母集団形成とは?優秀な人材採用のキーポイント!意味や手法・手順を解説

母集団形成とは?優秀な人材採用のキーポイント!意味や手法・手順を解説

採用ノウハウ

母集団形成とは、採用候補となる集団を作ることです。ただ集めるのではなく、自社がターゲットとする人材を集めなければなりません。本記事では母集団形成の意味や注目される理由について説明し、効果的な母集団形成ができる12の手法についてご紹介します。

1.母集団形成とは?

履歴書

母集団とは自社に応募する求職者の集団であり、採用活動を成功させるには母集団形成が欠かせません。

母集団形成は人数をただ集めればいいというわけではなく、自社が求めるターゲットに合致することが必要です。新卒と中途採用ではターゲットの設定や手法が異なります。

ここでは、母集団形成の内容についてご紹介しましょう。

1-1.採用ニーズに合う人材の集団をつくること

「母集団形成」とは、自社の求人に興味を持つ学生や求職者を集めることです。実際に応募してきた人だけでなく、自社の仕事に興味を持ち、今後、応募してくる可能性のある人も母集団に含まれます。

採用活動では集まった応募者の中から書類選考、筆記試験、面接などを経て採用する人物を見極めるため、初めに行う母集団形成が重要です。

1-2.ターゲットに合致させることが大事

母集団は適切な人数であることが必要ですが、多く集めればいいというわけではありません。自社の求める人物像であり、採用方針をもとに設定したターゲットに合うことが必要です。社員として活躍が期待できる人材でなければならないのです。

応募人数が適切でも、ターゲットに合う人材の割合が低ければ採用活動は難しくなり、ターゲットに合う人材の割合が適切でも、応募人数が少なければ希望の採用数を満たすことができません。量と質がバランスの取れた母集団を形成するには、母集団形成のための対策が必要です。

 

 

2.母集団形成が注目される理由

母集団人材不足が深刻化しているため、近年は母集団形成の重要性が高まっています。

採用活動においても競争が激化し、自社が求める人材を確保するためには効果的な採用戦略が必要になっています。そのポイントとなるのが母集団形成であり、ターゲットを定めた計画的な採用活動が求められているのです。

また、母集団形成を行わないと本当に必要な人材を採用できず、ミスマッチが起こる可能性があります。早期離職となり、採用活動の成果が得られない結果にもなるでしょう。そのような事態を避けるためにも、母集団形成が重要とされています。

2-1.少子高齢化による生産年齢人口の減少

少子高齢化による生産年齢人口の減少も、母集団形成が注目される理由の一つです。

厚生労働省によると、2065年には総人口が9,000万人を下回り、高齢化率は38%台になると予想されています。15〜64歳の生産年齢人口の割合は、2020年の59.5%に対して2065年には51.4%と予想されているため、生産年齢人口の減少は不可避です。

このような状況では、そもそも求職者が減ってしまうため、自社にフィットする優秀な人材を確保することが難しくなります。採用力を強化するためには、母集団形成を重視しなければなりません。

参照元:厚生労働省「我が国の人口について」

2-2.採用において他企業との競争が激しくなっているため

採用における他企業との競争は、ますます熾烈化しています。その理由として、生産年齢人口の減少によってターゲットの数が減っていることはもちろん、大手企業が中途採用を強化するようになったためです。

従来新卒採用を重視していた大手企業は、ある程度の職務経験を積んだ即戦力となる人材を確保するため、中途採用を強化するようになりました。

大手企業が中途採用比率を上昇させると、優秀な人材は知名度の高い大手企業に流れてしまいます。その結果、中途採用を中心に実施している中小企業が人材を獲得することが難しくなってしまいます。

採用において他企業との競争が激しくなっている現在では、ターゲットや採用要件を整理したうえで、自社にマッチした質の高い母集団を形成することが重要です。

参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分)について」

2-3.ミスマッチが増えているため

母集団形成がうまくいかないと、自社が求める人材でないにもかかわらず、人数の都合で採用せざるを得なくなります。少ない応募者の中から内定者を決めなければならないため、採用後にミスマッチが発生する可能性が高いです。

実際、日本では、新卒入社の3人に1人が3年以内に離職しています。厚生労働省が2022年に発表した調査では、新規大卒就職者の31.5%、新規高卒就職者の35.9%が就職後3年以内に離職している、という結果でした。

早期退職が発生すると、採用や育成にかけたコストが無駄になり、埋め合わせるために追加で人材を雇用する必要があります。

ミスマッチをなくし、早期退職を防止するためには、質の高い母集団形成が欠かせません。

参照元:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」

 

 

3.母集団形成を行う4つのメリット

集団MTG

ただ人材を募集するのではなく母集団形成を行うことで、大きなメリットが期待できます。まず、採用の成功率を上げ、求める人材を確保する可能性が高まります。

また、明確なターゲットと人数を定めることにより採用コストを抑えられるのもメリットです。

ここでは、母集団形成を行うことで得られるメリットを2つご紹介します。

3-1.採用の成功率を上げる

母集団形成ではターゲットを明確にして適切な採用活動を行うため、採用の成功率を上げられます。

母集団形成を意識せずに採用活動を行う場合、採用したものの求める人材ではなかった、応募は集まったがターゲットとなる人材がいなかったという結果になる可能性があります。計画していたとおりの採用活動ができないと、事業計画にも影響が及ぶでしょう。

母集団形成により適切な量と質の応募者を集めることで、思い描いた採用活動を実現できます。

また、採用のミスマッチも起こらず、社員の定着率が高まるでしょう。

3-2.採用コストの適正化が図れる

母集団形成では求人サイトや人材紹介サービスなどさまざまな手法を使うため、採用コストが発生します。選択する手法によりコストは異なり、採用活動を計画的に進めないと費用は高額になる可能性もあります。

母集団形成を行わないとターゲットも人数も明確にできず、無計画な採用活動になってコストが増大する可能性があるでしょう。

母集団形成をもとにした計画で目標の採用人数を設定し、適切な手法を選ぶことでコストの適正化図れま

3-3.採用のミスマッチを防げる

母集団形成に成功すれば、質の高い応募者が多く集まります。スキルや実務経験など、自社が求める能力を備えていることはもちろん、自社の理念や社風に共感した人材から応募が集まるため、採用後のミスマッチを防ぎやすいのがメリットです。

企業は、多くの優良な選択肢の中から、とくに自社が求める人材をピックアップして採用できます。

3-4.企業の生産性向上につながる

母集団形成によって自社にマッチした人材が定着し、長い間活躍してくれれば、生産性の向上が期待できます。生産性の向上は、企業の成長に欠かせません。このように、母集団形成は企業にとって大きなプラスとなります。

採用活動は、企業の存続可能性を左右する、重要なポイントです。母集団形成方法に関するノウハウを蓄積できれば、その後の採用活動でも母集団形成に成功でき、採用力を維持できます。

4.母集団形成を図る13の手法

母集団面接

母集団形成の手法は種類が豊富です。多くの求職者が閲覧する求人サイトや求人検索エンジンをはじめ、自社サイトやSNSで積極的に情報を発信する方法もあります。近年は、企業が求職者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングも注目されています。

それぞれにはメリット・デメリットがあり、予算に応じて採用計画に合う手法を選ばなければなりません。
母集団形成ができる13の手法をご紹介します。

4-1.求人サイト

「求人サイト」は、自社の求人情報を掲載して応募者を集める手法です。仕事を探している人が数多く閲覧するため、母集団形成に適しています。短期間で多くの応募者を集めるられ、掲載地域の制限もないため広く募集をかけたいときに向いている方法です。

ただし、求人件数が多いため、情報が埋もれてしまう可能性もあります。

また、多くの人の目に触れやすいため、ターゲットとは異なる求職者からの応募も多くなる可能性があります。選考に時間がかかるのがデメリットといえるでしょう。

とはいえ、近年は新卒や中途、業種などに特化した求人サイトも多く、ターゲットに合うサイトを選ぶことで効率的な母集団形成が可能です。

4-2.求人検索エンジン

「求人検索エンジン」は求人に特化した検索エンジンのことです。インターネット上にある求人情報を集約しており、求職者は職種や勤務地などを入力し求人を検索します。

自社サイトの情報や掲載している求人サイトの情報を集約し、検索結果を表示するという仕組みです。また、求人検索エンジンに求人票の掲載を申し込み、自社の情報を検索させることもできます。掲載料はかかりません。広告枠に掲載している求人へのクリック数に応じて課金されるため、無駄な費用を抑えられる点がメリットです。

ただし、上位に表示させるには情報をこまめに更新したり、求人情報に効果的なキーワードを盛り込んだりなどの一定の工数とノウハウが必要です。

4-3.人材紹介サービス

「人材紹介サービス」は、企業からの依頼を受けて自社に適した人材を紹介してくれるサービスです。ターゲットに合う人材を紹介してくれるため、母集団形成の手間を省いて質の高い人材確保が期待できます。非公開で求人を出すこともでき、求人を一般に公開したくない場合に便利です。

基本的に採用が確定したあとに料金を支払う仕組みで、費用をかけたのに採用できないというリスクはありません。ただし、求人サイトよりも単価が高い傾向です。

採用条件などエージェントとの打ち合わせに時間がかかるため、急いで採用したい場合には向きません。時間をかけて自社に合う人材を厳選採用したい場合に向いている手法です。

4-4.合同説明会

「合同説明会」は求人サイトや大学、地方自治体などが主催し、全国各地で開催される会社説明会です。主に新卒採用で行われます。規模は数十社から数百社まで幅広く、数多くの就活生が集まるため効果的な母集団形成ができるのが特徴です。誰でも参加できるものや女性限定、理系限定など、特性を分けて開催される説明会もあり、効率的にターゲットを集められます。

求職者との直接対面により、求人サイトなどでは掲載しきれない自社の魅力をアピールできます。面接の予約を取り付けたり、アンケートなどで情報を回収したりできるのもメリットです。ただし、多数の中からターゲットを見極めるのは難しいという側面はあります。

また、規模の大きい説明会の場合は他社との競争が激しく、上手に自社をアピールする工夫が必要です。反対に規模が小さすぎると求職者が十分に集まらず、思うような成果が得られません。応募者がいなかった場合にも参加費は必要になります。

なお、近年はコロナの影響もあり、オンラインの合同説明会を開催する企業も増えています。オンラインの説明会は自宅にいながら参加できるため遠方からも気軽に参加でき、母集団形成をしやすいのがメリットです。

4-5.ハローワーク

「ハローワーク」は「公共職業安定所」のことで、民間の職業紹介では就職が難しい求職を中心に支援する国の機関です。無料で情報を掲載でき、コストをかけずに採用活動ができるというメリットがあります。国が運用しているという安心感があり、地域に密着して地方求人に強いのが特徴です。

ただし、あくまでも就職が難しい求職者の支援がメインであるため、自社がターゲットとする人材を集めにくいという側面があります。画像掲載ができないなど、会社について十分に理解してもらえないデメリットもあるでしょう。会社についてよく理解しないまま応募すると、採用のミスマッチが起こる可能性があります。

また、ハローワークの掲載手続きは手間がかかり、情報の修正も簡単にはできません。面接等のスケジュール調整はハローワーク経由で行われるため、スムーズな採用活動の進行が難しいという不都合もあります。

4-6.SNS

TwitterやInstagramなどのSNSも、母集団形成に有効な手法です。幅広い層へ情報を発信でき、企業の認知度を高められます。直接的な応募受付はできませんが、自社サイトや求人サイトとリンクすることで、効率的な母集団形成が可能です。

学生や求職者と気軽なやり取りができ、会社のイメージを把握し理解を深めてもらえます。アカウントの取得は無料で、コストがかからないのもメリットです。

​​SNSは利用する年代や属性などを考慮する必要があり、ターゲット層に合わせて効果的なメディアを選ぶことが大切です。

効果を上げるにはこまめに情報を発信しなければならず、計画を立てて定期的な更新をしていくことが求められます。

4-7.自社サイト

自社サイト、あるいは公式サイトとは別に採用に特化したサイトを開設して情報を発信する方法もあります。閲覧数が高い自社サイトであれば、母集団形成も難しくありません。既存のサイトに求人情報を載せるだけであれば、コストがかからないのもメリットです。

求人サイトは掲載できる情報が限られますが、自社サイトであれば自由に会社の魅力を伝えられます。画像や動画を駆使し、会社の雰囲気や社風、働いている様子などを伝えられるでしょう。

自社サイト、採用サイトで母集団を形成するには、閲覧数を高めなければなりません。SNSや求人検索エンジンと連携し、サイトへの流入を高めることが必要です。

また、採用サイトを立ち上げる場合、自社で制作できるリソースがなければ外注することになります。コストが発生するため、予算を考えながら導入を検討する必要があるでしょう。

4-8.ダイレクトリクルーティング

企業が求職者に直接アプローチする手法もあります。「ダイレクトリクルーティング」といい、近年注目を集めています。サービスに登録している学生・求職者と直接コンタクトを取る方式で、アプローチ次第では選考へと進めるられます。

アプローチした学生求職者からの応募を得られるかが、ダイレクトリクルーティングのポイントです。接触してから選考まで進めて入社承諾を得るまではそう簡単ではなく、どれだけ会社の魅力を伝えられるか担当者の力量にかかっています。他社と差別化する戦略が必要になるでしょう。

ダイレクトリクルーティングは少数の人材を採用する際に有効であり、多くの求職者を集めることが目的の母集団形成にはあまり向いていません。

4-9.求人情報誌

求人情報誌は、駅やコンビニなどに設置される紙媒体です。無料で入手できる場合が多いため、気軽に見てもらえます。

求人情報誌が配布されるエリアの求職者にしかアピールできませんが、エリアを絞って地域密着型の採用活動を行いたい場合は効果的です。何気なく求人情報誌を手に取った求職者の目にとまり、応募してもらえる可能性があります。

一方、全国的に応募者を集めるのが難しい点や、掲載にはコストがかかる点、掲載枠が決まっているため、限られた情報しか掲載できない点はデメリットです。また、発行作業の関係上、原稿の募集受付期間がほかの媒体より短いことが多く、短時間で原稿を用意する必要もあります。

求人情報誌への掲載は、エリア特化型の求人で母集団形成を行いたい場合におすすめの手法です。

4-10.学内セミナー

新卒向けの手法として、学内セミナーがあります。大学に訪問し、自社説明会を開催する方法です。

コストをかけずに特定の領域を専攻する学生をターゲットとでき、効率的に母集団形成できるというメリットがあります。理系の学生や一定の学歴水準を持つ人材など特定のターゲットを定めている場合、希望にかなった母集団形成が可能です。

ただし、他社からの希望も多い場合には、出展の競争率が高くなる傾向があります。一度出展できればパイプができ、次回以降も誘致してもらえる可能性はあるでしょう。

4-11.マッチングイベント

マッチングイベントは、合同説明会よりも小規模で開催されるイベントです。主に新卒採用で行われます。集客は開催する会社が行うため、認知度の高くない企業でも参加学生の母集団形成が可能です。

就労意欲の高い学生が参加することで効率的な母集団形成ができ、インターンシップなどの受け皿を用意して応募につなげることもできます。

ただし、接触後のアプローチやフォローに課題がある企業も多く、自社の魅力を十分に伝えられなければ採用につなげることはできません。

プレゼンテーションや面談で自社の魅力をどう伝えるかが重要なポイントとなるでしょう。

4-12.アルムナイ制度

「アルムナイ制度」とは、自社の離職者・退職者を再雇用する制度です。人材不足から多くの企業が採用しており、過去の実績から自社のニーズに合う人材を選び、即戦力として雇用できるのがメリットです。

教育のコストも軽減できるメリットもありますが、雇用条件やポジションなどに配慮し、同意を得なければなりません。

また、制度を導入するには十分な体制の整備が必要です。復職するための条件は明確にしなければなりません。現場の従業員とコミュニケーションがとれる機会を設けるなど、受け入れる職場の体制も整えていく必要があります。

4-13.リファラル採用

「リファラル採用」とは、社員の紹介により採用する手法です。コストをかけずに母集団形成でき、中途採用で数人の採用が必要なときに向いています。

新卒採用でも、すでに内定した学生や新入社員へ友人・後輩の紹介を依頼することで母集団形成が可能です。選ばれた人材の友人・知人であれば、同様に自社のターゲットに合う可能性があり、試してみる価値はあります。

社員の紹介を促すには、社員満足度が高いという前提があります。自社の業務に満足しておらず、何らかの不満を抱えている状態では紹介したい気持ちにはならないかもしれません。リファラル採用を導入する際は、社員満足度の向上も合わせて検討する必要があるでしょう。

 

 

5.母集団形成を成功させるポイント

集団面接母集団形成を成功させるには、新卒と中途採用に分けて計画を立てる必要があります。新卒の場合は学生のスケジュールに合わせて採用計画を立て、母集団形成を検討しなければなりません。

中途採用は即戦力を求めるため、ターゲットの設定はより詳細であることが求められます。

母集団形成を成功させるポイントについて、ご紹介します。

5-1.新卒の場合

新卒採用は長年の就活ルールが廃止され、政府主導で行われるようになりました。しばらくの間は従来通り、3月1日に広報が解禁されて募集、選考へと進んでいく流れで行われます。母集団形成も、学生のスケジュールを踏まえて計画することが必要です。

社会経験のない新卒採用の選考基準はポテンシャルであり、スキルよりも就業意欲や人柄を見ることになります。母集団形成では自社の社風に合う人材かどうかを見極めるため、求める人物像を具体化しなければなりません。明確にした人物に向け、響くメッセージで採用活動を行います。

参照元:内閣府「就職・採用活動に関する要請」

5-2.中途採用の場合

中途採用は退職者の補充や事業の拡大など、会社に何らかのニーズができたときに行うものです。新卒と異なり会社説明会や筆記試験などを行わない場合が多く、スケジュールは比較的短期間で済みます。

即戦力が求められる中途採用のターゲットは、ニーズに沿って細かく具体的に設定しなければなりません。

母集団形成の手法は数多く、それぞれにメリットとデメリットがあるため、いくつか組み合わせて補完し合いながら運用するとよいでしょう。

スケジュールや募集規模にも合わせながら、最適な手法を組み合わせてください。

 

 

6.母集団形成の手順

打ち合わせ風景母集団形成は、以下のような手順を踏んで行います。

  1. 採用の目的を明らかにする
  2. 採用人数・ターゲットの設定
  3. スケジュールを決める
  4. 母集団形成の手法を検討する
  5. 採用活動の実施
  6. 振り返りと改善

適切な手法を見極めるためには、採用の目的やターゲット、スケジュールを明確化することが重要です。母集団形成にはコストがかかるため、予算も勘案しながら、自社のニーズとマッチした手法を選択しましょう。

ここでは、母集団形成の手順について解説します。

6-1.採用の目的を明らかにする

母集団形成のためには、まずは採用の目的を明らかにすることが重要です。採用には事業計画の達成が前提にあり、目的である事業計画が明確になれば、どのような人材が必要なのか、どのような採用手法を選択するべきなのかが明らかになります。

たとえば、以下のような目的で採用を実施する場合は、新卒採用を行うことが有効です。

  • 若者を増やしたい
  • 将来の幹部候補を育成したい
  • ジェネラリストを育てたい

一方、以下のような目的の場合は、中途採用の実施が適しています。

  • 退職者が出たため補充したい
  • すぐに成果を出したいため、即戦力となる人材がほしい

採用の目的を明らかにするためには、現在の人的資源について正しく把握しなければなりません。そのためには、会社が求める人的リソースを抽出し、該当する人材が現在どこにどのくらいいるのかをまとめた「人材マッピング」を行いましょう。自社に不足している人材がわかり、採用の目的を整理しやすくなります。

6-2.採用人数・ターゲットの設定

採用の目的を明らかにしたあとは、採用人数やターゲットについて具体的に設定しましょう。目的を達成するためには、どのようなスキルを持った人材を何人採用すればよいかを考え、採用要件を固めていきます。

ターゲットを設定する際は、現場のニーズをヒアリングすることも大切です。経営戦略や事業展開といった、経営的な視点からのニーズと、日常業務レベルの現場からのニーズをバランスよく反映して、ターゲットを設定してください。

6-3.スケジュールを決める

次に、採用スケジュールを決めましょう。いつまでに人材を採用するべきなのか、ゴールを明確にしてから、内定を出す時期や面接を実施する時期、募集を開始する時期など、逆算してスケジュールを立てていきます。

ゴールをいつにすべきか迷ったときは、事業計画を達成しなければならない時期を確認しましょう。採用には事業計画の達成が前提にあることを意識して、スケジュールを組んでください。

新卒採用の場合は、各社が同じ時期に採用活動をスタートさせます。出遅れると、優秀な人材を確保するのが難しくなるため、注意が必要です。

中途採用は、新卒採用よりも短期間で完結する場合が多いですが、関係部署との調整が必要なこともあるため、余裕のあるスケジュールを組みましょう。

6-4.母集団形成の手法を検討する

スケジュールが決まったら、母集団形成の手法を検討します。ターゲットや人数により適した手法は異なります。若手や未経験をターゲットとするなら求人サイトやSNS、特定の職種について実績を持つ人材なら人材紹介サービスというように、ターゲットに合わせて選定することが重要です。手法によってコストは異なるため、予算も考えながら検討しましょう。 

6-5.採用活動の実施

採用手法が確定したら、いよいよ採用活動を実施します。採用活動を行ううえで大切な観点は、採用広報です。

採用広報とは、ただ応募を呼びかけるだけでなく、自社に合った人材を確保し、入社後に定着・活躍してもらえるようにするための広報活動のことを指します。求人サイトや求人検索エンジン、SNSなどに記載する求人情報を、ターゲットごとに考えることが大切です。

ターゲットに響くメッセージや、1日のスケジュールや入社後のキャリアパスといった、ターゲットが知りたい情報を掲載できれば、競合他社との差別化を図れます。

6-6.振り返りと改善

一連の採用活動が終了したら、振り返りと改善を行いましょう。以下のようなデータを収集・分析し、問題点を洗い出します。

  • 採用手法ごとの応募者数
  • 選考過程ごとの通過数
  • 内定者数
  • 辞退数
  • 採用コスト
  • ターゲットは計画どおりに集められたか
  • どのような属性の応募者が多かったか
  • 応募者はどのようなスキルを持っていたか

効果測定で明らかになった改善点を、次の採用活動に活かしましょう。

 

 

7.母集団形成における課題

母集団形成における課題

最後に、母集団形成において企業が抱えやすい以下の課題について解説します。

  • 母集団が増えない
  • ターゲット層からの応募が集まらない

そもそも応募が増えない場合は、認知度を上げたり、自社の魅力を余す所なく伝えたりするための工夫を講じることが大切です。

応募数に問題はないが、自社が求める人材がなかなか集まらない場合は、ターゲット層の再定義や確認、ターゲットに刺さる求人情報を作成できているかを分析・改善しましょう。

以下では、母集団形成における課題とその解決方法について解説します。

7-1.母集団が増えない

母集団が増えない、つまり応募が少ない原因としては、以下の2つが挙げられます。

  • そもそも自社の存在や求人情報を知られていない
  • 自社の存在や求人していることは知られているが、働く魅力が伝わっていない

前者の場合、そもそも求人情報の認知度が足りないため、露出度を高める必要があります。求職者と直接会える就職イベントに参加する、大学に出張して学内で説明会を開催する、採用サイトの情報や説明会の情報を毎日更新するなど、企業ができる露出度を高める工夫はさまざまです。

認知されているが魅力が伝わっておらず、応募に結びついていない場合は、求人情報を見直す必要があります。とくに、以下のポイントについて分析し、必要に応じて改善しましょう。

  • ターゲットやペルソナ設定は適切か
  • ターゲットに刺さる内容が記載されているか
  • 説明が曖昧でイメージしにくくなっていないか

7-2.ターゲット層からの応募が集まらない

応募は一定数集まるものの、採用したいターゲット層からの応募がなかなか集まらない、というケースもあります。自社にマッチしない人材を無理矢理採用しても、入社後にミスマッチが発生し、離職してしまう危険性が高いです。

ターゲット層からの応募が集まらない場合は、自社が求める人物像を明確に伝えられていない可能性を疑いましょう。今一度、ターゲットの明確化や伝えたいメッセージの統一化、ターゲットに刺さるメッセージを分析しましょう。

8.母集団形成は「量」と「質」を重視しよう

母集団形成マトリックス

母集団形成とは自社に応募する応募者を集める手法であり、採用活動を成功させるに不可欠です。母集団形成はターゲットと人数の設定が必要で、量と質のバランスを取らなければなりません。

母集団形成の手法は多く、それぞれにメリット・デメリットがあります。ターゲットや必要人数に合わせていくつかの手法を組み合わせ、効率的に母集団形成を行いましょう。

 

  

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