面接官とは、自社に応募してきた者に会い採用するかどうかを判断する人のことです。書類選考などを通過した応募者に対し、面接をすることが一般的です。採用担当者や経営者が面接官を務めることが多いですが、募集先の部署の社員が行うこともあります。
面接官は応募者が自社で設定している採用基準を満たしているかどうかを見極め、必要な人材を確保する役割を担います。通常、面接官がチェックするのは、以下のような内容です。
応募者の人物像は書類選考である程度把握できるものの、履歴書や職務経歴書に記載された内容が正しいものかどうかまでは、判断できません。そのため実際に会うことで、書類に記載されている内容の成否を判断します。また、書類だけでは読み取れない人物の情報を引き出します。
そのほか、応募者の入社したいという動機を形成するのも、「企業の顔」を担う面接官の重要な役割です。自社に応募してきているからといって、応募者の志望度が高いかどうかはわかりません。応募者は1つの企業のみに応募しているわけではなく、複数の企業を受けていることがほとんどであるためです。
応募者に「想像していたよりも良い企業のようだ」「この企業に入社すれば成長できそう」と思ってもらい、最終的に自社への入社を選択するように導く必要があります。
面接官は前述した応募者の見極めと入社への動機形成を行うために、以下の4つの役割を担うことが多いです。
それぞれの役割の特徴を解説しています。
フォロワーは応募者の味方になって寄り添いその本音を引き出す、面接官の役割の1つです。採用段階の次のステップに進みたいと思わせるために、応募者が抱く不安や疑問を解消します。それによって、「ぜひこの企業に入社したい」という動機形成も行います。
フォロワーを担うのは、人事担当者や現場のマネージャーなどが担うのが一般的です。
モチベーターに求められるのは、応募者の動機形成を促す役割です。自社の魅力を伝えることで、入社へのモチベーションを高めます。
モチベーターは最初の面接を担当することが多く、人事担当者や現場マネージャーなどが担います。自社の魅力や自分が入社した経緯を伝えるほか、応募者が入社後に思い描く将来像を引き出し、「この企業ならなりたい将来像に近づける」と、志望動機を形成するのです。
インパクターは応募者に気づきを与え、自社に入社する動機付けを強化し、最終面接者につなげる役割を担います。面接において、インパクターは応募者がまだ知らない自社に関する新たな視点を与える点がポイントです。
そのため、社内で活躍している人物に担ってもらうと効果があると考えられます。具体的には、現場でトップと認められるプレイヤーやエンジニア、部長や役員などが適任です。
クローザーは採用活動を締めくくり、応募者が入社を決断をするように促す役割であり、一般的に社長や役員が担います。クロージングとは、直訳すると終わりや締めくくりなどを意味する言葉です。営業におけるクロージングが成約に向けた最終フェーズであるのと同じように、入社にむけて働きかけます。
応募者が自社への入社に関して抱える不安要素や懸念材料をそのままにしていては、入社先として選ばれにくいでしょう。たとえ入社した場合でも、迷いや不安を持ったままでは高いパフォーマンスを発揮できない可能性があります。そのため、クローザーが応募者の不安や懸念を払拭することが重要です。
面接官が抑えておきたい心得は、主に次の3つです。
面接官に求められるのは、自社が求める人材の確保です。その成果を得るためには、これらの心得を意識する必要があります。順番に解説していきます。
面接官は、企業の代表であるという意識を持ちましょう。面接官は応募者を採用するかどうかを判断する役割を担うとともに、応募者が入社前に出会う数少ない「志望する企業の社員」であることを忘れてはいけません。
そのため面接官の言動は、企業の印象を大きく左右させます。信頼感や安心感を与え、「このような人がいる企業で働きたい」と思ってもらえるような振る舞いをすることが重要です。
採用面接は、企業側が応募者を評価する場であるだけでなく、応募者もまた企業を評価し、他の企業と比較している場であることを忘れないようにしましょう。応募者が複数の企業から内定をもらっている場合、最終的に入社するのを決めるのはもっとも魅力的な企業であることがほとんどです。
前述のとおり、面接官はその企業の代表としての役割を担うため、言動や身だしなみなどに十分に注意する必要があります。応募者を選ぶ立場にあるからと、まれに高圧的な態度を取る面接官もいますが、そのような企業が内定を出したところで、辞退される可能性が高いです。
応募者に寄り添い、キャリアを応援するスタンスで接することをおすすめします。
応募者がリラックスできる雰囲気を作ることも、面接官に求められる重要なポイントの1つです。採用面接におけるゴールは、自社が求める人材を確保することです。そのため、応募書類からは読み取れない、応募者の人物像や仕事観を探る必要があります。
しかし、採用面接が緊張感に包まれた雰囲気では、本音やありのままの姿を引き出すのは困難な可能性が高いです。応募者がリラックスして面接に臨めるよう、明るい表情を意識したり、応募者の長所を引き出す会話をしたりすることを意識しましょう。
応募者がゆったりと座れる椅子を選ぶ、窓から景色が見える開放的な雰囲気の部屋で行うなど、ハード面を整えることも有効です。
面接官は、応募者が自社が求める人物かどうかを正しく見極めること、入社への動機付けを行うことを求められます。そのために、以下のような流れで面接を進めていくことがポイントです。
順番に解説していきます。
アイスブレイクとは、面接や会議において参加者の緊張をほぐし、コミュ二ケーションを円滑に行うための雑談のことです。堅い雰囲気をアイスに例え、それを壊すというのが名前の由来とされます。面接の冒頭に5〜10分程度行われるのが一般的です。
面接が始まってすぐに本題に入るのは、避けたほうが賢明といえます。応募者の緊張をほぐさないまま面接を行っても本音を引き出しにくく、本当の姿を見極めることは困難であることが多いです。またアイスブレイクを行うことで、面接官の肩の力を抜く効果もあります。
アイスブレイクは、以下のような内容を数ターン行うことが一般的です。
二次面接からは、一次面接のときの面接官を同席させると場が和みやすくなります。なおオンライン面接は、対面の面接よりも緊張感が解けるまで時間がかかる傾向にあります。そのため、アイスブレイクの時間を多めに確保することがおすすめです。
アイスブレイクが終わったら、まずは面接官が自身の自己紹介をしましょう。面接官の自己紹介では、以下の内容を伝えます。
次に、応募者に自己紹介をしてもらいます。中途採用の場合は現職でどのような仕事をしているのか、新卒採用では学校名や学部などの学校情報を中心に伝えてもらうのが一般的です。
話の中でさらに聞きたい、あるいは気になる箇所については質問をして、応募者への理解を深めます。
続いて、企業概要や業務内容の説明を行います。具体的には、以下のような内容を説明することが多いです。
応募者なら、ある程度企業情報を調べてくるだろうと考えがちですが、応募者からすると、候補の企業のうちの1つに過ぎないケースが少なくありません。そのため、上記のような内容を簡潔に伝え、応募者と認識の齟齬が生じないようにします。
企業と応募者の間に認識の齟齬があると、採用のミスマッチを引き起こしかねません。採用のミスマッチとは、応募者がイメージする業務内容や労働条件などが企業の実態と異なる状況を指します。
この状況をうやむやにしたままでいると、応募者が認識のずれに気づき内定辞退を申し出るという事態を招く可能性があります。また、入社後に「こんな仕事をするつもりではなかった」とモチベーションが低下し、早期の退職を招くリスクがあることにも注意しましょう。
履歴書や職務経歴書の内容に関する質問は、このタイミングで行うのが適切です。中途採用であれば、それまで従事していた仕事内容を掘り下げて聞きます。
たとえば、以下のような質問を投げかけると、履歴書や職務経歴書の内容を深掘りし、応募者の人となりやマネージメントスキルなどを掴めるでしょう。成果につながった行動や考え方を確認し、自社でも活躍できそうな人材か判断できます。
新卒採用では学生時代に力を入れたことや、専門的に学んだ分野を確認し、自社の事業内容や募集職種への適性を判断します。
また中途採用において、転職経験がある場合は転職の理由などをヒアリングします。この質問によって、応募者が業務上でストレスを抱えたり、会社にミスマッチを感じたりする状況を知ることが可能です。
ただし、聞き方には注意しましょう。応募者が感じたことを責めるような態度だと、心を開いてくれなくなります。
複数の面接官がいる場合は、それぞれが場当たり的に質問するのではなく、質問する内容や順番をあらかじめ整理して共有しておくことがポイントです。
履歴書や職務経歴書の内容を深掘りする質問が終わったら、応募者の将来的な展望や意欲に関する質問を投げかけます。将来の展望や意欲の確認は、応募者の将来性を判断するうえで有効です。将来の展望をヒアリングすることで確認できるのは、主に以下の2つです。
目標設定が明確にできていると、仕事に対するモチベーションや向上心を維持しやすい傾向にあります。さらに、目標に向けてどのように行動したら良いかまでを自主的に考えられる人物であれば、自ら積極的に新しい仕事を覚えていける可能性が高いです。
自社で働くイメージを持てているかどうかも、自社に合った人材を探すために確認しておきたい事項の1つです。たとえ優秀な人材であっても、自社の企業文化や働き方などにマッチしていないと、能力を発揮する機会のないまま辞めてしまう可能性もあります。
また、業界や企業についてどの程度調べているかもわかるため、意欲の高さを判断する材料にもなるでしょう。
企業からの質問が一とおり終わったタイミングで、応募者からの質問に応じる時間を設けます。企業概要や業務内容の説明をしたとしても、すべてを理解するのは困難なことが多く、疑問や不安を持つものです。質疑応答の主な目的は、それらを払拭することです。
既にお伝えしてきたとおり、応募者のほとんどは複数の企業の採用面接を受け、入社する企業を選ぼうとしています。そのため自社にネガティブな印象を抱くことが無いよう、誠実かつ丁寧に対応することが重要です。また企業としても、応募者の認識と企業の実態のずれによって起きる、採用のミスマッチは防がなければなりません。
そのほか応募者からの質疑応答で、応募者の意欲やコミュニケーション能力を知ることもできます。応募者は、実際はそうでなくても選考を突破するために「御社が第一志望です」と答えるケースが多いです。そのため、「第一志望であるか」という企業からの質問では、志望度を正確に確認するのは困難であるともいえます。
しかし本当に志望度が高い企業であれば、ホームページや求人などを読み込んでいるケースが一般的です。そして情報収集が進むほど、疑問や質問が出てくることも想定されます。
自分の考えをうまくまとめて聞くことができるかどうかも、自発的な質問の時間を持つことで、ある程度判断することが可能です。
最後に、合否連絡までの予定日数や連絡方法などの事務的な内容を伝えます。電話で伝える可能性がある場合は、連絡が取りやすい時間も聞いておきましょう。
また面接時間によっては、面接が終了する時刻にはオフィスビルの正面玄関が閉まっていて、来社時とは異なる通用口を利用する必要があります。こういった細かい点も含めて、連絡事項があれば忘れずに伝えてください。
ここからは面接で使える質問例を、「面接前半に使える質問」「面接中盤に使える質問」「面接終盤に使える質問」のタイミング別にご紹介します。面接の際にぜひご活用ください。
面接前半のアイスブレイクに使える質問例としては、以下のような内容が挙げられます。
面接の前半でいきなり本題に触れることは避け、世間話のような感じでアイスブレイクを行うのが理想です。序盤から「自社を知ったきっかけは?」といった質問をしてしまうと、応募者は突然面接の本題に入ったことに驚き、かえって緊張してしまうかもしれません。
アイスブレイクのコツは、先に「はい・いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンを投げかけ、その後に自由に答えられるオープン・クエスチョンを行うことです。面識のない相手に選択肢の多いオープン・クエスチョンを繰り返すと、心理的な負担を与える可能性があるためです。
適切なアイスブレイクは、自社のイメージアップにつながることもおさえておきましょう。応募者は、自分を出せたと感じる面接官や企業に対して好感を持つ傾向があります。逆に、過度に緊張してしまい自然な自分を出せなかった場合、その企業に対してあまり好ましくない印象をもつ可能性があるのです。
そのため、好印象を抱いてもらうことで応募者の志望度を上げられる効果も期待できます。話しやすい雰囲気になったら、自己紹介を求める質問のほか、履歴書や職務経歴書を深掘りする質問を続けます。
ここでは単なる事実の説明にとどまらず、応募者がどのように考えて行動してきたかまで引き出すことが理想です。そのため、応募者の回答をさらに深掘りできるように質問を投げかけましょう。
面接が始まってから履歴書や職務経歴書に目を通すと、適切な質問内容がすぐに思い浮かばない可能性があります。事前に内容を確認し、どのような質問をするか考えておくことをおすすめします。
また応募者の志望動機も、面接の前半で確認することが多いです。
志望動機の確認をすることで、採用のミスマッチを抑制できます。応募者のイメージと企業の実態の乖離が明らかになった場合、放置してしまうと内定辞退や早期離職の原因となる可能性があるため、早めに認識のずれを解消しておきましょう。
応募者の人物像が明らかになってきたら、面接中盤では自社での活躍が期待できる人材かどうか判断することを目的に、以下の内容に関する質問を行います。
応募者の仕事観を知るためにおすすめなのは、次のような質問です。
仕事観を確認することで、自社に合った人材かどうかをチェックすることが可能であり、採用のミスマッチの防止にもつながります。
職務への適性や人間性を見極めるのに有効なのは、以下の質問です。
自身が認識する強みだけでなく、友人や知人からの評価も聞くことで多角的に人物に迫ることができます。また、早めにストレス耐性や傾向を確認しておくことで、仕事の適性を見極める、応募者に合った部署への配置を検討するなどの対応が取りやすくなります。
今後のキャリアプランの確認も重要です。次のような質問例が挙げられます。
自社では応募者の思い描くキャリアプランを実現することが困難な場合は、この段階で正しい情報提供を行いましょう。過度な期待を抱かせないようにし、実現可能なことと不可能なことを明確に伝えておくことが、双方にとって良い結果をもたらします。
面接終盤で条件面を確認する質問を行うほか、応募者の質問や疑問を解消する時間を設けます。以下のような質問を投げかけ、条件面の確認を行いつつ同意を得ることで、入社後に「思っていた条件と違う」といったトラブルに発展することを防ぎましょう。
最後に「何か聞いておきたいことはありますか?」と、応募者からの質問を促します。応募者が抱く不安や疑問を払拭するために、誠実かつ丁寧に答えるようにしましょう。応募者の入社意欲の高さを確認する機会にもなります。
一方でホームページで調べればわかることを質問してくる、同じ内容を何度も質問してくる、賃金や労働時間などの待遇面ばかりを質問してくるといった応募者もいるかもしれません。その場合、自社への興味が低いと判断するのが妥当といえます。
面接官が面接を行う際のポイントは、主に次の5つです。
応募者が自社が求める人材かどうかを見極めたり適切な人材を確保したりするために、これらのポイントを意識して事前準備しておくことが大切です。それぞれ解説していきます。
面接前に、今回の採用活動で求める人材像を、すべての面接官が明確に理解しておくことが重要です。どのような人物を採用するかの共通認識がないと、多くの応募者から選ぶことは困難であるほか、選抜された人材に共通点が見当たらないという状況に陥る可能性があります。
多くの企業では、一般的に優秀とされる人材を採用しようとします。しかし、多くの企業がそういった人材を採用したいと考えるため、取り合いになるケースがほとんどです。知名度があまり高くない企業の場合、優秀な人材を確保するのは容易ではない傾向にあります。
そのため自社や募集職種に合った人物像を明確にして、対象を絞ることが必要です。企業によって、また募集職種によって求める人材像は異なります。一般的に優秀とされる人材よりも、自社の企業文化や募集する職種にフィットした人材のほうが、長期的にパフォーマンスを発揮できる可能性が高いです。
そのため、今回の面接で採用したいのはどのような人物なのかを明確にしたうえで、正しく理解しておくことが不可欠です。
また、求める人材像が明確になっていると思っていても、「コミュニケーション力が高い」「学習意欲が高い」など、単に定義が決められているだけのケースも少なくありません。たとえば、以下のようにコミュニケーション力や学習意欲が高いことを判断する基準まで決めておかないと、面接官同士の目線をすり合わせるのは困難といえます。
求める人物像の定義 |
採用基準 |
コミュニケーション力が高い |
・初対面の相手とも臆せずに会話できる ・目上の相手に対しても、自分の意見を伝えることができる |
学習意欲が高い |
・業務に関する本を月2冊以上読んでいる |
そのほか、たとえば社内で評価されている人物を例に挙げて、「〇〇さんが〇〇するときのような、〇〇する力」と具体的にイメージできるようにするのも有効です。面接官の間で認識のずれが生じないように、定義した言葉のイメージをすり合せておきましょう。
求める人材要件を明確にしたら評価基準を可視化し、応募者をどのような尺度で評価するかどうかを決めます。応募者が採用基準をどの程度満たしているのか、3段階または5段階程度の基準を設定を設けると評価しやすくなると考えられます。
たとえば「コミュニケーション力が高い」ことを求める場合は、次のように基準を設定しましょう。
評価基準 |
|
評価1 |
・初対面の相手とは挨拶程度しかできない ・人の話をあまり聞かず、自分の話したいことを一方的に話す |
評価2 |
・初対面の相手とも問題なく会話できる ・人の話を最後まで聞いたうえで自分の話ができる |
評価3 |
・初対面あるいは立場が上の相手にも、相手の考え方や価値観を尊重しながら、自分の意見を適切に伝えられる |
さらに、評価項目や基準を一表にまとめた「評価シート」を作成し、面接官はこのシートに基づき質問をすることをおすすめします。評価シートがあれば、面接官によって判断基準が異なる事態を回避でき、効率的な採用活動につながります。
面接官は、自社のことをしっかりと説明できるようにしましょう。すでにお伝えしてきたとおり、面接官は応募者の入社への動機形成を行う役割も担います。
そのため、自社の魅力をわかりやすく伝えるスキルが求められます。自社の魅力を伝えるには、事業内容や業務内容をしっかりと説明できるようにしておかなければなりません。
応募者からどのような質問が出るかある程度想定し、的確に答えられるように準備しておくことも大切です。応募者からの質問は、自社に入社することへの不安が反映されているケースも少なくありません。不安を少しでも解消し、会社により魅力を感じてもらうために、応募者の質問一つひとつに真摯に向き合い、回答することが求められます。
質問への回答の仕方で、会社への志望度が上がる可能性も下がる可能性もあることを認識しましょう。想定される質問は、自身が入社の際に不安に感じていたことを振り返ったり、最近採用した社員にヒアリングしたりすると洗い出しやすくなります。
面接官は、発言や言葉選びに気をつけましょう。就職差別につながるおそれのある質問には、以下のようなものが挙げられます。
このような応募者の適性や能力と関係のない質問をすることは、就職差別につながるリスクがあることを理解する必要があります。
応募者の緊張を少しでも和らげようと、本人の適性や能力と関係のない質問を投げかけてしまうケースもあるかもしれません。しかし、かえって応募者を緊張させたり気分を沈ませたりするリスクが高いことを考慮しましょう。結果的に、合否に影響してしまう可能性もあります。
また、以下のような質問はセクシャルハラスメントにつながる可能性があります。
就職差別につながる質問やモラルに反する質問は、応募者を不快にするだけでなく、人権の侵害にも該当することを理解しましょう。
参照元:大阪労働局「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」
面接官は、応募者が自社の求める人材であるかを見極め、入社への動機付けを行います。そのため、「フォロワー」「モチベーター」「インパクター」「クローザー」の4つの役割が存在します。
採用のミスマッチを防ぐために、求める人材像を正しく理解し、応募者が自社にマッチしているかどうかを見極めるための質問を考えておきましょう。企業概要や業務の内容などを、わかりやすく説明できるよう準備することも大切です。
また、面接官は企業の代表であるという意識を持ち、企業もまた応募者に選ばれる立場にあることを認識することが重要です。そのため、言動や身だしなみなどに十分に注意し、好印象を与えられるように心がけましょう。そのほか、応募者の本音やありのままの姿を引き出すために、リラックスできる雰囲気づくりに務めることも求められます。
面接官の役割を理解し、面接の適切な進め方をマスターしましょう。