採用面接で人材を見抜く質問とは?新卒・中途面接で使える具体的な質問例

採用面接で人材を見抜く質問とは?新卒・中途面接で使える具体的な質問例

採用ノウハウ

採用面接で自社に必要な人材かどうかを見抜くのは重要なことですが、面接官がどのような質問をすればよいかは人事担当者でも知らないことが多いものです。そこで本記事では、新卒でも中途採用でも必須となる、採用面接で人材を見抜くための質問を実例付きでまとめました。

目次

1.人材を見抜く採用面接の重要性

採用面接は、応募者が自社が必要としている人材であるかどうかを短時間で見極めなくてはならない、重要な選考過程です。職務の遂行に十分なスキルを持っているのか、仕事への意欲は高いのかなど、応募者がどういった人材であるのかを見抜くために、面接官は適切な質問を繰り出す必要があります。

ここでは、採用面接の重要性について、以下の2つのポイントを解説します。

  • ミスマッチの防止
  • 自社で活躍できるかの確認

採用面接の質問について考える前に、まずは採用面接の重要性を十分に理解しましょう。

1-1.ミスマッチの防止

自社に合った人材を見抜けないまま採用してしまうと、ミスマッチが生じ、せっかく獲得した人材の早期離職につながる可能性があります。採用面接を通じて、企業理念やビジョンに共感してもらえるか、企業の雰囲気に合致したパーソナリティーの持ち主で、問題なく馴染めそうかなどを判断することで、採用におけるミスマッチを防げるのです。

1-2.自社で活躍できるかの確認

採用面接は、応募書類だけではわからないスキルやポテンシャル、パーソナリティーを把握できるチャンスです。たとえば、職務履歴書では営業経験が5年であり、自社の要件である3年以上を満たしている場合であっても、実際に話してみると自社の営業スタイルとは乖離がある、というケースもあるでしょう。

また、配属予定部門の社員に同席してもらえれば、配属先の仕事に適性がありそうか、ほかの社員とうまく仕事を進められそうかなども見極められます。

応募者が自社で活躍できるか、本質を採用面接で正しく見抜ければ、自社に合った優秀な人材を確保できるのです。

このように、自社で活躍できる人材を見極めるために、採用面接は重要な役割を果たします。

 

2.人材を見抜く採用面接の質問の考え方

では、採用面接において人材を見抜くための質問は、どのように考えればよいのでしょうか。考え方としては、まず面接を行う側で「自社に合う人材とはこういう人である」との共通認識を持つことが基礎となります。そのうえで、自社の情報提供をする、質問の意図を明確にする……といった要素が必要です。以下に、それぞれについて詳述します。

2-1.自社に合う人材の共通認識を持つ

人材を見抜くための質問をする前提として、面接官の中で自社に合う人材についての共通認識を持つことが必要です。「優秀な人材」と一口に言っても、自社で活躍できる人材であるかどうかはわかりません。業務を遂行するうえで不可欠なスキルや適性などを洗い出し、自社にとっての優秀な人材についての共通認識を固めてから、質問を準備しましょう。

2-2.自社の情報提供をする

人材を見抜くための質問で重要なのは、応募者から話を聞きだすばかりではなく、自社についての情報提供を行って、それを踏まえて質問をすることです。情報提供が十分になされていなければ、応募者が自社の企業研究をしようにもままならず、入社したいという思いが高まらない可能性があります。

質問項目を検討する以前に、自社サイトで業務内容を詳しく記載するなど、応募者が仕事の具体像をイメージできるような情報提供を心掛けましょう。

2-3.質問の意図を明確にする

質問を受ける側に立って考えればわかることですが、何を意図しているのかわからない質問には答えにくいものです。あいまいな質問には回答もあいまいになってしまい、正しい評価を下すことができないという悪循環に陥る可能性があります。

意図が明確でない質問は、応募者を不安にするだけです。逆に、質問の意図を説明したうえで答えを求めるやり方が、人材を見抜くためには有効になることもあります。

3.人材を見抜く的確な質問をする3つのポイント

人材を見抜くためには、面接という短時間の中で的確な質問を繰り出していく必要があります。面接官が的確な質問をするためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 自社が必要とする人材について採用基準を明確化する
  2. 応募者がリラックスできる雰囲気を作り素顔を引き出す
  3. 深掘りをした質問でミスマッチが起きないよう確認をする

それぞれについて、詳しく解説します。

3-1.採用基準の明確化

採用基準が明確にならないまま面接を進めると、面接官の好みや考え方の違いなどによって、採否の判断にぶれが生じてしまいます。公平で精度の高い採用活動を行うためには、採用基準の明確化が不可欠です。

採用基準をベースにして質問を考えることで、採用の判断材料となり得る答えを引き出すための的確な質問ができるようになり、面接の質的向上が図れます。

 

 

3-2.応募者の素顔を引き出す

採用面接に臨む応募者は、緊張してうまく話せなかったり、自分を良く見せようと過大なアピールをしたりしがちです。面接の場では、応募者にリラックスしてもらい、真の姿を引き出すようにしなくては、正しい採用判断ができません

履歴書に書いてあることだけではわからない応募者の素顔を明らかにするには、世間話から入って緊張をほぐしたり、相づちを打ったりして話を真剣に聞いている姿勢を示すなどの面接テクニックも使って、質問に率直に答えてもらえる環境を作りましょう。

3-3.深掘りした質問でミスマッチを防ぐ

応募者の本質を見抜くには、1つの回答に対して深掘りしていく方法が有効です。応募者が自社の志望動機を述べたり、自己アピールをしたりした際に、「なぜ当社なのですか」「それを示す具体的なエピソードを教えてください」といった追加の質問で深掘りすることで、応募者の考えの深さや適性などが見えてくる可能性が高まります。

深掘りした質問により、自社への志望度の高さや熱意などがわかり、ミスマッチのない採用活動につながるでしょう。

 

4.良い人材を見抜くための質問のコツ

良い人材を見抜くための質問のコツ

良い人材を見抜くためには、質問の仕方にも工夫が必要です。

  • 5W1Hを意識する
  • あいづちを打ちながら話を聞く

応募者の本質を見極めるため、応募者からより多くの情報を引き出せるようにしましょう。そのためには、回答が限定されない5W1Hの質問でエピソードを深掘りしてみたり、リラックスして話せる雰囲気を作ったりすることが重要です。

ここでは、良い人材を見抜くための質問のコツについて解説します。

4-1.5W1Hを意識する

採用面接では、はい・いいえで答えられる簡単な質問ばかりするのではなく、5W1Hを意識した質問を投げかけましょう。自由に答えられる質問なら、より相手の本質を見抜きやすくなります。

「なぜそう思ったのか」「どのように解決したのか」など、応募者の過去のエピソードについて気になるポイントを深掘りりすることで、根幹にある応募者の適性や能力、志向などを理解できます。

ただし、あまりにも深掘りりをしすぎると、圧迫面接のようになってしまい、応募者にストレスを与えてしまうでしょう。問い詰めるような聞き方や、攻撃的な言葉づかいにならないよう注意が必要です。

4-2.あいづちを打ちながら話を聞く

者が本当に自社に合った人材なのか、入社後も長く活躍できそうかなどを見極めるのが難しくなってしまいます。

履歴書や職務経歴書だけではわからない、応募者のありのままの姿を引き出すためには、リラックスして話してもらうことが重要です。

そこで、適度にあいづちを打ちながら話を聞くと、相手も話しやすくなります。あいづちがないと、質問攻めのようになってしまい、相手も萎縮してしまうでしょう。

そのほか、アイコンタクトをとったり、面接前にアイスブレイクを設けたりして、応募者が安心して話せるような雰囲気づくりを心がけることが大切です。

 

5.人材を見抜く採用面接での具体的な質問例

人材を見抜く採用面接での具体的な質問例

ここでは、面接の場で確認したいポイント別に、具体的な質問例を示し、解説します。応募者の本音を見抜く質問と、実務能力があるかどうかを見抜く質問では、当然その内容はさまざまです。また、つい聞いてしまいがちな不適切な質問についても記述しています。倫理的にも正しく的を射た質問項目を作成しましょう。

5-1.どんな人柄かを見抜く質問

真面目で素直な人が欲しいといったような人柄を重視して採用を行う企業も少なくありません。スキルや経験は入社後に身につけられるため、とにかく人柄のよい人に来てもらいたいというケースです。

自社の社風に合う人材かどうかは、人柄から見抜けることもあります。スピーディーに業容を拡大したい企業に、おっとりした人柄の社員は向かないでしょう。人柄を見抜くには、第三者との交流の経験を語ってもらうと、第一印象とのギャップが明らかになることがあるとされます。

具体的な質問の例としては、「ほめられて一番うれしかったことは何ですか」「今まで継続的に取り組んでいることがありますか」といった問いかけがあります。

5-2.自己理解があるかを見抜く質問

自己理解が十分な人材は、自身の強みをどのように企業に活かせるかを客観的に分析できます。また弱みについても認識できるため、弱みを克服するために必要な行動や、弱みをカバーするためにすべき行動についても自身で考え、実行に移せることが多いです。

このように、自己理解がある人材は、業務生産性を高め、自己成長のスピードも速いことが期待できるでしょう。

自己理解の有無を見抜く具体的な質問の例としては、「あなたの強みと弱みを教えてください」「周囲の人からどのような人だと言われることが多いですか」「あなたの強みを弊社にどのように活かせますか」「弱点を克服するために心がけていることは何ですか」などが挙げられます。

5-3.応募者の本音を見抜く質問、入社意欲があるかを見抜く質問

新卒でも中途採用でも、応募者が自社に応募してくる理由や志望度の高さはさまざまです。採用する側としては、応募者の本音を見抜き、本当に入社意欲があるかどうかを見極めなくては、採用後にミスマッチが生じてしまうかもしれません。

給与や休日に関する質問をすると、応募者の本音が垣間見えることがあります。休日を多少犠牲にしても高収入を求めている人もいれば、仕事は定時で切り上げて資格取得のための勉強に時間を使いたいという人もいるでしょう。応募者の本音を見抜くことは、自社にマッチした人材を獲得するために必須の条件です。

入社意欲が高いかどうかは、「弊社で実現したいことは何ですか」といった質問で事業についての理解度の深さを推し量ったり、中途採用なら「最短でいつ入社できますか」などの質問で転職の本気度を知ったりすることができるでしょう。

5-4.実務能力があるかを見抜く質問

中途採用の場合は特に、実務能力が高く即戦力となってくれる人を求める場合が多いでしょう。面接で実務能力があるかどうかを見抜けなければ、その採用活動は失敗となることが懸念されます。

単刀直入に「入社後はどのように活躍したいですか」「弊社に貢献できるスキルや経験はありますか」などと問いかけ、答えから実務能力を判断していくのが一つのパターンです。新卒の場合は、学生時代のリーダーとしての経験や力を入れたことのエピソードを聞くなどして、スキルを測りましょう。

5-5.協調性があるかを見抜く質問

企業という組織内で仕事をしていくにあたり、自社内や取引先などの関係者と共同で業務遂行できる協調性やチームワークは、なくてはならない要素です。従って、面接では協調性がある人材を見抜いて選ぶ必要があります。

協調性の有無を見るには、過去にチームで取り組んだ事業やイベントなどの実績と、その際の応募者の役割について尋ねる質問をすることが一案です。大人数のプロジェクトで働くのが向いている人もいれば、小人数のプロジェクトのほうが実力を発揮できる人もいます。協調性という切り口で、どんなタイプの人材が自社に合うのかを考えて、選考に役立ててください。 

5-6.コミュニケーション能力があるかを見抜く質問

組織で仕事を進めるためには、コミュニケーション能力が不可欠です。

コミュニケーション能力を見抜く質問としては、「ほかの社員と接するうえで重要なことは何だと思いますか」が挙げられます。コミュニケーション能力の、基本的な部分がわかる質問です。

また、「何に興味があるか」のような曖昧な質問を途中で挟むことで、コミュニケーション能力の有無がわかりやすくなります。面接官の意図を探るために前提を確認したり、逆質問をしたりする場合は、相手の話を理解して意図に沿った回答をしようとする姿勢がわかるため、コミュニケーション能力があると判断できるでしょう。

5-7.成長意欲があるかを見抜く質問

成長意欲がある人材は、入社後に積極的に業務に取り組んでくれるでしょう。うまくいかないことがあっても、乗り越えるために前向きに挑戦してくれます。周囲にも良い影響をもたらすため、企業にとって貴重な存在です。

成長意欲があるかを見抜くためには、今後のビジョンや希望、自社に対するイメージなどを質問しましょう。具体的な質問例は、「入社後はどのような事業に携わりたいですか」「入社後は何を成し遂げたいですか」「弊社に対してどのようなイメージを持っていますか」などです。

5-8.責任感があるかを見抜く質問

仕事で成果を出すためには、長期にわたる仕事でも投げ出さずに最後まで責任を持てる、責任感の強さも重要です。特に、仕事では想定外のトラブルが発生し、計画通りに進まなくなってしまうケースも多々あります。

責任感があるかを見抜くためには、何か1つの出来事に長期的に取り組んだことがあるかを質問しましょう。具体的な質問の例としては、「1年以上の長期にわたって続けている活動はありますか」「過去に何かで大きな失敗をしたことはありますか、それをどのようにカバーしましたか」などが挙げられます。

5-9.ストレスに強いかを見抜く質問

組織の一員として働いていれば、多かれ少なかれストレスにさいなまれる場面もあるでしょう。ストレス耐性があまりにも低い人では、いざ採用したものの休みがちになってしまうなどの目算違いとなる可能性もあります。

ストレス耐性を見抜くには、ストレスに関する質問を放つのが定番です。「ストレスを感じたときの対処法を教えてください」「どのような時にストレスを感じますか」といった直球での質問により、応募者のストレスに対する自己管理能力の高低が見定められます。ストレス耐性を知りたいからといって、圧迫面接をするのはおすすめできません。応募者が本音で話してくれなくなるデメリットが考えられるほか、自社の悪評が広がってしまう危険性もあります。

 

 

6.新卒採用で人材を見抜くための具体的な質問例

新卒採用で人材を見抜くための具体的な質問例

新卒採用で人材を見抜くための具体的な質問例は、以下のとおりです。

<成長意欲・責任感を見抜く質問>

  • 「学生時代に最も力を入れたことは何ですか」

<入社意欲を見抜く質問>

  • 「会社選びで重視しているポイントを教えてください」
  • 「弊社で働く魅力は何だとお考えですか」

<人柄・自己理解力を見抜く質問>

  • 「あなたの強みと弱みを教えてください」
  • 「親しい人からどのような性格と言われますか」

<協調性を見抜く質問>

  • 「チームで何かを成し遂げた経験はありますか」
  • 「いつも、グループではどのような役割を担うことが多いですか」

<情報感度の高さや思考力を見抜く質問>

  • 「最近気になっているニュースは何ですか」

7.中途採用で人材を見抜くための具体的な質問例

中途採用で人材を見抜くための具体的な質問例

中途採用で人材を見抜くための具体的な質問例は、以下のとおりです。

<成長意欲・責任感を見抜く質問>

  • 「前職で最も苦労したことと、乗り越えた方法を教えてください」

<入社意欲を見抜く質問>

  • 「今回応募いただいた職種について、どのようなスキルや経験が必要だと考えますか」
  • 「転職先を選ぶうえでのポイントは何ですか」
  • 「弊社で、どのような業務にチャレンジしたいですか」

<人柄・自己理解力を見抜く質問>

  • 「あなたの強みは何ですか。それを弊社でどのように活かせると思いますか」
  • 「周囲からどのような人と評価されていますか」
  • 「あなたの短所は何ですか。短所を克服するために心がけていることはありますか」
  • 「一緒に仕事をしたい人の特徴と、したくない人の特徴を教えてください」

<協調性・コミュニケーション能力を見抜く質問>

  • 「人間関係で困ったことはありますか」

8.面接時に避けるべきNGな質問

面接時に避けるべきNGな質問

面接では、聞いてはいけないNGな質問も存在します。それは、厚生労働省のガイドラインに違反するような質問や、応募者を不快にさせる質問です。

NGな質問をしてしまうと、応募者が自社に対して不信感を抱いたり、選考辞退につながったりするリスクがあります。インターネット上で質問の内容を拡散されて、批判を招くことになるかもしれません。

質問によっては、就職差別につながる危険性もあるため、細心の注意を払いましょう。

ここでは、面接時に避けるべきNGな質問について解説します。

8-1.厚生労働省のガイドラインの内容

厚生労働省は、就職の機会均等を確保する観点から、公正な採用選考を行うよう呼びかけ、ガイドラインを設けています。その中で、「配慮すべき事項」として、注意を促しているのが以下の点です。

  • 本人に責任のない事項の把握
  • 本来自由であるべき事項(思想信条に関わること)の把握
  • 採用選考の方法

本人の適性や能力に無関係で、本人に責任のない事項を質問することは、就職差別にあたる危険性があります。また、思想信条に関わる部分は本来自由であるべきであり、質問して思想信条を把握すると、思想信条を理由に人材を排除することにつながりかねません。

参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」 

参照元:厚生労働省「R03.02・公正採用選考啓発リーフレット・事業者向け」

8-2.応募者を不快にさせる質問の例

応募者を不快にさせるような質問は、自社に対する不信感につながり、入社意欲の減少や評判の低下を引き起こします。面接は応募者とのコミュニケーションの場であることを忘れず、言葉づかいや表現、質問内容には気を配りましょう。

以下のような事項に関する質問は、応募者を不快にさせる可能性があります。

<本人に責任のない事項>

  • 国籍や本籍地、出生地
  • 家族:親や兄弟の職業、収入、学歴など
  • 住宅:持ち家か賃貸か、場所、間取りなど
  • 家庭環境、生活環境

<本来自由であるべき事項>

  • 思想、生活信条
  • 宗教
  • 支持政党
  • 尊敬する人物
  • 購読している新聞
  • 愛読書
  • 特定の性別に限定した質問
  • 人生観

特に、出生地や家族に対する質問や、愛読書・人生観に関する質問に注意しましょう。たとえば、以下のような質問は、アイスブレイクのネタとして質問してしまがちですが、応募者を不快にさせるリスクがあるため、避けるべきです。

  • 「生まれた場所はどこですか」
  • 「結婚したら仕事はどうする予定ですか」
  • 「尊敬する人物は誰ですか」
  • 「愛読書は何ですか」

参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」 

参照元:厚生労働省「R03.02・公正採用選考啓発リーフレット・事業者向け」

9.人材を見抜く採用面接はこう進める

この項では、人材を見抜く採用面接について、具体的な例をもとに時系列で説明します。基本的な面接の流れは、

  1. アイスブレイクで緊張をほぐす
  2. 自己紹介と会社の説明
  3. 履歴書などから質問
  4. 応募者の質問を受け

という順序で進みます。

面接官は、決まった時間内に応募者をリラックスさせて本音を引き出し、スキルや適性を評価しなくてはならないため、的確な質問を打ち出していくことが求められます。

9-1.アイスブレイクで緊張をほぐす

面接の導入部は、いきなり本題に入るのではなく、応募者の緊張をほぐす「アイスブレイク」で始めましょう。選考とは直接関係のない天候の話題や最近のニュースなどで、応募者をリラックスさせるよう努めてください。「緊張しないで大丈夫ですよ」などとストレートに呼びかけるのもよいでしょう。

アイスブレイクは本題に入るきっかけ作りであるため、短時間で切り上げることも大事です。

 

 

9-2.自己紹介と会社の説明

応募者の緊張がほぐれたところで、面接官の自己紹介と会社の説明に移ります。事業内容や、職種が決まっている場合は業務の具体的な内容など、できる限り詳細に説明するとよいでしょう。事業内容などを詳しく知らせることで、応募者の志望度が高まることもあります。特に一次面接では、丁寧な説明をおすすめします。

面接官は応募者にとっては会社の顔です。面接の始まりの段階で好印象を与え、会社に対するイメージも向上させるという役割も担っていることを意識しましょう。

9-3.履歴書などから質問する

ここから、面接の流れの中で最も重要な部分に入ります。履歴書や職務経歴書を基に質問し、応募者のスキルや経験、適性などを見極めていく工程です。

ここでは、面接官から一方的に質問するのではなく、会話のやり取りが行われるようにしましょう。面接官は回答を受けたら、さらに深掘りした質問を投げかけ、応募者の入社意欲やコミュニケーション能力など確認したい事項のすべてを見抜くようにします。

9-4.応募者の質問を受ける

面接の最後には、応募者からの質問を受けます。応募者の疑問や不安を解消し、ミスマッチや内定辞退といった辞退を防ぐことが主たる目的ですが、質問内容によって入社意欲の高さを判断することができます

最後の質問まできちんと答えることで、自社への好印象をさらに高め、志望度を上げる効果も期待できます。質問が尽きたら、選考結果の連絡時期や方法など、事務連絡を行って面接は終了です。

 

 

10.採用面接で良い人材を見抜くための4つのポイント

採用面接で良い人材を見抜くための4つのポイント

採用面接で良い人材を見抜くためのポイントは、以下の4点です。

  • 結論ファーストになっているか
  • 質問内容と回答内容がかみ合っているか
  • 会話に矛盾がないか
  • 面接態度に違和感がないか

応募者が自社に合う人材かどうかを見極めるためには、応募者の本心やありのままの姿を知る必要があります。しかし、面接では誰もが自分をよく見せようとするため、本質を見極めるのは難しいのが問題です。

そこで、質問と回答がかみ合っているか、回答に矛盾がないかに注目しましょう。面接中の態度に現れる可能性もあります。

ここでは、採用面接で良い人材を見抜くための4つのポイントについて解説します。

10-1.結論ファーストになっているか

質問に対して、結論ファースト(結論が先に来て、その後に理由、事例、再度結論が来る話の構成)で回答できているかを重視しましょう。結論ファーストでわかりやすく話せる人材は、普段からその習慣が身についており、仕事でもスムーズにコミュニケーションが取れる可能性が高いためです。

話す内容が論理的でわかりやすいか、説得力があるかなどもチェックしましょう。

10-2.質問内容と回答内容がかみ合っているか

質問内容と回答内容が、かみ合っているかも重要なポイントです。応募者の中には、面接官に自分をよく見せられるよう、想定質問と回答を用意したうえで面接に臨む方も少なくありません。用意してきた回答をそのまま言おうとすると、質問内容と微妙に乖離が生じることがあります。

違和感を覚えた場合は、その回答をさらに深掘りしてみると、応募者の本心が見えてくるでしょう。また、想定外の質問にも対応できるかをチェックできます。

10-3.会話に矛盾がないか

応募者が本心で回答しているかを確認するためには、会話に矛盾がないかも大切なポイントです。同じような質問にもかかわらず、前の回答と矛盾している場合は、本心でない可能性があります。

特に、志望理由や今後挑戦したいこと、自社でやってみたい業務が矛盾していないかどうかチェックしてみましょう。中途採用の場合、ネガティブな転職理由であることを隠すために、志望理由を後付けしている可能性もあります。

矛盾に気づいたら、別の質問を複数個投げかけた後に、再度同じような質問をしてみてください。

10-4.面接態度に違和感がないか

面接中の態度や動作に違和感がある場合、応募者が嘘をついていたり、動揺していたりするサインの可能性があります。

個人差はありますが、以下のような態度や動作には注意が必要です。

  • 目が泳いでいる、目が合わない
  • 早口になる
  • 会話のテンポが遅くなる
  • 聞いていないことまでペラペラと喋るようになる
  • 「あのー」「えーっと」といったフィラーが増える
  • 同じ言葉を繰り返すようになる
  • 髪や鼻、耳など、体の一部を頻繁に触るようになる
  • 口やあごを手で隠すようになる
  • 貧乏ゆすりをするようになる

回答内容だけでなく、面接中の態度や動作にも注目しましょう。

11.人材を見抜く採用面接には質問の事前準備が大事

 

本記事ではここまで、人材を見抜く採用面接について、その重要性から質問のポイント、具体的な質問例や面接の時系列的な流れまで、総合的に解説してきました。人材を採用する企業にとって、その人のスキルや適性を見抜くことが重要なのは言うまでもありません。それと同時に、採用面接の場で自社の魅力を理解してもらい、応募者にマッチした職場だと見抜いてもらうことも大事です。

本記事を参考に、活躍できる人材を見抜き、採用活動を成功に導いてください。

 

 

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