採用広報とは?人材確保に重要な手段!メリットや効果的な進め方、成功事例を解説

採用広報とは?人材確保に重要な手段!メリットや効果的な進め方、成功事例を解説

採用ノウハウ

採用広報とは、優秀な人材獲得に向けて企業が情報発信する広報活動です。企業の認知度を高め、採用のミスマッチを防ぐなどのメリットがあります。本記事では採用広報の重要性や3つの手法を説明し、効果を発揮するための進め方もご紹介します。

目次

1.採用広報とは?

採用広報「採用広報」とは、採用するために行う広報活動のことです。自社の情報を発信し、応募者を増やすために行います。採用広報の担当者は、自社の認知を促進するためのブランディング活動が主な仕事です。

採用広報では、新卒採用の広報解禁日について把握しておく必要があります。広報解禁日は2018年にこれまでの就活ルールが廃止されたという経緯があるためです。

ここでは採用広報の概要や、新卒採用における広報解禁日の変遷についてご紹介しましょう。

1-1.採用のために企業が発信する広報活動

採用広報とは、企業が自社の情報を新卒や求職者に向けて発信し、応募・採用につなげるための活動のことです。

近年は少子高齢化で労働人口が減少傾向にあり、深刻な人材不足が続いています。ただ求人媒体に情報を掲載するという待ちの姿勢では、自社が求める人材の確保は難しいといえるでしょう。

希望する人材を確保するためには、採用広報による積極的な採用活動が求められています。

 

1-1-1.採用広報の担当者に求められるもの

採用広報では、自社で働くことのメリットを新卒や求職者に伝え、自社を選んでもらうことが目的です。

採用担当者が行うことは、これまでのような応募者の獲得や、選考から入社までのリクルーティング活動だけではありません。ターゲットに対してどのようなメッセージを届けるのかを考え、効果的な施策の設計と実行が求められています。

1-2.新卒の広報解禁日は変遷している

新卒の採用広報の実施に際しては、広報解禁日について確認しておきましょう。新卒の広報活動は1953年に取り交わされた「就職協定」により、就活ルールが長年採用されていました。

就活ルールとは、経団連が定めた企業の採用活動に関するルールです。就活ルールでは、卒業・修了年度に入る直前にあたる大学3年の3月1日に説明会などの広報が解禁されます。その後、卒業・修了年度である大学4年の6月1日以降に選考が始まり、正式な内定日は10月1日以降とされているのです。

就活が学生生活や学業の妨げにならないようにするためのルールですが、罰則がないために守らない企業も多いという実情があります。より早く内定者を獲得するため、6月より前に事実上の選考を始めるケースも少なくありません。

就活ルールが形骸化していることにより、経団連は2018年、就活ルールを2021年春に入社する学生から廃止することを発表しました。

2021年卒以降の就活ルールは政府が提示することになりましたが、広報解禁日について、しばらくは現状維持が続くと予想されています。

参照元:内閣官房「就職・採用活動に関する要請」

 

 

2.採用広報が重視される理由

オフィスビル風景近年、人材不足が深刻化していることにより、企業が行う採用広報はより重要視されています。応募者を増やすために、より幅広い層に働きかける必要があるためです。

また、求人のメディアも多様化しており、広報活動の選択肢が増えたことも採用広報が注目される理由の一つです。

採用広報が重視されている理由について、さらに詳しくみてみましょう。

2-1.求人を出すだけでは応募が集まりにくいため

採用広報が重視されるのは、人材不足が深刻になるなか、求人広告を出すだけの受け身の採用活動を行っていては応募者が集まりにくいためです。自社の魅力を伝えて応募者を増やすためには従来通りの方法では難しく、企業の側から積極的にアピールすることが求められています。

また、インターネットによる情報が多くなるに従い、採用情報や就職・転職に関する手法などの情報もあふれ、就職(転職)活動において求められる情報の質が変わってきていることも大きな理由です。

従来の求人媒体に掲載するだけの方法ではなかなか応募が集まらず、企業は採用活動の手法を考え直す必要に迫られています。新たな戦略の策定が求められているといえるでしょう。

2-2.メディアが多様化したため

求人のメディアが多様化していることも、採用広報が重視される理由です。これまでの求人方法は、求人サイトや紙媒体のわずかなスペースに自社の情報を載せるなど限定されていました。

しかし、今日では自社サイトやSNSなど、情報を発信する手段が増えています。さまざまな方法で求職者と接点を持つことができ、幅広いアプローチができるようになったのです。

 

 

3.採用広報の3つのメリット

企業画像

採用広報は新卒採用、中途採用に共通して効果的な手法であり、自社の認知度を高めるなどさまざまなメリットがあります。自社についての理解を深めてもらい、採用のミスマッチを防げるのも利点です。直接応募する求職者が増えることで、採用のコストを削減することもできます。

ここでは、採用広報によって得られる3つのメリットを紹介します。

3-1.自社の認知度を高められる

採用広報は、幅広い層に自社の認知度を高められるのがメリットです。企業が積極的に情報を発信することにより、就職・転職を考えている層だけでなく、まだ自社を知らない・転職を考えていない潜在層へもアプローチできます。

自社を認知した層が「転職したい」と考えたときに転職先の候補とする可能性があり、中長期的に有効な採用活動ができるのです。

3-2.採用のミスマッチを防げる

採用広報では、自社についての理解を深めてもらい、企業の求める人材に応募してもらうことが目的です。企業の風土や働き方などは求人広告の情報だけでは伝わりにくく、自社についての理解が少ないままで応募すると、採用のミスマッチが起こる可能性があります。

しかし、採用広報で会社のビジョンや目指すもの、解決すべき課題などの詳細を伝えることで、会社のビジョンに対し真に共感できる候補者を

集めることが可能です。

 

 

3-3.採用にかかるコストを抑えられる

採用広報は採用にかかるコストの削減にも役立ちます。これまでは有料の求人広告など、採用活動の手段は限られていて費用の支出が必要でした。

しかし、インターネットの普及により無料で情報を発信できるツールが増え、上手に利用することで採用にかかるコストカットが可能になりました。自社サイトやSNS経由で直接応募する求職者が増えれば、求人媒体の掲載費用やエージェントへの報酬を抑えることができるでしょう。

採用広報により、自社の理念やビジョン、社風に共感する社員が入社することで定着率向上も期待でき、再雇用にかけるコストを減らすこともできま

 

4.採用広報で活用できる手法

採用広報メール

採用広報の手法は、以下の3種類があります。

  • アーンドメディア
  • オウンドメディア
  • ペイドメディア

採用広報で活用できる3つの手法について、さらに詳しくご紹介しましょう。

4-1.SNSによる交流【アーンドメディア】

「アーンドメディア」のアーンド(Earned)とは「獲得する」という意味で、有料広告以外で信頼を獲得する目的を持つメディアです。主に、TwitterやInstagramなどのSNSや口コミサイトを通して認知を向上させます。

近年のマーケティングでは、ただ広告を出すだけでは高い売上を期待することができません。インターネットの普及により消費者は多くの情報を手に入れることができ、消費者行動も大きく変化しているためです。

例えば、新しい商品が提供されても直ちに購入せず、口コミなど利用者の評価を調べる消費者も少なくありません。そのため、アーンドメディアにより信頼を獲得することが重要になるのです。

4-2.自社で運用【オウンドメディア】

「オウンドメディア」とは、公式サイトや採用サイト、自社ブログなど、自社で運営・発信するメディアのことです。自社のブランディングを図り、中長期的な計画で潜在層を獲得する役割を果たします。発信する内容に制限はなく、広告では伝えきれない自社の魅力を自由に配信できるのがメリットです。

アーンドメディアやペイドメディアと併用し、これらメディアで接触した求職者からのアクセスを増やしてさらに企業の理解を深めるという運用ができます。

4-3.有料広告で発信【ペイドメディア】

「ペイドメディア」とは、求人広告など有料の広告枠を購入して配信するメディアのことです。人の目に触れる機会が多いため、短期的、一時的に集中してアプローチができます

近年の求人広告は就活や転職、業種ごとなどに特化したものが多く、対象を求職者の属性で絞って効率的な採用活動が可能です。

採用計画の内容に合わせてこれら3つのメディアを使い分けることで、目的とする人材獲得の実現が期待できるでしょう。 

5.採用広報の最近のトレンド

採用広報の最近のトレンド

前にご紹介した採用広報で活用できる手法のうち、最近のトレンドとなっている手法を3つご紹介します。採用広報を実施する際の参考にしてください。

5-1.音声メディア

新しい発信方法として、Podcastやradikoなどの音声メディアを活用する音声メディアが注目されています。

音声メディアのメリットは、何かをしながら聴けることです。動画やテキストのコンテンツはそこに集中する必要がありますが、音声は家事や通勤をしながらでも聴くことができます。

多くの求職者に自社の声を届けることができ、企業の認知度アップにもつながります。

5-2.採用ピッチ資料

採用ピッチ資料も、トレンドとなっている採用広報の手法です。ピッチは「短いプレゼンテーション」という意味で、採用ピッチ資料とは企業が求める人材が応募したいと思わせる会社説明資料のことです。求職者が求める情報やメッセージを体系的にストーリー性をつけて伝えます。

採用ピッチ資料と従来の会社説明資料とは、ターゲット層が異なります。会社説明資料は株主や投資家、顧客など幅広い方面に向けて公開されるものです。これに対し、採用ピッチ資料は求職者をターゲットに絞り、会社の魅力や働くイメージを与えるために企業風土や福利厚生の内容、社員紹介などを展開している資料です

5-3.採用広報動画

採用ピッチ資料の情報量が多い場合、よりわかりやすくできるのが採用広報動画です。動画は視覚・聴覚に訴えるため、求職者の印象に残りやすいのがメリットです。写真やテキストでは伝わりにくい職場や社員の雰囲気を伝えるのにも役立ちます。

採用動画は、自社の採用サイトに埋め込むことで検索エンジンの上位に表示させることも可能です。

また、採用動画は自社の採用サイトに掲載するほか、SNSでの拡散にも効果があります。

6.印象に残る!採用広報で発信したいコンテンツ

印象に残る!採用広報で発信したいコンテンツ

採用広報で発信するコンテンツはさまざまありますが、実際の職場の雰囲気が伝わりやすいもの、制度がわかりやすいものが人気を集める傾向にあります。

ここでは、求職者の注目を集めやすいコンテンツをいくつかご紹介します。

6-1.入社式の様子

入社式は新卒採用において大きなイベントであり、求職者の関心も高い行事です。入社式の様子を動画で発信すれば、注目を集めることができます。

動画では新入社員がどのように迎えられるかがわかり、経営トップや先輩社員の様子も確認できます。新入社員の歓迎のされ方を見て、入社後の待遇なども想像できるでしょう。

入社式の様子や企業がどのような想いで式の準備を進めてきたかを見ることで、求職者の入社意欲も高まります

また、入社式に参加した新入社員の声や現在の活躍も盛り込めば、より効果が期待できます。

6-2.新卒採用会社説明会の様子

会社説明会の様子も、注目を集めるコンテンツです。初めて参加する求職者にとって、会社説明会がどのような雰囲気で行われるのかは気になるかと思われます。

事前に説明会の様子を見ることで参加のハードルが下がり、前向きに参加を考えるようになります。あらかじめ会社説明会でどのような内容が話され、進行していくのかを知ることで、質問事項などの事前準備もできるでしょう。

6-3.募集職種の案内

募集職種の案内も、採用広報で取り上げたいコンテンツです。特に​​新しく募集する職種や採用枠の拡大、採用条件の変更などがあれば、積極的に届けたい情報といえるでしょう。その際は、新規募集や拡大となった背景も一緒に伝えると効果的です。

例えば、「採用枠を拡大したのはワークライフバランスに合わせて多様な働き方を導入したため」といった内容です。

社員の働き方に配慮した企業という印象を与え、採用広報の効果的なコンテンツになります。

6-4.社内制度や福利厚生の説明

新しい社内制度や福利厚生を設ける企業も多く、採用広報で積極的に伝えたいコンテンツです。社内制度や福利厚生がどのくらい充実しているかは求職者にとって高い関心事であり、制度の導入に積極的な企業は社員を大切にしていると感じられます

制度の内容だけでなく、実際の活用状況や、利用している社員の声も盛り込むと効果的です。

6-5.インターンシップ

インターンシップも求職者の関心が高く、採用広報で発信すると注目が集まります。開催の実績や実施の様子、参加者の声、インターンシップで使用した資料などを公開すると効果的です。

ただ実施について伝えるだけでなく、他社と異なるポイントを伝えることが大切です。「インターンシップ参加によりどのようなことを得られるか」を伝えれば、求職者の興味を惹きやすいでしょう。参加対象や募集内容、スケジュールをわかりやすく伝えることも大切です。

6-6.イベントの様子

社内イベントの様子を発信することも、採用広報として効果的です。イベントの様子を通して企業文化に触れ、社内や社員同士の交流が活発に行われていることを求職者に伝えることができます

ユニークな社内イベントであれば話題が広がり、多くの求職者から注目を集めることも可能です。新入社員がイベントに参加する様子も入れると効果が高まるでしょう。

7.採用広報の効果的な進め方

採用広報を効果的に進めるためには、以下のような手順を踏むことが大切です。

  • ターゲットを絞り込む
  • 人材獲得の目的を明確にする
  • 採用計画に合うメディアを決める
  • 実行後、効果を検証する

採用広報の戦略では、実行後に効果を検証して改善するサイクルを繰り返すことが効果を高めるためのポイントです。

それぞれの内容を詳しくご紹介します。

7-1.ターゲットを設定する

採用広報で重要なのが、ターゲットの設定です。求める人材の年齢や性別、居住地域などを細かく設定します。

ターゲットを明確にすることで、発信する情報やメディアを具体的に定めることができるでしょう。採用に関わる社員も、共通認識を持って採用計画の作成や面接などに取り組むことができます。

ターゲットは現在の業務に必要というだけではなく、自社の理念やビジョンを実現するためにはどのような人材が必要かも考えなければなりません。会社の方向性を共有できるかどうかが重要です。

ターゲットの設定では、会社のなかでターゲットとする人物像に近い社員を抽出し、共通する行動特性を見つけるという方法も効果的といえます。行動特性はスキルや勤務条件、性格などの項目を決め、共通点を分析するという方法で行うとよいでしょう。

7-2.目的を明確にする

具体的な戦略を立てて採用広報の効果を検証するためには、「KPI(重要業績評価指標)」を設定して目的や目標を明確に定めることが必要です。目標の設定により、現状と理想の姿とのギャップを把握でき、課題が明らかになります。

目標は数値などで効果が検証できるものでなければならず、「採用サイト閲覧数」「SNSのフォロー数」「説明会に参加する人数」「応募者の数」など、細かく設定しておくと効果が出ないときの改善がしやすくなるでしょう。

また、訴求内容を明確にすることも大切です。自社の魅力や他社と差別化できる部分、ターゲットが知りたいと思うことなど、訴求内容を整理して言語化できるようにしておきましょう。

例えば「福利厚生が充実している」「若手が活躍している」「幅広い働き方が選べる」など、具体的に言語化することがポイントです。

7-3.採用広報を行う媒体を決める

目的やターゲット、訴求内容が決まったら、それらに適した媒体を決定します。ターゲットの利用が多い媒体を探し、画像や動画など、最も有効と思える手段を検討しましょう。ターゲットが情報を取得する状況を考え、受け取るために最適な環境を検討します。

採用広報を成功させるためには継続が大切であり、運用や管理のしやすい媒体であることも大切です。媒体を決めて運用を開始する際は、社内外への周知を忘れないようにしましょう。

広報内容と社員からの情報発信が異なるということのないよう、共有事項を決めて運用の事実を伝えるようにしてください。

7-4.効果を検証する

採用広報を成功させるためには、効果の検証が必須です。KPIを設定する、PDCAを回すなどの方法で運用の効果を検証し、課題があれば改善に努めます。

KPIでは、戦略に基づいて自社に合う指標を設定しましょう。一例をご紹介します。

  • 応募数
  • 記事の流入数
  • 広報動画の視聴数
  • SNSのインプレッション
  • 内定承諾率
  • 入社後の定着率

採用広報の最大の目的は応募者を増やすことであり、応募数は必須の指標です。また、応募者を増やすためには認知度を拡大しなければなりません。そのためには、認知度を知る指標として自社サイトやコンテンツへの流入数が重要です。

応募者が増えても、内定辞退が多ければ採用広報の目的を達成できません。内定承諾率を向上させることも大きな指標となるでしょう。

採用広報は、採用のミスマッチをなくすことも目的の一つです。目標通りの人材を獲得できても、離職率が高ければ採用広報に成功したとはいえません。そのため、効果検証として「入社後〇年後の定着率」などの指標を設定することも大切です。

 

 

8.採用広報におけるKPI設定の例

採用広報におけるKPI設定の例

前述のように、採用広報の効果を検証するにはKPI設定が有効です。KPI(Key Performance Indicator)とは組織の目標を達成するための指標であり、「重要業績評価指標」とも呼ばれます。達成状況を観測し、目標達成に向けたパフォーマンスの動向を把握できる指標です。

KPIを設定することで採用広報の課題が明確になり、効率的な採用広報ができます。

ここではKPIの設定の例について項目別にご紹介します。

8-1.興味(PV数など)

求職者からの応募を増やすには、まず自社に興味を持ってもらう必要があります。自社への興味を測るには、以下のような内容を指標として設定しましょう。

  • 採用広報記事のアクセス数
  • 採用広報動画の視聴数
  • SNSのインプレッション数
  • SNSのプロフィールアクセス数
  • オウンドメディアのPV数
  • オウンドメディアの滞在時間
  • SNSのフォロワー数
  • SNSからオウンドメディアへの流入数

継続的な接触とともに、求職者の興味を惹くコンテンツを配信することが大切です。

これらの指標は始めてすぐに効果が確認できるものではなく、長期的な取り組みが必要です。KPIの達成状況を確認しながら、改善と測定・分析を繰り返します。

8-2.応募(応募数など)

採用広報のメインとする目的は、応募につなげることです。自社に興味をもった求職者は、入社したらどのように働くのかが気になり始めます。

興味をもった求職者が応募に至るまでのフェーズでは、以下の項目がKPIの指標となります。

  • 採用サイトのPV数
  • 採用サイトの滞在時間

サイトに訪れる求職者を応募に導くために、入社後の具体的なイメージができるコンテンツを充実させることが重要です。

求職者が応募という行動に至ったか確認するフェーズのKPIが「応募者数」です。応募のフェーズで重要なのが応募者へのメッセージであり、選考までに見てほしい動画・テキストをサイトやメール配信で発信していきます。

8-3.内定(内定承諾率など)

選考の段階では、選考離脱を防ぐために以下の項目をKPIに設定します。

  • 選考への参加率
  • 選考通過率
  • 選考辞退率

選考離脱を防ぐためのコンテンツを配信し、応募者の企業への興味を維持するコンテンツを配信していきます。

内定を出したあとも、内定辞退を防がなければなりません。そのため、以下の項目をKPIに設定します。

  • 内定承諾率
  • 内定辞退率

内定者の入社意欲を維持するため、内定者向けの研修やイベントも積極的に行いましょう。

9.採用広報を実施する際に伝えるべきポイント

採用広報を実施する際に伝えるべきポイント

採用広報の効果を高めるには、企業理念やビジョンもからめたビジネスの本質を伝えることが大切です。

ここでは、採用広報で伝えるべきポイントを解説します。

9-1.自社の「ビジネスの本質」を伝える

事業内容や提供しているサービスをただ伝えるだけでは、自社の魅力は十分に伝わりません。自社のビジネスの本質を伝えることで、入社後のミスマッチを防げます。

自社がサービスを通してどのような価値を実現しようとしているか、社会にどのような貢献をしようとしているかについて、企業理念やビジョンを踏まえながら伝えることが大切です。

9-2.求める人物像を明確にする

採用広報ではただ人を集めればいいというわけではなく、自社が求める人材を採用することが真の目的です。会社の最終目標と、その実現のためにどのような人材を求めているかを的確に伝えていかなければなりません。

情報発信を行っても、本当に伝えたいターゲットに情報が届かなければ意味がなくなります。「自社が求める人材が興味をもつ情報が発信できているかどうか」の確認が必要です。そのためには、まず求める人物像が明確になっているかも確認しておきましょう。

9-3.仕事にやりがいがあることを伝える

仕事に感じるやりがいは人により異なりますが、募集するポジションでどのようなやりがいを感じられるかを伝えることも採用広報を成功させるポイントです。

ただ言葉でやりがいを伝えても、イメージとして実感できないかもしれません。一例として、現場の社員のインタビューを配信するのも効果的な方法です。どのようなやりがいがあるのかについて具体的な仕事を通して発信すれば、リアルな内容が伝わるでしょう

10.採用広報の上手な企業はここが違う!押さえておきたいポイント

採用広報の上手な企業はここが違う!押さえておきたいポイント

採用広報を実施している企業では、「なかなか成果が出ない」という悩みもあるかと思います。そのような場合は、上手に活用できている企業の事例を参考にしてみるとよいでしょう。

ここでは、採用広報の上手な企業に共通するポイントについて解説します。

10-1.発信する媒体の多さ

採用広報に成功している企業では、ひとつの媒体だけでなく複数の媒体を利用しているケースが少なくありません。

採用サイトのユーザーは、主に積極的な転職活動を行う顕在層です。それ以外に、「すぐに転職はしないものの良い会社があれば転職を検討する」という転職潜在層にも幅広く情報を届けたい場合には、SNSやWeb広告などを積極的に活用することが効果的です。

大きな母集団を形成することで、求める人材を獲得する確率も上がるでしょう。

発信する媒体は、主に以下のようなものがあげられます。

  • オウンドメディア・採用サイト
  • 自社ブログ
  • SNS(Facebook Twitter TikTok)
  • 採用媒体・ナビサイト
  • 採用イベントの開催
  • 採用広報ツールの利用

ひとつのコンテンツを複数の媒体に掲載することで、採用広報の効果のアップが期待できます。

10-2.KPIの活用方法

採用広報が上手な企業では、KPIの活用方法に特徴があります。まず、最初の段階ではKPIに採用決定数を設定していません。採用広報の成功により最終的には採用決定数が向上するのは事実ですが、採用決定にはさまざまな要因が関わります。いきなりKPIとして採用決定を置いてしまうと、成果が見えづらくなる不都合があるのです。

そのため、正しく採用広報の成果を計測できるよう、次のような項目を指標に設定されています。

  • コンテンツ発信数
  • オウンドメディアやコンテンツの流入数
  • 応募者のコンテンツ既読率

採用広報を開始した段階では会社の魅力を伝えるコンテンツの数が不足しており、まず制作に注力しなければなりません。そのための体制づくりが必要です。コンテンツの制作は時間と手間がかかるため、継続的に制作できる体制を作るためにコンテンツ発信数のKPIを設定します。

また、コンテンツを発信しても求職者が読んでくれなければ採用広報の成果が上がりません。そのため、オウンドメディアやコンテンツの流入数をKPIに設定することも有効です。コンテンツが読まれているかを把握するためにPVを観察し、変化が起きているか確認します。

採用広報の上手な企業では、応募者のコンテンツ既読率をKPIとして設定しているケースもあります。例えば選考時にアンケートを実施し、自社のコンテンツを読んでいるかを確認するといった方法で計測します。

10-3.情報の透明性の高さ

採用広報が上手な企業は、発信する情報の透明性が高いという特徴もあります。自社の良い部分だけでなく、課題とすることも包み隠さず発信しています。

仮に発信した情報が自社の現状と異なる場合、マイナスの結果を生む可能性があるため注意が必要です。発信する情報を信じて入社した新入社員が現状とのギャップを感じ、早期離職するということにもなりかねません。

確かに自社の良い情報だけを発信していれば、応募者も集まりやすくなるでしょう。しかし、期待を寄せて応募してみたら情報とは違ったという場合、信頼性も失う可能性があります。今はSNSや口コミサイトなどで簡単に情報を発信できる時代であり、自社に対するマイナスなイメージを発信された場合の損失は小さくありません。

採用広報で透明性を高めるには、以下のような情報発信が効果的です。

  • 社内向けのコンテンツを社外にも発信する
  • コンテンツと社員の発信しているSNSに矛盾を作らない

社外秘となる情報以外の社内向けコンテンツを社外にも発信することで、統一された偽りのない情報を発信できます。

また、社員がSNSや口コミサイトで発信している場合、その情報と矛盾のないコンテンツを発信することも重要です。会社や人事の認識と社員の意識が乖離しているといった場合は、コンテンツの発信前に対策を考える必要があります。

11.採用広報に成功している企業の事例

採用広報に成功している企業の事例

ここでは、実際に採用広報に成功している企業事例をいくつかご紹介します。

11-1.株式会社メルカリ

フリマアプリの「メルカリ」の企画・運用をしている株式会社メルカリは、採用を目的としたオウンドメディア「メルカン」を運営しています。「メルカリの“いま”を正しくかつ遠くまで届け、エンパシーの総量を増やす。」をコンセプトにしたメディアです。メルカリの社員を軸に、チームの紹介や職場の出来事を発信しています。

コンテンツは社員によるブログ形式の記事をメインとしており、社員のインタビューや対談・社内イベントなどが、それぞれタグから見つけられる仕組みです。

メルカリで働くことに興味をもつ人材をターゲットにしており、記事は自社採用サイトやSNSにリンクしています。

メルカリは創業時から急成長を遂げており、状況が日々変わる中でメンバーは何を考え、何に取り組んでいるのかについて発信を継続してきました。課題も含めて誠実に情報を発信する姿勢は共感を呼び、確実にファンを増やしています

11-2.freee株式会社

freee株式会社は、事務管理を効率化するためのSaaS型クラウドサービスを開発・運営する会社です。採用情報・イベントなどさまざまな情報をシェアする「freee採用ブログ」を運営しており、新卒採用・中途採用双方に向けて積極的に情報を発信しています。

同社に興味をもった求職者がさらに情報を求めるときに、どのような社員がいてどのような仕事をしているのか、何をやりがいに感じているのかを社員のインタビュー記事を通して伝えることを目的としています。

ブログの配信は、採用チームのメンバーがインタビューについて採用広報担当に依頼し、コンテンツの制作を行うという流れです。

同社の採用広報は戦略を練るのではなく、社員の言葉を通して会社を知ってもらうことを意識しているのが特徴です

社内のさまざまな立場・職種の社員を紹介し、社員自身の言葉で会社や職場環境を語ってもらうことで、自社の正しいブランディングにつなげています。

11-3.株式会社マネーフォワード

金融系のWebサービスを提供している株式会社マネーフォワードでは、社内向けと社外向けに分けて採用広報に取り組んでいるのが特徴です。

社外向けには「まだ見ぬ候補者が働いてみたいと思える会社」「採用したい人から応募がくる会社」というブランディングを目指しています。社内向けの採用広報では、既存社員が働きたいと思える会社にしていくことが目標です。

同社では社外向けの活動として、インタビュー記事をはじめさまざまな情報をブログで発信しています。情報発信の結果として「ブログを読んで応募しました」という求職者が増えたということです

また、スカウトメールを送る際には対象者の職種に関連のあるブログ記事を添付することで、返信率が大幅に上昇するといった成果をあげています。

11-4.株式会社BAKE

株式会社BAKEは「BAKE CHEESE TART」をはじめ8つの菓子ブランドを展開する​​製菓企業です。2015年にオウンドメディア「THE BAKE MAGAZINE」を開設し、社内外の話題を継続的に発信しています。

同社は2013年の創業から急成長を遂げ、従業員が急増する中で企業ブランディングを図ることを目的としてオウンドメディアを開設しました。「求人媒体に頼らず自社サイトから求人応募がくること」をオウンドメディアの目標の一つとして設定しています。

オウンドメディアでは自社やお菓子に関する情報だけでなく、主に「食」に関連したユニークなブランドや企業・生産者・業界を牽引するリーダーへのインタビューなどを幅広く発信しています。

社員の苦労話などもオープンに発信して読ませる記事が人気となり、知名度アップやファンの獲得へとつなげています。

その結果、求人の応募者数の増加という成果を得られました。また、面接に来る応募者が事前に記事を読み、会社の方向性を理解してくれているという効果もあったようです。

11-5.サイボウズ株式会社

グループウェアや業務改善サービスを提供するサイボウズ株式会社は、オウンドメディア「サイボウズ式」を運営しています。「新しい価値を生み出すチームのメディア」として、社員や企業風土・働き方についての記事を提供するメディアです。

チームワークや働き方をメインテーマに、企業活動や価値観を伝えていくことを目的としています。コンテンツの質が高いため、採用だけでなく企業自体のファン獲得に成功している事例です

12.採用広報の戦略で優秀な人材を獲得しよう

広報連絡採用広報は、人材獲得のために企業が積極的に情報を発信する活動です。人材不足が続くなか、優秀な人材を獲得する方法として注目されています。

採用広報により企業の認知度を高め、採用の候補者を増やす効果が期待できるとともに、自社への理解を深めて採用のミスマッチを防ぐことも可能です。

採用広報の戦略では、自社の目的に沿って3つのメディアを組み合わせることが成功のためのポイントとなります。手順を踏んで採用広報の戦略を策定し、自社に適した人材を獲得しましょう。

 

 

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