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人材募集広告を成功させるコツとは?募集方法による違いや規制事項を解説

作成者: スタンバイ制作チーム|2023/44/06

1.【人材募集広告・成功のコツ1】採用計画を立てる

他の事業と同様に人材募集も事業の1つと捉えれば、現状を把握して目的を定め、関係者全体で共有すべき計画が必要です。しかし現実には要点が見落とされ、十分に共有されないまま進行することも少なくありません。

ここでは人材募集広告を成功に導くための第一歩、採用計画を立てる際のポイントについて解説します。

1-1.ターゲット

人材募集に限ったことではありませんが、広告は伝えたい相手「ターゲット」と採用予定人数を明確にすることが大切です。目的に沿って定めていなければ、関係者が異なる視点で判断するため、適切な採用ができません。またターゲットが違えば行動パターンや考え方、興味が大きく変わります。広告の内容や表現、掲載する媒体も異なるので適切な広告とならない可能性があるのも問題です。

またターゲットや採用予定人数が曖昧だとこちらの意図しない人材の応募が増え、書類選考や面接にかかる人的・経済的負担が増えかねません。誤って本来の目的とは違う人材を採用してしまう可能性もあります。今、自社にとって必要な人材を適切に採用するというゴールを明確にする必要があるのです。

1-2.目的

採用は、一定のスキルや経験があればいい、面接の印象がよければいいといった単純な目的の達成のために計画されるものではありません。採用活動は企業の将来を担う幹部や、新規事業のための専門家、幅広いチャネルを持つ営業経験者の獲得など、どの部門にどのような人材を、何名採用するか具体的に定める必要があります。

すべての採用活動には事業上の目的があり、広告内容の検討をはじめ、広告媒体の選択、書類選考、面接、採用などあらゆる採用活動は、事業の目的を前提に行わなければなりません。人材募集の関係者全員が正しく目的を共有することで、それぞれの役割や結果の把握が明確になります。

1-3.採用スケジュール

採用活動は一定の期限を設けて行われます。なぜなら採用活動そのものが、どの部署に何名配属し、必要な研修を施すことで、事業にどれくらい貢献する必要があるかという計画に基づいた活動だからです。

さらに人材募集には社内だけでも多くの人材が関係します。それぞれが異なる役割を担い、期限内に適切に採用するため連携することは、計画全体にとって必須です。ただそのためには、採用活動全体のスケジュールを明確にする必要があります。

ポイントになるのは、広告内容の決定から掲載までに要する時間、書類選考の期限、面接の日程調整と検討期間などです。できるだけ無理なく、効率的に採用し現場に送り出すためには、関係各所との調整は欠かせません。採用スケジュールは計画の時点で詳細に、無理のないよう立てておくことをおすすめします。

1-4.採用コスト

採用に費やすコストは、目的やスケジュール、採用のターゲット、人数などによって変わります。とはいえそのコストは通常、広告を掲載する媒体によって決まります。

人材募集広告に利用できる媒体の種類はさまざまです。無料のものもありますが、一定の応募数に達するまでに時間がかかる、ターゲットとなる登録者数が少ないなどのデメリットもあるため、どの媒体を選ぶにしろ慎重に検討する必要があります。

これは有料サービスでも同様です。サービスによって人材募集の効果は違うため、詳細な情報を集めての検討をおすすめします。

2.【人材募集広告・成功のコツ2】媒体を選ぶ


人材募集のターゲットと目的を決めた後、目的に合う媒体を選びます。人材募集に活用できる一般的な採用媒体として、次の5つが挙げられます。

・求人サイト
・検索エンジン
・フリーペーパー
・人材紹介会社
・ハローワーク

掲載媒体ごとの特徴を理解しておくと、効果を見込める媒体を選びやすくなるでしょう。それぞれの媒体の特徴やメリット、使い分けについて解説します。

2-1.求人サイト

求人専門のサイトに広告を掲載し、人材を募集する方法を検討できます。インターネットで求人広告を公開するため、地域を限定せずに広く人材を募集できる点が特徴です。

24時間いつでも募集できるため忙しい方でも応募しやすいこと、インターネット上に掲載するため比較的若い層にアピールしやすいことも特徴といえます。

また、次に紹介するフリーペーパーなどの紙媒体と比べると、広告の自由度が高いことはメリットです。例えば、URLを記載しておけばクリック1つで、より詳細な情報を記載したホームページや動画サイトに移動させることができます。

ただし、掲載コストがかかる点には注意しましょう。掲載期間や募集人数などに適した料金タイプを選び、コストがかさみすぎないようにすることが必要です。

主な料金タイプとしては、掲載課金型と成功報酬型の2つが挙げられます。それぞれの特徴とメリットを紹介します。

2-1-1.掲載課金型の特徴とメリット

「掲載課金型」とは、掲載期間や掲載スペースに応じて広告料金が決まるタイプです。広告料を抑えたいなら短期間だけ利用するか、掲載スペースを減らすことを検討できます。

掲載広告型では実際に人材を採用できたかどうかにかかわらず料金が発生するため、短期間で希望する人材を採用できれば費用対効果は高くなるでしょう。

しかし、掲載期間中に思うような人材が集まらなかった場合は、支出だけ増えたと判断できます。ターゲットのニーズを的確に捉え、募集したくなる広告に仕上げることが費用対効果を上げるためにも不可欠です。

2-1-2.成功報酬型の特徴とメリット

「成功報酬型」とは、採用決定した人数によって広告料が決まるタイプです。実際に成果が得られないときには料金が発生しないため、費用対効果が高い方法といえます。

人材を採用するまでは広告料は不要という点はメリットですが、採用が1人決まるごとに料金が発生するため、多数人を採用するときは費用が高額になってしまう恐れがあります。ピンポイントで採用するときなどに適した料金タイプといえるでしょう。

成功報酬型に類似する料金タイプに「応募報酬型」があります。これは採用したかどうかにかかわらず、サイト閲覧者が応募した時点で料金が発生する仕組みです。

成功報酬型と比べると1人あたりの料金が低く設定されているため、応募者を高確率で採用できる場合に活用できます。例えば、イベントなどで大勢の人材を求めているときや看護師や薬剤師などのように、特定の資格者のみが応募できる場合などです。

2-2.検索エンジン

求人に特化した検索エンジンを利用して人材募集を行うこともできます。検索窓に希望の職種や勤務地などのキーワードを入力すると、インターネット上で公開されている情報の中から希望に合う求人情報が表示されます。

求人サイトは会員登録をしないと利用できないことが一般的ですが、検索エンジンであれば会員にならなくても手軽に利用することが可能です。そのため、利用のハードルが低く、多くの利用者が見込まれます。

また、求人エンジンは初期費用はかかりません。「クリック課金型」と呼ばれる方式が採用されていることが多く、閲覧者が広告をクリックして初めて料金が発生するのが特徴です。無駄なコストをかけたくないときにも、クリック課金型が適しているといえます。

2-3.フリーペーパー

フリーペーパーで人材募集することもできます。フリーペーパーは基本的に特定の地域のみで配布されるため、アルバイトなどの地域密着型の人材を探すときに適した方法です。

求人サイトでは掲載期間が終了すると広告を閲覧できなくなりますが、フリーペーパーは発行時期にかかわらず廃棄しない限り手元に残るため、1回だけ利用しても長期にわたって広告効果を期待できます

フリーペーパーによってターゲット層が異なるため、募集したい人材のターゲットと重なるフリーペーパーを選びましょう。

2-4.人材紹介会社

人材紹介会社に求人票を提出し、求人活動を依頼する方法もあります。原則として成功報酬型のため、無駄なコストが発生しない方法といえるでしょう。しかし、人材紹介会社のキャリアコンサルタントが案件に応じた人材を紹介するという手間がかかるため、成功報酬型の求人サイトと比べると、人材1人あたりにかかる料金は高めのことが一般的です。

また、人材紹介会社を利用しての求人募集は、人材紹介会社に登録された人材だけがターゲットとなります。効率よく採用活動を進めるためにも、採用したい人材がいると思われる人材紹介会社を選ぶことが必要です。

2-5.ハローワーク

公的な職業安定所であるハローワークに求人票を提出する方法もあります。広告料がかからないため、費用をかけずに人材募集をしたいときに適した方法です。他の方法と比べると利用する層の年齢が高い傾向があるため、若年層以外をターゲットにしたいときにも活用できます。

2-6.SNS

TwitterやFacebook、LINE、InstagramなどのSNSを使った人材募集広告は、最近よく見かけるようになりました。これから始める企業でも、すでにFacebookなどで「いいね」を数多く獲得しているビジネスページを持っていれば、高い広告効果が見込めます。

Facebookによる広告は、ユーザーの居住地や年齢、性別、興味の対象といったさまざまな条件によって対象者を絞り込めます。応募までの時間を大幅に短縮でき、対象外の応募への対処時間や手間を省くことも可能です。

2-7.自社メディア

自社でホームページを設けている、またはメールマガジンを配信しているといった独自のメディアを持っていれば、それを使って人材を募集できます。

自社メディアを通しての応募者は、あらかじめ自社の事業内容や規模、活動、雰囲気をある程度把握しているため、応募から採用までスムーズに進みやすい傾向があります。ただし、メディアの雰囲気と実際の職場の雰囲気にギャップがあると、採用されても早期退職しやすいことはデメリットです。利用する際はメディアとのギャップに注意する必要があります。

3.【人材募集広告・成功のコツ3】必要事項を網羅する


人材募集広告を掲載する媒体を決めた後で、実際の広告内容について決めていきます。広告には応募者が知りたい情報を網羅することが必要です。次の3つのポイントに留意し、広告内容をまとめていきましょう。

・募集する人物像を記載する
・職種名と仕事内容を明記する
・応募条件を詳しく紹介する

それぞれのポイントについて解説します。

3-1.募集する人物像を記載する

どのような人材を募集しているのか、具体的に記載することが必要です。例えば「やる気のある方を募集」というような文言では、具体的にどのような人材が求められているのか理解しにくいでしょう。

また、「システム管理に興味がある方を募集」などのように、仕事の具体的な方向性がわかるように記載することで、求職者も自分に合う仕事かどうかを判断しやすくなります。

なお、募集する人物像を記載するときには、後述する規制事項を反映させることが必要です。禁止事項もあるため、適切に記載しましょう。

 

3-1-1.社員をモデルとして紹介する

長く勤めている社員を紹介することで、会社が求めている人物像をより具体的に理解してもらいやすくなります。どんな業務をしているのか、仕事のどんな面が楽しいのか、何に課題を感じるのかなどについてインタビューを実施し、読みやすいようにまとめてみましょう。

3-2.職種名と仕事内容を明記する

「アパレル関係のお仕事です」のように漠然とした文言で仕事内容を紹介すると、求職者は自分に合う仕事なのか判断できず、応募に至らない可能性があるでしょう。

誤解を与えずに応募してもらうためにも、職種名と具体的な仕事内容を明記することは大切なポイントです。「〇〇のショップスタッフとして販売・接客するお仕事です」のようにわかりやすい言葉でまとめます。

3-3.応募条件を詳しく紹介する

応募条件も大切な要素です。賃金や福利厚生、手当などを可能な限り詳しく具体的に記載します。例えば、「基本給月250,000円~、完全週休二日制」のように入社後、適用される条件をまとめておきましょう。

4.【人材募集広告・成功のコツ4】規制事項を理解する


人材募集の広告は、応募者が必要とする内容を網羅することに加え、法律や制度に反する内容を記載しないことも重要です。次の4点に留意し、広告内容を決めていきましょう。

・性差別につながる表現は避ける
・年齢や雇用に関係のない条件を指定しない
・最低賃金以下の給与設定にしない
・虚偽の内容は記載しない

OK例とNG例を挙げ、それぞれのポイントについて解説します。

参照元:厚生労働省「公正な採用選考を目指して|採用選考の具体的な方法」
参照元:厚生労働省「労働者を募集する企業の皆様へ~労働者の募集や求人申込みの制度が変わります~」

4-1.性差別につながる表現は避ける

採用選考は、応募者本人の能力や適性によって行います。そのため、募集の時点で特定の応募者を排除することがないように注意しましょう。

例えば、セールスマンなどの性別を限定する表現を使用すると、該当しない性別の求職者が応募できなくなってしまいます。性別を指定しない言葉を選び、適性のある人材が応募しやすいように心がけましょう。

4-2.年齢や雇用に関係のない条件を指定しない

「30歳までの方」のように年齢条件を定めるような文言や、本籍地や出生地などを指定する言葉も、人材募集広告には適切な表現とはいえません。

「カジュアルオフィスに適したアパレルを販売する仕事です」のように雇用に関係のある条件だけを記載し、応募したい方が応募できるようにします。

4-3.最低賃金以下の給与設定にしない

給与を記載するときは、時給で換算して最低賃金以下の給与に設定されていないかを確認しましょう。最低賃金は、都道府県や産業によって決められています。

最低賃金が定められている特定の産業に該当する場合は、都道府県ごとの最低賃金と比較し多いほうを実質最低賃金とし、それ以上の時給に設定するようにしましょう。

参照元:厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」
参照元:厚生労働省「最低賃金の種類」

4-4.虚偽の内容は記載しない

国内にしか拠点がなく、海外進出の予定がないにもかかわらず、「海外転勤あり」といったように虚偽の内容を記載してはいけません。また、虚偽ではなくても応募者に誤解を与える内容を記載しないように注意しましょう。

例えば、取引先に大手出版社があるという理由で「大手出版社の関連会社です」のように、事実に基づかない内容を事実であるかのように記載するのは、適切とはいえません。

5.【人材募集広告・成功のコツ5】魅力的な求人原稿を作成する

人材募集では、広告をより魅力的に見せるための原稿作りも欠かせません。今やあらゆるメディアで広告を見かけます。せっかく広告するのですから、その中に埋もれてしまわないよう求職者に「応募しよう」と思わせるような表現、見せ方が必要です。

ここでは魅力的な求人原稿を作成するコツを解説します。

5-1.競合との差別化を図る

広告でぜひ表現したいのは、他社にはない自社の魅力です。発信すべき企業の魅力として、次のような項目が挙げられます。

  • 事業内容:事業の詳細だけでなく、将来の展望やビジョン、実際に社会の役に立っている例などから自社の存在意義や理念を示す
  • 仕事内容:募集する仕事の内容はもちろん、仕事を通じたやりがいなどをわかりやすく伝える
  • 企業文化:社風や企業文化など。他社にはないイベントを開催する意図から自社の雰囲気や考え方を示す
  • 社員:職種ごとの人数、新卒採用と中途採用の割合など。どんな人が働いているかを社員からヒアリングし記載する
  • 制度:自社に属すると利用できる制度の内容と意義。導入のきっかけなどから全社に通じる価値観や優先順位を示す

特に仕事内容については、「営業」のような端的な表現ではなく「1日数件巡回するルート営業」のようにイメージしやすく示すのもおすすめです。

5-2.具体的な情報を提供する

掲載する情報は、あまりに曖昧だとイメージしにくく、かといって専門的すぎると応募の意欲をそいでしまう可能性があります。大切なのは「わかりやすく明確」であることです。給与や賞与、福利厚生などの待遇や、求めている人材像、必須となるスキル、経験は具体的に明記しましょう。

また文字だけに頼らず、写真を使うのもよい方法です。場合によっては1枚の写真が、言葉よりずっと多くの情報を正確に伝えます。

とはいえ、情報は多すぎると逆効果です。できるだけシンプルな表現を心がけ、わかりやすく短い言葉で表すよう努めましょう。

5-3.求職者のメリットを示す

求職者が広告に興味を持つのは、自身にメリットがあると感じたときです。そのため人材募集広告では、求職者が重視する次の4つの項目に分けて示すことが求められます。

  • 人間関係:職場の雰囲気や仲間、経営者、ロールモデルとなる社員の存在 など
  • 企業のポテンシャル:近年の業績、メイン市場の成長性、ブランド力、ビジョン、社会的な存在意義、技術力やビジネスモデルの優位性 など
  • 職種または業務の詳細:専門知識や技術の習得と有利性、明確なキャリアプラン など
  • 受けられる待遇:収入、福利厚生制度、物理的な職場環境、残業や有給休暇の取得状況、人事評価制度の充実度、勤務地の希望の通りやすさ など

逆にこれらを利用すれば、求める人物像を絞り込むことも可能です。書類選考や面接での確認で裏付ければ、採用のミスマッチを防ぐこともできます。

6.【人材募集広告・成功のコツ6】PDCAを回す

どのような手法で人材募集を行うとしても、思うような応募や採用につながらないことはあり得ます。とはいえそのまま放置しているだけではただ予算を浪費するだけです。どうにかしてこの状況を打開し改善する必要があります。

そのためには、まず現状を正確に把握して分析し、素早く改善案をまとめて準備し、実行する、つまりPDCAサイクルを回すことが重要です。

例えば媒体Aからの応募が思わしくなければ、原稿を見直す、媒体を変えるといった改善が考えられます。応募数の多さに対して採用数が少なければ、書類選考の担当者や面接官にヒアリングすることや、選考項目の見直しを検討することも有効です。

いずれにしてもPDCAサイクルは、早めに素早く回さなくては十分な効果は得られません。状況は逐一把握して分析し、常に改善に備えておきましょう。

7.戦略的に人材募集を進めていこう


企業にとっての大切な戦力を確保するためにも、人材募集の広告は慎重かつ戦略的に作成する必要があります。ターゲットと目的を定め、適切な求人媒体を選択し、求職者が知りたい内容を網羅した広告を作成することが有用です。作成後は不適切な表現がないか確認し、より良い広告に仕上げていきましょう。