人事・採用担当者が取得したほうが良い資格とは?おすすめの資格一覧

採用ノウハウ

入社して数年経過すれば、一通りの業務をこなせるようになり「より上を目指す」気持ちの余裕が出てくるものです。なかでも人事・採用部門は「専門領域」と呼ばれ、プロフェッショナルとしての力量が求められることも少なくありません。だからこそ、実務をこなすだけでなく社会的に認められている公的な資格を取る意味があるといえます。 この記事では、人事・採用担当者が取得すると役立つ15種類の資格や資格を取得するメリット、役立つ具体的な場面について解説します。

1.人事・採用担当が資格を取得するメリット

人事・採用担当が資格を取得するメリット

人事・採用担当として資格を取得すると、仕事の幅が広がるだけでなくさらなるキャリアアップのための足がかりにもなります。取得の過程で身につくさまざまな知識や技術のなかには、実際の現場で即役に立つケースも少なくありません。

ここでは人事・採用担当による資格取得のメリットを、3つ解説します。

1-1.業務に役立つ知識やスキルを身につけられる

人事・採用担当の仕事は、人材の採用だけでも人物像の絞り込みや適した求人媒体の選定、人事評価や評価に基づいた人材の配置や育成など、多岐にわたります。しかも業務はそれぞれ専門的で、普段仕事をしているだけでは身につかない知識も多いのが現実です。しかし資格を取得すれば、専門的な知識を体系的に学ぶことができ、これまで言われるままこなしてきた業務も、より的確で円滑な遂行に役立てられます

なかでも労務の分野は、毎日の労務管理だけでなく健康診断やストレスチェックといった安全衛生や、労働問題への対応など実に広範です。このような業務に対応する知識・スキルは、国家資格である社会保険労務士資格でカバーできます。難関ですが、それだけに業務への即効性が期待できる資格です。

1-2.社内での評価が上がりキャリアアップにつながる

自ら資格を取得し、専門的な知識を身につけることは、社内での評価アップにもつながります。評価が上がれば会社は、より専門的な仕事や、これまでにない新しい仕事を任せるようになっても不思議ではありません。そのまま経験を積んでいけば、やがては部署やプロジェクトの責任者に任命されるなど昇進や昇給につながる可能性があります。

資格の取得にはかなりの時間と労力がかかりますが、プライベートの時間を使って勉強することが通常で、進んで取得しようという人は少ないのが現状です。そのような状況のなか、資格を取得すれば、それだけで人事・採用の仕事に対する意欲があることを表現できます。周囲の見方が変わっても不思議ではありません。

1-3.転職時に自分のスキルの説明や証明がしやすくなる

自分が業務をこなすなかで会得した知識やスキルが、どのレベルなのかを証明することは困難です。しかし取得している資格があれば、少なくともどのレベル以上の知識・スキルがあるかが証明できます

たとえば転職するとき、資格を持っていなければ、自分になにができるかは具体例を示して説明するしかありません。あるケースではこのような業務につき、別のケースではあのような対応をしたといった具合です。限られた時間ですべてを伝えるのは難しく、それが事実かどうか相手にはわかりません。しかし、資格を持っていれば、どのような知識・スキルが身についているか、最低ラインは判定できます。

資格を取得することは、自分自身が一定のスキルや知識を身につけていることの証明です。転職することになっても、再就職において頼れる武器になってくれます。

2.人事・採用担当の資格取得が役立つ場面

人事・採用担当の資格取得が役立つ場面

人事・採用担当者が資格を取得するメリットがあることはわかっても、すぐに「この資格を取得しよう」と決意できない場合もあります。これは資格が実際にどのような業務に活かせるかが不明確なためです。

そこでここでは、人事・採用担当の取得する資格が、どのように役立つかをみていきます。

2-1.採用活動における母集団形成

コロナ禍などの社会変化によって、採用を取り巻く業務は多様化が進んでいます。とくに採用候補となる人材の集まりである「母集団」は多彩です。求人広告の読者層や、採用メディアのインターネットサイト、求人元の自社メディアやSNS、自社社員の紹介によるリファラル採用などがあり、それぞれ一定の流入があります。

そのため人事・採用担当には、形成される母集団一つひとつへの適切な対応が求められるようになってきました。あるときは求人サイトの記事の見直しにデザインやマーケティング、SNSによる求人であれば種類ごとのユーザー層の把握、といった具合に幅広い知識や専門性が必要とされます。採用活動における母集団の多様化に対応するため、資格の取得が役立ちます


2-2.求職者とのコミュニケーション

人事・採用担当は、採用活動のなかで求職者とさまざまな場面でコミュニケーションを必要とするポジションです。会社説明会では会社の魅力や現場の様子などをいきいきとプレゼンし、面接では1人または複数の応募者の話を傾聴し、ときには本質が垣間見えるような鋭い質問をするといったコミュニケーションが求められます

また新卒採用では、とくに理系人材が貴重な現在、内定しても辞退する可能性があるため、人事・採用担当は適切にフォローすることが重要です。その際、仕事や将来のキャリア、生活設計などに不安を抱く内定者も少なくありません。そのようなとき国家資格である「キャリアコンサルタント」を取得していれば、一緒に不安に向き合いスキル向上の手段などを助言できます。これは既存社員への応用もできるスキルです。

資格の取得は、自社の社員や将来の自社の社員に対する高いコミュニケーションが必要な場面で役立ちます。


2-3.既存社員へのメンタルケアやメンタルヘルス対策

厚生労働省が2023年に公開した「労働安全衛生調査」によると、職場や仕事について不安やストレスを感じたことがある労働者は全体の82.2%にものぼります。これほど多くの労働者が強いストレスにさらされていれば、精神疾患が原因で休職または離職してしまう可能性は高くなるでしょう。

このような労働者のメンタルヘルス不調は、労働力不足だけでなく生産性の低下を招き、業績低下の原因にもなる深刻な問題です。2015年から企業にはストレスチェック制度が義務化され、メンタルヘルスケアの積極的推進が求められています

人事・採用担当は、精神疾患によって休職中の労働者の相談対応や復帰を支援するポジションです。メンタルヘルス・マネジメント検定や、産業カウンセラー試験といった資格を取得していれば、現場で大いに役立つと考えられます。

参照元:厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」

3.人事・採用担当におすすめな資格15選

人事・採用担当におすすめな資格15選

人事・採用担当が資格を取得しようとするとき、仕事内容の幅広さゆえに役立つ資格が多く、どれを取得するとよいか戸惑うことも少なくないでしょう。このようなときは今の現場の状況から、また近い将来への予測から絞り込むのも一つの方法です。

ここでは人事・採用担当が仕事に役立てられる資格を解説します。

3-1.人事総務検定

人事総務検定は、人事や総務に関するさまざまな知識や実務能力を身につけていることを証明する資格です。民間団体である「一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会」が主催しており、資格の種類は担当者レベルの3級と主任レベルの2級、課長レベルの1級に分かれています。

それぞれのポジションごとの、人事・総務にまつわる知識を体系的に学べますが、とくに人事・採用のうち「人事担当」としての実務能力を身につけたい場合に役立つ資格といえます。たとえば雇用契約書の作成、入社の際の各種手続き、社会保険、給与計算など、人材を雇用するとき法的に必要な手続きや関連知識を学べる資格です。

人事総務検定は、人事・総務のスペシャリストを目指す人だけでなく、社会保険労務士を目指す人、社会保険労務士の実務経験に備えたい人にも適しています。

3-2.キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、もともと民間の資格でしたが2016年から国家資格となった異色の資格です。それだけに資格によって得られる知識や実務の重要性は高いといえるでしょう。

キャリアコンサルタントは、職業の選択や職務能力の向上について助言や指導をします。たとえば希望するキャリアに必要な資格や、資格を取得するための手段、学習の方向性、個人的な生活の背景など総合的な視点で、その人の成長やキャリアプランの実現を支援する資格です。

キャリアコンサルタントは企業における人事・採用担当だけでなく、人材派遣会社や大学など活かせる場所が多岐にわたります。ただし、学科試験と実技試験の両方に合格しなくてはならない、難易度の高い資格です。より確実に取得したい場合は、開催されている養成講座などを受講するという方法もあります。

3-3.人材測定コンサルタント資格

人材測定コンサルタント資格は、企業などにおける採用や人事評価、昇進昇格時の選抜、適切な人員配置など、社員の育成に欠かせない人材の特性把握に関するスペシャリストであることを証明する資格です。

資格は大きく「評価分野」と「採用分野」に分けられます。このうち採用分野では、企業戦略に基づく具体的な採用戦略や求人マーケティングといった戦略的な知識から、人材の測定方法や面接のテクニック、内定者フォローといった具体的な手法までを詳しく学べます。

人材測定コンサルタント資格の取得には、特定非営利活動法人人事コンサルタント協会の認定教育コースを修了後、認定試験に合格し協会への入会が必要です。

3-4.採用コンサルタント資格

近年、日本では現役世代の人口減少による人材の売り手市場の状況が続いており、多くの企業がいかにして優秀な人材を獲得するかに悩まされています。このような採用に関するあらゆる問題を解決するためのコンサルティングサービスを提供するのが、採用コンサルタント資格です。

採用コンサルタント資格の有資格者は、求職者の母集団形成や応募数増加のテクニック、早期離職防止の対応策など採用に関するさまざまな問題を、深い専門知識や豊富な業務経験を用いて解決をサポートします。「採用」と名前がついているものの、取得までの過程で人事・採用だけでなく法律や経営の知識も学ぶため、関連する幅広い知識を体系的に習得できることが特徴です。

資格を取得するには、一般社団法人総合経営管理協会が開講している通信講座を3ヵ月間受講し、スクーリングと認定試験での合格が必要です。


3-5.メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、労働者の精神的な不調の原因となるストレスの防止・緩和といった対処法を学べる資格です。近年、日本社会は仕事内容や職場環境にあるストレスが原因で、精神障害を負ってしまう人が増加傾向にあります。企業は優秀な人材の確保のためにも、メンタルヘルス・マネジメントを必要としているのが現状です。

資格を取得すると、企業内部の心身に不調を訴える労働者やその周辺環境への対処を提案したり、あらゆる人材が活躍しやすい環境を整備したりといった、メンタルヘルスの視点から見た職場環境や人事制度の検討に力を発揮できます

メンタルヘルス・マネジメント検定は大阪商工会議所が主催する民間の資格ですが、内容は厚生労働省が作成した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」を参考にしているため、仕事の現場で大いに活用できる資格です。

種類は難易度の低いほうから、3種「セルフケアコース」、2種「ラインケアコース」、1種「マスターコース」があります。

3-6.産業カウンセラー

産業カウンセラーは、職場の労働者が抱える問題を自らの力で解決できるよう、心理学的な手法を用いて援助する役割を担っています

主な活動領域は次の3つです。

  • 雇用の不安定化や成果主義の導入といった労働者が受けるストレスへの対策とコントロール
  • 産業構造の変化や技術革新などによる雇用の流動化に耐えうるキャリア形成の支援
  • 職場における円滑な人間関係の実現のための支援

産業カウンセラー試験を受けるには、一定の受験資格が求められます。受験資格にはたとえば、日本産業カウンセラー協会が開講している講座を修了している、大学や大学院での特定の単位を取得しているなどがあり、受験資格を満たしていない人は、まず満たすことから始めなくてはなりません。ある程度の時間や費用が必要です。

3-7.ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は、人事や人材開発といった業務に必要な知識や実務能力の評価について学ぶための検定です。試験内容は厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠していることから、公的資格検定ともいえます。

試験はユニークで、「人事・人材開発・労務管理」や「企業法務・総務」「営業・マーケティング」など、さまざまな8つの分野にわたる試験41種類から選ぶ形式です。そのため、今の自分、これからの自分に必要なスキルについて学ぶことができます。人事・採用担当はもちろん、新卒求職者や中途求職者にとって広く門戸の開かれた検定ともいえるでしょう。

試験は難易度の低い順に、係長・リーダー相当の3級、課長・マネージャー相当の2級、部門長を目指す人向けの1級に分かれており、2・3級は選択問題、1級は論述式と難易度は大きく異なります。そのため合格率は2・3級が高い一方で、1級は低いのが現状です。

3-8.日商簿記

日商簿記は、企業において資金の流れを記録・整理、管理するだけでなく、経営実績を可視化する役割のある「会計」にまつわる専門的な資格です。会計のしくみや知識に加えて、財務諸表から情報を読み取るなど経営分析に必要な知識も身につきます。

難易度は会計の基礎的な知識を学ぶ3級、範囲が高度な商業簿記や工業簿記まで広がる2級、極めて高度な商業簿記や会計学などが含まれる1級の3つです。また、まったくの初心者が取得を目指すなら、3級よりも初歩的な簿記初級から始める方法もあります。

ただ日商簿記で学ぶのは、あくまで財務・会計に関する知識です。人事部門のような、会計とはあまりなじみのない部署において必須とはいえません。取得する理由が明確な場合にのみ、取得を検討しましょう。

3-9.衛生管理者

衛生管理者の資格は、就労中の労働災害や労働者の健康障害の防止を目的とした資格です。労働安全衛生法という法律によって定められた国家資格で、常時50人以上の労働者が働く事業場では、衛生管理者を1人以上選任しなければならないとされています。

規模の大きな事業場であれば専任で業務にあたれますが、多くの場合、他の労働者と同じような業務をこなしながら兼任することがほとんどです。それだけ大変な仕事ですが、労働者の健康と安全を守るための重要な仕事といえます。

資格を取得するには、次のいずれかの受験資格を満たしていなくてはなりません。

  • 最終学歴が大学卒業・短期大学卒業・高等専門学校卒業で、かつ労働衛生の実務経験1年以上
  • 最終学歴が高等学校卒業または中等教育学校卒業で、かつ労働衛生の実務経験3年以上
  • 労働衛生の実務経験10年以上

衛生管理者は、状況によっては必須の資格ですが、簡単に取得できる資格ではないため、取得していればそれだけで転職に役立つ利点があります。

3-10.外国人雇用管理主任者

近年、仕事を求めて海外から日本へ移り住む人が増えています。アルバイトや期間雇用ではなく正社員として雇用されるケースも多く見られます。そうなると実際の現場では、さまざまな国籍の応募者や社員が増えるため、人事・採用担当にはこれまでとは異なる種類の専門知識が必要です。外国人雇用管理主任者の資格は、まさにこのような状況で役立ちます。

外国人雇用管理主任者は、外国人を雇用するとき必要となるビザや保険といった知識を習得し、雇用する外国人をトータルでサポートする資格です。学習する段階でさまざまな知識が得られるため、今まさに外国人を雇用する状況にある場合、とくに即効性の高い資格ともいえます。

3-11.中小企業診断士

中小企業診断士は、中小さまざまな企業が抱えている経営課題の解決・改善のために診断や助言を行う専門資格です。仕事内容は主に次の3つです。

  • 企業の経営に関するコンサルティング
  • 経営改善計画書・経営診断書の作成
  • 中小企業診断士としての専門知識の発信

中小企業診断士は、企業が持つ経営課題について、解消するために必要なさまざまな資源を検討し、豊富な知識に基づいて策定された対処法をスケジュール設定まで含めて提案します。

また、経営改善計画書や経営診断書は、中小企業診断士にのみ作成できる書類です。とくに経営改善計画書は、金融機関から融資を受ける際に必要な書類であることからも、経営や経営改善に関する社会からの信頼性の高さがうかがえます。

資格を取得するには、一次試験で7科目の筆記試験、二次試験で4科目の筆記試験と口述試験に合格しなければなりません。合格率は例年、15〜25%程度でかなり低いといわれています。

3-12.社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づく国家資格で、企業などの労働者の労働や社会保険に関連する法律と、人事・労務管理の専門家です。企業で働く人材の「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資する」ことを目的としています。

法律で制定されているため、名称だけでなく専門的な業務も独占する資格です。資格には有効期限や更新がなく、一度取得すれば生涯活躍できます

資格取得のための試験を受けるには、所定の受験資格が必要です。試験は労働基準法及び労働安全衛生法、雇用保険法、健康保険法、国民年金法など計8科目から出題され、基準点以上の得点が求められます。

3-13.MOS(Microsoft Office Specialist)

企業の規模や所属部署に関係なく、広く利用されているマイクロソフトのExcelやWord、PowerPointなどのアプリケーションは、今や社会人必須のスキルといっても過言ではありません。これらのOfficeアプリケーションのスペシャリスト(専門家)であることを証明する資格がMOS(Microsoft Office Specialist)です。

Officeアプリケーションを使える程度には個人差があります。MOSは、あいまいになりがちな「使える」程度を客観的に証明する資格です。他の資格とはおもむきが異なり、筆記試験ではなく実技試験によって判定されるため、学習の過程でOfficeアプリケーションやパソコンを使う実務能力が身についていきます。

資格を取得するには、毎月1〜2回実施される全国一斉試験や、最寄りの試験会場で開催されている随時試験での合格が必要です。申し込み方法は異なりますが、どちらも受験後すぐに合否がわかります。Officeアプリケーションは世界で利用されているため、合格すれば資格は世界のどこででも有効です。現場での業務効率にも直結する、実効性の高い資格といえます。

3-14.マーケティング検定

人事・採用担当は、とくに求人の手段や告知媒体の選定などで、費用や効果を測り、より効果的な手法を見抜くマーケティング力が求められます。マーケティング力を身につけるため、習熟度に応じた等級を選べるのがマーケティング検定です。マーケティング検定では、基礎から応用までマーケティングに関する幅広い知識と実践的なスキルが試されます。

マーケティングの手法は、今や部署に関係なく必要とされるスキルです。マーケティング検定で資格を取得すれば、それだけ確固たる実践的な知識・能力を備えていることが証明されます。実務だけでなく、社内での昇進にも役立つでしょう。

3級と2級で出題されるのは、多肢選択式の問題です。受験資格はなく、随時受験でき正答率70%以上で合格できます。一方で1級の受験は、2級に合格していることが前提です。出題されるのは記述式問題が3問、合格は300点満点中60%以上の得点と、受験者全体の20%以内、さらに検定委員による審査で決まるという難関です。

3-15.ウェブ解析士

ビジネスにもインターネットが利用される現代において、マーケティングにもWebサイトなどへのアクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用することが当たり前になりつつあります。ウェブ解析士は、このようなデジタルマーケティングを通じて、事業の成果を導くための資格です。

試験では、ユーザーのウェブ行動を示す基本的な指標の判定や現状に基づく目標の設定、施策の立案、施策による効果の判定から改善までの一連の流れに必要な幅広い知識が問われます。

近年、採用活動でもインターネットが多用されるようになってきました。とくに自社WebサイトやSNSアカウントによる求人、業者を利用する際の効果判定に、ウェブ解析士の持つスキルは大いに役立ちます。

試験はオンライン形式で随時実施されており、四択問題を120分で50問に回答する形式です。合否は試験後すぐに通知され、合格していればデジタルバッジと認定証が発行されます。

ウェブ解析士は最も難易度の低い「ウェブ解析士」から「上級ウェブ解析士」、「ウェブ解析士マスター」の3段階がありますが、どれも有資格者はまだまだ少ない資格です。それだけに取得すれば大いに役立つ資格ともいえます。

4.資格取得を通して人事・採用担当としてスキルアップを

資格取得を通して人事・採用担当としてスキルアップを

人事・採用に限らず、企業での業務は「企業内最適化」を最終目的としがちです。しかし、とくに外部の人材と接する機会の多い人事・採用担当には、企業内だけでなく業務としての最適化が求められます。そのためには、社会から認定されるスキルを身につけ、認定された資格を取得するのが効果的です。

取得する資格を選ぶときは、今の業務や将来のキャリアを踏まえなければなりません。人事・採用担当の場合は、キャリアコンサルタント資格があれば労働者一人ひとりに合わせたキャリアや必要なスキル・知識が明確になります。また、メンタルヘルス・マネジメント資格を持っていれば、社内の労働現場や職場環境にある課題の改善が期待できます。適切な資格を選ぶ際には、より具体的な活用方法を考えることが大切です。

人事・採用担当の業務は多岐にわたります。一つずつ着実にスキルを身につけ、資格もまずは学習が実務に役立ちやすいものから取り掛かるようにしたいものです。

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