スタートアップ企業の採用戦略は?採用が難しい理由やポイントも解説

採用ノウハウ

設立されたばかりの「スタートアップ企業」は、知名度の低さや担当者不在などの理由で人材確保に苦戦する例が多いとされます。本記事では、スタートアップ企業の採用戦略や好適な採用手法、陥りがちな失敗から採用を成功させるためのポイントなどについてまで、幅広くまとめました。

目次

1.スタートアップ企業の採用が難しい理由

スタートアップ企業の採用が難しい理由

スタートアップとはアメリカのシリコンバレーで使われ始めた用語で、「新しく創業したばかりの企業」を意味する言葉です。近年は、日本でも耳にすることが多くなりました。スタートアップには、明確な定義はありません。経済産業省は「新しいビジネスモデルを考えて、新たな市場を開拓し、社会に新しい価値を提供したり、社会に貢献することによって事業の価値を短期間で飛躍的に高め、株式上場や事業売却を目指す企業や組織のこと」としています。

時代の先端を行くイメージのあるスタートアップ企業ですが、事業拡大などに伴う人材採用は簡単ではありません。以下にその理由を詳述します。

参照元:経済産業省中国経済産業局「平成30年度地方創生に向けたスタートアップエコシステム整備促進に関する調査事業報告書」

1-1.そもそも即戦力の人材獲得が難しい

多くのスタートアップ企業は、少ない人数で立ち上げて業務を回しています。そのため、必要とする人材も即戦力となることが多いのが一般的です。スタートアップ企業が急速な成長を実現するには、即戦力の人材を確保できるかどうかがカギを握ります。

しかし、スキルや経験が豊富で即戦力となり得る人材は、大手企業を含め他社でも求めています。スタートアップ企業は社名や事業内容の知名度が低く、求人情報を公開しても大企業や有名企業に埋没してしまいがちです。

そもそも即戦力の人材を獲得するのは競争率が高く、スタートアップ企業でなくても難しいのが実情です。知名度の面でハンデを抱えるスタートアップ企業は、少ない応募者の中から選考をせざる得ず、求める条件を満たす人材に巡り会える可能性も下がってしまいます。

1-2.人材採用のノウハウがない・採用担当者を確保できない

スタートアップ企業の人材配置は、利益を直接生み出す開発や営業などの部門が優先されやすく、総務や人事などの部門を充実させるのは後回しになりがちです。人材を採用しようにも、採用担当者がアサインされていなかったり、他部署との掛け持ちなどで採用実績やノウハウがなかったりすることも少なくありません。

会社説明会を開催したり、採用関係のイベントに出展したりするにも、ノウハウが必要です。イベントなどへの参画がないと、ただでさえ新興で知名度が低いうえに、求職者が自社に目を留めてくれる機会が減ってしまいます。採用担当者が不慣れだと、自社に必要とするスキルを見誤ったり、社風に合わない人材を採用してしまったりすることによるミスマッチの発生も考えられます

スタートアップ企業の場合、人的リソースだけでなく、採用にかけられるコストも不足していることがしばしばです。費用がかけられなければ、大規模な広告を打つなどの露出はできず、規模の大きな企業に差を付けられてしまいます。この点も、スタートアップ企業の人材確保が難しい理由の一つです。

1-3.労働条件などにマイナスイメージを持たれやすい

スタートアップ企業は、創業メンバーなど少ない人材で業務運営のすべてをまかなう傾向です。活気に満ちている反面、労働条件が厳しいとのイメージも持たれやすい難点があります。限られた人材で事業を急成長させるため、専門外の業務を複数担当させられたり、残業時間が長くなったりしそうな印象がつきものです。

企業設立から日が浅いために、各種規定や福利厚生などが十分でないことが多いのも不利な点です。まだ利益が出ていない場合は、待遇面でも他社をしのぐ条件を示すことは簡単ではありません。

仕事そのものの面白さを感じる、自分の成長につながりそうだなどの前向きな理由でスタートアップを志望する求職者もいますが、長時間労働など「ブラック企業」的なイメージから敬遠されることも多くなってしまうのが実態です。


2.スタートアップ企業の採用担当に求められるスキル

スタートアップ企業の採用担当に求められるスキル

自社が必要とする人材を採用できるかどうかは、企業の将来の成長を左右します。採用担当者に課せられる任務はそれだけ重要です。とくにスタートアップ企業では採用人数も少数であり、担当者も数が限られるため、スキルが求められます。

とりわけ必要とされるのは、以下の3つのスキルです。

  • コミュニケーション能力
  • 社内リソースの管理能力
  • マーケティングや営業の知識

順を追って解説していきます。

2-1.応募者の情報や本音を引き出すコミュニケーション能力

採用活動の中心は、大手企業でもスタートアップでも面接です。採用面接の場において、応募者の人となりや自社への志望度、社風に合うかどうかなどの情報を引き出すコミュニケーション能力は、採用担当者に求められる必須スキルです。

情報を引き出そうとするだけでなく、対話の中で応募者との信頼関係を構築することも求められます。スタートアップ企業への応募者は多くはないため、それぞれの応募者を大切にする丁寧なコミュニケーションが不可欠です。

大手企業では3回、4回と面接を重ねることもありますが、スタートアップ企業では1回の面接で採否を決めざるを得ないこともあるといいます。短時間の面接で応募者の情報や本音を引き出せなければ、自社にマッチしない人材を採用してしまったり、優秀な人材を逃してしまったりしかねません。

応募者からすれば、規模が小さく、経営もまだ安定していないスタートアップ企業への就職には不安もつきまとうと考えられます。応募者に寄り添い、悩みや不安を払拭できるような担当者なら申し分ありません。

前述したとおり、スタートアップ企業の採用活動は、知名度やイメージの点で大手企業などに比べて不利な面が多々あります。こうした状況下で求める人材を獲得するには、自社の魅力や採用に対する熱意を応募者に伝えられる能力も必要です。自社の経営理念や事業の発展性などを伝え、応募者に訴えかけるスキルもコミュニケーション能力の一つといえます。

2-2.社内リソースの管理・調整能力

通常スタートアップ企業では、ヒト・モノ・カネのすべてが足りていません。そのような中で採用活動を行うには、限られた社内リソースを最大限に活用できる管理能力や調整能力を持つ担当者が必要です。

採用活動に当たっては、どのリソースをどの段階で活用するのかを、しっかり管理することも必要です。採用したい人材の人物像を経営陣と協議したり、書類選考や面接に他部署の従業員を駆り出したりするには、高度な調整能力が求められます。

採用担当者だけでなく、多くの社員を巻き込んで全社一体となって実施する採用活動をスクラム採用と称します。人的リソースが十分でないスタートアップ企業では、しばしば採られる手法です。スクラム採用を行うには、応募者と各社員の日程などを調整する司令塔の存在が重要になります。

スタートアップ企業への転職を検討している応募者にとって、「一緒に働くことになるのはどのような人か」は大きな関心事です。全社一丸となっての採用活動は、応募者に自社の魅力を伝えたり、不安を取り除いたりするために有効ですが、それには社内リソースの管理や調整をする担当者の存在が欠かせません。

採用担当者には、他部署の従業員を巻き込みつつも業務に悪影響を与えないようにする調整力や交渉力が必要です。さらに、幅広く目配りして変化があれば即応できる対応力を兼ね備えた人材が向いています。

2-3.マーケティングや営業の知識・経験

近年、採用活動にマーケティングの考え方を採り入れる手法が浸透しつつあります。マーケティングのフレームワークを利用して、採用活動を最適化しようとするやり方です。基本的な考え方は、以下の3点です。

  • 自社の認知度をいかに高めるか
  • 自社への志望度をいかに高めるか
  • 自社のファンをいかに増やすか

認知度を高め、ファンを増やして母集団を形成していくことは、採用活動を成功につなげるための仕組みづくりといえます。採用担当者にマーケティングや営業の経験がない場合は、マーケティングや営業部門の従業員を採用活動にアサインするのも一案です。リソースの不足と見れば弱点ですが、融通無碍な対応ができるのはスタートアップ企業ならではのメリットと見ることもできます。


3.スタートアップの採用戦略で重要なポイント

スタートアップの採用戦略で重要なポイント

スタートアップ企業の採用活動は、手当たり次第にやっても成功はおぼつきません。採用戦略を立て、それに沿って実行していくことが大切です。

人材採用には、求める人物像の確立から始まり、募集方法の決定やエントリー、書類選考、面接、内定、入社までさまざま段階があり、それぞれに戦略があります。この項では、スタートアップ企業の採用戦略について、重要なポイントを解説していきます。

3-1.応募者のエントリー数を増やすことを第一に考える

採用活動を成功させるためのカギとなるのは、「応募者をどれだけ増やせるか」です。スタートアップ企業の大きな弱点の一つに、知名度の低さが挙げられます。知名度の低いスタートアップ企業の採用活動では、応募者のエントリー数を増やすことがまず重要です。

スタートアップ企業は知名度だけでなく、従業員数もかけられるコストも少ないのが一般的です。最小限の人手とコストで効果的に母集団を形成するためには、自社サイトの充実やSNSでの採用活動などが手法として考えられます。

採用手法の詳細については、後述します。

3-2.転職潜在層にも積極的にアプローチする

スタートアップ企業の採用活動においては、すでに転職活動をしている人だけでなく、これから転職を検討しようかという人や、よい会社があったら転職してもいいと考えている「転職潜在層」もターゲットとするのが一案です。

「よい出会い」があれば転職したい、と思っている人は少なくありません。本格的な転職活動を始めていない潜在層にも照準を合わせ、自社の知名度と魅力を知ってもらって選ばれるよう、積極的なアプローチを行うのがおすすめです。前述した自社サイトの運用やSNSを使った採用活動などは、転職潜在層へのアピールにも有効だと考えられます。

認知度の低いスタートアップ企業の場合、大企業と同じように求人広告を打つなどして「待ち」の採用活動を展開しても、埋没してしまって応募者増につながらないケースがあり得ます。これでは、元から潤沢とはいえない費用を無駄に使ってしまうことになりかねません。

コストをかけるのであれば、「攻め」の採用活動が検討対象です。知名度の低さに影響されにくいダイレクトリクルーティングやリファラル採用などの手法を使えば、転職潜在層に効率よくアプローチできます。使える費用が限られるスタートアップだからこそ、コストパフォーマンスの向上は重要です。

ダイレクトリクルーティングやリファラル採用については、後述しています。

3-3.大企業との差別化や独自のメリットのアピールを行う

人材獲得競争で大企業や有名企業と正面切って戦っても、スタートアップ企業の勝ち目はあまりありません。大企業などとは差別化した取り組みで、応募者に自社を選んでもらうようアピールするのが取り得る手段の一つです。

エントリーから面接・内定などの各段階で、応募者に自社を知ってもらい、付加価値のある体験をしてもらう手法を「採用CX」と呼びます。CXは英語のCandidate Experienceの略で、直訳すると「候補者体験」です。採用の各段階で付加価値のある体験を提供できれば、大企業との差別化にも有効です。

採用CXのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • ミスマッチによる内定辞退や早期離職の防止
  • 応募者が自社を紹介してくれる
  • イメージの向上が期待できる

採用の各段階で自社をより良く知ってもらい、自社の価値観や社風などを理解してもらうことで、ミスマッチによる内定辞退や早期離職につながります。企業から満足のいく対応を受けた応募者は、自社に対する愛着心を持って入社すると考えられるため、定着率が高まる期待大です。

応募者が採用時に心に残るよい体験をした場合には、知人に話したり、場合によっては転職を勧めてくれたりする可能性もあります。SNSなどに好意的な口コミを投稿してもらえれば、自社のイメージアップとして有効です。


4.スタートアップ企業がとるべき採用手法5選

スタートアップ企業がとるべき採用手法5選

スタートアップ企業の採用活動には、スタートアップ企業向きの手法を採るのがおすすめです。前述したダイレクトリクルーティングやリファラル採用、SNSを利用したソーシャルリクルーティングなどが挙げられます。

スタートアップ企業に適した採用手法5選を、以下にご紹介します。

4-1.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業側から直接応募者にアプローチする「攻めの採用手法」です。スタートアップ企業の採用手法としては、一般的なやり方と位置づけられます。企業側から応募者にアプローチするため、ターゲットが最初から絞られており、時間やコストの面でも効率的です。

転職活動をしている人だけでなく、前述した転職潜在層へのアプローチも可能な採用手法です。ただし、転職する気持ちが薄い相手にアピールする場合には、自社の魅力を伝えるだけでは不十分なこともあります。「わが社にぜひ来てほしい」という気持ちを伝えるのはもちろん、「なぜ自社に来てほしいのか」「どのように活躍してもらいたいと考えているのか」などを具体的に説明してください。

自分のスキルや経験を評価されて気分を害する人は少ないため、話を聞くのにポジティブな姿勢となってくれる場合が多いのもダイレクトリクルーティングのメリットです。


4-2.ソーシャルリクルーティング

X(旧ツイッター)やインスタグラムなどのSNSを活用して、求人情報の発信や欲しいと思う人材とのコンタクトを取るなどする手法をソーシャルリクルーティングと呼びます。SNSのアカウント取得は基本的に無料であるため、SNSを使った採用活動は低コストで運用できるのが利点です。

自社から発信した情報がSNSのシェア機能で広く拡散されれば、自社で呼びかけるだけでは届かないような多くの人に情報を伝えられます。自社のことを知らない人を含め、幅広い人材にアプローチできるのがソーシャルリクルーティングの魅力です。

ただし、拡散されるのはよい口コミばかりではない点には注意が必要です。差別的な表現や内部情報の漏洩など、うかつな書き込みで「炎上」してしまうと、知名度が悪い意味で上がってしまいかねません。ソーシャルリクルーティングを採用する場合は、担当者に研修を受けさせるなど、事前の入念な準備が必要です。


4-3.リファラル採用

リファラル採用は、自社に在籍している従業員から応募者を紹介してもらうやり方です。自社の従業員からの紹介であるため、低コストな点が利点に挙げられます。自社の価値観や業務スタイルなどとのマッチングがある程度検討されている点も、メリットの一つです。

「自社の従業員が紹介してくれる時点で一次選考は終わっている」と考えることも可能で、採用に時間をかけていられない企業には向いた手法といえます。ただし、従業員の紹介だからといって優秀な人材であるとは限りません。

リファラル採用の弱点は、多人数の採用には不向きなことと採用の時期を選びにくいことです。急成長期のスタートアップ企業では、ある程度まとまった人数を採用したいニーズがある場合も考えられます。そういった事態には、リファラル採用だけでは対応が困難です。創業初期は別として、リファラル採用は他の採用手法の補助的な方策として使うことをおすすめします。


4-4.人材紹介会社

自社が求める人材の条件を人材紹介会社の転職エージェントに伝え、条件がマッチする応募者を推薦してもらうやり方もあります。採用担当者がいなかったり、多忙だったりするスタートアップ企業には、効率よく人材採用が可能になる手法です。

前述したダイレクトリクルーティングやソーシャルリクルーティング、リファラル採用では、必ずしも相手に転職の意向があるとは限りませんでしたが、人材紹介会社に登録している応募者は転職する意思を固めています。採用活動から入社までの時間が短縮できるのが、人材紹介会社を使うメリットです。

人材紹介会社では、登録した各人のスキルや経験、希望などを把握しています。そのため、マッチングが素早くできるのです。

人材紹介会社のデメリットとしては、費用が成果報酬型となり、成果報酬の相場は想定年収の35~40%と高額になりやすい点が挙げられます。人材紹介会社に依頼する前に、メリットとコストを十分に検討することが必要です。

4-5.求人広告

オーソドックスな求人広告も、スタートアップ企業で取り入れた方がよい採用手法の一つとされます。求人広告は、自社の求人情報を転職サイトなどに掲載する「待ち」の採用手法です。

求人広告には、不特定多数の転職の意思がある人に向けて情報を送り出せるメリットがあります。求人広告にはさまざまな媒体があるため、スタートアップの魅力を訴求できるような媒体を選ぶのが肝心です。媒体選びでは、自社のターゲットとする人材がアクセスしているものを見極めることもポイントです。

掲載期間や掲載スペースの大きさによっては、費用が高額になる難点があります。それでも、スタートアップ企業が新規事業の立ち上げなどで一定以上の人数を採用しなければならないような場合には、求人広告の利用が向いています。

求人広告の掲載費用は、媒体によってまちまちです。掲載無料のものもありますが、相場は年間で100万~300万円とされます。媒体によっては、採用に至ると成果報酬が発生する場合もあります。成果報酬も50万~100万円程度であったり、想定年収の15%程度であったりとさまざまです。

5.スタートアップの採用活動で陥りやすい失敗

スタートアップの採用活動で陥りやすい失敗

スタートアップ企業の採用活動では、経験が少ないこともありうまくいかないことも少なくありません。スタートアップ企業では事業拡大への熱意が強い場合が多く、採用に関しても高い理想やスキルを求めてしまう傾向があるとされます。失敗の典型的な原因として挙げられるのは、以下の3つです。

  • 高すぎる採用基準
  • 価値観が合わない
  • スキルを正しく見極められない

それぞれの事例について、以下にまとめました。

5-1.採用基準を上げすぎた

少ない人員でやり繰りしている中で、事業が急拡大しているスタートアップ企業では、人材育成に時間をかけていられないケースが大半です。そのため、即戦力となり得る人材を求めることになります。しかし、採用基準を高くしすぎると対象者が見つからない事態となりかねません。

即戦力となる人材を獲得できたとしても、そうした人材は他社にとっても魅力的です。自社よりも好待遇を提示する他の企業があれば、そちらに流れてしまう懸念もあります。経験やスキルばかりを重視するのではなく、自社の価値観や企業文化になじめるかどうかを念頭に置いた採用を心がけると、採用がうまくいく可能性が高まります。


5-2.価値観や企業文化でミスマッチを起こした

十分な能力やスキルを持っていても、社内の雰囲気や価値観に合わずに早期離職してしまう失敗例も少なくありません。製品開発や市場環境の変化への対応、人材採用、給与支払いなど、多種多様な業務に少ない人数で対応しなければならないのがスタートアップ企業です。労働条件が厳しくなることも考えられ、自社の掲げる価値観や醸成された企業文化に共感していないと、離職してしまう場合があります

スタートアップ企業の採用活動で、価値観や企業文化とうまくマッチするかどうかの見極めが重要なのは、上述のような理由です。入社を決める前に、業務体験など社風を知る機会を設けて、自社と応募者の間でお互いにうまくやっていけるかを確認できるとミスマッチは減らせます。

5-3.選考時にスキルを見極められずギャップが生じたを感じた

人材採用は「水物」といわれ、大手企業でも、採用してみたところ期待値に達しなかったというケースも少なくありません。スタートアップ企業では、選考の際に求職者のスキルや能力を正しく見定めることができず、入社してから期待していた水準に達していないことが発覚する事例がしばしばあります。

即戦力と見込んで採用した人材が期待外れだった場合はとくに、スタートアップ企業にとって大きなダメージです。人材採用には、「採用してみなければわからない」という側面も少なからずあります。採用活動の失敗を防ぎ、成功率を高めるためのポイントは次項を参照してください。

6.スタートアップの採用を成功させるポイント

スタートアップの採用を成功させるポイント

前項では、スタートアップ企業の採用活動で失敗に陥りやすい事例を解説しました。では、どのようにすれば採用を成功させることができるのでしょうか。キーワードとなるのは「採用基準」「発信」「ミスマッチ防止」「大手との差別化」などです。

基準が確立していなければ、どのような人材を採用してよいか担当者は迷ってしまいます。知名度が低いスタートアップ企業では、情報発信は欠かせません。前述のとおり、自社の価値観や雰囲気とのミスマッチがあると、せっかく採用した人材も早期離職してしまう可能性が高まります。また、大手企業と同じように採用市場で戦うのではなく、差別化して応募者に目を留めてもらうようにする工夫が必要です。

以下に、スタートアップ企業の採用を成功させる6つのポイントをまとめました。

6-1.採用の基準を見直す

採用活動がはかばかしくない場合は、採用基準を見直すと効果が出ることがあります。採用活動に充てられる人員が少ないスタートアップ企業では、採用基準を明確に定め、それに沿って採用を進めるのが効率的です。採用基準の明確化は、後述するミスマッチの防止にも役立つと考えられます。

採用基準を決める際には、必ず備えていてほしいスキルなどの「必要条件」と、持っていれば望ましい資格などの「歓迎条件」に分けるなど、基準が高すぎず低すぎない適切なラインで設定するのがおすすめです。求めるスキルを設定する場合には、漠然とした表記ではなく、具体的に数字などを盛り込んで決めていきます。たとえば、「パソコンスキル要」とするのではなく、「システム設計経験3年以上」「基本情報技術者の資格保有」などと具体的で客観的な指標を示します。

6-2.積極的な発信で露出を増やしエントリー数を増やす

知名度において大企業に劣るスタートアップ企業の採用活動においては、能動的な情報発信がポイントになります。経営者自身がSNSや自社サイトなどを通じて、自らの言葉で経営理念や自社の魅力などを熱く語りかける手法は、効果的でかつ低コストです。

創業経営者の理念が伝われば、それに共感して一緒に働きたいと考える応募者が現れる可能性も増えます。魅力的な情報発信をするためには、自社に魅力的だと思われるような要素が必要です。ビジョンやミッション、事業の将来性、社内の雰囲気など「他社や大手企業にはない強み」を発信するのがおすすめです。

積極的な発信で露出が増えることによって自社のファンが集まれば、人材募集へのエントリーも増えることが期待できます。

6-3.カジュアル面談などでミスマッチを防ぐ

母集団が形成された後の採用選考に入った段階でも、スタートアップ企業の場合は気を付けた方がよい点があります。待遇などの条件面で他社を圧倒することが難しいため、応募者をふるいにかけて見極めようとするような選考方法では、面接をキャンセルされたり内定を辞退されたりする懸念が拭えません。

応募者を見極めるのが面接ですが、とくにスタートアップ企業では、同時に応募者から選ばれる企業となることも意識した方がよいといえます。しばしば使われる手法としては、最初の面接前に行う「カジュアル面談」があります。選考本番前にお互いの意見を交換し、意思疎通を図ることで、ミスマッチがないかどうかが事前に確認できるのがカジュアル面談の利点です。


6-4.ストックオプションの活用も検討する

転職の応募者は、自社だけではなく複数の他社にも応募しているのが一般的です。給与や福利厚生などを含めた条件面は、大企業を含む他社と比較される前提で考えておく必要があります。競合が多数ある中から自社を選んでもらうためには、差別化できるポイントが必要です。

スタートアップ企業の場合、年収や福利厚生で他社よりも有利な条件を提示するのは難しいかもしれません。その際、検討対象となるのがストックオプションです。ストックオプションとは、企業の役員や従業員が、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で自社の株式を取得できる権利のことをいいます。

ストックオプションを与えられた従業員らは、将来、株価が上昇したタイミングで権利行使することで、市場で買い付けるより低い価格で自社の株式を取得できます。「取得した価格より高い価格で市場で売却すれば、株価上昇分が利益として得られる」という報酬制度です。

ストックオプションは、将来に向けたインセンティブとなり得るだけでなく、離職を防ぐツールとも考えられます。採用した人材が「ストックオプションの権利を行使する前に辞めたら損になる」と思えば、離職を当面思いとどまる可能性が高いためです。

ストックオプションには、付与された従業員のモチベーションアップなどのメリットがある一方、株価が下がると逆に従業員のやる気が削がれるデメリットもあります。株式の流動性や株価の可視化が必要なため、スタートアップ企業の場合は上場を視野に入れている企業でなければ導入の意義付けが困難です。導入には煩雑な手続きを伴うため、とくに要員に余裕のないスタートアップ企業では、慎重な検討が欠かせません。

6-5.現場社員にも採用活動に協力してもらう

少人数で使える資金も少ないのが、スタートアップ企業といえます。大規模な求人広告を打つのも、人材紹介会社を経由して何人もの人材を採用することも難しいのが実情です。要員不足を補うには、人事担当ではない部署の現場の従業員にも採用活動に協力してもらうという手段があります。

営業・開発・企画などの現場で働く従業員にも採用活動に協力してもらうことは、職場環境や業務の進め方などが応募者に伝わりやすくなるのが利点です。どのような人が働いているのかを応募者が知ることにより、採用となった場合のミスマッチが減らせるメリットもあります。

求人広告の文章を考える際にも、実際に現場で働いている従業員の助力を得れば、リアルな業務の感触が伝わり、応募者に訴えかける力が強い文章となる可能性が高まります。

7.露出を増やしてスタートアップの採用を成功に導こう

露出を増やしてスタートアップの採用を成功に導こう

スタートアップ企業の多くは、要員と資金の不足が大きな悩みです。そのため、新たな人材を採用するにも苦戦しているケースが少なくありません。スタートアップ企業の採用活動を成功に導くには、いくつかのポイントがあります。成功に向けた大きな要素の一つが、情報発信です。

知名度では大手企業にかなわないスタートアップ企業が優秀な人材を採用するためには、自社の魅力や将来性、ビジョンなどを応募者に訴えかけることが必要です。露出を増やし、自社のファンを拡大し、大手企業との差別化を図って、スタートアップ企業の採用活動を成功させてください。

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