求人媒体とは、企業の求人情報を掲載し、求職者の応募を募るメディアです。さまざまな種類があり、雇用形態や予算などを考えながら、自社の人材確保に適した媒体を選ぶことができます。
1.求人媒体とは
「求人媒体」とは、人材を獲得したい企業と仕事を求める人をつなぐメディアのことです。求人媒体として多く利用されているのは求人サイトですが、それ以外にもさまざまな種類があります。働き方の多様化に伴い、求人媒体もニーズに応じて多種多様になっているのが現状です。
ここでは、求人媒体の種類について概要をお伝えします。
1-1.求人媒体にはさまざまな種類がある
求人媒体は民間企業が運営するものだけでなく、ハローワークといった公的機関もあります。求人サイトなどWeb媒体のほか、求人情報誌や折込チラシなど紙媒体も求人媒体として広く利用されています。求人の目的やターゲットにより、使い分けることが可能です。
また、求人媒体には料金がかかるものと、無料で掲載できるものがあります。
それぞれの内容をみてみましょう。
1-1-1.民間の求人媒体
求人媒体のほとんどは民間企業が運営しており、主に求人サイトや求人検索エンジン、求人情報誌などがあります。
求人サイトと似たサービスに人材紹介サービスがありますが、人材紹介サービスは有料職業紹介事業として国の許可が必要です。有料職業紹介とは手数料を得て求人企業と求職者間の雇用関係成立をあっせんするもので、情報提供だけを行う求人サイトは有料職業紹介事業には該当しません。
1-1-2.公的な求人媒体
公共機関が運営する求人媒体は、「ハローワーク」(公共職業安定所)です。ハローワークは、民間の求人媒体等では就職へ結びつけることが難しい就職困難者を中心に支援しています。
ハローワークは全国に設置され、職業紹介をはじめ求職相談や雇用保険の手続きを行っているのが特徴です。求人情報の掲載も採用時も費用がかからないため、多数の企業が利用しています。
ただし、ハローワークはあくまでも就職困難者の支援を目的としているため、即戦力の人材獲得を目的とする場合にはあまり向いていません。そのような場合は、目的に特化した民間の求人媒体の利用も検討したほうがよいでしょう。
参照元:厚生労働省「ハローワーク」
1-2.求人媒体には紙媒体とWeb媒体がある
求人媒体には、紙による媒体とWeb上で求人を募集する媒体があります。近年はWeb媒体が主流になりつつありますが、紙媒体が有効なケースも少なくありません。
web媒体は応募者が希望の地域を検索して仕事を見つけますが、紙媒体は地域を選んで配布でき、エリアを絞った求人活動ができます。また、紙媒体はインターネットをあまり利用しないシニア層の採用を検討している場合にも効果的です。
一方、Web媒体は多数が閲覧するというメリットがあり、複数名の採用を予定している場合に役立ちます。
1-3.求人媒体には無料と有料がある
求人媒体には無料で掲載できるものと、費用がかかるものがあります。予算が限られている場合に無料の媒体は助かりますが、掲載できる情報量は限られます。
有料の場合、コストはかかるものの担当者がついてサポートを受けられるのがメリットです。効果的な画像や動画を掲載できるため、積極的に自社アピールを行いたい場合に向いています。
無料と有料の媒体について、さらに詳しくご紹介しましょう。
1-3-1.無料の求人媒体
無料で掲載できる求人媒体は、主に求人検索エンジンや有料求人サイトのお試しプラン、ハローワーク、掲示板などを利用する紙媒体などがあげられます。また、自社で採用サイトを作るのであれば、大きな支出を必要としない場合もあります。
無料の求人媒体は、コストがかからないのがメリットです。しかし、掲載できる情報は限られ、自社の魅力を十分に伝えられない可能性があります。希望する人材が集まらないなど採用が長引く場合もあるでしょう。
1-3-2.有料の求人媒体
有料の求人媒体は主に求人サイトで、課金体系は掲載課金型と成果報酬型に分かれます。掲載課金型とは掲載することで料金が発生する形態で、成果報酬型は応募や採用、広告クリックなど、何らかの成果に対して課金される方式です。応募課金型なら応募数に応じて、クリック課金型であればクリックされた回数で、料金が決まります。
採用人数によって料金が変わる採用課金型もあります。有料求人サイトの多くが掲載課金型で、求人検索エンジンは、応募やクリックでの課金を採用しているのが一般的です。無料と有料、有料の中でも掲載課金型と成果報酬型とタイプは分かれているため、求人媒体はどれか1つだけを利用するのではなく、併用を検討するのもよい方法です。
有料サイトのトライアルも試しながら、採用効果の高い媒体を見つけるという方法もあります。即戦力の人材を採用したいときは、詳細な採用条件を掲載できる有料サイトを利用する、予算をかけられないときは無料サイトを利用するなど、事情に応じて使い分ける方法もおすすめです。
2.求人媒体の主な種類
「求人媒体」は幅広い概念で、WEBメディアや紙媒体のほか、ハローワークや人材紹介サービス、転職イベントなども含まれます。この項では、求人媒体の主な種類について、概要を説明するとともに、費用相場についても示します。
2-1.求人サイト
求人サイトは、インターネット上に求人情報を掲載し、全国の求職者から応募を集める媒体です。新卒採用に特化したサイトもあれば、中途採用や業種ごとに特化したサイトなど、数多くの種類が存在します。求職者が、勤務地や職種、スキルや収入などの条件を指定することで、希望に合う求人を検索できる点が特徴です。
費用は地域や広告内容によってさまざまですが、新卒対象の大手サイトの場合、基本プラン(通年)で50万円からとなっています。
ページのカスタマイズや、検索結果画面に動画を表示させるなどのオプション商品を付加するごとに、追加料金が発生します。中途採用に特化した大手サイトでは、全国・関東版の基本企画で28万円〜120万円の掲載料金です。
時期によって、定価よりもお得なキャンペーン料金が適用されることもあるため、求人サイトを利用する際には、サイト運営企業への問い合わせをおすすめします。
2-2.求人検索エンジン
「求人検索エンジン」とは、求人に特化した検索エンジンのことです。Google検索でキーワードを入力するように希望の職種や勤務地などを入力すると、インターネット上で公開されている情報の中から希望に該当する求人情報が表示されます。
無料で求人を掲載でき、手軽に幅広く求職者へのアピールができる利点があるため、前述の求人サイトと併用する企業も少なくありません。費用は、求職者がクリックして求人票を閲覧した際に初めて課金が発生する方式が主体ですが、自社の求人情報が表示されやすくなるなどのオプションを有料で追加できるなサービスもあります。
大手求人検索エンジンの、中途採用のケースでは、クリック1回あたりの料金は20円〜1000円程度が相場とされます。クリック単価は地域や時期、競合の多さなどによって変化するため、事前に運営業者などから提案を求めるようにしましょう。
2-3.ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は前述のとおり、就職困難者を支援する国の機関です。職業紹介だけでなく、雇用保険や雇用対策を一体として実施しています。ハローワークでの求人にかかる費用は、無料です。
2-4.折込チラシ
地域を限定した求人情報をチラシに掲載し、新聞折込やポスティングなどで配達される求人媒体が折込チラシです。インターネットが普及する以前からある求人広告のスタイルで、家庭や企業で目にしてもらえる機会が多いのが特徴です。
折込チラシへの広告掲載料金は、紙面枠の大きさや、カラーか白黒か、写真が入るかどうかなどによって左右されます。新聞折込であれば、配達エリアや配達日などによっても変動があります。
折込チラシの配布費用は、大手折込会社の例では、都内(23区)で普通紙を1,000部折り込む場合、2,700円〜13,000円です。チラシそのものの製作費用は別途で、デザイン費や印刷費が数万円から十数万円程度かかります。その他に、大きなサイズのチラシになると折り加工費がかかることもあり、注意が必要です。
2-5.自社サイト
自社サイトに採用特設ページを作る、もしくは採用サイトを制作して求人を募集する方法もあります。自社サイトをチェックしてから応募する、という求職者も多いため、自社サイトと他の求人媒体を組み合わせて利用している企業もあります。
採用特設ページを作るにせよ、採用に特化したサイトを立ち上げるにせよ、時間とコストが必要です。採用サイトを新設する場合、必要最小限の内容に絞った、シンプルなサイトの構築でも25万円〜40万円、動画コンテンツなどを組み込んだ本格的なサイトであれば100万円以上の費用が見込まれます。
2-6.人材紹介サービス
厚生労働大臣の認可を受けて、民間の事業者が行っている職業紹介が、人材紹介サービスです。一般に「転職エージェント」と呼ばれることもあります。自社が求める人材について、必要とするスキルや職種などの条件を伝えることで、採用ターゲットにマッチする人材を紹介してくれます。
紹介者が採用されると費用が発生する、成果報酬型の料金体系となっているのが一般的です。人材紹介の手数料は、紹介者の年収の30%〜35%が相場とされます。特別な職種やエグゼクティブの場合は、それ以上になることもあります。
人材紹介サービスは、求職者の面談や企業とのマッチング、面接日程や収入等の条件調整など、業者側にかかる手間や時間、人件費が大きいことが特徴です。そのため、採用側の企業が支払う手数料も大きくなります。
2-7.転職イベント
転職サイト運営企業などによる主催で、求人募集をしている企業を集めて、求職者と引き合わせるセミナーや面談の会を開くのが転職イベントです。多くの企業が一堂に会するため、求職者も多数訪れます。求人企業にとっては、短期間に多くの求職者と接触できるため、知名度や好感度をアップさせる機会です。
業種や職種別、Uターン希望者向けなど、さまざまなパターンでイベントが開催されています。この種のイベントの出展費用は、会場やブースの面積などで変わります。エンジニア向け転職サイトが主催する転職フェアの例では、サイト掲載と合計で、1ブースあたり95万円〜160万円でした。
3.【求人媒体別】メリットとデメリット
求人媒体はさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。特徴を見て、自社の採用方針に合う媒体を選ぶとよいでしょう。
ここでは、民間のWeb媒体である求人サイトや求人検索エンジン、公共機関のハローワーク、紙媒体の折込チラシを紹介します。併せて、自社サイトの製作や人材紹介サービスの利用、転職イベントに出展する場合についてもお伝えします。
3-1.求人サイト
「求人サイト」は、多くの求職者に求人情報を届けられるのが特徴です。スマホなどで気軽に閲覧できる求人サイトを利用して仕事を探す求職者は多く、「よい会社があれば転職したい」と転職を潜在的に考えている層にも求人情報を届けることができます。効率よく母集団を形成し、データベースを活用してDMを送るなどができるのもメリットです。
求人媒体はテキストだけではなく画像や動画を掲載できるサイトも多く、職場の雰囲気など文字だけでは伝わらない企業のイメージを伝え、応募につなげることもできます。
近年は業種や職種、ハイクラスなどに特化した専門サイトも多く、採用ニーズに応じてサイトを選べるのも利点といえるでしょう。
求人サイトは有料が主流であり、価格帯にも幅があります。有料でも価格に見合った成果が得られるとは限らず、希望する人材を獲得できない可能性もあるでしょう。気軽に閲覧、応募してもらえる点はメリットであるものの、面接の直前キャンセルなどが起こりやすいことも把握しておく必要があります。
3-2.求人検索エンジン
求人検索エンジンはさまざまな種類がありますが、求人サイトのように会員登録の必要がありません。手軽に利用できるため、近年は利用者が増えています。
求人検索エンジンへの求人票の掲載は無料で、求人票へのクリックが発生した時点で課金される形式が主流のため、コストを抑えた求人ができるのがメリットです。採用の状況を見ながら、より多くの求職者の目に留まりやすい場所に求人を表示できる有料プランを利用するという使い方も可能です。
新しい情報を優先する求人検索エンジンの場合、求人情報の更新を行わないと表示順位が下がるなど効果が出ない可能性があります。定期的な情報更新をしなければなりません。
3-3.ハローワーク
求人は全国のハローワーク内に設置されている端末のほか、公式サイトで広く公開されます。
ハローワークでは応募を増やすため、求人条件や雇用管理に関する提案を行っており、求人条件はいつでも見直しができます。
求人を掲載する企業側も仕事を探す求職者も無料で利用できるのがメリットで、幅広い年齢層が利用しているのが特徴です。地元企業とのつながりが強く、地方の求人に強いという利点もあります。何より、厚生労働省が管轄する施設ということで安心して利用できるという点が大きなメリットといえるでしょう。
ハローワーク経由で人材を採用した場合、助成金(トライアル雇用助成金)を受けられるのもメリットです。
ハローワークは管轄する地域の求人のみを掲載するのが原則であり、広い領域で採用活動したい場合には向きません。求人にはハローワークに出向いて申込み手続きを行う必要があり、ハローワーク内にある端末で求人情報を仮登録してから窓口で本登録する、もしくは申込書に記入して登録するなどの方法をとらなければなりません。
参照元:厚生労働省「トライアル雇用助成金」
3-4.折込チラシ
新聞などの折込チラシは、地域を限定してアルバイトやパートを募集したいときに向いている求人媒体です。自宅近くで働きたいという人に向け、効果的な求人ができます。紙媒体のためそのまま保存でき、あとで手軽に参照してもらえるのもメリットです。
繁忙期など、急いで人員を増やしたいときなどに早い反応が期待できるでしょう。
デメリットはコストがかかること、新聞の購読者が減少していることです。とくに若者の新聞離れは加速しており、ターゲットを若手に絞りたい場合にはあまり向いていません。
3-5.自社サイト
求職者のほとんどが応募前に企業サイトをチェックするため、自社サイトの作成は採用活動で欠かせません。
自社サイトは求人媒体のように掲載情報を制約されることなく、写真や動画なども使いながら自由にデザインできます。自社の魅力を最大限にアピールできるでしょう。
求人サイトで情報を見て、さらに詳しく知りたくなったとき、自社サイトに採用の情報があれば求職者は安心して応募できます。
自社サイトは、求人サイトや求人検索エンジン、自社が運用するSNSなどに連携させることもでき、より幅広く周知できます。求人サイトは掲載期間が終われば求人検索エンジンに情報が上がらなくなりますが、自社サイトがあれば常に検索エンジンに表示されることが可能です。
自社サイトのデメリットは、自社内に専門知識を持つ人材がいなければ制作が難しい点です。制作会社に依頼すれば、高いコストがかかります。定期的な更新や修正も必要になり、その都度費用が必要になるでしょう。エントリーの管理や問い合わせ対応など、サイト開設後の運用に手間がかかりがちなことも、認識しておきたい点です。
3-6.人材紹介サービス
人材紹介サービスを利用すれば、自社の希望に合わせてスクリーニングしてくれた人材を紹介してくれるため、自社で母集団形成などの労力をかけずに済むメリットがあります。成果報酬型の場合は、採用が決定するまで費用が発生しません。本当に採用したいと思える人材が現れるまで、じっくり活動を継続できることも利点です。
採用が決まるまで費用が発生しないのは、人材紹介サービスの利点ですが、採用決定の際にかかるコストは、他の媒体を利用した場合に比べて高くなります。求職者集めや、説明などの対応を人材紹介サービス業者側で行うため、自社に採用ノウハウが残らない点はデメリットです。
人材紹介サービスによっては、登録者数が少なく、求職者の紹介数が自社の希望を満たせない可能性があります。採用の確度が、担当者のスキルによって左右される場合があるのも、難点です。
3-7.転職イベント
転職イベントには多くの求職者が集まるため、1日でまとまった数の求職者と面談できる点がメリットです。直接会って話ができるため、熱意を伝えることで、求職者の入社の動機付けとなる期待も持てます。他社を目当てに会場を訪れた求職者に会えるなど、求人サイトや他の媒体利用では巡り会えなかった層と、接触できる利点もあります。
多数の企業が出展するイベントの場合は、積極的な呼び込みや、ブースを目立たせる工夫などが必要です。他社に埋没してしまうと、求職者の目に留まらず、出展の効果が減少してしまう懸念があります。小規模イベントでは、来場者が少なく、期待したほど求職者と会えない可能性も残ります。
開催日に合わせて、自社で対応できる人員を集める必要がある点にも、注意が必要です。
4.求人媒体の比較表一覧
紹介した求人媒体について、特徴などを比較表にしました。
求人媒体
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特徴・メリット
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デメリット
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料金
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求人サイト
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・短期間で複数の求職者へアピールできる
・20~30代の若年層に効果的
・ターゲットに特化した求人ができる
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・採用できなくてもコストがかかってしまう
・他社の求人に埋もれやすい
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有料
(数万〜100万円以上)
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求人検索エンジン
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・無料で求人票を掲載できる
・会員登録がなく気軽に利用でき、求人が集まりやすい
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・効果を高めるには有料プランを利用する必要がある
・求人情報の更新が必要
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一部無料
(有料オプション利用の場合は1クリック20~1,000円程度)
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ハローワーク
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・無料で求人を掲載できる
・ハローワーク経由の雇用で助成金の受給ができる
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・写真や動画が使えず、自社の魅力をアピールしづらい
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無料
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折込チラシ
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・特定のエリアに集中して求人できる
・シニア層や主婦(主夫)層の求人に強い
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・一度発行したら修正できない
・記載できる情報量は限られる
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有料
(B5、A4サイズの場合1枚3~5円程度×部数。それに加えてチラシ制作費、印刷費が別途必要)
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自社サイト
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・求職者へのアピール効果を高める
・採用のミスマッチを減らせる
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・外部に依頼するとコストがかかる
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・自社で制作する場合:10万円以下
・制作会社に依頼する場合:10万〜100万円以上
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5.ターゲット別・おすすめの求人媒体
採用したいターゲットによって、向いている求人媒体は異なります。求人サイトは多様化しており、新卒や中途採用などに特化したサイトも豊富です。
アルバイトやパートを募集する場合は、紙媒体が向いている場合もあります。ターゲットに合わせて求人媒体を選べば、より効率的な採用活動ができるでしょう。
ここでは、ターゲット別におすすめの求人媒体をご紹介します。
5-1.新卒向けの求人媒体
若い世代は就活にもインターネットを使うことが多く、求める新卒を採用するには新卒に特化した求人サイトの利用がおすすめです。新卒向けの求人サイトはスカウト機能や応募学生への一括メールなど、新卒の採用活動をスムーズに進めるための工夫が凝らされています。
Web面接やOB・OG情報の掲載ができるなど、応募者を増やすためのサービスを提供するサイトも少なくありません。
また、近年は新卒採用に自社サイトを活用し、求人情報を発信して採用につなげるオウンドメディアリクルーティングの手法が注目されています。自社サイトの運営は求職者が自社サイトに訪れなければ効果がありませんが、求人検索エンジンと連動させればアクセスを増やすことができます。
自社サイトは求人サイトのような掲載期間の制限がないため、通年採用も可能です。留学から帰国した学生など、就活のスケジュールを逃した学生へのアプローチができるのがメリットです。
5-2.中途採用向けの求人媒体
中途採用で求められる人材は即戦力であり、よりターゲットを絞った求人媒体が必要です。中途採用に強い求人サイトは多く、技術系や事務職、営業職など、職種に特化したサイトもあります。希望の人材が集まるサイトを見つければ、効率的な採用活動ができるでしょう。
会員数が多い求人サイトであれば、希望の人材に出会える可能性が高くなります。より積極的に求める人材を確保したい場合は、登録者にスカウトメールを送信できるサービスがあるところを選ぶとよいでしょう。
5-3.アルバイト・パート向けの求人媒体
アルバイト・パートの採用では、ターゲットの主流となるのが学生や若手のフリーター、扶養内で働く主婦(主夫)層などです。若い世代をターゲットにする場合は求人サイトや求人検索エンジン、主婦(主夫)層の採用を検討している場合には紙媒体が向いています。
アルバイト・パートに特化した求人サイトは多く、業種を絞って募集できるサイトもあります。アルバイト・パート求人サイトに掲載する際は、まずプランと掲載期間の決定が必要です。料金はサイトの上位に表示され、画像の枚数やコンテンツ内容、文章量も多く掲載できるプランが最も高くなります。掲載期間は1〜2週間のサイトが多く、1週間で2万〜3万円程度の掲載課金型が一般的です。
紙媒体の場合、駅やコンビニなどに設置される無料の求人情報誌がおすすめです。通学や買い物で利用している求職者へアピールできるでしょう。求人情報誌の掲載料金は、広告枠のサイズや配布エリア、掲載場所などにより決定します。
6.求人媒体を選定する際に決めておきたい3つのポイント
人材の採用に向けては、多くの求人媒体があり、それぞれの特徴や適性を見極めて利用することが大事です。求人媒体を選ぶには、その前に自社の方針を決めておく必要があります。この項では、事前に決めておきたいポイント3点について、以下で説明します。
6-1.採用基準
中途採用を行う場合はとくに、求人媒体を選ぶ前に「どのような人材が採用ターゲットなのか」を決めることが重要です。即戦力を求めて経験者にターゲットを絞ることもあれば、伸びしろを重視して未経験者をターゲットにすることもあります。採用基準が固まっていなければ、求人媒体を選ぼうとしても、迷いが生じてしまいます。
即戦力となる人材を獲得するため、ある程度のコストをかけることが認められているのであれば、人材紹介サービスも選択肢の一つです。多数の求職者と面談し、人柄も含めて選考を進めたいなどの場合は、母集団形成を低コストで行える求人サイトや、転職イベントが候補となります。
6-2.採用コスト
採用活動には、コストがかかるという認識が必要です。媒体への掲載費用や、採用できた場合の成果報酬などのほか、自社の人事担当者を稼働させる人件費もかかります。採用手法によっては、人材紹介サービスのように、多額のコストが発生することもあります。求人媒体ごとに、かかる費用は異なるため、採用にかけられるコストを事前に決めておくことが重要です。
予算に余裕がなく、コストがほとんどかけられない場合は、無料で利用できるハローワークや、求人検索エンジンを利用し、自社サイトへ誘導するなどの方法が考えられます。
6-3.採用の緊急度やスケジュール
求人媒体を決める前に、採用にかかるスケジュールの確認は不可欠です。「じっくり時間をかけて採用したい」というニーズに合った求人媒体もあれば、「欠員ができたため、急いで人材を探したい」という事情に適した求人媒体もあります。
採用活動を成功に導くには、「いつまでに何名採用したいか」という計画に対して、どの求人媒体が適しているかを確認することが必要です。
7.求人媒体を使用して採用活動を成功させるためのコツ
採用活動の成否には、求人媒体をどのように選び、どのように使うかが大きくかかわります。この項では、求人媒体を利用して、採用活動を成功させるためのコツを解説していきます。
7-1.採用計画を立てる
採用活動で初めに必要なのは、採用計画を立てることです。いつまでに、どのような人材を、何人採用する、といった採用計画がなければ、求人を進めようにも方針があいまいになってしまいます。
採用計画があいまいなまま求人を進めると、求職者が応募してこなかったり、来たとしても求めるスキルを持っていなかったりといった、ミスマッチが起こる可能性が上がります。その結果、採用活動の期間が延びてしまい、コストも増大するなどの悪影響が生じかねません。
7-2.採用したいターゲットを明確にする
採用計画を立てたら、どのような人材が必要なのか、人物像(ペルソナ)を明確化します。必要とする人材の人物像が固まっていなければ、適切な求人媒体を選ぶことができず、広告の内容も通り一遍となって、求職者の心に刺さるメッセージを伝えられません。
配属先の部署にヒアリングするなどして、採用したい人材を明確にイメージできるようにした上で、その人材にマッチする求人媒体を選定します。
7-3.求人の原稿内容にこだわる
求人媒体に掲載される原稿の内容には、十分な注意が必要です。業務内容や勤務時間などの条件は、正確に記載しなくてはなりません。原稿は自社PRの場でもあります。企業の魅力が発信されていなければ、求職者に「入社したい」という思いを持たせることができません。
仕事のやりがい、どのような先輩社員がいるのか、独自の企業文化は何かといった、入社後のイメージが膨らむような内容を伝えると、効果的だとされています。求職者が知りたいと思う内容を、漏れなく盛り込むことを意識して、原稿を作成するのがポイントです。
8.求人媒体を上手に利用して自社に適した人材を確保しよう
求人媒体は多種多様にありますが、自社に適した人材を確保するには選び方が大切です。それぞれの特徴やメリットを確認し、ターゲットが集まる求人媒体を選定しなければなりません。1つの求人媒体に絞らず、いくつか併用するという方法もあります。
予算も考えながら求人媒体を上手に利用し、採用活動を成功させましょう。