookの利用者は30代〜40代が多く、長文の投稿ができるのが特徴です。仕事内容や職場の様子など、企業の詳細な情報を伝えるのに役立ちます。
SNSはアカウントを取得すれば利用できるため、料金はかかりません。
1-7.転職フェアなどのイベント参加
転職フェアや合同説明会などの、イベントに参加する方法もあります。求職者と直接交流できるのが大きな特徴です。
求職者に積極的に声をかけて自社のブースに誘い、自社への理解を深めてもらうこともできます。会社のアピールから面接までまとめて行うこともでき、効率のよい人材募集ができるでしょう。
転職フェアや合同説明会は、参加したすべての企業が求職者の目に触れる仕組みになっているため、知名度の低い企業にも効果的な方法です。
参加費用は開催地やイベントの規模によって異なり、1イベントで30~100万円程度が相場です。
1-8.社員紹介制度
社員紹介制度とは、自社の社員に人材を紹介してもらう制度です。社員の紹介で入社するか、一定期間在籍した場合に報酬が支払われる制度です。社員に紹介してもらうことで採用コストを抑えられ、採用のミスマッチも起こりにくいなどの特徴があります。
社員紹介制度を導入するには、職業安定法第40条の定めに注意が必要です。同条では採用の決定に際し、従業員に対して報酬を与えることを原則として禁止しています。
しかし、「賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合」を例外としており、就業規則などで賃金制度として明確に規定・運用する場合には法律違反にはあたらないと解釈されています。
そのため、社員紹介制度を導入する場合には以下の点に留意しなければなりません。
- 就業規則や賃金規程に、紹介報酬を社内制度の一部として定める
- 紹介報酬の支給範囲や支給額などを明確にする
- 高額な紹介報酬の設定は避ける
参照元:e-Gov法令検索「職業安定法」
1-9.人材紹介エージェント
人材紹介エージェントは、自社が求める人物像を伝え、登録者の中から条件に合う人材を紹介してもらう方法です。
キャリアコンサルタントと呼ばれる担当者が求職者との連絡も仲介してくれるため、一般的な採用活動における手間を軽減できます。紹介された人材を採用して入社が確定した場合、紹介手数料として報酬を支払う仕組みです。
各人材紹介エージェントには得意とする業種・職種があるケースも多く、自社のニーズに合ったエージェントを選ぶことがポイントです。
紹介手数料はエージェントにより異なり、1人採用につきいくらと定めている場合もあれば、採用時の年収の〇%と割合が決められている場合もあります。多くのエージェントでは、採用した人材の年収20~30%程度が相場とされています。
1-10.人材派遣会社
人材派遣会社が雇用するスタッフを、時給により派遣してもらう方法です。一般派遣と紹介予定派遣があり、一般派遣はあらかじめ定めた期間だけ派遣してもらいます。
紹介予定派遣は、いずれ社員として雇用することを前提に派遣スタッフとして雇用する形態です。
一般派遣の派遣スタッフは人材派遣会社と雇用契約を結んでいるため、給与の支払いや社会保険の手続きなどはすべて人材派遣会社が行います。会社側では人材派遣会社と労働派遣契約を結び、派遣料金を支払うという仕組みです。
厚生労働省は、業種ごとの派遣料金の費用相場を公表しており、2021年度の結果では主に以下のような金額となっています。
(1日あたりの平均)
- 一般事務:16,583円
- 営業・販売事務:18,199円
- 接客・給仕:14,249円
参照元:厚生労働省「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」
1-11.ポスティング
ポスティングは、古くからある人材募集方法です。
各世帯のポストにチラシを直接投函する方法で、配布エリアを選べるため、近隣から求人を募集したい場合に適しています。
ポスティングはチラシのサイズや配布方法、配布エリアの人口密度などで料金が変わり、1枚あたり3〜10円前後です。また自社の社員が配布する場合と、ポスティング専門の会社に依頼する場合でも変わります。
1-12.直接スカウト
直接スカウトとは、スカウト型サービスで企業から求職者へ直接アプローチをする人材募集手法です。企業はサービスに登録されている人材の職務経歴やスキル・経験を見て自社の求める人材を探し、スカウトします。
直接スカウトのサービスは複数あり、登録している年齢層や人数、得意な業種は異なります。各サービスの特徴を見極め、自社に合うところを選ぶことがポイントです。
料金体系は大きく、以下の2種類に分けられます。
- 定額制:月額や年額で料金が定まっている
- 成功報酬制:採用人数によって料金が決まる(初期費用が別途必要)
定額制の相場は新卒で年間60~150万円、中途採用で年間300~400万円程度が一般的です。成功報酬制は新卒で1人あたり30~40万円、中途採用は年収の15%程度が主流となっています。
1-13.オンライン会社説明会
オンライン説明会とは、スマホやパソコンなどを通して視聴できるオンライン上の会社説明会です。近年は採用活動のオンライン化が進み、会社説明会をオンラインで行う企業が増えています。
オンライン説明会の開催方法は、主に次の3種類です。
- ライブ配信型(ウェビナー形式)
- ライブ配信型(テーブル形式)
- 録画配信型(オンデマンド形式)
ライブ配信型はリアルタイムで配信され、求職者とコミュニケーションをとりながら実施できる説明会です。テーブル形式はウェビナー形式よりも少人数が参加するもので、ディスカッションも行われます。
録画配信型は事前に録画しておいた説明会をWeb上で公開するもので、求職者は自由にいつでも視聴できる方式です。
オンライン合同説明会に参加する場合、料金相場はリアルイベントよりも安い傾向にあります。
1-14.ミートアップの開催
ミートアップは交流会のことで、近年注目されている人材募集の方法です。求職者と社員が交流し、企業の魅力を伝えながら採用を行うことを目的として開催します。
自社で開催する限り多くのコストはかかりませんが、開催には手間と時間がかかります。有意義なイベントにするための企画・立案が必要であり、SNSなどを通して集客もしなければなりません。
2.【人材募集の方法別】それぞれのメリット・デメリット
ここでは、人材募集の方法を採用するメリット・デメリットについて説明します。人材募集を行う際の参考にご活用ください。
2-1.ハローワーク
人材募集の方法として、最も一般的なものはハローワークです。ハローワークでの人材募集は、企業がハローワークに求人情報の掲載を申込み、ハローワークが求職者の希望に近い求人情報を紹介するという流れになります。
ハローワークでの人材募集には、求人・採用のコストがかからず、情報を閲覧される機会も多いというメリットがありますが、掲載情報の自由度に欠ける、適切な人材が見つかりにくいというデメリットがあるでしょう。
2-2.WEBでの求人広告
WEBでの求人広告とは、WEB上の求人情報サイトに求人広告を掲載する人材募集の方法ですが、さまざまな求人情報サイトがあるので、自社に合ったサイトを利用することが重要です。
WEBでの求人広告を利用するメリットとしては、本気で仕事を探している人にアプローチできる可能性があるということが挙げられます。一方で、募集の成果にかかわらず費用が発生してしまうというデメリットもあるでしょう。
2-3.求人検索エンジン
求人検索エンジンによる人材募集とは、Googleしごと検索などのWEB上の求人情報を集めて表示する求人検索エンジンを利用した人材募集の方法です。
掲載時点での初期費用はかからず、広告枠に掲載した場合クリックによって料金が発生します。求人検索エンジンには、利用者が多いというメリットがありますが、掲載には一定のITリテラシーが必要という点は注意が必要です。
2-4.紙媒体での求人広告(情報誌・新聞)
紙媒体での求人広告とは、タウンワークのような地域情報誌や新聞に求人広告を掲載する人材募集の方法です。現代ではWEBを利用した求人が多く利用されていますが、高年齢層などのWEBを活用していない世代にアプローチするには、紙媒体での求人広告も有効でしょう。
また、狙った地域に限定した広告を出すことができるのもメリットです。一方で、募集の成果にかかわらず費用が発生してしまうというのは、WEBでの求人広告と共通するデメリットと言えます。
2-5.自社採用ページ
自社採用ページとは、自社サイトに採用ページを作成し、そこから求人の応募を受けるという人材募集の方法です。
自社採用ページにアクセスしてもらうには、前提として自社を知ってもらう必要があります。ただし、自社採用ページ単独では意味がなく、他の人材募集方法を活用して自社サイトへの流入を促す必要があるでしょう。
自社採用ページのメリットとしては、自社をアピールするのに必要な情報を自由に掲載できるといった点が挙げられます。一方で、デメリットとしては、単独ではアクセスを集めにくいという点です。
2-6.SNS
最近では、SNSの自社アカウントを利用した人材募集も行われており、実際にSNSで会社情報を集めて仕事を探す人も多くなっています。
SNSを利用した人材募集では、自社の魅力をアピールしやすいというのがメリットです。一方で、SNSのアカウントを育ててアクセスを集めるには、投稿を継続するなど長い時間と手間が必要になるというデメリットがあります。
SNSを利用して人材を募集するにはそれぞれのSNSの特徴を掴んで、採用したい人材要件がどのSNSを利用している層なのか、注目しているコンテンツはどのようなものなのかを意識してアカウントを育てていくことが重要です。高い更新頻度で採用したい人材が興味を持つようなコンテンツを発信し続ければ、その層のファンを多く獲得できます。SNSを用いた人材募集では、戦略がとにかく重要です。
SNSは人材募集においても魅力的なコンテンツですが、コンプライアンスを重視したアカウント運用を行わなければ個人情報流出などの危険もありますので、その点は十分に注意するようにしましょう。
2-7.転職フェアなどのイベント参加
人材募集の方法としては、転職フェアや合同説明会などのイベントに参加するという方法もあります。
イベントに参加する方法の大きなメリットは、他の採用方法と異なり、多くの求職者と実際に接することができることです。一方で、コロナウイルスの影響により求職者に接する方法が限定されるようになった点や、参加費用が高額である場合が多い点などがデメリットといえます。
2-8.社員紹介制度
社員紹介制度を導入することも、人材募集の方法として効果的なことがあります。社員紹介制度とは、社員に仕事を探している知り合いを紹介してもらい、採用になった場合に紹介料を支払うというものです。
社員紹介制度のメリットとしては、社員の紹介というフィルターがかかるため、希望に沿った人材を紹介してもらいやすいという点や人材募集のコストを低く抑えられるという点が挙げられます。一方で、ビジネスとして人材紹介を行うには許可が必要なため、一部の社員から沢山の紹介を受けると法律違反になる可能性もあるので注意が必要です。
2-9.人材紹介エージェント
人材紹介エージェントとは、エージェントに希望する人材を伝え、その紹介を受けるという人材募集の方法です。
人材紹介エージェントを利用するメリットとしては、能力の高い人材の紹介を受けられる可能性が高い点や面談などの採用の手間を省くことができる点が挙げられます。一方で、人材紹介エージェントを利用して採用に至った場合には、高額の紹介料が必要となるという点がデメリットです。高いコストをかけてでも、能力の高い人材を求めている場合に有効な人材募集の方法といえます。
2-10.人材派遣会社
人材派遣会社を利用しての人材募集の方法とは、人材派遣会社からスタッフを派遣してもらい、人材派遣会社に報酬を支払うというものです。
人材派遣会社を利用するメリットとしては、採用などの面倒な手続きを経ることなく、必要な人材を必要な期間だけ利用できるという点が挙げられます。一方で、自社で直接採用するよりも報酬が高額になるという点や、短期間での教育ができず考えているような労務の提供を受けられない可能性があるという点がデメリットです。
2-11.ポスティング
ポストへの直接投函によって求人情報を配布する人材募集の方法です。
ポスティングによる方法は、自社でチラシを作成して配布する場合にはコストを安く抑えられるという点や、狙った地域に絞ってチラシを配布することができるという点がメリットといえます。一方で、チラシの内容によっては全く反応が得られなかったり、配布などに大きな手間がかかったりするという点がデメリットです。
2-12.直接スカウト
直接スカウト、ダイレクトスカウトとは、ビズリーチなどのサイトを利用して、企業が直接候補者を探してアプローチするという人材募集の方法です。
直接スカウトのメリットとしては、求人サイトや人材紹介エージェントにも登録していない優秀な人材を見つけられる可能性があるという点が挙げられます。一方で、スカウトのためのメールを作成したり、交渉したりするのに手間とコストがかかるという点がデメリットです。
2-13.オンライン会社説明会
オンライン会社説明会とは、オンライン上で求職者に対して会社説明会を開催する人材募集の方法です。ライブ型の説明会であれば、コロナウイルスの流行により求職者と接するのが難しい状況においても、求職者と接することのできる貴重な機会となります。
また、リアルでの会社説明会と比べて会場設営が必要ないという点もメリットです。一方で、リアルでの会社説明会に比べると求職者の反応がわかりにくいなどのデメリットもあります。
2-14.ミートアップの開催
ミートアップとは交流会のことで、ミートアップを利用した人材募集の方法としては、ミートアップを開催し、その中で自社の魅力を伝えて、その後の面接などに繋げるというものです。
ミートアップを利用した人材募集のメリットとしては、交流会を通じて自社の魅力を伝えやすいという点が挙げられます。一方で、ミートアップの開催は単発では効果を挙げにくく、小規模でも定期的に開催しなければ参加者を集めにくいという点がデメリットです。
3.人材募集を行なう際の流れ
人材募集の方法は多岐にわたり、採用活動を成功させるには自社に合う方法を選ぶ必要があります。以下の手順に沿って行うことが、成功のポイントです。
- ターゲットの設定
- 募集方法の決定
- 求人の原稿を作成
- PDCAを回す
順にみていきましょう。
3-1.募集するターゲットを決める
人材募集で重要なのが、ターゲットの設定です。自社が求める人物像を明確にしなければ、本当に必要とする人材が集まりません。実際に採用しても、ミスマッチが起こりやすいでしょう。
ターゲットは、年代や性別・性格・家族構成など、自社のニーズに合わせて詳細に設定します。求めるスキルや経験については「なぜ必要なのか」を考え、本当に必要とするものを明確にしていきましょう。
3-2.募集方法を決める
ターゲットを設定したら、そのターゲット層にアプローチできる媒体・募集方法を決定します。「コストが安いから」「人気のある媒体だから」といった理由だけで、方法を決めるのは避けましょう。
その媒体・募集方法でアプローチできる人材の中にターゲットがいなければ、自社が求める人材は集まりません。採用活動の意味がなくなってしまいます。
3-3.募集原稿を作成する
募集方法を決めたら、求人募集の原稿を作成します。ターゲットからの応募が集まるよう、原稿の内容はできるだけ具体的に作成しましょう。
ターゲットのいる媒体を選んでも、原稿の内容が求職者に届かなければ意味がありません。応募者を増やしたいために待遇面での好条件ばかり記載すると、ミスマッチが起こりやすくなります。必要とするスキルは詳細に記載するなど、正確な情報を届けることが大切です。
3-4.PDCAを回す
人材募集を掲載したらそれで終わりではなく、PDCAを回して改善を重ねましょう。応募者が集まらないなど成果が出ない場合に振り返りを行い、目標を達成できない原因を追究します。よい結果が出た場合でも、次回につなげるために振り返り作業を行いましょう。
原因を解明したら、課題の改善に取り組みます。再度計画を立て直し、PDCAのサイクルを回してください。
4.正しい募集方法を選ぶための2つのポイント
自社に適した人材募集方法を選ぶには、押さえるべきポイントがあります。ここでは、必ず押さえたい2つのポイントをご紹介します。
4-1.各募集方法の強みを知る
自社に合う募集方法を選ぶには、各媒体や募集方法の強みを知ることが大切です。募集方法にはそれぞれ強み・弱みがあり、自社が求めるターゲットにより適した募集方法は異なります。
強みは集客力がある、費用対効果が高い、イベントの内容がよいなどさまざまです。それぞれの媒体が持つ強みを活かし、複数の媒体を使い分けるのもよいでしょう。
4-2.採用計画を立てる
行き当たりばったりの採用活動では、求める人材を確保できません。採用スケジュールや予算などの採用計画をしっかり立てることで、正しい募集方法を選べます。
採用計画ではまず採用目標を決め、評価方法・選考基準を検討しましょう。スケジュールは入社日から逆算し、内定日・選考日程・説明会の日程など大きなイベントごとにわけ、必要なタスクを抽出しながら設定します。
5.人材募集成功のポイント
人材募集の方法をご紹介してきましたが、どのような人材募集の方法を採用するにしても、人材募集を成功させなければ意味がありません。そこで、ここからは、実際に人材募集を行うに際して、人材募集を成功させるためのポイントを次の3つに分けて解説します。
- 希望する人材要件を明確にする
- 自社のアピールポイントを明確にする
- 希望する人材に合わせた募集方法を採用する
- 求職者が求める情報を開示する
5-1.希望する人材要件を明確にする
まずは、希望する人材要件を明確にすることが重要です。人材募集を行う際に、どのような人材を求めているのかが明確でなければ、どのような層に向けて募集を行うべきなのか、面接を行う際に何を基準に判断すればよいのかなど、あらゆる点で判断基準がない状況となってしまいます。
そのため、少なくとも採用担当者の間では自社が求める人材要件を明確にし、それぞれが求める人材にズレが生じないようにしなくてはなりません。希望する人材要件を明確にすることが人材募集の出発点です。
5-2.自社のアピールポイントを明確にする
多くの募集を集めるためには、自社のアピールポイントを明確にすることも重要です。どのような募集方法を採用するにしても、求人情報などで自社のアピールポイントを求職者に伝えることができれば求職者の目を引くことができるでしょう。
求人情報は多く溢れているため、自社のアピールポイントを伝えることができなければ、他の求人情報に埋もれてしまい、応募を集めることはできません。人材募集を行う際には、自社のアピールポイントは何なのか、それを求職者に伝えるためにはどうしたらよいのかという観点が必要です。
5-3.希望する人材に合わせた募集方法を採用する
それぞれの人材募集方法のメリットやデメリットを踏まえて、希望する人材に合わせた募集方法を採用することが重要です。
例えば、難度の高い資格保有者や経験豊富な管理職候補を求める場合には、ハローワークなどを利用しても効果を挙げることは難しいでしょう。その場合には、優秀な人材にアプローチしやすい人材紹介エージェントやダイレクトスカウトによる方法が有用です。また、多くの人数を一度に採用したい場合には、求人サイトと人材派遣や人材紹介を併用するなどして、多くの応募者、候補者にアプローチできるようにするのが効果的といえます。
このように希望する人材に合わせた募集方法を採用できるかによって、募集の成果には大きな差が生じることになるため、募集方法の選択は重要です。希望する人材によってどのような募集方法を採用するのが適切なのか判断するためには、これまでの募集実績をデータ化することも有効といえます。過去のデータから有効な募集方法を選択して、今後の募集に活かすことができるでしょう。
5-4.求職者が求める情報を開示する
求職者が集まらないのは、求職者に自社の魅力が十分に伝わっていない可能性もあります。そのため、求職者が求める情報を開示することが大切です。
「どのような職場なのか?」「どのような人が働いているのか?」といった疑問に答え、入社後のイメージが明確になるコンテンツや、会社理念が伝わるような工夫をしてみましょう。
6.人材募集を行う際のコツ
人材募集を行う際には、求職者が求める情報を示すこと、応募のハードルを下げることで、応募の数を増やすことができます。特に多くの人材を募集する場合などには、応募者の数を増やすことが重要だからです。
求める職種ごとに求職者はどのような情報を知りたいのかを考えて、それを求人情報で的確に伝えることや厳格な応募要件を求めないなどの工夫で応募の数が増えるようにしましょう。
7.希望する人材に合わせた人材募集をしよう
今回は人材募集のさまざまな方法と、人材募集を成功させるポイントについて解説しました。企業の継続的な発展には、人材募集は欠かせません。人材募集を成功させるためには、希望する人材を明確にしたうえで、その人材に合わせた募集要用を採用することが重要でしょう。