チームビルディングとは?意味や目的、具体例について詳しくご紹介

人事ノウハウ

チームビルディングとは、メンバー各自のスキルや能力を活かして目標を達成できるチームを作り上げる取り組みです。適切な人材配置や新入社員の育成など、さまざまな目的で行われます。 本記事ではチームビルディングの概要や仕組みについて解説し、目的や構築のプロセス、成功させるポイントなどをご紹介します。

1.チームビルディングとは

チームビルディングとは「チームビルディング」は、目的達成に向け最大限の成果を上げるための手法として注目を集めています。チームビルディングとは何か、概要をみていきましょう。

1-1.個々のスキルや経験を発揮できるチームを構築する仕組み

チームビルディング(team building)は、直訳するとチームを構築するという意味です。さまざまな個性を持つメンバー各自のスキルや能力をうまく活用することが成果につながると考え、チームを作り上げることを指しています。適切な人材配置や相互理解により、各自がスキルや経験を最大限発揮できるチームを構築します

チームとはメンバー全員が一つの方向に向けて活動し、大きな成果を生み出す集団のことです。チームビルディングはそのようなチームを作り上げることであり、メンバーそれぞれが主体的に取り組み、能力を発揮できるような組織を構築する仕組みです。

2.チームビルディングの目的

チームビルディングの目的チームビルディングの最終的な目的は、目標達成のためにメンバーが最大限の能力を発揮できる組織づくりです。それに向けて、チームビルディングが実現しなければならない個々の目的についてご紹介します。

2-1.適切な人材配置の実現

メンバーが最大限の能力を発揮するには、適切な人材配置や役割分担が必要です。チームビルディングにより交流を深めることで、リーダーはメンバーの能力や考え方、価値観を把握できます。各メンバーがどのような業務に向いているのかを知ることで、適材適所の人材配置を実現できるのです。

能力に見合う仕事を与えられたメンバーは目標達成に向けて存分に力を発揮でき、成果を上げることができます。

2-2.コミュニケーションの活性化

チームビルディングは、コミュニケーションの活性化を目的としています。チームメンバーはそれぞれ在籍年数や年齢、雇用形態が異なり、能力やスキル、考え方もさまざまです。そのままではチームの結束力はなく、同じ方向に向けて業務に取り組むことはできません。そのため、チームでコミュニケーションをとれる環境づくりを行い、お互いの理解を深めることが必要です

コミュニケーションが活性化すれば十分な会話が行われ、連絡や報告の漏れがなくなります。ミスやトラブルの発生防止にもつながるのです。メンバーのノウハウを共有でき、悩みを相談しやすい環境にすることもできます。

2-3.マインドセットの形成

チームビルディングにはマインドセットの形成という目的もあります。「自分の能力により目標を達成したい」というマインドセットを形成することで、仕事に対し前向きに取り組もうとする意欲が生まれやすくなります。

集中力や忍耐力が高まって積極的に業務をこなすようになり、モチベーションも高まります。目標達成に向けたチームの結束力も強くなるでしょう。

2-4.チームのビジョンの浸透

チームビルディングを行うことで、目標達成のための戦略などチームのビジョンがメンバーに浸透します。新入社員の入社時や新しいプロジェクトの立ち上げ時などに効果的です。

チームビジョンの浸透により、目標達成を自分のこととして受け止め、任務を果たそうと努力します。チームの一体感が生まれ、目標達成を後押しすることにもなります。

2-5.チームの関係性を強化

チームビルディングにより、チームメンバーの関係性も強まります。ワークやゲームを通してメンバーの関係性を構築したチームはコミュニケーションが活性化し、相互にフォローし合える環境を作り出します。

業務効率が上がり、目標達成を加速させるでしょう。また、十分な議論が交わされ新しいアイデアも生まれやすくなります

2-6.新入社員・若手社員の育成

チームビルディングは、新入社員や若手社員を育成するという目的もあります。コミュニケーションの取り方や仕事へ取り組み方など、社会人としての基本を習得するためにチームビルディングは効果的です

「仕事は責任をもって最後までやり遂げること」「主体的に取り組むこと」などがチームビルディングを通して学ぶことができます。

2-7.中堅社員のリーダーシップの育成

3年目以降の中堅社員は今後昇格し、リーダーとなる可能性が高くなります。その際にリーダーシップのスキルがなければ、部下をまとめることができません。チームビルディングはそのような中堅社員にとって、リーダーシップ育成の役割を果たします。

チームビルディングでは経営理念を理解してチームで共有したり、メンバーとうまくコミュニケーションを取りながらマネジメントを行ったりするなど、指導力や統率力を身につけることができます

2-8.チームのパフォーマンス向上

チームパフォーマンスの向上は、チームメンバー全員に共通する目的です。チームビルディングではメンバーの一人ひとりが自己の役割を明確にして、チーム内の結束力を高めることができます。 

メンバーの相互理解や業務プロセスの可視化を通し、それぞれが最大限の力を発揮することでチームパフォーマンスを向上させます。パフォーマンスの向上により、目標達成確率を高めることができるのです

 

3.チームビルディングにおける5段階プロセス

チームビルディングにおける5段階プロセスチームビルディングの構築には形成期から散会期まで5段階のプロセスがあり、段階を経て発展していきます。「タックマンモデル」と呼ばれるプロセス内容について紹介しましょう。

3-1.形成期

形成期はチームが作られたばかりの段階です。メンバー同士がまだ相手をよく知らない時期であり、チームとしての目標も明確ではありません。

チームメンバーはリーダーに説明や指示を求めようとし、メンバー間には緊張や遠慮、不安などがあります。相互理解が大切であることは認識しており、誰もが次の段階に進みたいと考えている段階といえます。

形成期ではお互いを知るための交流会を積極的に開催し、気軽に楽しめるゲームやアクティビティ、ワークを実施することが有効です。リーダーが率先して指示を出し、仕事を進めていくことが求められます。

3-2.混乱期

混乱期は共通の目標が明確になり、それに対してさまざまな意見が飛び交う時期です。考え方や価値観の異なるメンバー同士が議論することで意見の食い違いが起こり、各メンバーが自分の考えを主張することで対立や衝突が生まれやすくなります。

メンバーのエネルギーはチーム内部の競争に向けられ、チーム全体でモチベーションが下がる場合もあります。

混乱期では衝突を恐れず、議論を重ねていくことが大切です。この時期のチームビルディングは相互理解するための「対話(ダイアローグ)」が効果的であり、メンバーの意見を明確にして納得するまで話し合うようにするとよいでしょう。

課題の解決はメンバー全員で取り組むようにすることが大切で、リーダーの指導力・統率力も試されます。

3-3.統一期

統一期はお互いを理解し合う時期です。チームが目指す目標や方向性、各メンバーの役割が共有され、安定に向かいます。適切な人材配置のもとに各自が自分の役割を認識し、主体性を発揮しながら業務に取り組みます。

これまで発言のなかったメンバーからも意見が出るようになり、自分たちのチームという自覚が生まれるのもこの時期です。コミュニケーションが活性化し、仕事へのモチベーションも高まります。

3-4.機能期

チームとしての機能が高まり、成果が上がってくる時期です。結束力が生まれてお互いをサポートし合い、共通の目標に向かってメンバーのエネルギーが高まります。メンバーには強い信頼関係が生まれ、チームとして高いパフォーマンスを発揮するでしょう。課題を解決するスピードも高まり、成果を生み出していきます

この時期のリーダーは細かい指示を行わず、メンバーの自立を助ける方向で動くことが大切です。機能期の状態が持続できるよう、積極的にコミュニケーションを行うとよいでしょう。

3-5.散会期

目標の達成やプロジェクトの終了などにより、チームはいずれ散会します。散会期は成果を確認し、チームビルディングの効果を検証する時期です。各メンバーは次の任務に向けて動き出します

成長の結果に対するメンバーの思いや評価は、それぞれ異なります。成果を踏まえてさらに上を目指したり、退職や異動で別の方向に進んだりなどさまざまです。

4.チームビルディングを行う際のポイント

チームビルディングを行う際のポイントチームビルディングの実施には、うまく行うためのポイントがあります。目標設定で方向を定め、目標達成のために適性を考慮したチーム編成を行うことが欠かせません。

チームビルディングを行う際のポイントを4つご紹介します。

4-1.目標設定を行う

チームビルディングではまず、チームの方向性を定めるために目標設定を行います。やるべきことが明確になることで、メンバーのモチベーションが高まります。

目標は明確でなければならず、メンバー全員に浸透させることが大切です。また、強制的な目標ではなく、メンバー各自が自立的に行動できる目標にします。目標を設定したら、目標に対する成功や失敗を定義し、目標達成のためには具体的にどのようなことをすればよいかメンバー全員で検討します。

検討により導き出した成功パターンに対し、目標の進捗度を測定していきましょう。

4-2.適性を考慮したチーム編成を行う

チームビルディングでは、メンバーの適性を考慮したチーム編成も大切です。チームはただ優秀な人材を揃えるとか、頭数を揃えるといったことだけでは目標達成のために十分ではありません。各メンバーの能力やスキル、得意な業務を把握し、適切な場所に人材配置を行いましょう

配置を間違えると本来のスキルを発揮できないことになり、目標達成を難しくしてしまいます。

4-3.それぞれの役割を明確にする

能力の異なるメンバーが集まるチームでは、それぞれの経験やスキルを把握し、役割を具体的で明確にすることが重要です。具体的な役割が決まっていればそれぞれが目標に向けて行動しやすくなり、それだけ成果も上がります。

役割が明確であれば、チームに貢献しようという気持ちも強くなります。各自が最大限のパフォーマンスを発揮し、結果としてチームとしての成果にもつながるのです。

4-4.スキルや経験、価値観を共有する

チームにはさまざまなスキルや経験価値観を持つメンバーが集まります。結束力を高めるにはチーム全体で共有し、メンバー間の理解を深めることが大切です。お互いの価値観を認めて尊重しながらも、意見の対立は恐れないようにしなければなりません。

自由な意見を交わせるよう、コミュニケーションが円滑に取れる環境づくりも重要です。価値観の共有やコミュニケーションの活性化は、リーダーが意識して舵取りを行う必要もあります。

5.チームビルディングの取り組み具体例

チームビルディングの取り組み具体例チームビルディングの具体的な取り組みはメンバーの交流を目的とする対話や緊張をほぐすゲームなどがあり、目的に合わせ実践していきましょう。ここでは、代表的な3つの取り組み例をご紹介します。

5-1.対話(ダイアログ)

対話(ダイアログ)は、対話を通してメンバー同士が理解を深める手法です。議論や会議のように目的や目標について話し合うのではなく、お互いの価値観について話し合うなど交流することを優先させることが大切です。対話を通してお互いの相互理解が深まり、交流が活発になることで良いアイデアが生まれる可能性もあります。

また、対話はリーダーの育成にも役立ちます。対話を通してメンバーの考え方が分かり、資質を見極める目を養えるためです。リーダーがファシリテーターになって進行役を務めれば、対話の内容をより深めることができます。

5-2.ゲーム

形成期のチームに役立つのがゲームです。遊び感覚のあるゲームでメンバーの緊張をほぐし、お互いに早く打ち解けることができます。ビジネスの要素を取り入れたゲームは勝つためにメンバーの役割分担や時間配分を考えるため、戦略的な思考を養えるのがメリットです

ゲームはさまざまな種類があり、アイスブレイクや関係構築ができるもの、研修カリキュラムに使えるものなど、目的に応じて選ぶことができます。

5-3.ワークショップ

ワークショップは、メンバーが主体的に共同作業をする体験型の研修です。メンバーの自主性を養えるため、チームビルディングで取り入れられることが少なくありません。1つの課題にメンバー同士が取り組み、議論をしたり試行錯誤を繰り返したりしながら最終的に成果を出すという手法です。

共同作業ではチークワークを育み、相互理解を深めるなどチームビルディングの構築に役立ちます。

6.チームビルディングに有効なワークショップ

チームビルディングに有効なワークショップチームビルディングの中でもワークショップは便利な手法です。少人数で行え、小さい会議室など狭い場所でも実施できます。会場の手配や事前準備の手間もありません。

ここでは、気軽に始めることができるチームビルディングに有効なワークショップを2つご紹介します。

6-1.チェックイン

現在自分が考えていることや感情について、社員同士が発表し合うシンプルなワークショップです。例えば、以下のように今感じていること、考えていることを包み隠さず述べることがポイントです。

「こうやって話すことに緊張しています」

「新しいプロジェクトでうまく仕事ができるか不安です」

「今日の仕事がまだ片付いていないので残業になるかと気がかりです」

時間は1人数秒ほどで、メンバーは3人以上で行います。ネガティブな感情も率直に話すことが重要で、各メンバーが自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態になれるようにするのが狙いです。

6-2.WIND&ANCHOR

場を和ませるアイスブレイクの役割をするワークショップです。会議の前などに行うとメンバーの緊張がほぐれ、コミュニケーションを円滑にします。

具体的なやり方は、メンバーのモチベーションを上げるもの、下げるものを発表するというものです。一つずつ付箋に書き出し、ホワイトボードなどに貼りながら理由を説明します。

時間は10分以内で、3人以上のメンバーを集めて行います。2色の付箋と貼り付けるホワイトボードまたは模造紙、筆記具を用意しましょう。

メンバーが、どのようなことにモチベーションを高め、あるいは下げるかを知ることで、業務に際しても適切な気遣いができるようになります

7.チームビルディングで組織を活性化させよう

チームビルディングで組織を活性化させようチームビルディングは目標達成に向け、各メンバーが自己の能力を最大限活かせるチームを構築することです。適切な人材配置の実現やコミュニケーションの活性化など、さまざまな目的があります。実施する際は明確な目標設定や適性を考慮したチーム編成など、ポイントを押さえることが成功のポイントです。

組織の活性化や目標達成のため、チームビルディングの実施を試してみてはいかがでしょうか。

 

 

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