採用ノウハウ一覧|スタンバイ

優秀な人材の見分け方や特徴とは?自社の求める人材を採用するための5つのポイント

作成者: スタンバイ制作チーム|2023/23/01

1.優秀な人材とは?

優秀な人材を確保したい……その思いは、採用活動を行っているあらゆる企業に共通すると考えられます。では、優秀な人材とは、どのような人を指すのでしょうか。

「優秀な人材」は抽象的な表現ですが、一言でいうと「企業の利益に貢献できる人材」です。企業は利益を上げることを目的として、日々の活動を行っているため、利益への貢献度の高さが、人材評価において重視されます。

利益への貢献の背景として、知識やスキル、行動力など、必要とされる能力がありますが、これらのレベルは企業や職種によって異なります。優秀な人材を獲得しようと考えるなら、自社にとっての「優秀な人材」を定義付けることが、まず必要です。それに加えて、優秀な人材が十分活躍できるように、環境整備も欠かせません。

2.優秀な人材の見分け方


優秀な人材を見分けるには、自社にとっての「優秀」の定義を明確にすることからはじめましょう。定義を明確にすることで採用する人材の能力にもバラツキがなくなり、経歴や実績、将来設計から人材の能力や人間性を見極められます。

面接でエピソードを確認すれば、その確認を通じて、受け答えの能力も確認できるでしょう。ここでは、優秀な人材の見分け方について解説します。

2-1.優秀な人材の定義を明確にする

優秀な人材を見分けるには、定義を明確にすることが大切です。会社の利益に貢献できる人材が優秀であることは当然ですが、具体的にどんな特性を持つ人材が優秀なのかは、会社や個人によって異なります。

いくら「優秀な社員を採用したい」といっても、その定義が曖昧では採用する人材にもバラツキがでるでしょう。そのため、どんな特性を持っている人材が優秀な人材なのかを定義付ける必要があります。

自社の社員を参考に、優秀な人材とはどういう能力や人間性を持っているのかを考えてみましょう。

2-2.経歴や実績を詳しく確認する

優秀な人材を見分けるには、経歴や実績を詳しく確認する必要があります。人の能力は経験値によって作られ、どんな経験を積んだのか、どんな実績を残してきたのかは、その人材の能力を示す一つです。

学生であれば、学生時代での部活や勉強、課外活動での実績やエピソードを確認すれば、能力や人間性が見えてくるはずです。社会人であればこれまでの職務経歴を確認すればわかるでしょう。ただし、経験や実績は華々しければよいというものではありません。

実績を残すために、どんな考えでどんな取り組みをしたかの方が大切です。過去のエピソードや経験を深掘りし、経歴や実績の過程を確認しましょう。

2-3.将来設計を確認する

将来設計を確認することも、優秀な人材を見分ける手段です。優秀な人材は自分の将来のことを考え行動しているでしょう

「5年後どうなっていたいか?」「当社で何をやりたいか?」「そのために何をしているか?」といった質問に対し、明確に回答できるのであれば、計画性や行動力を持っているといえます。

また、将来設計を確認することは、会社とのミスマッチ防止にもつながります。いくら優秀でも、自社のビジョンとその人材の将来設計がミスマッチであれば、早期退職の可能性が考えられるでしょう。

将来設計の確認は優秀な人材を見分けるだけでなく、ミスマッチ防止にもつながるというわけです。

2-4.受け答えの精度や能動性を確認する

受け答えの精度や能動性を確認することも、優秀な人材を見つける手段の一つです。仕事において、与えられた情報を理解し、正しく速やかに伝えることは重要な能力の一つといえます。メールのレスポンスの速さや挨拶といった面からも、受け答えの能力を見極められるでしょう。

面接時の受け答えは、その能力を判断する絶好の機会です。失敗談や成功談を話してもらい、わかりやすく順序よく説明できているかを確認するといいでしょう。

2-5.マナーや人間性を確認する

挨拶やお礼、謝罪ができるかどうかは、人材を見極める際の判断基準となります。挨拶や謝罪などがきちんとできることは、社会人であれば当然ですが、意外とできていないこともあるものです。メールや電話のレスポンスの早さなども、優秀さを判断するための一つの指標です。

挨拶や謝罪などがきちんとできるかどうかは、その人材の自主性や積極性を示すとされます。自主性と積極性は、仕事に関する成長意欲にも深くかかわっている能力です。

こうしたビジネスマナーや、基本的なコミュニケーション能力が備わっているかどうかを確認することで、人間的に成熟した人材を見分けることが可能です。

マナーや人間性は、面接などの過程で見極められます。ビジネス社会で必要とされる最低限のマナーやルールを身につけていない人を採用してしまうと、教育に時間がかかってしまうなどの危険性があるため、注意が必要です。

2-6.インターン制度を利用する

新卒採用の場合、優秀な人材を見分けるのにはインターン制度の利用も有効です。採用試験だけでは、働きぶりをすべて把握することは困難でしょう。

インターン制度を利用して働きぶりを見ることで、採用試験では見えない魅力や能力を発見できるかもしれません。採用試験で感じた印象を再確認する意味でも、インターン制度の利用は有効な方法といえるでしょう。

3.優秀な人材が持つ特徴


優秀な人材は、自分で目標を設定します。自分で設定した目標に向かって行動しているため、モチベーションを常に高く保っているのが特徴です。

状況把握能力に優れているのも特徴で、客観的に分析でき、コミュニケーションコストもかからないため仕事をする相手とも信頼関係を構築できます。

適応能力の高さも特徴です。社会の変化や状況の変化にも対応できるため、新しい事業やトラブルにも柔軟に対応できるでしょう。ここでは、優秀な人材が持つ特徴について解説します。

3-1.目標を持っている

優秀な人材は自分で目標設定しており、仕事で結果を出すために年単位や月単位のみならず、1週間や1日単位の目標を設定しています。常に設定された目標に向かって仕事をするため、モチベーションを維持した状態で取り組めるというわけです。

また、仕事だけでなく、将来どうなりたいかという目標も持っています。将来なりたい姿に向かって行動できるため、必然的に仕事の成果も出せるのでしょう。

3-2.客観的に分析できる

客観的に自分を分析できることも、優秀な人材の特徴です。自分の能力や立ち位置を客観的に理解することで、目の前の問題や課題に対して適切な対応をとれます。仕事を進める中で問題が発生した場合でも、冷静に現状を把握し対策を考えられるでしょう。

自責の考えを持っているため、失敗を責任転嫁することもありません。自身で反省し、行動することで、成長にもつなげられるのです。

 

3-3.コミュニケーションコストがかからない

優秀な人材は、コミュニケーションコストがかからないのも特徴です。仕事ではコミュニケーションが欠かせません。

仕事でのコミュニケーションは、情報を正しく伝えるだけでなく、理解する力も大切です。同じ内容をやり取りする場合でも、1回でやり取りが終わる人と何度もやり取りをしなければならない人とでは、労力が異なります

また、優秀な人材は気配り上手です。感謝の言葉も忘れないため、仕事をする相手は気分良く仕事ができ、信頼関係も早く構築できます。コミュニケーションコストがかからないことで、より大きな成果につながるというわけです。

3-4.適応能力がある

適応能力の高さも優秀な人材の特徴です。近年ではITの進歩により、システムの導入やテレワークといった業務の変化が発生しています。その変化についていけなければ、業績が悪化する可能性もあるでしょう。

優秀な人材は常に情報を収集しているだけでなく、新しいことにも積極的に挑戦するマインドを持っています。このマインドを持っているため、変化やトラブルに対応できるというわけです。適応能力があることで、業務の変化や新しい事業にも柔軟に対応できるでしょう。

3-5.臨機応変な対応ができる

ビジネス社会には変化がつきものです。ITの進化による各種ツール類の導入や、新型コロナウイルス感染症を契機としたテレワークの進展など、現在もさまざまな変化が起きていますが、それらに臨機応変に対応できないようでは、優秀な人材たり得ません。

優秀な人材は、常にアンテナを高く立て、情報感度が高いため、社会の変化に柔軟に対応できるものです。変化に対応できる人は、トラブルやピンチになった局面でも、冷静に原因を分析し、工夫をこらして乗り切る努力ができます。トラブルの原因を究明し、落ち着いて対処できる人は、優秀な人材といえます。

3-6.物事を前向きに捉えられる

優秀な人材に多く見られる特徴には、ポジティブ思考も挙げられます。ポジティブ思考の人は、困難な事態やトラブルに遭遇した際、前向きに対策を講じられるものです。失敗したとしても、反省や改善とともにチャレンジを忘れず、次につなげようとする姿勢で臨みます。

難局において課題を分析し、対応策を検討、実行できる能力を持つ人の存在は、企業の利益にも貢献してくれる可能性大です。物事を前向きに捉えられる人材がいることで、業務の効率性が向上したり、他の社員のモチベーションがアップしたりという効果が見込めるためです。

ポジティブ思考の人材を採用できれば、チャレンジする姿勢に満ちた勢いのある会社への成長が期待できます。

3-7.自己管理能力が高い

優秀な人材は、健康管理や業務の進捗管理など、自己管理能力が高い傾向があります。自己管理能力が高い人は、自身のキャパシティを認識しているため、仕事の優先順位を適切に付けられます。自己管理ができていれば、企業の管理コストも低減でき、利益への貢献が可能です。

自己管理能力が高い人材は、自らを客観的に分析し、組織における役割分担を理解しています。どのような部署に配属されようとも、求められる業務に集中し、企業の利益の最大化に力を尽くせる人材です。自分の役割を知っている人は、トラブルが発生した際の対応力も優れています。

3-8.ストレス耐性がある

ストレスとうまく付き合っていける能力を持っていることも、優秀な人材の特徴です。優秀な人材は、ストレス解消法や適度に受け流すスキルを持っているため、ストレスをため込むことがありません。

ストレスとうまく付き合っていく能力を、ストレス耐性と呼びます。ストレス耐性がなければ、心身の調子を崩して休みがちになったり、悪くすると早期離職につながったりすることも考えられます。どの組織に所属しても、どのような部署に配属されても、多かれ少なかれ、ストレスは必ずあるものです。ストレス耐性は、現代の社会人にとって必携の要素となっています。

 

4.優秀な人材を見分ける力を上げるには


優秀な人材を見分ける力は、工夫や訓練で向上します。面接時の質問を工夫すれば、応募者が持っている情報や特性を引き出せるでしょう。経歴や実績で絞りすぎないこともポイントです。

優秀な人材が、必ずしも立派な経歴や実績があるわけではありません。母数を減らさないためにも、経歴や実績で絞りすぎないことが大切です。

訓練により、目利き力を上げることもできます。会社以外のコミュニティに入れば、より多様な人と接する機会が増え、目利き力向上につながるでしょう。自社の社員の活躍パターンを知ることでも、優秀な人材を見分ける力を養えるのです。

ここでは、優秀な人材を見分ける力をつける方法について解説します。

4-1.質問を工夫する

優秀な人材を見分けるには、質問を工夫することが必要です。成長意欲の高さを確かめたいのであれば、面接時に「自分が成長したエピソードはなんですか?」「仕事に対する原動力はありますか?」といった質問をすることで、成長意欲に関わる情報を引き出せるでしょう。

自社への共感度を確かめたいのであれば、「弊社の企業理念をどう思いますか?」「自社に対してどんなイメージを持っていますか?」「入社して何をしたいですか?」といった質問をします。コミュニケーションで気をつけていることを聞けば、自己分析能力も確認できるでしょう。

人によって質問内容や聞き方を変えることも大切です。質問を工夫して、応募者の情報や特性を引き出しましょう

4-2.経歴や実績で絞りすぎない

経歴や実績で絞りすぎないことも、優秀な人材を見分けるポイントです。確かに経歴や実績は優秀な人材を見分ける上でも大切な要素の一つです。立派な経歴や、大きな実績がある応募者は優秀な人材である可能性は高いでしょう。

しかし、優秀な人材が必ずしも立派な経歴や実績があるわけではありません。まだ実績がない人の中にも優秀な人材はいるはずです。それにもかかわらず、経歴や実績ではじめから絞ってしまった場合、条件を満たす人材が少なくなります。

母数が減れば優秀な人材がいる可能性も下がるでしょう。母数を減らさないためにも、経歴や実績で絞りすぎないことが大切です。

4-3.目利き力を上げる

優秀な人材を見分ける力を上げるには、目利き力の向上が必要です。そのためには、面接の数を増やし場数を踏むことも有効でしょう。多様な人と関わる数を増やすこともおすすめです。会社以外のコミュニティに入れば、より多様な人と接する機会が増えます

社外研修やセミナーに参加するのもいいでしょう。町内会や趣味のサークル活動に参加するのでも取りかかりとしてはよいでしょう。多くの人と出会い、コミュニケーションをとれば、さまざまな人がいることを理解できます。その経験を重ねていけば「目利き力」も養われるでしょう。

目利き力は、簡単に身につけられるものではありません。採用活動に目利き力がある社員を参加させるのも一つの方法です。目利き力のある社員の考え方や視点を近くで見ることで、自身の目利き力も向上するでしょう。

4-4.自社の社員の活躍パターンを知る

自社の社員の活躍パターンを知ることで、優秀な人材を見分ける力が向上します。人には個性があり、仕事での活躍のパターンもそれぞれ異なり、10人いれば10人とも異なるでしょう。

しかし、活躍しているパターンの中には「共通点」があるはずです。社内で活躍している人材の能力や行動を分析し、なぜその社員は活躍できたのかを把握しておくことで、採用時の判断材料になります。

採用活動をする中で、自社で活躍している人材との共通点を見出だせれば、優秀な人材を見分けることができるはずです。採用時の判断材料にするためにも、自社の社員の活躍パターンを把握しましょう。

5.優秀な人材を採用するための5つのポイント

優秀な人材を採用するには、それなりの方法があります。まずは、「優秀な人材」の人物像を明確にすることです。定義された優秀な人材に合わせて、適切な採用手法を選びます。企業理念を伝えたり、強みや熱意を訴えたりするブランディングも重要です。

内定を出すと決めたら、素早く対応しなければ、他社に先んじられてしまう心配があります。この項では、優秀な人材を採用するために押さえておきたいポイントを5つに絞り、解説していきます。

5-1.採用したい人材のペルソナを明確にする

優秀な人材を採用するために必要なのが、自社にとっての「優秀な人材」の定義付けを行い、採用したい人材のペルソナを明確にすることです。何をもって優秀とするかがあいまいでは、面接官それぞれの認識が統一できず、採用活動が不調に終わる懸念があります。

採用活動を始める前に、自社で優秀とされる社員が持つスキルや人間性などを参考に、採用したい人材の人物像を明確に作り上げておくことが不可欠です。

5-2.経営者も採用活動へ参加する

優秀な人材を採用しようとするなら、経営者自身が採用活動に参加することも有効です。前述のペルソナを、経営者視点から明確化し、戦略的に採用活動を行えれば、自社が必要とする優秀な人材を獲得できる可能性が高まります。

応募者によっては、待遇面だけではなく、企業理念や社風を重視しているケースがあります。こうした応募者に対しては、自社の理念やユニークさ、強みなどを、経営者自らの声で伝える手法が効果的です。

企業理念や社風などは、ホームページやパンフレットに記載されている内容でも、経営者から直接伝えられれば、印象度が違います。1対1の面接であれば、印象の強さはひとしおです。

5-3.自社に合った採用手法・求人媒体を選定する

優秀な人材を採用するため、前述のように採用したい人材のペルソナを明確に定めたら、自社が求める人材に合わせて、採用手法や求人媒体を選びます。求人媒体によって応募してくる人材の層は異なるため、どの媒体を使ってもよいというわけではありません。

幅広い人材が登録している求人媒体もあれば、特定の領域や資格職などにターゲットを絞っている媒体もあります。優秀な人材を求めるのであれば、獲得したい人材の層が登録する媒体を使うことが重要です。数多くの媒体に求人を掲載するよりも、求める層にフォーカスした媒体を選別するほうが、結果として少ないコストで優秀な人材を採用できます。

5-4.自社のブランディングに力を入れる

応募者が多いほど、優秀な人材を採用できる確率が上がります。有名企業であれば、特段の努力をしなくても応募者が集まると期待できますが、そうでない場合は自社のブランディングに注力することが大切です。

社名を知ってもらうことはもちろん、業種や業務内容、強み、社風などの特徴をできる限りわかりやすく伝え、関心を持ってもらいましょう。自社のビジョンを言語化して発信することで、それに共感してくれる応募者が集まる可能性が高まります。

優秀な人材であるほど、他社からも内定を得ている可能性が高いものです。複数の競合の中から自社を選んでもらうには、応募者の志望度を上げることが欠かせません。そのためにも、ブランディングに力を入れ、自社の魅力を積極的に伝えることが重要です。

5-5.迅速な対応を行う

前述のとおり、優秀な人材は複数社に応募していることが多いため、書類選考の通過や面接日などの通知が遅くなると、連絡が付きづらくなります。応募者から連絡が来た場合は、なるべく早くレスポンスをすることが肝心です。

応募者は、早く求職活動を終わらせたいと考えるのが一般的です。先に内定を出してくれた企業に入社する傾向があるため、合否の連絡が遅れると、せっかくの優秀な人材が他社に取られる危険性が高くなります。選考を終え、結果が出たら、迅速に連絡を入れることが必要です。

専任の採用担当者がいないと、雑務に追われて、連絡が遅くなってしまうことも懸念されます。優秀な人材を獲得したいのであれば、専任の担当者を配置するのがおすすめです。

ただし、迅速なレスポンスにばかり気を取られて、十分な議論なしに選考を進めてしまうのでは、優秀な人材の見極めが不足しかねません。効率的な採用活動を行うためには、応募者の受付や選考日程の調整、担当者間の情報共有などの機能を持つ採用管理システムの導入も一案です。

6.優秀な人材の離職率を下げる方法

苦労して優秀な人材を採用しても、自社と合わないなどの理由で早期に離職されてしまっては、元も子もありません。いったん退職の意思が固まってしまうと、翻意させるのは困難です。優秀な人材に逃げられないよう、事前に定着のための手立てを講じておく必要があります。この項では、優秀な人材の離職率を下げるための4つの対策について、解説します。

6-1.評価制度を明確にする

優秀な人材の離職を防ぐには、評価制度の再確認が第一歩です。評価制度が不適切では、優秀な人材でなくても、不満が高まってしまいます。年功序列的な制度や、役職だけを基準とするような硬直的なやり方になっていないか、チェックをおすすめします。

公平、公正な評価は、客観的で明確な基準に裏付けられるものです。社員の納得度が高い評価制度となっていない場合は、改善が必要です。

評価項目には、売上数量や利益額など、数字で表せる定量的な項目に加え、業務に対する姿勢など成果だけでは判断できない定性的な項目もあります。社員の納得感を高めるには、定性的な評価ができる体制を整えることも有効です。

6-2.コミュニケーションを活性化させる

業務が円滑に進められない職場では、優秀な人材が定着しにくいと考えられます。社内コミュニケーションが活発であれば、部署を越えた仕事の相談がしやすくなるなど、スムーズな業務の遂行に役立ちます。

雑談からアイデアが生まれることも、現実の業務の場面では、しばしばあることです。コミュニケーションがとりやすく、働きやすい環境を整備することで、早期離職を防ぐだけでなく、業務効率の向上も期待できます。

また優秀な人材には、優秀なるがゆえに業務が集中しがちです。そうならないためには、定期的な面談などにより、社員の状況を把握するのが効果的です。社員の声に耳を傾け、意見を採り入れて評価制度などに反映させれば、社員の満足度も高まります。

6-3.意欲のある社員には成長のチャンスを与える

優秀な人材は、自身の将来に対して明確なビジョンを持っているものです。ビジョンを実現するために、自らを成長させたいと考えている人材に対しては、キャリアの目標に応じた仕事を与えたり、資格取得のサポートをしたりすることで、成長の機会を与えましょう。

優秀な人材は自己実現の意欲が高く、目標に向けて努力を惜しまない傾向があります。意欲的な取り組みを阻害するカルチャーがある企業や、裁量が狭く効率的な業務運営ができない企業では、優秀な人材はやりがいを感じられません。ジョブ・ローテーションなどで、さまざまな職種を経験させる環境を作れば、意外な才能の発掘や、優秀な人材の向上心を満たすことにもつながります。

社員からアイデアや提案が出されたら、積極的に検討し、採り入れるようにするのも一案です。それにより、働きやすい環境を社員側から整備できる、魅力的な企業になる可能性が高まります。意欲的な挑戦を受け入れる気風のある企業は、優秀な人材が活躍しやすいといえます。

6-4.働きやすい環境を整える

優秀な人材を確保し、早期離職を防ぐための方策として、働き続けやすい環境の整備があります。具体的には、以下のような制度の導入や改善です。

  • 時短勤務
  • リモートワーク
  • 産休・育休制度
  • 介護休業制度
  • 過度な残業の制限

優秀な人材の満足度を向上させるには、年齢や家族状況、ライフイベントなどに応じて、効率的に働き続けられる制度を整えることも大切です。

7.優秀な人材を見分ける力を磨いて人材を確保しよう

優秀な人材を見分けるには、自社にとっての「優秀」の定義を明確にすることからはじめる必要があります。定義を明確にすれば、採用する人材の能力にもバラツキがなくなるでしょう。

経歴や実績、将来設計からは、人材の能力や人間性を見極められます。面接でエピソードを確認すれば、受け答えの能力も確認できるでしょう。

優秀な人材は自分で設定した目標に
向かって行動しているため、モチベーションを常に高く保てます。状況把握能力や客観性、適応能力にも優れています。コミュニケーションコストもかからないため、仕事をする相手とも信頼関係を構築できるでしょう。

面接で質問を工夫すれば、応募者が持っている情報や特性を引き出せます。経歴や実績で絞りすぎないこともポイントです。訓練により、目利き力を上げることもできます。会社以外のコミュニティに入れば、より多様な人と接する機会が増え、目利き力向上につながるでしょう。

自社の社員の活躍パターンを知ることも、優秀な人材を見分ける力の向上につながります。人材を見分ける力を磨き、優秀な人材を確保しましょう。