採用強化をはかるには?強化方法や採用力の高い企業の傾向を解説

採用ノウハウ

自社に必要な人材を的確に採用できる力「採用力」は、企業の業績アップや業績の維持に欠かせない要素です。しかし現実では、中小企業には優秀な人材が集まりにくい、採用したけれど長続きしないなど、採用に関わる悩みや不安は尽きることがありません。 この記事では、企業が採用強化をはかるために必要な要素や強化方法を解説します。

1.採用を強化するために必要な要素

採用を強化するために必要な要素

採用力を強化するには、「このような人材に入社してほしい」という企業側の思惑だけでなく、求職者の視点を意識した採用活動や企業そのものの改善が必要です。採用力を構成するのは、魅力ある「企業力」と「労働条件」、そして「採用活動力」の3つとされ、それぞれ内容や性質、採用力アップへの効果が異なります。

1つめの「企業力」とは、企業自体が持つ知名度やブランド力、製品やサービスが備えている優位性または魅力を指します。一般に優れたサービスや製品を作り出す企業には求人への応募が多く採用活動に有利です。しかし、すぐに高い企業力を備えることは困難です。

また優れたサービスや製品を持っていても、一般消費者になじみの薄いBtoBビジネスであれば、自社の文化や職場環境、ブランドをわかりやすく伝える努力が求められます。

2つめの「労働条件」とは、従業員が働きやすく、仕事に満足できるような労働環境やルールが整備されていることを指します。労働条件は魅力的なほど、求人への応募が増え、採用後に定着しやすくなる重要な要素です。

魅力的な労働条件とはたとえば、住宅手当や資格手当、リフレッシュ休暇といった充実した福利厚生制度、社内託児所の整備や在宅勤務のルールなどを通じて多様な働き方を促進するといったものが挙げられます。

3つめの「採用活動力」とは、採用に関する人材や予算などの資源、採用活動を広く伝えるための広報力、面接のスキルや的確な採否判断力といった実務力の総称です。これらがうまく噛み合い、連携することで採用力をアップできます。

これらの要素はいずれも求職者の視点に立っていることがわかるでしょう。採用力は、企業の努力によって向上させられるのです。


2.採用強化のためにできること

採用強化のためにできること

採用力の強化に必要な要素がわかったところで、ここからはそれらの要素をどのように強化するかを考えてみましょう。どれも採用力強化に有効なものばかりです。

2-1.採用ページを制作・定期的に更新する

自社のホームページとは別に、採用のためのホームページを制作し、定期的に更新すると採用力の強化につながります。

採用目的のホームページを設けていること、またその定期的な更新は、企業が採用活動にどれほど注力しているかを示すのに効果的です。採用条件や労働条件だけでなく、社員のコメントをテキストや動画で提示すれば、実際の職場の雰囲気が伝わり、入社後のミスマッチを減らすことにもなります。

一般消費者になじみの薄い企業にとって採用ページは、求職者に対して仕事内容や労働条件を知らせる貴重な情報の発信源です。求められている情報をどれほど掲載できるかが重要になります。

2-2.自社に適した採用手法を検討する

現在採用活動に利用できるサービスは多種多様です。求人サイトに転職サイト、転職エージェント、企業のホームページ、SNSなどがありますが、それぞれ利用しているユーザーの年齢やスキル、業界などに特徴があります。そのため、より有効に採用活動に利用するのであれば、自社に適した採用手法を慎重に検討して選択することが重要です。

たとえば年齢でいうと若者向けかシニア向けか、属性でいえば主婦層なのか転職組か、看護師や介護職といった職種や、飲食業やアパレル業といった業態など、サービスごとに得意とする対象は異なります。かけられる予算も含め、バランスのよいサービスを選びましょう。

2-3.採用の基準を見直す

もし応募の数が少ない、書類審査を通過する応募がないといった問題があれば、一度採用の基準を見直すこともオススメです。求職者に求めるスキルや経験が高すぎると、それだけで「基準を満たしていない」と応募を取りやめてしまう恐れがあります。

今の基準は理想の要件でしょうか、それとも最低限の要件でしょうか。不用意に基準を緩めるのはオススメできませんが、応募状況を踏まえて慎重に検討し、ときには基準を見直すような柔軟な姿勢も採用活動には必要です。

2-4.自社の魅力や業績をまとめる

求職者は一般に、できる限り働きやすい、待遇が良いといった魅力のある企業への就職を求めます。自社の魅力や業績をうまくまとめ、わかりやすく提示して労働環境と企業力をアピールできれば、採用力のアップにつながります。

このときの視点も、企業視点ではなく求職者視点であることが重要です。自社の魅力や業績のうち、求職者が魅力と感じるものをピックアップし、うまく伝わるようテキストやイラスト、写真、動画など効果的な素材を用いてアピールしましょう。

2-5.労働環境を改善する    

求職者は通常、求人内容で示される給料の金額や有給休暇などの待遇を重視します。なかでも近年、仕事をする場所や時間に縛られない働き方を希望する求職者が多くいます。そのため現実として可能であれば、リモートワークも選べることを労働条件の一つとして提示すると効果的です。

もしそれが競合他社の実施していない労働条件なら、それだけで差別化につながり採用活動をより優位に進められます。

すでに自社にある働きやすさや将来のスキルアップにつながる労働環境をさらに改善し、入社後も長く働けるよう配慮することも大切です。アピールする内容は、求職者視点に立って選ぶ必要があります。

3.採用力の高い企業の特徴

採用力の高い企業の特徴

望むように採用できない企業があると思えば、一方で採用力が高く業績を上げ続ける企業もあるのが現実です。採用力の高い企業には、その努力の成果のためか、採用の実務に関して似たような特徴があります。

これらの特徴は、自社を振り返ってこれからの採用力向上に活かせるヒントです。ここでは採用力の高い企業に共通した特徴を6つ解説します。

3-1.求める人物像が明確

採用力の高い企業は共通して、自社の求める人物像が明確であることがほとんどです。これは、事業計画と業績とのギャップを埋めるために、自社にとってどのようなスキルを持った人材が必要か議論し尽くされたためといえます。

明確な求める人物像は、企業にとって採用活動をスムーズに進められる基準であり、求職者にとっては自分がどの程度企業にマッチしているかを見極める基準です。明確に定めているほど、実際に応募者を評価する面接官と採用基準を共有しやすいというメリットもあります。

3-2.採用の目的・目標が明確

採用力の高い企業は、何のために採用するのか、採用後はどのようなキャリアをたどり、どのような貢献をしてもらうのかが明確です。それは自社の目標が何か、目標を達成するために現状で不足しているのはどのような人材かが明確だということでもあります。

ただ人手が足りないから、誰でもいいからといったその場しのぎの採用活動では、自社の本当の課題を解決するどころか気付くことさえ難しいでしょう。採用力を強化するのであれば、まずは自社の課題に向き合い、どのように解決するかから検討する必要があります。

3-3.自社の魅力を的確に表現している

採用力の高い企業は、自社の課題に向き合った結果見えてくる魅力を的確に表現しています。自社の魅力は把握するだけでなく、求職者の立場になってわかりやすく、的確に表現することが重要です。ここでいう魅力には、実際に携わる業務内容や、給与の金額、休日の数といった待遇面の魅力などが挙げられます。

求職者にとってとくに気になるのは、実際に仕事をする職場の雰囲気や働く社員の人柄といった環境でしょう。社員のインタビューや写真、動画などでうまく伝える工夫も必要です。

3-4.自社に適した採用手法を把握している

採用力の高い企業は、さまざまな採用手法のうち、自社に適した採用手法を正確に把握しています。採用活動には多種多様な媒体が利用できますが、効果的に利用するにはそれぞれの特徴を見極め、強みを活かして用いることが大切です。

たとえばWebエンジニアを得意とする人材紹介サービスや、20代の第二新卒を得意とする、またミドルクラス向け求人を多く手がける求人・転職サイトは、得意な分野以外の求人にはあまり高い効果は期待できません。必要とする人材を採用するために、まずは自社の求める人物像を明確にし、その人材にとってどのような採用手法や媒体が適切なのかを検討する必要があります。

3-5.採用担当者の認識が統一されている

採用力の高い企業では、採用活動に携わるさまざまな担当者が、統一された認識を持っています。とくに面接官は、直接応募者に会って質問し、その際の返答や態度、得られた情報によって評価する役目です。もし面接官Aと面接官Bの認識が異なっていれば、採否の結果はもちろんその後のキャリア設定も大きく違って当然です。

そのような採用は、配属される部署にとって大きな負担になります。結果として早期退職を招き、採用活動そのものがムダになりかねません。求職者にとっても企業の方針が理解できずとまどったり、応募を見合わせたりする可能性もあります。

採用の目的と目標が決まったら、実際に実務にあたる担当者としっかり共有し、統一された認識で採用活動に臨みましょう。

3-6.人材を定着させ活躍できる環境を作れている

採用の目的・目標、求める人物像が定められ、自社に適した手法で採用活動が行われれば、採用後のミスマッチを大きく抑え、入社後は自社にしっかり定着し、大いに活躍してくれるでしょう。採用力が高い企業は、社員が働きやすい環境の整備にも力を入れています

採用力とは、必要とする人材を採用する力だけでなく、入社後に人材を定着させ活躍できるまでを成し遂げる力です。早期退職とならないよう、入社前後のギャップや上司との関係、仕事量にも配慮し、適切な環境整備に努めましょう。

4.採用強化がうまくいかない企業の傾向

採用強化がうまくいかない企業の傾向

採用力が高い企業と同様、採用力が低い企業にも共通した特徴や傾向があります。もし、現時点で求人への応募数が少ない、実務がうまく機能しない、採用してもなかなか定着しないといった課題を抱えているなら、次の3つを基点に広告内容や実務の流れを見直してみましょう。

ここでは採用力がうまく強化できないときの、チェック項目を考えます。

4-1.求めるスキルが高すぎる

求めるスキルなどの要件があまりに高すぎると、求職者は書類審査を通過できないと感じ、応募すること自体をためらってしまう可能性があります。

優秀な人材を採用したいと考えるのはどの企業でも同じです。高いスキルを持つ人材は求める企業が多く、競合する他社が増えてしまうということも考えなくてはなりません。

そのため求めるスキルなどの要件は、最低限必須とするものと、理想的なものの2種類を用意しておくことがポイントです。そうすると、応募数が芳しくない場合は広告内容を最低限必須の要件に近づけ、またスキルの高い応募者の判定には理想的な要件を用いて審査できるという、それぞれのメリットが生まれます。

4-2.採用の戦略を明確化できていない

採用活動は、自社の求める人材を採用することが目的です。そのためには次のような内容を段階的に検討、判断する必要があります。

  1. 事業計画をもとに求める人物像や備えているスキル・能力を絞り込む
  2. 求める人材の採用に適した採用手法を選ぶ
  3. 自社の魅力や強みを把握し、効果的に伝える
  4. 採用に関する競合他社を分析し、対応策を用意する など

これらはどれも採用活動を戦略的に成功させるための要素です。一つひとつの内容はそれぞれの担当者に分担されるため、項目ごとに内容が明確化できていなければ、互いに連携・連動できず採用活動全体としての戦略が、うまく機能しなくなる可能性が高まります。

採用活動のなかで求職者と自社の間に人物像の設定や実務の流れ、キャリアプランでの認識のギャップが発生し、致命的なミスマッチとなりかねません。

4-3.ミスマッチを起こしていることに気が付かない

もし採用後にうまく定着せず退職してしまうことが多ければ、採用時に応募者との認識の違い、ミスマッチを起こしている可能性があります。採用のミスマッチは、軽度なものであれば内定後や入社後に適切にフォローすることで解消できますが、そもそも起きてしまうこと自体が問題です。

またそれ以前に、内定以降のフォローが適切に機能していなければ、ミスマッチが起こりやすく、ミスマッチがあること自体気付かないこともありえます。

採用後の早期退職が課題であれば、まずは退職の意思が決まる前に内定者のフォローが適切に行われているか、ミスマッチの発見に注力しているかを確認してみましょう。

5.採用後に人材を定着させるためには

採用後に人材を定着させるためには

採用力の強化には、採用後の人材をうまく定着させる能力も求められます。採用のゴールは「採用」そのものではなく、その後の貢献や活躍までが含まれることを考えれば当然です。もし人材の定着に課題を抱えていれば、次のポイントをヒントに自社の状況を振り返ってみましょう。

ここでは人材を定着させるための2つのポイントを解説します。

5-1.面談や研修など採用後のフォロー体制を整える

採用活動においてどれほど綿密に業務内容や自社の魅力、待遇を応募者と共有できても、実際に働き始めれば認識と異なる部分が気になってくるものです。しかし大切なのはこれらのギャップをなくすことだけではありません。採用した人材が長く活躍し、今後の採用活動を適切に展開するためにも、どのようなギャップが生じているのかを把握する必要があります。

ただし、採用された人材が入社後に感じたギャップを訴えることのできる機会は多くありません。どのような不満を抱えているかを把握するには、入社後の研修や面談の機会を設けるといったフォロー体制が必要です。ちょっとしたスキマ時間を使ってこまめにフォローするだけでも、信頼関係は構築できます。

フォローで得た上司との関係や業務量にまつわる訴えは、業務の効率化だけでなく人材が安心できるという効果も期待できるポイントです。

5-2.キャリアパスを明確にする

採用された人材が直面する課題は、早期の業務への貢献だけではありません。上司や同僚とのコミュニケーションやスキルの獲得、新たな生活リズムへの対応など実に多様です。なかでも重要とされるのは、将来のキャリアパスです。

キャリアパスとは、人材が今後どのようなキャリアを積めるかという道筋のことで、求職者にとってはこれからの収入やスキルアップへの投資などを考えるうえで必須項目といえます。

求めるキャリアパスは、専門職を極めるスペシャリストや総合職として部下を統率する中間管理職など、求職者ごとにさまざまです。求職者の求めるキャリアパスが、採用活動での認識と同一であれば問題ありませんが、なかには誤解が生まれている場合もあります。キャリアパスにまつわる不満も、面接やミーティングなどこまめなフォローで解消する必要があるでしょう。

6.採用力を強化して良い人材に巡り合いましょう    

採用力を強化して良い人材に巡り合いましょう

企業における採用力には、採用できる能力だけでなく、採用後に自社に定着させられる能力も含まれます。企業の業績は人材の活躍に大きく左右されるため、採用力が低い企業は一刻も早い強化が必要です。

採用力の強化には、求める人材を採用する採用活動の効率化と採用後の適切なフォローによる定着の両方が求められます。

採用活動では、採用の目的や人物像の明確化をはじめ、認識の統一、適切な採用手法や告知方法の選択、自社の魅力や業績の把握、労働環境の改善などが必要です。また採用後は、認識のギャップの発見に努め、適切に解消するためのフォローが欠かせません。

良い人材を採用できたのなら、次は自社でしっかり活躍できるようフォローし、次の採用活動の改善にしっかりつなげましょう。

スタンバイに求人掲載で
新たな求職者へアプローチ

  1. Point01新たな求職者にアプローチ

    Yahoo! JAPAN

    「Yahoo! JAPAN」ユーザーにリーチでき、新たな母集団形成を実現

  2. Point02安心のクリック課金

    求人情報

    クリック課金型なので、効率よく求職者にアプローチ

  3. Point03管理工数の削減

    採用サイト

    貴社採用サイトとの連携で、手間なく掲載開始・管理が可能