募集要項は項目の書き方で応募数が変わる?効果を高めるポイントを解説

採用ノウハウ

採用活動で自社の求める人材を獲得するには、募集要項の工夫が欠かせません。会社の魅力や強みを盛り込み、ターゲット層にアピールすることが効果を上げるポイントです。 本記事では募集要項に必ず記載すべき項目や応募者を集めるコツ、禁止されている表現などを解説します。記載例もご紹介しますので、募集要項を初めて作成するという方はぜひ参考にしてください。

1.募集要項の重要性とは?

募集要項の重要性とは?

採用活動で重要な役割を果たすのが募集要項です。募集要項は求職者が企業についての情報を知る判断材料になり、工夫次第で企業の魅力をアピールできます。優秀な人材を確保するためには、募集要項を上手に書くことがポイントです。

ここでは、募集要項の概要や重要性について解説します。

1-1.募集要項とは

募集要項とは、求人票に記載されている企業の情報です。応募条件や給与、勤務時間など、必ず書かなければならない項目があります。

求職者は募集要項の内容を見てどのような企業なのか判断し、応募を決定します。そのため、自社が求める人材から見て魅力的で働きやすい企業だと感じられる募集要項を作成することが必要です

1-2.募集要項が重要な理由

募集要項は求職者が仕事を探すとき、最初に目にする情報です。求職者は各社の募集要項を比較検討して応募するかどうかを決めるため、いかに自社の魅力を募集要項のなかで伝えられるかが、採用活動の成功を左右します

具体的に働くイメージができない募集要項は求職者にアピールできず、応募を集めることができません。条件が変わらない求人がいくつかある場合、求職者はより細かい部分を比較検討します。その際に詳細な記載がある企業は求職者の印象に残り、信頼の獲得にもつながると考えられます。

2.募集要項の項目と書き方のポイント

募集要項の項目と書き方のポイント

募集要項に記載する項目は職業安定法で定められており、必ず記載しなければいけない項目があります。

また、記載することで効果を高める項目もあるため、できるだけ詳細に記載することが魅力的な募集要項を作成するポイントです。

ここでは、募集要項に記載する項目と書き方のポイントについて解説します。

2-1.募集要項の項目

募集要項に必ず記載すべき項目と、書けば効果的な項目についてご紹介します。

 

2-1-1.必ず記載すべき項目

職業安定法では、ハローワークやホームページなどで求人募集を行う場合に最低限明示すべき項目として、以下の9項目をあげています。

  • 業務内容
  • 契約期間
  • 試用期間
  • 就業場所
  • 就業時間・休憩時間・休日・時間外労働の有無(有りの場合は平均時間)
  • 賃金
  • 加入する保険
  • 受動喫煙防止措置
  • 募集者の氏名または名称(株式会社〇〇など)
  • 派遣労働者として雇用する場合はその旨を記載

求職者が具体的な仕事のイメージを描けるよう、業務内容は詳細に記載してください。

賃金に時間外労働の手当を含める固定残業代を採用する場合は、次のような記載が必要です。

  1. 基本給〇〇円(2に記載する手当を除く額)
  2. 手当(時間外労働の有無に関わらず、〇時間分の時間外手当として△△円を支給)
  3. 〇時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

以上の項目は法律上明示が必要とされる内容ですが、求人票のスペースが足りないなどやむを得ない事情がある場合は「詳細は面談のときにお伝えします」などと書き、労働条件の一部を別途明示することは可能です。

その場合は原則として、初回の面接など求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示しなければなりません。

なお、職業安定法は2022年に改正が行われ、10月から施行されています。インターネット上で求人情報を提供するメディアなどを対象とした規制が強化されている内容で、改正のポイントは以下のとおりです。

  • 「募集情報等提供」の定義を拡大
  • 特定募集情報等提供事業者の届出制を創設
  • 求人情報の的確な表示義務を付与
  •  個人情報の収集目的の明示義務を付与
  •  苦情処理体制を整備

改正法は、これまで職業安定法による規制の対象外となっていた新たな形態の求人メディアに対し、規制を及ぼすことを目的としています。また、従来の求人メディアを含め、掲載内容の適正化や質の向上を図ることも目的のひとつです。

改正の項目のうち、求人を出す企業に関係するのは求人情報の的確な表示義務です。

募集情報等提供事業者は虚偽の情報だけでなく、誤解を生じさせるような情報が表示されないよう注意しなければなりません。さらに、求人等に関する情報を正確かつ最新の内容に保つ義務があります。

参照元:厚生労働省「労働者を募集ルールが変わります」

参照元:厚生労働省「令和4年職業安定法の改正の概要について」

 

2-1-2.記載すると効果的な項目

法律上の必須項目ではないものの、記載することで効果が上がる項目があります。一例として、以下のような内容の記載があげられます。

  • 社内研修制度
  • 資格取得支援制度
  • 残業時間削減への取り組み
  • ワークライフバランスを考えた休暇制度

求職者が転職に際して気になること、他社と差別化できることを具体的に記載すれば、注目が集まりやすくなります。

2-2.募集要項の記載例

募集要項の記載例は以下のとおりです。作成する際の参考にしてください。

項目

内容

業務内容

【正社員】※アルバイトも同時募集
1.自社製品の法人営業
2.資料作成、パソコンへの入力事務

応募資格

1.高卒以上、営業経験者は優遇
2.高卒以上、経験不問、事務職経験者は優遇

給与

月給28万円以上(経験を考慮し当社規定による)
試用期間中は月給20万円

昇給・賞与

昇給年1回 賞与(年2回支給 昨年実績 3ヶ月)

契約期間

期間の定めなし

試用期間

あり(入社後3ヶ月間)

就業・休憩時間

9:00~17:00(休憩1時間)
時間外労働あり(月平均10時間)

休日休暇

週休2日(土日)、祝日、有給休暇(取得率90%以上)、夏季(6日・2022年度実績)・GW・年末年始休暇、慶弔休暇

諸手当

通勤手当(上限3万円/月)、残業手当、家族手当

福利厚生

社会保険完備、資格取得支援、社員旅行、社内研修制度

受動喫煙防止措置

社内禁煙

勤務地

本社:東京都〇〇区〇〇町1-1-1
JR山手線△駅下車 徒歩10分

企業概要

【会社名】〇〇株式会社
【代表者】〇〇 〇〇
【設立】2000年4月
【従業員数】60名
【事業内容】〇〇の企画・開発・販売

応募方法

履歴書、職務経歴書を郵送してください。書類選考の上、後日 面接日時をご案内します。

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3.求人が集まる募集要項にするコツ

求人が集まる募集要項にするコツ

求人が集まる募集要項を作成するためには、必要事項を埋めるだけでなく、工夫すべきいくつかのコツがあります。

ここでは、自社が求める優秀な人材を集めるために行うべきポイントをご紹介します。

3-1.求める人物像を明らかにする

募集要項を作成する前に、自社が求める人物像を明確にすることが必要です。ただ応募を増やすことだけ考えて募集要項を作成しても、自社が求める人材が集まらずにミスマッチが起こる可能性があります。

そのようなことが起こらないよう、ターゲットを絞り込んで募集要項に反映させなければなりません。求める人物像が魅力的と感じられる募集要項を作成してください。

3-2.自社の強みをアピールして競合と差別化する

同じような職種を募集している求人情報は多く、ただ必要事項だけを記載しても差別化できません。他社ではなく自社を選んでもらうためには、自社の持つ強みを洗い出し、他社と差別化できる部分をアピールすることが大切です

教育制度が充実している、独自の福利厚生がある、残業が少なくライフワークバランスに配慮しているなど、強みや魅力となる事項を盛り込みましょう。

3-3.入社後のイメージができるようにする

入社後の働き方がイメージできるよう、業務内容や勤務場所、各種制度などをできるだけ具体的に記載することも大切です。正確にイメージできることで、求職者は安心して応募できます。入社後のミスマッチも防げるでしょう

わかりやすく書くことも欠かせません。専門用語は避け、簡潔に記載してください。募集要項は文字数などが限られているため、ターゲット層に最もアピールできるポイントを吟味し、端的にアピールできるようにまとめましょう。必要な情報は一目でわかるようにすることで、求職者は募集内容について正しく理解できます。

3-4.具体的な数字を盛り込む

具体的な数字がわかる項目は、できるだけ盛り込むと求職者の目を惹きやすくなります。単に有給休暇がとれることだけでなく「有給取得率95%」などと数字で記載すれば、有給を取得しやすい会社だということがわかります。

残業はあっても、「月で10時間程度」と数字を入れて記載すれば、「残業が少なく働きやすい」と感じるでしょう。

福利厚生以外でも従業員満足度や営業成績など数字にできる項目は多く、できるだけ数値化することが求職者へのアピールになります。

4.募集要項を作成する際に禁止されること

募集要項を作成する際に禁止されること

募集要項の作成では、禁止されている表現に注意が必要です。嘘や誇張表現をしないのはもちろんですが、以下のような表現も法律で禁じられています。

  • 性別を限定する
  • 年齢を制限する

内容を具体的にご紹介します。

4-1.性別を限定する

男女雇用機会均等法では、労働者の募集・採用において性別による差別を禁じています。募集要項で「男性のみ」「女性のみ」といった制限をすることはできません。

また、以下のような募集も禁止されています。

  • 男性は幹部候補、女性は補助業務など募集内容を分ける
  • 事務職は女性のみ、営業職は男性のみなど募集の職種を分ける
  • 男性7名、女性3名など、男女別の採用人数を募集する

ただし、業務内容上特定の性別でなくてはならない合理的な理由がある場合は、例外として性別の記載が許されます。例えば、警備員で防犯上の要請から男性を募集する・女性向けの雑誌が女性モデルを募集するといったケースです。

参照元:厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」

4-2.年齢を制限する

雇用対策法では、募集要項に年齢を制限して記載することを原則として禁止しています。例えば、「20代募集」「35歳未満」といった特定の年齢を排除するような表現です。

また、「40歳以上は経験者を優遇」というように、特定の年齢層に条件をつける記載も認められません。

基本的に、募集要項には募集年齢を記載しないようにしてください。条件をつけたいのであれば、年齢に関係なくつけるようにしましょう。

ただし、性別と同じく年齢の記載にも例外はあります。長期的にキャリア形成を図る目的で若年者を募集するなど、合理的な理由があると認められる場合です。

参照元:厚生労働省「年齢制限禁止パンフレット」

5.会社の魅力が伝わる募集要項を作ろう

会社の魅力が伝わる募集要項を作ろう

募集要項は法律で決められた必須項目がありますが、それだけでなく、求める人材の興味を惹くような内容にすることが人材獲得の秘訣です。他社と差別化するため、自社の強み・魅力を洗い出して盛り込むことも忘れないようにしましょう。

年齢制限など禁止されている表現には十分注意し、会社の魅力が伝わる募集要項を作成して採用活動を成功させてください。

 

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