効果的な求人票の書き方とは?応募したくなる文章例や作り方のコツを紹介

採用ノウハウ

転職しようと考えている求職者と、優れた人材を求めている企業の最初のコンタクトポイントが求人票です。本記事では、求職者に対し効果的にアピールするための求人票の書き方について、事前準備から具体的に記載する内容、NG項目まで幅広く解説します。

1.求人票を書くためにやっておきたい5つの準備

求人票を書くためにやっておきたい5つの準備

求人票とは、人材を募集する際に、業務内容や賃金などの労働条件を記載し、求職者に示す情報です。公共職業安定所(ハローワーク)や人材紹介会社、大学の就職課などに提出します。

新規プロジェクトの要員が必要になった、営業部門で退職者が出たなど、求人を開始する動機はさまざまです。人材を募集する際に、いきなり求人票を作り始めるのはおすすめできません。自社にマッチし、入社後に戦力となる人材を獲得するためには、求人票を書く前に準備が必要です。

業務内容をわかりやすく記載したり、労働条件を明示したりするのはもちろん、自社に応募してもらうためには、他社にない特徴やアピールポイントを盛り込む必要があります。具体的な内容を以下に詳述します。

1-1.求める人物像を明確にする

求める人物像を明確にすることは、採用活動を成功させるポイントの1つです。どのような経験を持つ人材が欲しいのか、スキルや資格などの要件はあるのかといった情報を求人票に記載することで、自社がターゲットとする人材からの応募につながります。

自社の企業理念や社風に合う人材でなければ、入社したとしても、ミスマッチで早期離職という事態に陥りかねません。ターゲットとする人物像は年代や性別、スキル、保有資格、仕事に対する考え方などを詳細に検討し、まとめておきます。ターゲットとする人物像を担当者間で共有することにより、円滑な採用活動を進めるのに効果的です。

求職者に求める条件は、厳しすぎても応募が少なくなり、思うような採用ができない可能性があります。条件の整理は、これだけは必要という「必須事項」と、これもあればなお良いという「歓迎事項」に分けて行うのが一般的です。

1-2.自社の強みや成果を明確にする

求人票は自社の魅力を伝え、応募してもらうのが目的です。自社の強みや他にない特徴などをアピールすることで、求職者の目を引くことができます。

よほどの有名企業や大企業でなければ、求職者は自社のことをほとんど知りません。どのような企業なのか、どういう社員がいるのか、休みはきちんと取れるのかなど、むしろ不安を持っているのが通常です。

充実した福利厚生や年間休日日数の多さ、バラエティに富んだ研修制度など、求職者に魅力と捉えてもらえるような特徴を具体的に求人票に記載するのがポイントです。他社にない強みの訴求により、求職者の関心を引くとともに、不安感の払拭にもつながります。

1-3.労働条件や業務内容を明確にする

求人票には、職業安定法に基づいて「従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件」を明示することとなっています。明示すべき内容の詳細については後述しますが、事前準備で重要なのは、業務内容などについて具体的で理解しやすいように記載することです。

自社内でしか通用しない用語や業界関係者の間でだけ使われている呼称などは、使わないのが基本です。聞いたこともない専門用語の羅列では、求職者が読む気を失くしてもおかしくありません。誰が見てもわかりやすい求人票は、何社もの求人票を見て比較している求職者に対してアピールポイントにもなります。

自社の実情に基づいて、求職者に労働条件をわかりやすく伝えることが重要です。求人票を書くための準備として、労働条件や業務内容をかみ砕いて説明できるようにしておくことをおすすめします。

参照元:e-GOV法令検索「職業安定法第5条の3」

1-4.求人を行う理由を明確にする

求人を行う際には、それに至る理由があるはずです。求人票上で自社が求人を行う理由を明確にしておけば、必要とするスキルや経験などが求職者に伝わり、ターゲットとする人材に訴求しやすくなります。たとえば、求人を行う理由が「海外営業部門を強化するため」とあれば、語学のスキルや営業経験が求められているとわかります。

人材を募集する理由が明らかにされていなければ、求職者は「退職者が続出しているブラック企業なのではないか」などの懸念を持ちかねません。求人を行う理由の明示には、求職者の納得感を高める効果もあります。

1-5.写真や動画などを用意する    

前述したように、自社の社風や雰囲気などを知らないために、多くの求職者は不安を抱えています。求職者に社内の雰囲気を伝えるためには、文字だけの情報ではなく、写真や動画を使うのが有効です。仕事のイメージがわかる画像や明るく談笑する動画などを用意することで、求職者に好感を持ってもらい、応募のきっかけとなる可能性が高まります

この場合の写真や動画は、あくまで社内の様子を知ってもらうのが目的であるため、プロに撮影を依頼したり、高性能な機材を使用したりする必要はありません。スマホでの撮影が多少ブレていても、自社の雰囲気が肯定的に伝われば、目的を達成したと言えるでしょう。

2.応募したくなる求人票の書き方

応募したくなる求人票の書き方

求職者が目を留め、読み込んで、実際に応募したくなるような求人票が作成できれば、採用活動は成功に近づきます。応募したくなるような求人票を書くには、いくつかのコツがあります。情報を具体的に、わかりやすく記載することや、求職者に自社を十分に理解してもらえるようにすることなどです。詳細を以下に示します。

2-1.具体的な数値を記載する

求人票に具体的に記載したほうが良い項目の1つが、数値です。給与や賞与に関する記述は、「月給30万円、賞与年2回」などと必要最低限の内容にとどめるのではなく、「営業職(30歳)、入社4年、月給30万円、年収480万円」といったように、求職者が自分に当てはめてイメージできるように書くのが推奨です。

求職者は、詳しく具体的な情報を求めています。「年間休日日数126日」「平均残業時間5時間以内」「有給休暇消化率90%以上」のように数値で具体的に示すことで、入社後に「聞いていたのと違った」とトラブルになる可能性を抑えられます。

2-2.得られるスキルやキャリアパスを記載する

業務に携わる中で自身を成長させられる企業は、求職者にとって魅力的です。業務に習熟することでスキルが得られる、複数部署を数年ずつ経験することで管理職に昇進できるなどのキャリアパスを示せれば、入社を決断する動機にもなります

資格は、スキルアップを目に見える形で示す証です。資格取得を支援する制度や、資格手当の支給などは、「基本情報技術者 合格者に受験料補助、資格手当5,000円/月」といった形で求人票に記載したいアピールポイントです。

第二新卒や若手など、経験が浅い求職者の場合、充実した研修制度があれば、不安のない入社につながります。社内での研修制度はもとより、社外研修も受けられるのなら、あわせて記載するのがおすすめです。

2-3.入社後のイメージがしやすい情報を入れる

応募者が入社に踏み切るに際しては、入社後の業務や待遇などについて、明確なイメージが持てるかどうかが重要です。業務の流れ、職場の様子、同僚となる社員の人柄などが想起できる情報を求人票に盛り込むことで、応募の後押しともなり、入社後のミスマッチ回避にもつながります。

前述したように、写真や動画を使うと、社内の雰囲気を伝えるのに効果的です。先輩社員のインタビューや、職場での生き生きとした仕事ぶりなどの映像が、求職者のイメージ作りに役立ちます。

3.求人票に載せるべき項目

求人票に載せるべき項目

前述のとおり、求人票に載せるべき項目は職業安定法により定められています。厚生労働省・都道府県労働局の資料によれば、労働者の募集や求人の申し込みに際して最低限明示しなければならない労働条件などは、以下のとおりです。

  • 業務内容 
  • 契約期間 
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 就業時間
  • 休憩時間
  • 休日
  • 時間外労働
  • 賃金 
  • 加入保険
  • 募集者の氏名又は名称
  • 派遣労働者として雇用する場合はその旨

これら12項目は最低限明示しなければならないものであり、1項目でも欠けてはいけません。業務内容には、職種や仕事の内容を記載します。契約期間は、正社員の募集であれば「期間の定めなし」となり、試用期間がある場合にはその旨と期間の明示が必要です。契約社員などの募集では、契約期間と更新の有無などを記載します。

就業場所は、採用された際に実際に働く場所のことです。本社所在地と就業場所が異なる場合に、本社所在地だけを記載してはいけません。

就業時間・休憩時間・休日・時間外労働の4つは、労働時間に関する項目です。厚生労働省・都道府県労働局の資料では、以下のように例を示しています。裁量労働制を採用している場合は、「企画業務型裁量労働制により、○時間働いたものとみなされます。」などの記載が必要です。

  • 就業時間 9:00~18:00
  • 休憩時間 12:00~13:00 
  • 休日 土日、祝日
  • 時間外労働 あり(月平均20時間)

賃金には、月給など基本給を記載します。試用期間があり、その間は基本給が異なる場合、その旨と金額をただし書きで記載します。時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる「固定残業代」)を採用する場合は、以下のような記載が必要です。

  1.  基本給 ××円(2.の手当を除く額)
  2.  □□手当(時間外労働の有無に関わらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)
  3.  ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

加入保険は雇用保険や労働者災害補償保険(労災保険)、厚生年金保険、健康保険の各種社会保険・労働保険を記載します。募集者の氏名又は名称については企業名等を、派遣労働者として雇用する場合はその旨を明示しなくてはなりません。

これら12項目とは別に、職業安定法施行規則により、どのような受動喫煙対策を講じているかを明示する必要があります。

求人票に記載しきれない情報がある場合は「詳細は面接の際にお伝えします」などの注意書きを明示し、面接日以前に郵送やメールなどで連絡しておかなければなりません。募集の途中で条件変更があった場合は、変更内容を速やかに知らせるなどの配慮が義務付けられています。

上記以外に、自社の特徴をアピールしたり、写真を掲載したりするのは自由です。

参照元:厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」

参照元:e-GOV法令検索「職業安定法施行規則第4条の2」

4.求職者が求人票で注目するポイント

求職者が求人票で注目するポイント

採用担当者であれば、自社の求人票に目を留めてほしいと思うものでしょう。そのためには、転職を考えている人が求人票のどこに注目しているかを認識する必要があります。注目されるポイントを理解し、求職者が求める情報を提供することで、自社の求人票が読み込まれ、欲しい人材の獲得につながるツールとなります。

4-1.業務内容

求職者が求人票で注目するポイントの1つは、業務内容です。やりたい仕事や得意な仕事など、業務内容から応募先を絞り込むのは、転職する際の一般的なパターンです。自社の求人票に着目してもらいたいなら、業務内容は詳しく、具体的に書く必要があります。

「一般事務」や「営業」とだけ書かれているのでは、業務に対するイメージがわきません。「世界シェアトップの〇〇電子部品の海外販路を開拓し、業務展開を広げていくお仕事です。海外営業の経験を持つ人材を募集しています」「海外代理店の開拓を主業務とし、欧州地域におけるリーダーとして活躍していただきます」など、具体性があり、業務そのものや入社後の生活スタイルなどが想像できるような記述がおすすめです。

業務内容のイメージが不十分なまま入社した場合、ミスマッチにより思うような活躍ができない事態も考えられます。業務内容は最重点ポイントの1つと捉え、求職者に刺さる内容とすることが大事です。

4-2.休日数

働き方改革の流れが浸透しつつあることもあり、ワークライフバランスを重視して転職先を探す人も増加傾向にあります。そうした求職者が注目するのが、休日の日数や休暇です。

見られるポイントの1つは、年間休日数です。土日が休日の週休2日制を採用していても、お盆時期や年末年始などが繁忙期にあたって長期休暇を取れず、年間休日数が少ない企業もあるでしょう。

土日と祝日がすべて休日であれば、年間休日数は120日前後です。自社の年間休日数が120日以上であれば、大きなアピールポイントになります。完全週休2日制を採用していて、長期休暇もしっかり取れるなどの場合も、訴求にうってつけです。

年末年始が繁忙期に当たって休日が取れないケースや土日に営業する企業の場合は、誤解を与えないよう記述に注意が必要です。

4-3.賃金・給与形態

賃金や給与体系で正確な記載が求められるのは、基本給に関する部分です。月給や年俸の金額も重要ですが、たとえば「みなし残業代」が含まれる場合には、その旨と何時間分であるかを明示し、誤解が生じないようにします。

営業職などで歩合制を採用しているときも、その旨の記載は必須です。基本給以外で求職者がチェックするポイントには、通勤手当などの諸手当があります。通勤手当は全額支給されるのか、上限額はあるのか、新幹線通勤は認められるのかなど、自社の規定に従って十分な情報の提供が求められます

4-4.募集背景

求職者は一般的に、求人を行っている企業がなぜその募集をしているのか、理由を確認するものです。業容を拡大するために人材を必要としている場合と、大量の退職者が出たため緊急に穴埋めが必要になった場合とでは、求職者のスタンスも変わります。

募集を行っている背景や事情を説明し、どのような人材を求めているかを記載することにより、求職者が安心感を持って応募できる状況を作れます。

4-5.会社の情報

求人票に、自社が何をなりわいとしているどのような企業であるかを記載するのは、不可欠です。業種や規模がわからない企業では、応募者が多数集まることは期待できません

業種や売上高、利益などの基本情報だけでなく、大手企業と取引があるならその実績や、今後の成長に向けた戦略なども記載するのがおすすめです。自社に関する情報をできる限り開示することで、求職者の好感度や志望度アップにつながる可能性が高まります。

4-6.福利厚生

福利厚生面で求職者に注目されるポイントとしては、各種の社会保険、労働保険に加入しているかどうかがあります。具体的には、雇用保険・労働者災害補償保険(労災保険)・厚生年金保険・健康保険の4つです。

労働者が以下の条件を満たす場合、原則として雇用保険に加入しなければなりません。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  •  31日以上の雇用見込みがある

労災保険は、パートやアルバイトなど名称にかかわらず、労働者を1人でも雇っていれば加入が義務付けられています。また、すべての法人と5人以上の従業員を常時雇用している個人事業所は、厚生年金保険と健康保険の強制適用事業所です。

これらの社会保険や労働保険は、ほとんどの場合、加入が必須です。社会保険や労働保険への加入を求人票に明記することで、ブラック企業ではなく、安心して働ける職場であることをアピールできます。自社に独自の福利厚生制度があるなら、あわせて記載すると良いでしょう。

参照元:厚生労働省「Q&A~事業主の皆様へ~」

参照元:厚生労働省公共職業安定所・労働基準監督署・都道府県労働局「労働保険への加入について」

参照元:厚生労働省「社会保険(厚生年金保険・健康保険)への加入手続はお済みですか?」

5.求人票に書いてはいけないこと

求人票に書いてはいけないこと

求人票は、自社の魅力を求職者にアピールし、応募に誘導するための書類ですが、書いてはいけないNG要件もあります。自社をよく見せようとしてウソを書くようなことはもってのほかであり、年齢や性別などによる差別も厳に慎まなければなりません。

この項では、求人票に書いてはいけない内容について、詳しく解説します。

5-1.虚偽の内容

求人票に虚偽の内容を記載することは、当たり前ですが、あってはならないことです。本当は月給30万円なのに「月給40万円」と記載して求人募集するなど、実態とは異なる内容を求人票に書いた場合、仮に採用にこぎつけたとしてもトラブルになる危険性が高まります。

虚偽の情報を提示して求人募集を行うと、職業安定法違反に問われ、6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。求人票には正確な情報を記載し、求職者に事実誤認を起こさせないよう注意が必要です。

参照元:e-GOV法令検索「職業安定法第65条」

5-2.差別的な内容

性別や年齢、出身地域などによる差別も、法律で禁じられています。男女雇用機会均等法は「労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と定めており、男性だけまたは女性だけを募集することや、性別で待遇に差をつけるなどするのはNGです。「営業マン」「ウェイトレス」など、性別を限定してしまっている呼称も使ってはならず、「営業スタッフ」「ホールスタッフ」などへの言い換えが求められます。

求人募集に際しては、原則として年齢による採用条件の差別は認められません。雇用対策法の定めによるものです。求人票では「年齢不問」としていながら、実態として年齢を理由に応募を断ったり、採否を決定したりすることは法の規定に反します。定年年齢を上限とすることや、若年者のキャリア形成を促進する目的がある場合など、例外規定に該当する場合に限っては、年齢制限が認められています。

国籍や人種、肌の色などで差別することも、いうまでもなくNGです。仮に「外国人お断り」と求人票に記載した場合、明らかに差別的な企業であるとしてSNSなどで拡散され、企業イメージを大きく毀損する懸念があります。国籍を問わないことが原則であるため、「国籍不問」という表記も使えません。

居住地や身体的特徴などにふれた記載も、差別的な内容と捉えられます。健康状態や障害の有無、性格などの記載も同様です。特定の条件を優遇する旨の記載も禁止されています。「徒歩で通勤できる方歓迎」「容姿端麗な方求む」などの記載はしないよう、注意してください。

参照元:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」

参照元:e-GOV法令検索「男女雇用機会均等法第5条」

参照元:e-GOV法令検索「労働基準法第3条」

6.求人票の書き方で採用活動を成功させよう   

求人票の書き方で採用活動を成功させよう

求人票は、求職者と自社の出会いを演出し、応募から採用へとつながる最初のステップです。必要最小限の情報を記載するにとどめたり、当たり障りのない内容にしたりしていては、優秀な人材を採用できるチャンスを逃しかねません。

求人票の書き方で重要なポイントは、詳しく具体的かつ正確であることです。社内の雰囲気や社風が伝わるよう、動画や写真などを工夫するのもコツです。自社がターゲットとする求職者の目に留まり、応募してもらえるような求人票を作成して、採用活動を成功に導いてください。

 

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