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【採用側】アルバイト面接の心得とは?面接官の質問例と辞退防止のポイント

作成者: スタンバイ制作チーム|2023/38/26

1.企業がアルバイトを採用する際に確認すべきこと

企業側がアルバイトを採用するためには、求人広告への掲載や採用面接にかかる工数など、少なからず手間やコストが発生します。

アルバイトが定着せずにすぐに辞めてしまうと、頻繁に採用を行わなければならず、本来行うべき仕事にも影響がおよぶ可能性もゼロではありません。

そのため、できる限り効率的に採用を行い無駄なコストをかけないよう、企業が面接時に確認すべきことをお伝えします。

1-1.人柄が会社にマッチしているか

アルバイト採用の際には、応募者のスキルだけでなく人柄にも着目して面接をしてください。

アルバイトは社員と比べて一人で完結する仕事が少なく、複数人のチームで作業をすることがほとんどです。

そのため、アルバイトにもほかのスタッフと協力して、仕事を円滑に進められるチームワークが求められます。人柄が明るく、周りと積極的にコミュニケーションが取れる方は顧客からも好かれ、チームで仕事を進めるうえで価値のある存在になるでしょう。

さらに、人柄が会社にマッチしていれば定着につながるのはもちろん、職場の雰囲気もよくなるため、一緒に働くアルバイトの早期離職防止の効果も期待できます。

1-2.仕事への意欲があるか

自社の仕事に対して意欲のある方でなければ、採用してもすぐに退職してしまったり、内定を出しても辞退したりする可能性があります。

仕事への意欲を見極めるポイントは、「応募者が仕事内容を具体的にイメージできており、それに関心を持っているか」「過去のアルバイト経験や価値観が仕事に活かせるか」などです。

上記のポイントとともに、志望動機や自己PRと整合性が取れているかを加味すれば、仕事への意欲の判断材料となります。

1-3.必要なだけシフトに入ることが可能か

アルバイトを採用したにもかかわらず、シフトに入れる日数が少ないと、人員不足によるサービスの質の低下につながる恐れがあります。

本来サービス提供に必要な人員が確保できないことで、顧客を長く待たせてしまったり、掃除などが行き届かなかったりする場面が発生する可能性もあるでしょう。

面接時にシフトに入れる日数を確認する際には、仕事が忙しくなる曜日や時間帯にしっかりと入れるかを聞くと、忙しい時であっても人員不足によるサービスの質の低下が避けられます。

また、人員不足は一緒に働く社員やほかのアルバイトへの負担が増すため、退職者が出てさらに人員が減ってしまう悪循環に陥る可能性も否めません。

しっかりとシフトに入れるかどうかを確認すれば、ほかのアルバイトの定着率向上にも寄与します。

1-4.すぐに辞めないか

せっかく採用してもすぐに辞めてしまってはコストがかかる一方であるため、企業としては早期離職を避けたいところです。

面接時にこれまでのアルバイトを辞めた理由などを聞くことで、応募者のストレスとなるポイントや苦手な業務などが探れます。さらに採用後にやりたいことも聞いておけば、本人の希望に合わせられるため定着につながります。

そして、アルバイト以外の時間の使い方も把握できるとベストです。学生やダブルワーカーなど、ほかに時間を取られる活動をしている方には、自社のアルバイトを行う余裕があるかを気にかけてフォローすることで、早期退職の防止ができます。


2.アルバイトが企業に求めること

応募者に辞退されず無事に入社してもらうために、自社の仕事が魅力的であると感じさせる必要があります。

アルバイトが企業になにを求めているかを把握したうえで、自社の魅力を面接の場でしっかりとアピールできるようにしてください。

2-1.シフトの柔軟性

シフトが柔軟であれば自分の都合に合わせて働けるため、シフトに入れる時間や曜日の自由度が高いアルバイトは人気があります。

たとえば、学生であれば授業や試験のスケジュールに合わせて働いたり、主婦であれば子どもの行事や習い事に合わせて時間を決めたりできると、非常に魅力的です。

最低限シフトに入らなければならない日数や時間の制限がないアルバイト、シフト提出までの時間に余裕があったり、シフト提出後であってもある程度変更ができるアルバイトだったりすると、より魅力的です。

また、シフトが柔軟であれば自分の生活リズムに合わせた働き方ができるため、ワークライフバランスが取りやすく、ストレスを感じずに働ける点もアルバイト側にはメリットです。

2-2.仕事を通じて得られる経験やスキル

将来のキャリアのために、アルバイトでどのような経験が得られるかを重視する方も少なくありません。

たとえば、コミュニケーション能力は、就職活動時の面接や社会に出てからも問われるものです。アルバイトであっても接客やチームでコミュニケーションを取りながら、1つの仕事を行うといった経験を得たいというニーズもあります。

そのほか、マルチタスクをこなせる時間管理や正確な報告・連絡・相談、クレームの対応など自社の仕事で得られるスキルを整理して、将来につながることを応募者にアピールするのが重要です。

2-3.自分が必要なだけの給料がもらえるか

アルバイトで働く方々にはそれぞれ希望する金額があるため、自分の希望が叶えられる条件かどうかは大きなポイントです。

自分が望む給料が稼げるくらいのシフトに入ることが可能か、夜間にどれくらい働けるのか、昇給はあるのかといった点は稼ぎたい方にとって重要です。

面接の際には応募者が希望する給与を聞き、それが現実的に可能なのか、どれくらい働かなければならないのかなどを細かくすり合わせをしておきましょう。

3.アルバイトの面接の進め方

応募者の意欲を高めて無事に働いてもらうためにも、面接の進め方は採用成功において非常に重要な要素です。面接の段取りが悪ければ、意欲が下がり辞退につながる恐れもあります。

ここでは面接の基本的な進め方を、具体的な質問例なども交えて解説いたします。

3-1.面接する場所を決定

あらかじめ面接する場所を決めておくことでスムーズに誘導ができ、面接当日に無駄な時間を取らせることがありません。

このとき注意すべきなのは、応募者の個人情報が他者に聞かれないようにすることです。面接はできる限り離れたスペースや、個室を使うように配慮しましょう。

また、応募者に圧迫感や緊張感を与えないためにも、正面に座るのではなく、L字型のコーナーに座るといった工夫もおすすめです。

3-2.あいさつ・会社の紹介

応募者の緊張をほぐすことで、短い面接時間でも応募者の人柄がわかりやすくなり、ミスマッチ防止につながります。

まずは面接官側から自己紹介や応募の御礼、会社の概要などを伝えて、話しやすい空気づくりを心がけてください。

会社紹介の際にほかのアルバイト社員の年齢層やプロフィールを伝えれば、応募者が職場の雰囲気をつかみやすくなり、質問も出やすくなるためミスマッチ防止に効果的です。

また、面接前に世間話などの雑談を交えたアイスブレイクをすると、応募者がリラックスしてその後の面接に臨める可能性も高まります。

3-3.業務内容や勤務条件の説明

面接の段階で、任せたい業務の内容や細かな勤務条件について説明すれば、ミスマッチや早期退職を防ぐことも可能です。

業務内容の説明を丁寧に行うことで、応募者自身が自分に仕事がきちんと務まるかどうかを判断できます。つまり、業務説明の際に仕事で大変な部分や必要なスキルについても伝えることで、よりミスマッチの防止にもなりうるのです。

また、働いてほしい時間帯や曜日、長期休暇の取得可否などを知らせておくと、採用後に思わぬトラブルが起こるリスクを減らせます。

3-4.採用側から質問

条件面や業務内容について応募者側の問題がないことが確認できたら、人物像や価値観が把握できるような質問も行い、自社の仕事への適性を判断します。

具体的には、「周りからどのような人だと言われますか?」「これまでに挫折した経験はありますか?」といった性格面やストレス耐性がわかる質問が好ましいです。

できるだけオープンクエスチョンでの質問を意識すると、相手の話をしっかりと引き出せるため、適性が見極めやすくなります。

3-5.応募者からの質問

面接の最後に応募者に対して、「なにか気になる点はありませんか?」と質問を促し、不安の払拭をしましょう。

質問を促されなければ、気になる点があっても聞けない応募者も多数いるため、この項目は忘れないように注意したいところです。

また促されてもなかなか切り出せない方のために、よくある質問を例に出して面接官が答えることで応募者の安心感につながり、企業としての誠実さも伝えられます。

3-6.合否の連絡

面接の最後に、合否連絡の方法と期日についてお伝えしてその場を終えます。合否連絡の際に、応募者が希望する連絡手段や連絡が付きやすい時間帯などをあらかじめ聞いておくと、採用までのやり取りをスムーズに進められます。

合否連絡の期日の目安としては、1週間以内が望ましいです。あまり長く待たせてしまうと、志望意欲が下がり辞退される可能性もあるため、結果が出たらなるべく早めに連絡をしてください。

4.アルバイト面接における評価事項

面接の評価事項を決めておけば、面接担当が複数人いても公平な評価ができる点や合否決定のスピードを早められる点、面接自体を効率化できる点など多くのメリットがあります。

ここでは、アルバイト面接における基本的な評価事項の例をご紹介します。

4-1.勤務スケジュール

勤務スケジュールが柔軟に対応できる方であるほど、シフトを組む際に重宝するため、評価事項に入れておくのが望ましいです。

具体的な質問例としては、「週に何日、1日何時間くらいを希望ですか?」「希望の曜日や時間帯はありますか?」などがあります。細かい数字を出すことで、採用後のシフトも想定できるため、評価もしやすくなります。

とくに、自社の仕事が忙しい曜日や時間帯にシフトに入れる応募者は、積極的に評価していくのが望ましいです。

4-2.仕事への考え方や意欲

仕事への意欲を聞くことで、定着する人材であるかどうか、仕事への適性の有無などを探れます。

「多くのアルバイト先から、なぜ自社を選んだのか?」「アルバイトをする理由は?」「仕事内容で、とくに興味を持っているものはなにか?」などの理由を聞く質問が、意欲を探るうえでは有効です。応募者の回答が、自分の体験談や考え方などを交えた具体的なものであるほど、意欲が高いと考えてよいでしょう。

ただし、正社員雇用と比べてアルバイトでは明確な志望動機がない場合もあるため、応募者に明確な理由を求めすぎてプレッシャーを与えないような注意が必要です。

4-3.身だしなみや態度

アルバイトといえど、顧客へサービスを提供するうえで人に不快感を与えない最低限の身だしなみや、失礼のない振る舞いができるのは必要です。

評価項目としては、以下の点を見るとよいでしょう。

  • 第一印象はよいか
  • しっかりと人の目を見て会話ができるか
  • 明るくハキハキと話ができるか
  • 服装や身だしなみにだらしなさはないか

いずれも顧客や職場のメンバーへの好感度につながるため、これらの評価項目を満たしていれば活躍する可能性が高まります。

5.アルバイト面接時に配慮すべき点

アルバイト面接時に入社意欲を高めてもらうためには、面接の内容を磨くだけでなく、細かな配慮が行き届いている必要があります

仕事自体が魅力的であっても、面接官の振る舞いや面接する場などの配慮が欠けるだけで、マイナスの印象が強くなり辞退につながることもあります。

ここでは、面接時に配慮すべき点を3つご紹介しましょう。

5-1.面接会場の環境

面接会場は、整理された清潔感のある場所を設定するように心がけてください。

飲食店の場合は、実際に働く現場で面接を行うことも多くあり、そのときに汚れが目立っていたり備品の整理ができていなかったりしたために汚い印象を与えてしまい、マイナスな印象につながることもあります。

また、応募者は自分がその店舗で働いた時を想像するため、なるべく採用後のイメージを良くするためにも、面接会場の環境は整えるのが大切です。

5-2.面接官の見た目の印象

面接官はその企業の顔となるため、面接官の印象が企業への好感度に少なからず影響を与えます。

さらに、店長やマネージャーが面接官を務める場合は、応募者からは入社後に上司になる方として見られます。そのため、見た目の印象が悪く一緒に働きたくないと思われると、入社意欲も下がってしまいます。

必ずしもスーツ姿である必要はありませんが、服のしわや汚れがないような清潔感のある身だしなみで、親しみやすさを覚えてもらえることが大事です。

5-3.面接官の応募者への態度

面接官は応募者が初めて接するその企業の人間であるため、面接官の態度が悪いと企業へのイメージもネガティブになってしまいます。

乱暴な言葉遣いや上から目線といった態度はもちろんNGで、求職者の話に相槌を打たない、目を見て話さないといった無意識の動作にも気をくばるのが大切です。

面接官の人柄がよいと感じれば、入社後の職場の雰囲気もといイメージを持ってもらえる可能性が高まります。

また、たとえ面接中に採用は難しいと判断しても、あまりにも早く面接を終了してしまうと印象はよくないため、控えるのが無難です。

現在はSNSの投稿で企業のイメージが損なわれる恐れもあるため、誰に対しても丁寧な面接を行い、たとえ不採用でも応募者に好印象を持たれるように心がけましょう。

6.面接でのNG質問

面接でさまざまな質問をすることは応募者を知るうえで重要ですが、なかには法律違反となってしまう質問事項も存在します。

採用は応募者の適性や能力のみを基準に、合否の判断をしなければならないという原則があるため、これらに関係のない内容を聞くのは望ましくありません。

ここでは、よくある面接でのNG質問をご紹介します。

6-1.出自や家族に関する質問

出身地や国籍を尋ねたり、家族構成や両親の職業を尋ねたりすることは本人の能力には無関係の事柄であるため、質問してはいけません。

出自や家族に関する質問をすることで、応募者に対して差別や偏見があると受け止められる可能性もあります。企業のイメージや評判にも悪影響を与えかねないため、企業ブランドを守るためにも、こうした質問は控えましょう。

6-2.性差別やハラスメントにつながる質問

男女雇用機会均等法の観点から、女性に限定した質問や、ハラスメントにつながる質問は避けてください。具体的な質問例としては、「結婚や出産のご予定はありますか」「女性ですが、〇〇の業務は可能ですか」といったものが挙げられます。

採用において、性別を理由に合否の判断を行うのは許されないため、これらの質問は法的リスクにもなります。

6-3.思想・信条に関する質問

思想や信条に関する質問も合否の判断基準にするのがNGであるため、質問してはいけません。

具体的には、信仰している宗教や支持政党についての質問などであり、こうした質問は憲法に定められている思想の自由や信教の自由の考え方に反します。

また、尊敬する人物や購読している新聞といった、よく耳にする質問であっても、思想や信条に関する質問と捉えられかねないため注意が必要です。

7.アルバイト面接後の辞退を防ぐためのポイント

面接を経て採用したいと思った人物であっても、残念ながら辞退されてしまうケースも少なくありません。

しかし、面接時の対応や細かい気配りによって、入社意欲を醸成して辞退を防げる可能性が高まります。

辞退を防ぐためのポイントはすぐに実践できるものも多いため、ぜひとも積極的に取り入れてください。

参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
参照元:厚生労働省・都道府県労働局・ハロワーク「公正採用選考啓発リーフレット・事業主向け

7-1.面接後の連絡はできるだけ早く行う

面接後の連絡をできる限り早く行うことで、応募者が他社の選考に進む前に採用を決められる確率が上がります。

また、応募者の入社への意欲は面接から時間がたつと下がってしまう恐れもあるため、可能であれば合格の場合は当日中に連絡しましょう。当日中の連絡が難しい場合は面接の御礼のみ伝え、合否連絡の日付がいつになるかをしっかりと伝えてください。

合否連絡がいつになるのかをわからなければ、応募者は他社のアルバイトへの応募も進めてしまう可能性もあるため、採用連絡後の辞退につながる可能性があります。

7-2.研修が充実していることをアピールする

応募者が自社の業界や仕事内容が未経験であるほど、働くことに不安を感じています。

不安を払拭するためには、面接時に研修内容が充実していることを伝えたり、未経験からでも活躍している先輩社員の存在を教えたりするのが効果的です。

研修で行う内容や教育担当の有無、マニュアルがどれくらい整っているかなどを伝え、入社後の教育に対して安心感を持ってもらえるようにしてください。

このとき、入社後にどれくらいの期間でどのようなことができるようになるのかなどの、具体的なロードマップを提示できれば応募者もイメージしやすく、働くモチベーションにもつながります。

7-3.仕事のおもしろさを伝える

面接時に任せる業務内容を伝える際に、仕事のやりがいやおもしろさもあわせて伝えると、入社意欲の醸成が図れます。

面接官自身が感じるおもしろさを、具体的なエピソードを交えて話せば、働くイメージも湧きやすいでしょう。

このとき、仕事を通じて得られるスキルや将来に稼げる給与なども伝えることで、職場で長く働きたいというモチベーションアップにもつながります。

また、応募者と年齢の近い先輩アルバイトと話す機会なども設ければ、よりその仕事のおもしろさを感じられるでしょう。

8.ポイントを押さえてアルバイト面接を行おう

アルバイトの採用にかかるコストは決して安くはないため、面接を工夫して定着する人材をしっかりと採用するのは、企業にとって重要です。

本記事で取り上げた内容は手間やお金がかかる内容ではなく、すぐに実践できるものばかりのため、自社の面接に上手に取り入れて、効果的な採用活動につなげてください。