採用ペルソナとは?効果やポイント、設定方法を解説

採用ペルソナとは?効果やポイント、設定方法を解説

採用ノウハウ

採用活動を進めるうえで、採用ペルソナは欠かせません。採用ペルソナの設定により、社内で人材イメージを共有でき、ミスマッチの回避につながります。本記事では、採用ペルソナの効果や設定方法について解説していきます。

1.採用ペルソナとは?

採用ペルソナとは?
「採用ペルソナ」とは、自社が採用したい人物像のことを指します。性別や年齢、居住地だけでなく、家族構成や経験、ライフスタイルといった情報まで細かく設定することで、採用する人材のイメージを共有できます。

ここでは、採用ペルソナの定義や採用ターゲットとの違いについて解説します。

1-1.自社が採用したい人物像

採用ペルソナとは、自社が採用したい人物像のことです。性別や年齢、居住地だけでなく、家族構成・経験・ライフスタイルといった情報まで細かく設定することで、採用したい人物像をイメージできます。

例えば、「30歳男性・既婚・子どもなし・賃貸マンション住まい・埼玉在住・開発経験あり・週末はキャンプに行く・週末の休みを確保したい」といった条件を設定します。ペルソナ設定した人物像が、実際に存在する人をイメージできるくらい充実したものになれば、採用する人材のイメージを社内で共有できるでしょう。

1-2.採用ターゲットとの違い

採用ペルソナと似た言葉に、採用ターゲットがあります。ペルソナとの違いは設定する項目の数です。ペルソナが、性別や年齢、居住地から、家族構成やライフスタイルといった「ひとりの人物が想像できるところ」まで設定するのに対し、ターゲットは、性別や年齢、居住地といった「条件に当てはまるグループが絞り込めるところ」までしか条件を設定しません。

つまり、ペルソナとターゲットの違いは、人物を「作り上げるか」「絞り込むか」という点になります。

2.採用ペルソナを設定する目的と効果

採用ペルソナを設定する目的と効果

採用ペルソナを設定する目的や効果として、自社に適した人材を採用することだけでなく、人材のイメージを共有できることが挙げられます。現場と人事で採用したい人物像を一致できれば、採用活動もスムーズに進められるでしょう。

ここでは、採用ペルソナを設定する目的と効果について解説します。

2-1.自社に合った人材を採用できる

採用ペルソナを設定することで、自社に合った人材を採用できます。自社が欲しいと考えている人物  像があれば、採用活動もその人物像の獲得に向けた流れになるはずです。

採用ペルソナがない場合、誰に向けて採用活動するのか曖昧になり、求めていない人材ばかりが応募してくる可能性があります。採用ペルソナの設定により、採用活動の方向性が定まり、結果的に自社に合った人材採用につながるというわけです。

2-2.人材のイメージを社内で共有できる

採用ペルソナを設定する目的には、人材のイメージを社内で共有することも挙げられます。中途採用をする企業でよくある問題として、「現場と人事で採用したい人物像が異なる」ケースがあります。現場と人事で採用したい人物像が異なるのであれば、採用基準も異なるでしょう。そのため、なかなか採用が決まらなかったり、ミスマッチが発生したりといった問題が発生するのです。

採用ペルソナを設定しておけば、現場と人事での人物像のすり合わせができます。現場と人事でのイメージが一致すれば、採用活動はスムーズに進むでしょう。

3.採用ペルソナの設定に必要な項目

採用ペルソナの設定に必要な項目
採用ペルソナの設定には、「年齢・学歴・家族構成・年収」といったプロフィールや業務経験だけでなく、価値観や人柄といったパーソナリティの設定も必要です。自社の社員を参考に、欲しい年代やスキル、価値観をイメージしましょう。

ここでは、採用ペルソナの設定に必要な項目について解説します。

3-1.プロフィール

採用ペルソナの設定には、プロフィールが必要です。「性別・年齢・学歴・居住地」といった項目を設定しましょう。プロフィールは定量的に設定しやすい項目ですが、どんな人材を採用したいのかを想定して設定しなければなりません。

20〜30代の若い女性社員が多い会社では、40代の方を採用しても社風に合わない可能性があります。「どんな学歴の人材が欲しいのか?」「自社で不足している年代はないか?」「社風に合うか?」といった視点で考えましょう。

3-2.経験

業務経験やスキル、資格の設定も採用ペルソナの設定には欠かせません。設定したプロフィールから、「このプロフィールであれば、このような業務経験を積んでいて欲しい」といった採用したい職種に必要な経験やスキルを具体的に設定します。

総務部門の人材を募集する場合、「衛生管理者の資格を持っている」「Officeソフトを問題なく使用できる」というように自社での業務に即した人材をイメージして設定しましょう。自社の社員の業務内容やスキルを参考にすると考えやすいです。

3-3.パーソナリティ

パーソナリティも採用ペルソナの設定に必要です。プロフィールや経験が揃っても、自社に適した人材かどうかはわかりません。価値観や人柄といったパーソナリティが自社の理念や社風と合っていなければ、自社の意向に合わせた業務は困難でしょう。

安定志向の会社で長年勤務していた人材は、ベンチャー志向の会社には合わないかもしれません。その逆も同様です。

自社に合ったパーソナリティではなく、自社に不足しているパーソナリティを求める場合もあります。いずれにせよ、自社の理念に共感してもらえるようなパーソナリティを設定することが大切です。「どんな価値観を持っているか?」「どんな性格か?」といった視点で採用したい人材のパーソナリティを設定しましょう。

4.採用ペルソナを活用する5つのステップ

採用ペルソナを活用する5つのステップ
採用ペルソナを設定する場合、最初に目的を明確にすることが大切です。「なぜ採用するのか?」「どのような人材が必要なのか?」といった目的が明確になることで、目的に沿ったペルソナの条件を設定できます。

条件に優先順位をつけることも大切です。優先順位を付け、採用ペルソナに対して採用活動を進めることで、採用ペルソナを設定した効果が発揮できるのです。ここでは採用ペルソナを活用する手順について解説します。

4-1.目的を明確にする

採用ペルソナを設定する際には、まずは目的を明確にすることが必要です。どのような業務内容でどのような人材がなぜ必要なのかという目的がなければ、必要な人物像を設定することはできません。

例えば、新しい事業を立ち上げる場合、その事業を進めるための知識を持った人材が必要かもしれません。社内にリーダーシップを持つ人材が不足しているのであれば、リーダーシップを持つ人材が必要でしょう。

退職によって欠員が出た場合は、即戦力となるスキルを持つ人材が必要なはずです。反対に、知識がまったくない状態の人材を育てるといった目的の場合もあります。自社の状況や社風だけでなく、教育を担当する人や採用したい業務を管理する人の意見を取り入れながら、目的を明確にしましょう。

4-2.イメージする人物像の条件を書き出す

採用する目的を明確にしたら、次にイメージする人物像の条件を書き出しましょう。性格や仕事への価値観だけでなく、趣味や経験、ライフスタイルといった条件を、ストーリーを作っていくように書き出します。

総務の人材を採用したい場合、以下のように書き出します。

・28歳女性独身
・経理事務の経験が5年
・簿記2級の資格を持っている
・デスクワークが苦にならない
・人と話すのが好き
・経理事務では繁忙期の残業も経験していた
・週末は旅行に行く

このとき、経営者や現場にヒアリングすることが大切です。採用担当者のみで条件を書き出した場合、経営者が考えている人物像や現場が考えている人物像とかけ離れた条件になるケースがあります。そうなった場合、採用後ミスマッチが発生するかもしれません。

経営層や現場の担当者など、複数の人から意見を聞き、条件をピックアップしましょう。現場で活躍している社員にヒアリングするのも一つの手段です。採用したい業務であれば、「どんな価値観を持っていて」「どんな行動パターンか」といった視点で、条件を考えるといいでしょう。

4-3.ペルソナを設定する優先順位をつける

書き出したペルソナの条件に対し、優先順位をつけることも大切です。必要な条件をすべてあてはめようとした場合、能力が高過ぎる人物像になるケースがあります。実在しないような人物像になるケースもあるでしょう。

そうなった場合、なかなかペルソナに当てはまる人材が現れず、採用が決まらないといった可能性が考えられます。そのようなケースを回避するためにも、優先順位を付けることが大切です。書き出した条件の中で「必須条件」「あったほうがいい条件」「なくてもいい条件」を整理しましょう。

このときも条件を書き出したときと同様に、経営層や現場の担当者など、複数人で意見をすり合わせながら整理しましょう。

4-4.設計した採用ペルソナに対して募集と選考を行う

ペルソナの条件に優先順位を付け、採用ペルソナが出来上がったら、採用ペルソナに向けた募集と選考を実施します。採用ペルソナに当てはまる人材が応募するように、媒体にメッセージを記載したり、採用ペルソナに当てはまる条件を募集要項に取り入れたりしましょう。

このとき、面接担当者と評価基準をすり合わせることも大切です。採用ペルソナを基準にすり合わせることで、面接官の主観による採用を防げます。採用担当と面接担当者の評価基準を合わせることで、採用ペルソナを設定する効果が出てくるのです。

4-5.採用ペルソナを見直す

募集状況によっては、採用ペルソナを見直すことも必要です。採用ペルソナに適した人材からの応募がない場合、条件設定に無理があるケースも考えられます。自社の実績や風土、社会情勢の変化によって、ペルソナに当てはまる人材が応募してこないケースもあるでしょう。

募集方法が、採用ペルソナに適していない場合もあるかもしれません。ペルソナの設定から採用方法までのプロセスを見直し、どこに問題があるのかといった評価をしながら、採用ペルソナや募集方法を見直しましょう。

5.採用ペルソナの設定4つのポイント

採用ペルソナの設定4つのポイント
採用ペルソナを設定する場合、条件を細かく設定しすぎないことがポイントです。ペルソナは1つだけでなく、複数パターン存在することも理解しておきましょう。

また、採用ペルソナは、関係者で共有し、定期的に見直すことも大切です。ここでは、採用ペルソナを設定するポイントについて解説します。

5-1.細かく設定しすぎない

採用ペルソナは、細かく設定しすぎないこともポイントです。もちろん細かく条件を設定すればするほど、人物像をイメージしやすくなることは否定できません。しかし、あまりにも細かく条件を設定した場合、その条件に当てはまる人材を見つけることは簡単ではないでしょう。

条件が多すぎて、実在しないような人物になってしまうこともあります。採用ペルソナを設定することが目的ではありません。採用ペルソナの設定は、採用する人物像のイメージを社内で共有し、自社に合った人材を採用することが目的のはずです。

自社が求めている人材を採用するには、どのような条件が必要なのかというポイントを押さえた上で、ペルソナの条件を設定しましょう。

5-2.ペルソナは複数パターン存在することを認識する

自社で設定する採用ペルソナは1つとは限りません。募集人数が少ない場合であれば、採用ペルソナは1つでいいかもしれません。しかし、会社にはさまざまな部署や業務があり、業務によって求めている人材は異なるはずです。

営業職・総務職・技術職では、それぞれ必要なスキルや特性が異なるでしょう。仮に自社の採用ペルソナを1つとした場合、すべての部門に対応できるようなハイスペックな人物像が出来上がる可能性があります。そうなると、ペルソナに当てはまる人材を見つけることは困難です。

新卒採用であれば、個性ある人材を集めるほうが有益です。「リーダーシップを持った人材」「黙々と作業をこなす人材」「アイデアあふれる人材」などの多様な人材がチームになることで組織は成長するでしょう。

複数の部門や業務で人材を採用するためにも、採用ペルソナは複数用意しましょう。ペルソナが複数あれば、条件を細かく設定しすぎて採用機会を逃してしまうといったリスクにも対応できます。募集する人数にもよるものの、中途採用では1つの職種につき2つ程度、新卒採用であれば3つ程度のペルソナを設定しましょう。

5-3.定期的に見直す

採用ペルソナは、選考に使用して終わりではありません。選考結果から設定した採用ペルソナを見直すことも大切です。採用ペルソナに適した人材を採用したと思っても、実際に入社すると思ったよりも成果が出せなかったというケースもあります。

ペルソナの条件に当てはまる人材からの応募がなく、妥協して採用することもあるでしょう。社会情勢の変化や事業変更により、自社が求める条件が変わることもあります。定期的に採用ペルソナを見直すことで、今後の採用活動に活かすことも可能です。

「採用ペルソナは選考に活用できたか?」「採用した人材は成果を出せたか?」「現場が求める人材の条件は変わっていないか?」といった視点で条件を多角的に見直しましょう。

5-4.社内で共有する

採用ペルソナを設定したら、社内で共有することも重要です。採用担当者だけが採用ペルソナを考えても、本当に必要な人材を採用することはできません。関係する部署や経営者が納得した採用ペルソナを設定することで、はじめて採用ペルソナを設定した効果が出てきます。

社内で共有するためには、共有方法もポイントです。フォーマットにまとめて、誰でも確認できる場所で管理することで、条件の見直しにも対応できます。「どうすれば関係者が閲覧しやすいか」といった視点で共有しましょう。

6.採用ペルソナの設定方法を理解し自社に適した人材を採用しよう

採用ペルソナの設定方法を理解し自社に適した人材を採用しよう
採用ペルソナとは自社が採用したい人物像のことです。「年齢・学歴・家族構成・年収」といったプロフィールや業務経験だけでなく、価値観や人柄といったパーソナリティといった情報まで細かく設定することで、自社に適した人材を採用できるだけでなく、人材のイメージを社内で共有できます。現場と人事で人物像を一致できれば、採用活動もスムーズに進められるでしょう。

採用ペルソナを設定する場合、目的を明確にすることが大切です。「なぜ採用するのか?」「どのような人材が必要なのか?」といった目的が明確になることで、目的に沿った条件を設定できます。

ペルソナの条件は細かく設定しすぎず、優先順位をつけることも大切です。ペルソナは複数パターン存在することも理解しておきましょう。定期的に見直すことも大切です。

採用ペルソナの設定方法を理解し、自社に適した人材を採用しましょう。

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